Power of Love 15~リサの策略にまんまと嵌ってるわよ? | かおり流 もうひとつの「宮」

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このお話は皇太子殿下のご学友 インとヒョリンのサイドストーリー「Power of Love」です
一話目は既に限定に変更済で「Power of Love」更新中のみ
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http://blogs.yahoo.co.jp/mahonote18/12224839.html

 

 


自主練の合間に タオルで汗を拭いながら ミネラルウォーターのボトルを手にして テラスに出て 風に吹かれる
空を見上げると 先週は曇っていた空が今はとても晴れている
時差七時間 遠いけれど この空は 確かに韓国と繋がっていて 同じ空の下に… インもシンも ギョンやファンも 母さんも奥様も居る…
会えなくても みんなが 応援してくれている事が解っている
それだけで 強く成れる
晴れ渡った空を 真っ白な鳥が一羽 横切った
自分の踊る姿を後で確認する為に設置しておいたビデオカメラで その鳥を捕らえた
あの頃は 私もシンも 自分を良く魅せようと 周りの期待に応えようと 一人で躍起になっていたっけ… 空の青にも 決して染まらぬ孤独な一羽の白い鳥の様に…
でも今は イ・シンにシン・チェギョンが居るように 私にはカン・インが居てくれる…
たとえ離れていても まるですぐそこで見守ってくれているように温かい それがカン・イン


「あなたとシン・チェギョンの結婚式 パレードだけはフランスでも生中継だったわ
おめでとう お祝いが遅くなってごめんなさい
私は元気でやっています
早い物で こっちに来てから もうすぐ一年が立とうとしています
フランスの国立劇場で踊る事が決まったわ 群舞だけど 一年で役を貰えるのはスピード出世よ
どう?すごいでしょ?
あなたはどうしてるかしら? また孤独に陥っていたりしないか…時々すごく気になるの
でもそんなの杞憂よね?
私の知ってるあなたは 抜けるような青い空にも染まらず真っ白い 孤独な鳥のようだったけど
今のあなたにはもう シン・チェギョンが居るんですもの
また連絡するわ 今日はあなたに この空を贈りたくて」
短い手紙を添えて あの空を舞う白い鳥の写真を送った

そんな手紙を送った矢先に…皇太子夫妻は公務中に一般人から生卵をぶつけられたらしい
フランスのニュースでは”自ら望んだ恋しい幼馴染と結婚して浮かれていないか 国民に試されるイケメン皇太子”なんて揶揄されてた
心配で電話してみようかと思ったけど…私に出来ることなんてない
シンにはシン・チェギョンがついてるから きっと大丈夫だと信じるしかない

 

 

 

 


2006年の初夏 ジゼルの公演に向けて スクール生でオーディションに合格し役を手にした私達数名は猛特訓だった
インとの電話の途中で眠ってしまうほど疲れ果てていた
それなのに 役を貰えなかったとやっかむ子達は…リサと私は親のコネだなんて言い出した
「親のコネってなんなのよ?」
「ああ…ヒョリンは知らなかった?貴女は純粋に練習と勉学に励んていて 裏情報に興味ないものね」
「なあにリサ…裏情報って…」
「私 実はロイヤルバレエ団の総裁アドルフ・モンテブランの娘なの」
「嘘…じゃあ…コネって…本当に…」
「馬鹿ね 関係ないわ?父親なんて…名ばかりなんだから
良い話じゃないから話さなかったけど家に帰らない理由の…根源とでもいうか…
彼が私の父親なのは事実 だけど…母とは私が幼い頃死別して
忙しい彼は私をシッターや家政婦 家庭教師に任せてバレエの世界に生きてた
私が中学生の頃再婚して家庭を持ったんだけど…実は再婚相手の連れ子と私
幼いながらに恋仲だったのよ…勿論親は知らなかったのよ?
私たちはまだ子供だから きっといつかいい人に巡り合うと…別れを決めたんだけど…
引き裂かれると思うと火が付いちゃって…涙のロストバージン(笑)
私は家を出て… だから家には帰らないの」
リサ…笑って言うような話じゃないのに 笑っちゃうのはそうしないと話せないから…よね?

「そんな顔しないの 随分前のことだものもう平気よ
ただ流石に家族ごっこは気不味いってだけよ」
「ごめんなさい」
「どうしてヒョリンが謝るのよ!」
リサは目を丸くするけど…私何も知らずに…インに会いたいってグズグズ泣いたわ?
「丁度貴女と彼みたいにね 幼い頃から 母親を亡くした私と父親を亡くした彼は お互いを支えあってる大切な人だったの
長いこと時間を掛けて再婚を決めた両親もきっとそうだったわけ
だから子供の私達が身を引いたのよ」
明るいリサからは想像もできない衝撃的告白に言葉を失う私の髪を くしゃくしゃっと撫でてお姉さんぶった声で続ける
「貴女の気持ち すごく良くわかる
もっと甘えてあげたら良いわ ヒョリンは強がりだから
甘えてくれたら彼きっとすごく嬉しいと思うな」

