詐欺師にご用心ー本当に身近にいる例
ここ数日、早稲田の投資サークルの詐欺事件がマスコミを騒がせているが(これもまた六本木ヒルズだ)、実は表に出てくるのは、まさに氷山の一角で、報道されない詐欺事件、詐欺師は想像以上に多い。最近、私自身も「この人が」という事実に接し絶句した。まさに事実は小説より奇なりだ。
先週、たまたま歯の詰め物が取れたので、そこをやってもらった歯科医を10年ぶりに訪ねた。すると、その場所にはその医院はなかった。マッサージ屋になっていたのだが、その経営者に聞いてみると、その歯科医は5年前に失踪したというのだ。何かまずいことをして。。。
早速、家に帰ってパソコンで検索したら、結構出ていた。どうやら違法な金貸しをしていたようだ。奥さんも元女優と聞いていたし、本当に意外だった。でも、こういう詐欺師の特徴で、学歴詐称もしていた。私には昭和歯科大卒だと言っていたのに、実は地方の知らない歯科大出身だった。でもどうせウソをつくなら、東京医科歯科とか言ってほしかったが。。。
今思えば、詐欺師の特徴を兼ね備えた人物だった。非常に愛想がいいのだ。患者一人一人が今どの歯を治療しているかも全て覚えていた。夜にカルテを見直していたそうだ。それなりに努力をしていたのだ。でも私としては技術的には満足できなかったので、その後はある有名歯科医に紹介されたところに通っていた。
この歯科医も、もともとは当然詐欺師ではなかったが、本業の資金繰りに困って詐欺師への道をひた走ったようだ。小室しかり、他の詐欺師もしかりだ。もちろん、人間は何か原因がないと詐欺師にはならない。「貧すれば鈍する」につきる。
となると、この不況下で、詐欺師は世の中にウヨウヨいることになる。詐欺師からお客様を守るのがファミリーオフィスの重大な業務なので、私も詐欺師の研究をしているのだが、向こうも一応「プロ」なので、騙されないためにはこちらも相手以上になる必要があるのだ。
石川忠雄先生の2回忌ー慶応の重鎮が参加
今日は私のゼミの指導教授である、石川忠雄元慶大塾長の2回忌が銀座の交詢社で開かれた。参加者は200名で半数弱がゼミのOBで残りは塾関係者だ。慶応三田会会長の服部禮次郎さん(和光会長)と慶応評議員会議長の福沢武さん(三菱地所相談役)が最初のご挨拶され、緊張の中で会は始まった。
しかし、この雰囲気も司会の宮本隆治さん(元NHKアナウンサー)の軽妙な語り口で和やかなものになった。石川先生の叙勲や文化勲章受賞の時のお祝いパーティでは、いつも司会は宮本さんなので、何度もお話はさせて頂いているが、なぜ宮本さんなのかは分からなかった。
実は宮本さんは慶応の少林寺拳法の主将をしていたそうで、その時に石川先生にお世話になったそうだ。紅白歌合戦を初め、歌謡番組の司会はこの人抜きには考えられないが、意外な側面を見た気がした。学生の時から、合唱部か何かに入っていたとばかり思っていたのだ。本人の歌の腕前は、、、分からない。
今週水曜日の日経「経済教室」に登場した、国分良成教授にもご挨拶ができた。今年の慶応塾長選挙では清家さん(現塾長)につぐ次点だったが、今や衆目の一致する慶大を代表する教授だ。私も学生論文集に出した卒論を国分さんに直してもらったので、未だに頭が上がらないのだ。その若々しい容貌は特徴だ。
評議員会議長の福沢さんは福沢諭吉のひ孫として、三菱地所の社長になったときに各誌で大々的に報道された。相当なボンボンと思いきや、幼いころは貧困に喘いでいたというから、世の中わからないものだ。このあたりの事情はご本人が日経に連載されていた。お話をしても、全然偉ぶったところがなく、苦労人という感じはする。
ともかく、1年ぶりにいろいろな方に再会でき、先生の遺影に顕花もできて満足な一時だった。
槙原稔さんが宇宙人と呼ばれた理由ー未だに日本企業では国際派のトップは少数
槙原さんの日経「私の履歴書」で、三菱商事の社長になってから社内会話は全て英語にしよう、とか社内メールは全て英語、とかの改革を行おうとしたところ、社員から宇宙人と言われたことが書かれている。確かに私も1993年ころに、三菱商事の友人からこの話を聞いた記憶がある。社内的には反対が多く、結局は槙原案は実現しなかったそうだ。
