自律神経失調が原因 ?! ヒステリー球(咽喉頭異常感症)と鼻呼吸-不眠症の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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自律神経失調が原因 ?!

ヒステリー球(咽喉頭異常感症)と鼻呼吸-不眠症の整体治療
患者Mさん=40才-女性-主婦の症例

 

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①    Mさんの病歴・・・
患者Mさんは、「呼吸の停止-圧迫感」の治療の為に来院されていましたが、ヒステリー球と鼻呼吸が出来ずに不眠気味であったので、これらも併せて整体治療する事になりました。

 



②    Mさんの診察
【ヒステリー球の診察所見】
・鼻呼吸をしたくても鼻が詰まってすぐに口呼吸になってしまい、その際に力んで肩に力が入ってしまうので、常に努力呼吸状態になっているそうです。そのせいか、肩と首がパンパンに張ってつらいそうです。
・鼻呼吸できないので不眠気味だそうです。


【呼吸の停止-圧迫感と鼻呼吸-不眠症の診察所見】
・今まで、心電図、肺活量、血液検査、O2濃度検査あるいは画像検査などの度重なる精密検査で、異常は全く出なかったそうです。
・胸の圧迫感を感じる部位は胸骨の下1/3の範囲だそうです。特に深呼吸時に、”つっかえ棒”の様なものをこの部位にはめられて「コツン」と詰まってしまって、吸気が途中停止する感じだそうです。
・これらの症状は一日中生じていますが、一番ひどくなるのは就寝時だそうです。
・肺炎などの呼吸器疾患や心臓疾患の既往は無いそうです。また、中耳炎、副鼻腔炎、花粉症の既往も無いそうです。
・虫歯は子供の頃からそれなりに治療していたそうですが、歯周病は無かったそうです。ただ、幼少期から歯ぎしりのクセかあったそうです。また、日常生活の中で、歯をかみしめる癖があるそうです。歯科医から「歯ぎしりのしすぎで歯に亀裂が入っています」との指摘を受けたことがあるそうです。
・胃もたれ感はあるそうですが、胸やけ、呑酸、ゲップなどは無いそうです。但し、アイスクリームを食べるとゲップが出そうになり、のどのつかえ感が強くなるそうです。
・食欲はあり、よく食べるそうです。本来、便は快便タイプだったそうですが、3年ほど前から少しずつ便秘気味になり、ガスも増えているそうです。
・月経周期は28~30日で、生理痛・排卵痛はほとんど無いそうです。
・胸部聴診上、特段の所見はありませんでした。
・腹部視診上、腹部全般的に膨隆傾向でしたが、特に心窩部から左肋骨弓にかけて膨隆していました。この腹部膨満傾向は3年ほど前から急に膨れて来たそうです。
・腹部聴診上、グル音は微弱で、血管雑音はありませんでした。
・胸部触診上、胸骨左縁1/3と同右縁(R5)に緊張と圧痛がありました。
・腹部触診上、全般的に膨隆していて、特に心窩部から左肋骨弓にかけて膨隆していました。打診上腹部全域で鼓音を聴取できました。肝腫、脾腫はありませんでしたが、肝叩打によって心窩部に放散痛がありました。心窩部から左季肋部に著明な緊張と圧痛があり、さらに回盲部から腸間膜根-十二指腸空腸曲にかけても著明な緊張と圧痛があり、空腸曲部の押圧で心窩部-胸部にかけて放散痛がありました。
・忙しい時の方が、これらの症状は軽度か、あまり生じないそうです。
・子供の頃からバレーやダンスなどのクラブに所属し、身体を動かすことは好きだそうです。社会人になってから今でも身体を使うパフォーマー的な仕事をされているそうです。自分では「裏方の仕事」をしたいそうですが、学生時代-社会人を通して「リーダー」に推薦される事が多いそうです。
・子供時代から、ジョギングなどをするとすぐに「横っ腹」が痛くなったそうです。

 



➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    舌咽・迷走神経の易刺激性を緩和する
  ⑵    ネザールサイクルを正常化させる

・舌咽・迷走神経解放テクニック
・頸部交感神経幹解放テクニック
・翼口蓋神経節解放テクニック

 

頸部から縦隔を下行する迷走神経

 



