35年前からの斜視の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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35年前からの斜視の整体治療

19診目でほぼ正中(95%)に回復した症例の解説です。

患者Mさん=49才-男性-会社員の症例より


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①    Mさんの病歴・・・小6の時から斜視に…
患者Mさんは、小学6年生の頃から少しずつ右眼の外斜視になってきたそうです(それまでは両眼とも正中だった)。眼科医の説明では、遠視による外斜視との説明を受け、眼鏡による矯正などの治療をされてきたそうです。ところが次第に悪化し、やがて眼鏡による矯正が不可能なレベルにまで進行した事の告知を受け、その時に「後は手術しかありません」と言われたそうです。Mさんは手術が否との事で整体、カイロプラクティック、オステオパシー、マッサージ、鍼灸、接骨院、気功、漢方など、ありとあらゆる治療を試みられていましたが、どれ一つとして全く効果が出なかったそうです。

 


②    Mさんの診察
・Mさんの身長と体重は180mc/82kgだそうです。
・複視は無いそうです。また乱視も無いそうです。
・眼科医での定期検査では、毎回視野検査、眼底検査、眼圧検査などでの異常は全く無いとの事です。ただ、右眼の対光反射の縮瞳反応時間が5~10秒ほど遅れて生じるそうです(左眼は正常)。この対光反射の遅延について眼科医の説明では「神経がどこかで圧迫されているのでしょう」との事だそうです。また、その原因については不明だそうです。
・視野は右眼が0.2で左眼が1.2だそうです。普段は右眼で見ている事が多いそうです。
・右眼はドライアイ気味で、あくびの際に左眼は涙が出るそうですが、右眼は出ないそうです。この事は5年ほど前から気づいていたそうです。また、鼻水も左鼻からは出るそうですが右鼻からはほとんど出ないそうです。
・頸部の気管が左方凸に1.5cmほど彎曲していました。後日、直近の胸部レントゲン写真を持参して頂きましたが、気管は軽度S字型に彎曲していました。また、右肺が左肺に比べて縦径が2cmほど短くなっていました。
・血液検査で異常を指摘されたことは無く、血圧も正常範囲だそうです。アレルギーも特に無いそうです。
・食欲はあり、便は毎日出ているそうです。排尿も「普通だと思う」との事でした。
・視診上、座位では左眼が正中にあり、右眼は外方(やや上方)にかなり偏位していました。しかし仰臥位では少しだけ右眼が正中に近づいていました。左右眼瞼とも下垂傾向でしたが、右眼瞼の方が下垂していました。また、顔の右半分が左半分に比べて1~2割ほど大きく(浮腫み?)見えました。この事は中学生時代からあったそうです。また鼻尖が右凸で「(」の字形に彎曲し、両顎-フェイスラインが左方に偏位して、オトガイ隆起が2.5~3cmほど左方に移動していました(鼻中隔湾曲症の疑い?)。
・遮閉検査・非遮閉検査で左右とも異常はありませんでした。
・表情筋の左右差は無く、耳鳴りや難聴もありませんでした。また、舌は正中に出すことが出来、カーテンサインも無く、嚥下・構語障害もありませんでした。
・触診上、頭顔面の神経学検査で左右差はありませんでした。頸部前面の筋肉群および顔面の筋肉群の緊張と圧痛がありました(特に右顔面~頸部)。
・胸腹部および頸部の聴診上、血管雑音は無く、腹部グル音は弱く聴取出来ました。
・腹部は緊満状態で、全般的に緊張と圧痛がありましたが、特に盲腸部と臍の右方に著明な緊張と圧痛がありました。腫瘤感はありませんでした。
・20代から次第に身体の右半身が重だるいそうです。特に右肩から首筋-後頭部にかけて常に凝っている感じがするそうです(20年前からの「右半身のだるさor鈍痛」の整体治療参照)。また、20代に歯並びの歯科矯正具をされていたそうです。
・小学生低学年の時に小児喘息に罹患しています。



➂ 治療目標と整体治療
   ⑴    海綿静脈洞の圧力を低下させ動眼神経の絞扼を解放する
   ⑵    腹腔から胸郭の緊張性圧迫を解放し、気管の歪みと顔の歪みを正常に復する

・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・頭頂・後頭・乳頭導出静脈解放テクニック
・消化管平滑筋テクニック
・腸骨はがしテクニック
・胸郭解放テクニック

 

 


④    経過と結果・・・
・初診時、

腹部の施術だけで気管の彎曲は50%程度改善しました。ただ、右半身の症状に変化はありませんでした。2診目以降から胸部・腹部の施術をすると、3診目以降には気管はほぼ正中に矯正され、これは治療終了時までずっと正常位に位置していました。
 

・初診治療後、

仰臥位において右眼はかなり正中に復していました。しかし座位においては外斜視に戻り、変化はありませんでした。これにはMさんも驚かれていて「実際にこんなに反応したのは、今までで初めてです」と仰って、スマホで撮影した施術前後の仰臥位での写真を何度も見比べておられました。


・2診目来院時には、

右眼は外斜視の元の状態に戻っていましたが、施術後には右眼は少し正中に向き、左右の白めの部分が均等近くになってきました。また、右眼瞼下垂が改善され、ほぼ完全に挙上していました(右眼瞼下垂はこれ以降から治療終了まで完全挙上状態がずっと維持されていました)。
 

・3診目来院時、

やはり前回施術後に比べて少し外斜視に戻っていましたが、「あくびの際に左眼から涙が出るようになりました」と仰っていました。施術後は少し正中に改善していました。
 

・その後、右眼は「施術後に正中に近づいては、翌来院日には正中から外方に離れる」を繰り返しながら、しかし確実に右眼は正中に近づきつつありました。また鼻尖からフェイスラインにかけての「(」の字形に彎曲も半分以上真っ直ぐに回復してきました。
 