このように、日本企業あるいは政党でも国際派は少数派だ。ちょうど、鳩山総理も国際派で宇宙人と呼ばれているようだが、確かに国内派と思われる小沢一郎氏の方が力があるように見える。本来は小沢総理が実現したはずだが、西松問題で小沢氏が失脚したため、鳩山さんが総理になったのが今回の流れだった。
それほど、まだまだ日本では国際派で出世する人は少数だ。アメリカに何年もいると発想が奇抜になり(そうでないとアメリカでは評価されないのだ)、国内派からは宇宙人と呼ばれる傾向にある。経団連でも非常に優秀な国際派の役員がいたが、あまりに発想が奇抜すぎて宇宙人とも呼ばれていた。私などはその人の意見をよく聞きにいったものだが。
これほど国際化時代になって、英語で話すことが必要な時代であっても、全く英語がしゃべれないような人で企業トップになる人は多い。日本もまだまだという気がする。既に韓国や中国の方がその面では進んでいると思われる。彼らはむしろアメリカ留学経験や英語ができなくては企業のトップに上がるのは難しい。
日本人の国際化が叫ばれて久しいが、状況はむしろ悪化しているのではないか。大手企業はかつては「企業派遣」という形で若手を大量に留学させていたが、留学から返るとほとんどがやめてしまうため、今では企業派遣は過去の遺物となってしまった。世界の動きと反対のことをしているのだ。
どうしたらこの状況を一変できるのか、想像もつかないが、国内だけに閉じこもっていて日本企業が生き残れる時代ではない。徐々に変わっていってほしい日本社会の「弱点」だろう。
なぜ鳩山首相は温暖化ガス25%削減を国際公約したかー産業界の反対は無視
今日の日経朝刊のコラム「春秋」でも指摘していたが、鳩山首相の暴挙とも思える「25%削減」公約は、経団連で環境問題を担当していた私にも非常に違和感があった。以前の経団連と政治(自民党)との関係では、こんなことはあり得なかった。自民党の方でかなり極端な案が出されても、国際会議の前には経団連と何度も打合せをして、産業界寄りの結論になるのが常だった。
今回の「25%削減」は、民主党のマニフェストに載っており、民主党大勝はかなり前に予想できていたので、経団連も手をこまねいていたわけではなかろう。それにも関わらず、国連の場では鳩山さんに国際公約されてしまった。以前の経団連と自民党の関係ではありえないことが起こっており、世の中相当変わったな、というのが自分の正直な感想だ。もちろん世論は鳩山さんに賛成だ。大企業はまだ二酸化炭素削減に反対しているのか、というのがマスコミの論調だ。
このあたりの事情を本日の日経「春秋」では、「持ちつ持たれつの「政」と「業」の関係が変わり始めた象徴にみえる」とまとめている。これからまた、「経団連の役割、存在意義」が問われることになろう。私も20年近く経団連に勤め、留学を初めいろいろと勉強もさせてもらったので、ここは経団連の復活を祈るばかりだ。
これから経団連は民主党との関係をどうするか。民主党は政治献金の廃止を公言しているので、いよいよ難しい状況だ。ここは元「民僚」の一員として、優秀な先輩方の踏ん張りに期待している。
自民党は本当に再生できるのかー旧態依然の総裁選
盛り上がりには欠けるものの、自民党総裁選の3候補の討論がマスコミで放送されている。旧来型の自民党総裁選では谷垣さんで決まりだろう。でもそれでは、ほとんどの国民は「自民党も相変わらずだな」となってしまう。そうかといって河野太郎で党運営は本当に大丈夫かという不安がある。他に自民党には人材はいないのか、疑問を持ってしまう。
分からないのは西村氏だ。知名度がほとんどない人が、なぜ総裁選にいきなり出たか。森元総理が推薦したようだ。マスコミ報道によると、森さんの意図は、若手の票を分散させて谷垣さんを当選させ、自分の影響力を温存することだそうだ。相変わらずの自民党体質で、それが今回の自民党大敗を生んだことをまだ分かっていないのは、むしろ意外だ。