初めて知った 努力しなくても実力のあるリサには悩みなんてなさそうに見えたのに
大きな傷を持っていたんだ…強がりはリサ貴女のほうじゃない…

でもそうねリサ あなたの言う通り
縁有って 大切な人と同じ気持ちで結ばれるなんていう確率 きっと凄く低いのね
インとの縁 大切にしなきゃ


夏休み インが長期滞在するとリサに話したら ホテルより部屋を借りると良いわと紹介してくれた
「初めまして カン・インです ヒョリンがお世話になってるのに 僕にまで親切にしてくださって感謝しています」
丁寧すぎるフランス語に リサはタジタジ
「ヒョリン!どうして彼がお金持ちだと言わなかったのよ!
こんな安くて狭いアパルトマン紹介しなかったのにぃ~~~」
あら インの格好や持ち物で良い処の坊ちゃんだとすぐに解っちゃったみたいね

「いえ 今回の長期滞在はできる限り親の援助を控えたかったから 本当に有難いです」
無駄遣いはするなと言われて考えたと言ったインは 少し日に焼けて 逞しくなっていた
私に胸張って会いに行き 長期滞在する許しを得るために 工事現場で日雇い労働もしたなんて 初耳だった
もう坊ちゃんだなんてからかうの止めなきゃね…

寄宿舎の二人部屋と変わらない広さに キッチンバスルーム 洗濯機やエアコン 家具家電付きの小さな部屋に 二人きりになると 緊張した
買って来たシーツをインが敷いている間に 私はお湯を沸かして ペアのマグカップに一杯ずつセットするドリップコーヒーを淹れる
良い匂いがしてきて ドリッパーを外している私を インが後ろから抱き竦めた
「ヒョリン… 飛行機で十分眠ったから 今夜は失敗しない 覚悟して?」
私の体を離さずに キスを要求する唇が耳元を彷徨う
「イン まだ明るいわ それに…」
「門限なら リサが誤魔化してくれるから お前を離すなって」
「ええっ!」
長期滞在中いつかはそうなると思っていたけど まさかもう?!

「空港でシンと話してるのに俺のこと見つめる目にドキドキして…あんな事したのに
怒らないから ここに来る間ずっと 早くこうしたいと思ってた」

韓国の重要な文化財を取り戻す交渉の為にフランスに滞在していたシンがインと入れ替わりで帰国した
数日前 韓国の皇太子妃が学校で大事故に遭ったというニュースはフランスでは簡素な物で 詳しい報道は無く 居ても立っても居られずシンに電話した
「残念だよ 一緒にそっちに行くはずだったから やっとお前に紹介出来ると思ってたのにな」
強がってそんな事を言ったけど…声が沈んでた
庶民出の妃は色々とバッシングを受け 体調を崩した末 大事故に遭ったのだとか…
フランスでの公務は目的を果たせたとかで やっと置いてきた愛妻の元へ帰れる安堵感が見て取れた

そんなシンの前で キスするなんて…
でも… 怒る気にはなれなかったんだもの…私だって 同じ気持ちだった
「凹んでるシンの前であんな…驚いたんだから!」
「ちょっと唇が触れただけだろう?
リサが言ってたよ アジア人はスキンシップが足りないって
もっとガッツリ行かなきゃ!って
恋人同士が再会した風景に見えなかったって 人目なんか気にするなってさ」
いつの間にそんな話を?

有無を言わさず唇を吸い上げられ…服を脱がされてバスルームに連れ去られた
「待ってよイン…待って…」
この夏はジゼルの公演 私 群舞とはいえ ロイヤルバレエ団では初舞台なのにこんな…
待ってよ…
「ヒョリンは色気が足りないそうだ」
肩から背中を滑る手のひらが 腰を撫で臀部へと這う
「リサが言ったの?」
「ああ…」
シャワーのコックをひねるイン
まだ冷たいシャワーの中で 熱いキスしながら会話するなんて…
「ヒョリンの躰綺麗ね なんて言ってたけど 二人で一緒に入浴までするのか?妬けるな」
「もう 何言ってるのよ スパよ 変な想像しないで?」
インの唇が私の肌をなぞって先端を リサったらインを焚きつけたのね!?
「リサの策略にまんまと嵌ってるわよ?」
「構うもんか どこまでもハマってやるさ」
「ジゼルの公演が…」
「しっ 今は何も考えるな 俺のことだけ考えて?」
「んっ あ…」
インの指先が私を探り始めると そう言われるまでもなくインしか感じられなくなる
シャワーの温度が丁度良くなる頃には既に インを受け入れる準備が出来てた
「イン…////会いたかった 愛してる ホントは私も もう待てないの…」
目を丸くして私の表情(カオ)を確かめる
「お前ホントにヒョリンか?」
「私だって あの後…何度も思い出して躰が疼いたのよ…インは違った?////」
「いいや 違わね…何度も夢でお前を抱いたよ」
「来て…」

 

 

 

 

今日もお読み頂き ありがとうございます好
明日は定休日ですが この続きをお届けします

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