・12診目来院時、

Mさんが「対光反射はどうなっているでしょうか?」と質問されたので、対光反射試験をしてみると、右眼に光を当てた瞬間に右瞳孔は縮瞳していたので、対光反射は正常に回復したものと思われました。ただ私は医師ではないので「担当医に確認してもらってください」と伝えました。
 

・行きつ戻りつを繰り返しながらも12診目以降から次第に右眼は正中近くで安定的になり、Mさんも「調子いいです」と仰っていました。実は初診時よりMさんは雑談時などに眼を合わせるとすぐに視線をそらしていましたが、この頃から視線をそらさず眼を見つめられるようになっていました。この変化も斜視の改善による変化だと思われます。
 

・19診目来院時、

目視ですが右眼は95%前後、正中に復していると思われました(正確には眼科医の診察が必要)。また「(」の字形に彎曲もほぼ真っ直ぐに改善し、左右の顔のバランスは正常に戻っていました。そして21診目までその状態が続きましたので、ここらで治療を終了する時期かと考え、外斜視の治療を終了することにしました。

 

 

 


⑤     今回の症例の概説、、、
◆ Mさんの斜視の特徴…治療のヒントになる

・斜視は先天的にも後天的にも色々な原因で生じますが、Mさんについては小学低学年まで何ら問題は無く、6年生になって右眼の外斜視と診断された症例ですので、とりあえず後天的な病態によって斜視が生じたとの仮定で診ることにしました。
 

・その仮定に立つと注目すべき所見はいくつかありました。
    1.座位で右眼の外斜視が酷くなり、仰臥位になると少し改善し正中に復する
    2.眼科医の検査による「右眼の対光反射の遅れ(
    3.右眼の涙の分泌低下
    4.右眼瞼の下垂
    5.Mさんの右顔部の浮腫み様の腫脹
    6.鼻尖からフェイスラインの左方への偏位
    7.気管の右凸の彎曲

などです。

 

・おそらくMさんの顔全般の腫脹と歪みは頸部から顔部の筋肉群の緊張だけでなく、腹部から胸部へかけての圧迫により気管が歪み、それも顔の歪みと緊張に関係していると思われました(☚施術により眉間~鼻梁~鼻尖~人中~オトガイ隆起の顔の縦のラインがほとんど正中に真っ直ぐになったので、鼻中隔湾曲症の可能性は低いと思われます)。
 

 

◆ 動眼神経の軽度麻痺が斜視の主因か、、、

・以上の事から主に動眼神経が何らかの理由で軽度に麻痺し、その結果として上記4と2の「眼瞼下垂(上眼瞼挙筋の軽度麻痺)、対光反射の遅れや内転筋の軽度麻痺(☚右眼外斜視)」が生じているのでは、と推測されました。

また3の「涙分泌低下」や5の「右側頭下窩(頬骨の深部)の腫脹」、そして6,7のフェイスラインの歪みと気管の歪みにより、副交感神経性で翼口蓋神経節由来の「頬骨神経➡涙腺神経」のルートも軽度麻痺し、涙の分泌が低下しているのでは。と推測されました。
 

 

◆ 「斜視が仰臥位で正中に復する」…海綿静脈洞に問題がある ?!

・次に最も重要な所見として上記1の「座位で右眼の外斜視が酷くなり、仰臥位になると少し正中に復する」があります。つまりこの所見は、姿勢により動眼神経の絞扼力が強くなったり弱くなったりする事を意味しています

では、どのような時にどの部位で動眼神経の絞扼が増強⇔減磁するのか、、、ですが、最も可能性の高い部位は「海綿静脈洞」だと推測されます

 

眼からの静脈が還流する海綿静脈洞

 

 

海綿静脈洞内を走行する動眼神経 (および他の神経・血管)

 

 

◆ 海綿静脈洞内圧の軽度上昇で動眼神経を絞扼…その伝導障害により斜視が生じる ?!

・下垂体の左右に広がる海綿静脈洞内を動眼神経、滑車神経、外転神経、眼神経および上顎神経が通過しますが、この部位の圧力増加で、主に洞内上外方の壁側に位置する動眼神経が絞扼され、軽度の麻痺を生じて眼瞼下垂や内転筋麻痺による外斜視を生じているのでは、と思われます。

ちなみに海綿静脈洞から下記a,b二対の静脈が後下方に出ていき、S状静脈洞を経て内頚静脈に流入します。
   a. 上錐体静脈洞
   b, 下錐体静脈洞


眼からの静脈が還流する海綿静脈洞および上/下錐体静脈洞

 

 

◆ 海綿静脈洞の内圧を下げ、動眼神経の絞扼を解放する整体治療で斜視を治療

・ところがこの二対の静脈洞は後下方と言ってもほぼ水平に近く後走するので、座位・立位だと流れにくくなり、海綿静脈洞の静脈圧が上昇します。その圧が動眼神経絞扼の原因になっている可能性があります

 

 

 

逆に仰臥位になれば上・下錐体静脈洞の走行は床方向へ下行するので静脈血が流れやすく、海綿静脈洞の圧は減じて動眼神経の圧が解放され、同神経が促通して内転筋の収縮力が増し、外斜視が少し改善されるのでは、と考えられます。
 

・以上の仮説から海綿静脈洞の内圧を下げる整体治療手技を用い、動眼神経の絞扼を解放する治療目標を立て、施術した訳です。その結果、ほぼ右眼はほぼ正中に復することが出来たので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と考えます。

 

 

 

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