仮に谷垣さんが自民党総裁になって、自民党に対する支持が上がるかというと、逆だろう。この人は官僚寄りの考えが強く、公務員改革とか政府支出の改革とかには消極的だ。むしろ、もう削れるところはなく消費税のアップしかないという考えで、これはほとんどの国民感情に反するのではないか。
一市民として、一番不思議なのは、あれだけ負けたらその理由を分析するチームでもつくり、今後の反転の材料にすべきだと思うのに、どうもそういう目立った動きはないようだ。もちろん、多くの元議員はそう考えているのだろうが、なかなか落選した人の声は届きにくいのだろう。
個人的には、自民党にがんばってもらって、2大政党制を実現させてほしいが、今のままでは無理だろう。また執行部としても何をしたらいいの分からない、のが本音だろう。どう見ても鳩山ー小沢体制の民主党のほうが優れているように見える。自民党の新しい総裁、あるいは次の総裁あたりに是非、党を立て直してほしいものだ。
白洲次郎のお金の使い方
またまた白洲次郎のドラマが再放送されている。この人の生涯は分からないことが多いが、意外に最近まで生きていた人なので、コンタクトがあった人は多いのだ。私がお世話になっている伊藤公一さんは、その中の一人で東京でも軽井沢でも随分とご指導頂いたようだ。
伊藤さんから聞く白洲さんは、ドラマに出てくるような饒舌な人でなく、ニヒルで無口な人だったという。晩年の公職は軽井沢ゴルフクラブの理事長くらいだったようだが、ここでも反骨精神を発揮し、田中首相の訪問はあまり好まなかったようだ。SPをゴルフ場の中に入れなかった話は有名だ。
私の知りたいのは、むしろ白洲次郎の「お金の使い方」だ。特別な車に乗っていたのは有名だが、とても贅沢をしていたとは思えない。鶴川に住んでいたとは紳士のイメージとは違う。このあたりの感覚はイギリス生活の影響もあると思われるが、是非伊藤さんに聞いてみたいテーマだ。
伊藤さんは白洲次郎を尊敬しているので、かなりの影響を受けていると思われる。しかし、伊藤さんのようにユニクロのような大衆品を好んでいたとは考えにくい。でもこのあたりは想像 していてもしょうがない。写真で見る白洲次郎のかっこよさの裏には意外なことが秘められている可能性も高いと、経験的に思っている。
温室効果ガス25%削減はどのくらいのコストになるのか?
鳩山首相が国連で、温室効果ガスを日本は2020年に1990年比の25%削減を打ち出すという。もちろん、他国が追随することが条件だ。日本だけがいくら削減しても意味はない。問題はこれだけの削減(05年比だと30%)をするのにかかる「コスト」だ。
昨日の日経新聞の経済ゼミナールでこのことが触れられている。ここでは「マイナス19%」までの資産しか出ていないが、これがマイナス30%にまでなるとコストは加速度的に上昇する。おそらく数十兆円のレベルに達して実現不可能となるだろう。企業がつぶれるほどの削減をしても、さすがにこれは本末転倒だろう。
この「加速度的に対策コストが急増する」というには環境経済学的には常識だ。私がエール大で温暖化対策のご指導を頂いたノードハウス教授(サムエルソンの「経済学」の共同執筆者)は特にこのことを強調されていた。温暖化対策は「後になるほど」あるいは「目標を上げるほど」コストが急カーブで上昇するのだ。
鳩山首相の意見に対して、産業界は何をしているのだろうか。鉄鋼業界のように「何でも反対」と受け取られるような発言はだめだろうが、正論は言うべきだと考える。温暖化対策の影響は化石燃料を使う業界にとどまらない。もちろん温暖化対策は産業界もするのだが、企業がつぶれるような行き過ぎた案には断固として反対しなければならない。「持続可能な」対策でなければ日本人皆が困ってしまうのだ。
冷めた見方をすれば、鳩山さんが過激な案を言っても諸外国は付いてこないよという意見もあろう。アメリカや中国が大幅削減に追随するとはとても考えられない。最悪なのは、国際交渉の場で日本だけが厳しい削減目標を割り当てられることだ。この可能性もないわけではない。事実、京都議定書はそうだったと評する専門家も多い。
