整体コラム  「痒みって、何のためにある感覚なの??」 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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 整体コラム 

「痒みって、何のためにある感覚なの??」
未だに解明されていない「痒み」の医学的意義についての一考察・・・
痒みの意義は血流増加にある !?



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◆  初めに・・・                    

「痒み」を主症状とした疾患はアトピー性皮膚炎や蕁麻疹、皮膚掻痒症など数多くあります。本稿では、その様な各疾患個別の原因や治療法、あるいは予防法などのコラムではなく、未だに解明されていない「痒み」の解剖生理学的意義についての考察を認めています。
ご興味のある方は、是非ご一読ください。




1. 痛みとは・・・                                         

「痛み」については、国際疼痛学会において、
“実際に何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験”
と定義されています。
なんか~、、、難しい言葉づかいで、何を言っているのか分かりにくいですね。もっと簡単に説明してほしいと思います、。、が、
そこで私的に痛みについて上記定義を訳してみると、
“痛みとは、体に損傷が生じた時に、その部位を中枢神経にお知らせする為の感覚情報で、その目的はその損傷部位を防御し、治癒に導く為の行動を誘発する”
と訳してみました。
これもまた、少々ややこしいですから、もっと簡単に言うと、
“痛みとは、体の損傷(危機)をお知らせする感覚情報”
…でいいのかな、と思います。
まぁ、こんなところで堪忍してください。
ただ痛みについては、上記国際疼痛学会なるもので、キチンと定義づけられていますが、ところが「痒み」に関しては、キチンとした医学的な定義が未だに無いらしいですね。


◆ 痛みは損傷のお知らせ・・・



2. 痒みはなぜ退化しなかったのか…                             

先述の様に、「痒み」の医学的な意義については、現段階では不明だそうです。
先述の様に、身体の危機をお知らせする感覚=痛みと異なって、痒みという感覚が何を意味するのか、意外とよく分かっていないんですね。
でも、痒みという感覚が、進化の過程で退化してしまった人間の尾骨(尻尾)のように退化せず、現在でも感覚として現代人に残っているという事は、それなりに何らかの役割(機能-意義)が痒みに与えられているはずだ、と思います。もしその意義が無かったら、尾骨(尻尾)の様に痒みも退化し、現代人は痒み感覚を感じなくなっていてもいいはずですから、、、。


◆ 退化した尾骨…




3. 痒みと痛みを伝える神経は同一?!           

余談ですが、一昔前までは、痒みは痛覚の軽微なものであり、掻く事で痒みが抑えられるのは、痒い部位に明確な痛覚を与える事で、その部位の損害を知らせる為、、、と定義されていたそうです(☚現在では否定されている)。つまり「痛み>痒み」であって、痛みと痒みは兄弟関係みたいな、同種の意義のある感覚である、との考えだったのですね。
この事を神経解剖学的に言えば、以前は、痛みを伝える末梢神経と痒みを伝える末梢神経は同一である(C線維)、と考えられていました。ところが2009年ころ、痛みを伝える末梢神経と痒みを伝える末梢神経は同一ではなく、それぞれ別の独立した神経系である事が分かったそうです。それだけでなく、中枢神経的にも、痛み情報が収束する脳部位と、痒み情報が収束する脳部位に異なる脳部位がある事が分かってきました。これらの事から、痛みとの関連性が否定される事になったそうです。


◆ 痛覚情報と痒み情報は別々の神経系…




4. 痒みによる反射…その一 【引っ掻き反射】      

ところで痛みは、その痛みによる反射の一つとして「屈曲反射(別名:屈筋反射orひっこめ反射)」があります。この反射は、例えば右手にケガをして痛みが生じた瞬間、その右手を引っ込めようとする反射です。この反射は誰しも経験していると思います。例えば沸騰して熱いヤカンを触った瞬間、その手指を引っ込める反応ですね。当然この反射の意味は理解される事と思います。つまりその侵害刺激源から逃れる防御反応、つまり自己防衛のための反射運動ですね。


◆ 屈曲反射を生じさせる沸騰したやかん…

では痒みについては、どのような反射(反応)があるのでしょうか、、、。
それは「引っ掻き反射」が有名ですね。つまり痒い部位があると、その部位を掻把(☚ソウハ=搔きむしること)する反射のことを言います。この反射も、誰しも経験している事ですよね。
ところで、痛みによる屈曲反射の意義は、先述の様に防御反応(自己防衛)で説明されますが、痒みによる引っ掻き反射の意義は、、、、、となると、これがまだよく分かっていないそうです。
ちなみに、掻く事で痒みが抑えられる理由についてですが、かつては上記3の項で説明したように、痛覚との関連で説明されていました。しかしそれは2009年に否定されてしまったので、現在はよく分かっていないそうです。つまり、なぜ描く事で痒みが軽減-消失するのか、は不明なのですね。





5. 痒みによる反射…その二 【軸索反射】         

上記4の様に、人は痒くなった部位を「掻く」という、「引っ掻き反射」と呼ばれる反射運動がありますが、実はそれに関連して、もう一つ反射が生じます。それが「軸索反射」です。
≪軸索反射とは…≫
皮膚への刺激が、皮下の自由神経終末と呼ばれる神経を刺激し、そのインパルス(電気信号)が刺激部位に近接する血管を拡張させ、同部位への血流を増加させる反応(下図参照)。


◆ 軸索反射の神経経路…

ちなみに、その血管拡張(血流増加)により皮膚は赤く発赤します。その代表例が、皮膚を掻きむしった時に生じる「みみずばれ」ですね。


◆ 掻いた部位のみみずばれ…

 



6. 軸索反射(血流増加)!! これが痒みの生理学的意義なのか !?! 

