408.夢とアルフレッドⅡ~お前にはもう俺なんか必要ないのかと思うと惨めで 忘れてしまいたかった | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→407.夢とアルフレッドⅠ~あれが正夢になると思ったら怖くて…
久しぶりにチェギョンが戻った東宮殿のダイニングでの皇太子夫妻の会話をシン目線でどうぞ

 

 

チェギョンの話を聞いていた俺は 驚きのあまり相槌を打つのも忘れていた

俺に突き飛ばされて暗い穴に落ちた夢なんて心外だが…

実際は間違ってジヌに抱きついて突き飛ばされただと!?っち

しかも落ちた穴の中で 前を行く馬車の後を付けてみれば

馬車から降りて森の中に入った俺が 火事に巻き込まれたのではないかと…泣き叫ぶ夢だって?
だってそれはもしかして…俺の見た夢の結末じゃないか!
吸血鬼の俺が 森の中に暮らす吸血鬼のジテとミニョン達を道連れに死を選んだあの夢…

SideStory「吸血鬼」

ただの夢の筈が 同じ夢をチェギョンも見たというのか? いったいなぜ…
俺の夢との繋がりに気を取られていると…

実は俺が単独でフランスへ行ったときに皇太后がふらりとやって来て 厭味の一つも言わずに世間話をして立ち去ったなんていうから驚いた
何をしに来たと言うんだ?
ゴンドラの事故でチェギョンにどのくらいのダメージを与えられたか 様子を見に来たのか?
なのにチェギョンは散々自分を苦しめた皇太后を まだ気遣っている

「皇太后さまはお辛い思いをたくさんされて…人に心を開けない事を思うと あたしがもっと壁を作らずにいたら…ううん 皇太后さまの壁をよじ登ってでも どうにかできたんじゃないかって思っちゃうんだよね…」

「何を馬鹿な!お前は自分がそうじゃないから解ってないが 概ね人は自分を守る為に築いたバリケードを破られるのを嫌うもんだ」
「うん… シンくんと居るうちに そうなんじゃないかと学習したから 勿論おとなしくしてたデショ?
あれから 色々有ったわ
辛かったけど シンくんの傍に居たくて頑張った
だけどそれがそもそも間違いなんじゃないかと思ったら 一気に崩れちゃったんだよね

出て行く事を知られてしまったチェ尚宮お姉さんには勿論止められたよ!?

どうしても出て行くというのなら 私を殺してから行けって さもなきゃ シンくんに全部話してしまうって…
それじゃ計画は台無しだもの」
はは 流石のチェギョンもそれじゃ敵わないな

 

そして乾清宮の火事… あれは王族達が皇太后に立てたフラグだったが 同時にチェギョンを完全に封じる事になった

濡れ衣を着せられた俺を救う為とはいえ 自分が罪を被ればもう 自分の意思ではまず戻れない

空港で書いたというあの手紙は 俺を助けながら俺を捨てる相反する事が一つになった選択だった

(387.マカオの白い家~あまりに殺風景で… 高貴な方を迎える気持ちが足りぬではないか!)

 

チェギョンは アルフレッドを持ち去った経緯を ただ俺の匂いを持ち去りたかったからだと言った

なんだ…それだけだったのか…

てっきり済州島で別れた時と同じく もう会わない覚悟でそうしたのかと深読みした俺が あの時の惨めさを重ねてどれだけ凹んだと思ってるんだよ!

357.東宮殿から消えたモノ~俺を 完膚なきまでに叩きのめす必要が有ったのかよ?

だが 飛行機の中で アルフレッドを抱いて眠ったら ベッドに残して別れの挨拶をする夢を見たなんて…いうじゃないか
「幼いあたしが 抱いていたアルフレッドをベッドに寝かせてバイバイって手を振るの」

それだ それだよ!いったいなぜそうした?

「その時 シンくんが隣に居たら聞けるのにって思ったわ?
―これって ただの夢?あたし小さい頃アルフレッドに会った事が有るの?―
だけど シンくんは居ないから…腕の中のアルフレッドに
―あたし…小さい頃あなたに会った事が有るの?―
思わずそう尋ねたわ?
でも 勿論答えてはくれなかった」

「有るよ!
どうしてシンから貰ったばかりの僕を 置いて行ったりしたんだ?」
テーブルに座らせていたアルフレッドの足を掴んで チェギョンの鼻先に 押し付ける
「ふぇ?シ…シンくん…あはは 何?」

っち
「笑い事じゃ無い!本当に覚えていないのか?
俺の気持ちを踏みにじって去って行ったくせに
俺にとってお前は 皇太孫なんかになると誰もが皆一線を引き 離れて行くもんなんだと学んだ最初の一人だったんだぞ」
「はいぃっ?」
「記憶力の良い俺が 幼い頃お前と過ごした記憶が無かったのは 消し去ったからだったんだ

妙な夢を見たから 過去の記憶なのか確かめるために お前の誕生祝いに済州島に行ったんだ

もう忘れたか?海の見える丘に行っただろ?

あの丘で 小さかった俺とお前は おじい様とおばあ様とお前の爺さんの前で 小麦と大麦の歌を歌って踊った

278.二人きりの済州島旅行~眠ってもいいぞ 着いたら起こしてやるから

あの日俺は 久しぶりに会ったお前にアルフレッドを渡したんだ
お前は別の学校に入学したし 俺は皇太孫になって勉強漬けだった
当分会えなくなるが俺だと思って大事にしろと… それなのに ベッドに忘れて行きやがった」
「そんな…」
「お前ときたら 新しい友達の話ばかりしていた クラスの男の子が面白いとか 気の合う女の子が居るとか

俺はお前と離れて東宮殿の洋館に一人になったばかりで 夜になるとコン内官に泣きついて チェ尚宮に八つ当たりして 楽しい事なんかひとつも無かったのに」
「シンくん…」
「お前にはもう俺なんか必要ないのかと思うと 惨めで 忘れてしまいたかったんだ」
「ち…違うよ!
忘れたんじゃなくて置いてったんだよ!」

え?
「だって当分会えないんなら シンくんの方こそこの子が必要なんじゃないかって…
アルフレッドにあたしのかわりにシンくんをお願いねって…頼んだんだもん!」
「…チェギョン?」

「ん?あれ?なんで…
でもっ! うん そうだよ!確かに ベッドにアルフレッドを…
あ~~~~~っ!!!」
チェギョンは 急に甦る過去の記憶に 驚きの声を上げる
いつのまにか二人きりにしてくれてたコン内官とチェ尚宮が 慌ててダイニングへ戻って来た


「「いかがなさいましたか妃宮媽媽?」」
「あ いえ…あの… そろそろお風呂に入ろうかな… ね? へへ」
首を捻る従者二名


ははっ
なんか久しぶりに お前らしい姿が見れて 嬉しいよ

 

 

今日もありがとうございますカムサハムニダ
急に寒くなりましたね

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