④    経過と結果・・・
・2診目来院時、

「ヒステリー球は少しマシでしたが、やはりすぐに鼻が詰まって口呼吸になります」と仰っていました。
 

・3診目来院時、

「この1週間、ヒステリー球は出ませんでした。でも口呼吸の方は変化がありませんでした。」と仰っていました。
 

・4診目来院時、

「息のつかえ感が少しずつ良くなっています。鼻呼吸もかなり出来るようになってきて、夜(就寝時不眠)が楽になりました」と仰っていました。ヒステリー球はほとんど無かったそうです。
 

・5診目来院時、

「着々と息が楽になっています。今回は(前回治療より)1週間も(息のつかえ感が)出ませんでした」と仰っていました。また鼻呼吸に関しては「かなり出来ています。最近、熟睡感が出てきて肩こりも気が付いたら軽くなっていて、身体も軽くなった感じがあります」と仰っていました。
 

・6診目来院時、

「鼻呼吸も楽にできて便も快調で、お腹もへっこんで嬉しいです。息のつかえはほぼゼロで、あっても今までの1/10以下の感じでした」と仰っていました。
 

・7診目来院時、

この2週間ヒステリー球はほぼゼロで、息のつかえ感、鼻呼吸ともに快調で安定していましたので、これで集中治療を終了し、様子を見と頂くことにしました。

 

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
◆ ヒステリー球は自律神経失調の一つか…

・ヒステリー球は精神的影響が強いと言われ、東洋医学的にはヒステリー球を梅核気と呼び、これを「肝気うっ血証(注1参照)」の一つの症状と弁証しています。従って、心理的アプローチが必要なケースもあるかと思います。しかし解剖生理学的には、咽喉頭の知覚神経である舌咽神経や迷走神経(☚自律神経)が絞扼的に閾値が低下し、易刺激性になって咽喉頭部に異常感覚が生じるもの、と考えられていて、一種の自律神経失調なのかもしれません。

 

・実際的にいうと、本症だけで心理療法を導入するケースは当院ではめったにありません。言い方が悪いですが、たかが喉の違和感だけで心理療法などの大仰な事をする習慣に、日本は無いからだと思われます。とは言え、本症が不快な症状である事に間違いは無く、集中力も減退し、何かと日常生活的に支障が生じるものです。
 

 

◆ ヒステリー球の整体治療…舌咽・迷走神経解放テクニック

・ですから当院では、ヒステリー球に対しては上記舌咽・迷走両神経が絞扼されやすい部位を解放する整体テクニックを用い、両神経の閾値を安定化させて易刺激性を改善させることで、ヒステリー球の解消をしています。

当院での実績として、かなりこの整体テクニックは、その効果は高いものがあります。
 

 

◆ Mさんの鼻閉・鼻呼吸も自律神経失調が原因か ?!

・次に鼻閉・鼻呼吸に関してですが、Mさんは花粉症など、アレルギー体質的所見は無く、鼻汁もほぼ生じない事から「血管運動(神経)性鼻炎)」的な機序を想定する事が第一だと思われました。これも上記ヒステリー球と同じく自律神経失調的機序ですが、その代表的失調部位は頸部交感神経幹翼口蓋神経節にあります

 

頸部交感神経幹(交感神経)=赤線部分

 

翼口蓋神経節(副交感神経)=赤部分

 

 

 

◆ 鼻閉・鼻呼吸の整体治療…頸部交感神経幹解放テクニック・他

・Mさんの所見・ライフスタイルから、全身的な自律神経失調傾向も伺えますが、その治療となると大それたことになるので、とりあえずは局所的な自律神経失調の治療である、上記二つの部位に対する整体治療(頸部交感神経幹解放テクニック・翼口蓋神経節解放テクニック)を施術することにしました。

結果的に、早期にほぼ全面回復に至ったので、今回はこの程度で良かったのでは、と思われます。






注1) 肝気うっ結証
肝の気が亢進する証で、東洋医学的には肝は「怒り・攻撃性」の性質を持つので、この精神的エネルギーが亢進して生じる、とされる。梅核気以外の症状は次の様なものがあります。
・抑うつ          ・胸内苦悶
・怒気           ・生理不順
・イライラ         ・生理痛
・えい瘤(甲状腺腫)

 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。

 

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