この軸索反射は、皮膚を掻く事で自動的に生じます、。、というより、なぜ自動的に生じるのか、、、が、痒みという感覚を考える際に、大変重要だと思います。
つまり「皮膚を掻く事で自動的に軸索反射=掻いた部位の血管拡張=血流増加」に、痒みという感覚の生理学的な意義があるのでは、と考えられます。
結論を言うと、「痒み感覚によって引っ掻き反射を誘発し、それによって軸索反射=血流増加を自動的に生じさせ、その部位の局所免疫力を早期に増進させる(実際に皮下では様々な免疫系細胞が反応する)」が、痒み感覚の生理学的な目的なのでは、と思われます。


◆ 皮下の豊富な血管床…

この一連の反応によって、蚊などの小虫が皮下に注入した毒物を早期に処理できる態勢が整う事になります。
また小虫だけでなく、例えば何らかの理由によって皮膚のバリア機能(☚酸性皮脂膜や表皮角質)が破綻し、常在菌や通過菌が皮膚上で過剰に増殖しすぎた時に生じる痒み感覚も引っ掻き反射を誘発させ、それによる軸索反射⇒血流増加の一連の反応によって、皮膚のバリア機能の修復に直接寄与することが出来ます。
その意味では、痒みも一種の防御反応なのでしょう。

(過剰角化した皮膚表面の角質層を"痒み➡掻把"により落屑させる目的もある?!)


◆ 二つの皮膚バリア機能=酸性皮脂膜と表皮角質層…




7. 体毛が無くなった人間にとって、大変ありがたい感覚…それが「痒み」!!           
「小虫の接触(毒の注入)⇒痒み感覚⇒引っ掻き反射⇒軸索反射⇒血流増加(局所免疫力増強)」
進化の過程で人間の体毛が無くなった理由(仮説)の一つに「寄生虫や虫の住処になる体毛は不衛生だった」という説があります。つまり「体毛がなくなった理由は体を衛生的に保つためではないか」、という説です。
確かにその様な考え方も一理あるかと思います、。、というより、だからこそ、「体毛」という防御壁が無くなる事によるデメリット=「小虫に刺されやすい」に対して、何らかの防御策を講じる必要があり、それこそが「小虫の接触(毒の注入)⇒痒み感覚⇒引っ掻き反射⇒軸索反射⇒血流増加による局所免疫力増強」といった、一連の生理学的な反応なのではないでしょうか。
痒みによって誘発される軸索反射=血流増加(局所免疫力増強)…これが「痒み感覚の意義」ではないでしょうか。
逆に言うと、もし痒みという感覚が人間に無ければ、上記の一連の反応は生じにくく、小虫に刺されてもその防御反応(毒素の処理)が遅れる事になり、無防備な状態が続く事になりかねないからです。
以上が、本稿の結論です。


◆ 皮下の免疫細胞…



◆  あとがき                              

とは言え、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎など、痒みで苦しんでいる方々も多くおられます。その様な方々は、掻く事でその痒み症状が増悪する事が知られています。ですから本コラムの趣旨である『体毛が無くなった人間にとって、大変ありがたい感覚…それが「痒み」』は、ある意味、不愉快な内容かもしれません。その点については、申し訳なく思います。ただ本コラムは、今までよく分かっていなかった「痒み」という感覚の、生理学的な意義についての一考なので、その点に関しては、ご容赦して頂ければ幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。少しでも参考になれば、幸いです。
それでは、、、。

 

 

 

◆ 余談 なぜ痒い部分を掻くと、同部に「快感」が生じるのか…
「…痒くない所を掻いても、快感にならないのに ?!」

ところで、痒い所を掻くと、その部位にある種の「快感」を感じることが出来ますが、ではなぜ、痒い所を掻くと快感になるのか、、、その点について考えてみたいと思います。

皮膚に備わっている受容器(神経)は以下の通りです。
 ・痛覚受容器
 ・温覚 〃
 ・冷覚 〃
 ・搔痒覚 〃
 ・触覚 〃
 ・圧覚 〃
 ・振動覚 〃
 ・運動覚 〃
上記の各受容器がそれぞれの刺激に反応し、それを脳に伝える事で、我々はそれぞれの感覚を認識することが出来ています。

 




上記を見ると一目瞭然ですが、実は、「快感」を専門的に感じる受容器-神経は、現段階では確認されていない、という事です。ですから、皮膚を搔く事で「快感を感じる受容器が反応する」ということは、ありえないのです
事実、痒くない部位を掻いても触圧覚や振動覚などは感じますが、快感は感じないですからね。

ではなぜ、痒い部位を搔くと快感になるのか、、、ですが、それは複数の受容器が反応する事で、そのミックスされた情報が脳の快中枢を刺激するしくみになっていて(☚全くの憶測です)、それで快感を感じるのでは、と思います。
つまり、元々の「掻痒感」と、それにプラスして、掻く事で生じる「触圧覚・振動覚」が脳で統合(ミックス)されると「快感」になるのでは、と思います。

まっ、どっちでもいい妄想話しですが、お付き合いいただきありがとうございました。


 

 

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