まだまだ国際交渉はこれからだろうが、対策はまったなしだ。また産業界だけに注目が集まるが、民生分野の二酸化炭素排出はかなり増加しているというデータもある。我々一人ひとりが対策できる分野でもあるので、一市民にとっては目標値に踊らされることなく、地道にやっていくしかないのではないか。
株式評論家にはご用心ー検証すると予想はほとんど外れ
世の中には「株式評論家」なる人々がいる。有名な人が数人おり、よくいろんなところで「無料」講演会などをしている。でもこの人々の言う事をきいて株を買うと損をする確率は高い。なぜか。。。
そもそも論として、株価の予測ができるかという問題がある。世の中のほとんどの人は、「証券会社や株式評論家はその道のプロだから値動きも読めるだろう」あるいは「一般の人よりは当たるだろう」と考える。しかし、これは大きな間違いだ。冷静に考えると分かるが、明日の株価が上がるか下がるかなんて神様でない限り分からない。
これを理論的に証明したのが経済学の大家であるサムエルソンだ。では、世の中の株式評論家はこのサムエルソンの説を知らないのか?いや皆知っている。ではなぜ、株式評論家などやっているのか?これは逆説的だが、株価が読めないことを彼らは熟知しているので、実際に投資は行わず、責任のない「評論家」をしているのだ。
例えば、ある有名な株式評論家は今年の初めに「10月には株価が6000円前後になる」と予測している。こういう株価が下がるという予想はむしろ例外で、彼らの背後には証券会社がついているので(証券会社からお金をもらっていることが多いので)「株は上がる」ということが多い。最も著名な株式評論家は「2008年はラッキー8で、株価は50%程度上がる」と予想していた。いうまでもなく、事実はその正反対になった。
しかし、こんな大間違いをしても彼らは今日も講演をしているのは不思議だ。彼らは過去の過ちは決して語らない。それどころか、過去の推奨銘柄で当たったもののみを強調する。ある、株式評論家が冗談で私に語ったのは、「推奨銘柄を5つ挙げておけば、そのうち必ず一つはあたるので、それを当たった、当たったと強調すればいい」とのことだった。何ともいい商売だ。
やはり株式投資に王道はない。逆に、ちまたの評論家の言うようにやっていれば儲かるのだったら、世の中億万長者ぞろいになる。結果責任のない人の言葉は信じないのが無難なのは、どの世界でも同じだろう。
谷垣禎一さんの思い出ー河野太郎との一騎打ちはなるか
鳩山新政権誕生でほとんど蚊帳の外だが、自民党の総裁選がある。谷垣さんと河野太郎が立候補するようだ。谷垣さんとは、谷垣さんが科学技術庁長官だった1998年2月、種子島でのロケット打上げの後、帰りの飛行機でたまたま隣同士となった。もちろんSP付なのでほとんど話はしなかったが、私もこのときには宇宙開発担当が6年目で科学技術庁の内情にも詳しくなっていたので、科学技術庁のことをいろいろと聞かれた。外の人からの意見を聞きたかったのだと思う。
その時の印象としては、苦労はしているのだけれども(司法試験で何度も落ちた話をされていた)2世議員特有の人のよさを感じた。自民党の最後のエースといっていいだろう。でも古い自民党を代表する人であることも事実だ。
その点、河野太郎は全く型破りだ。もちろん有名な一族で3世議員だが、「本当に」自民党を壊しかねない人物だ。少なくとも小泉さんより早く「自民党をぶっ壊す」といっていた。小泉さんの改革は、今は化けの皮がはがれ、今回の自民党大敗の一因になったが、河野太郎が自民党総裁になれば本当に改革をしてしまう、という恐怖というか期待を持たせる。
谷垣さんでは自民党が変わったとは誰も思わない。堅実だが、自民党の長期低迷を招く可能性は大いにある。河野太郎だと、自民党は本当になくなるかも知れないが、次回の選挙で盛り返す可能性もある。自民党議員が
現状を本当に壊滅的な危機だと考えれば、河野太郎が選ばれる可能性はある。外野としてはそちらの方がおもしろい。
現実には、人間はそう簡単に意識改革はできないので、谷垣さんが総裁になるだろうが、自民党の低迷はしばらく続くことになるだろう。民主党内閣の実力主義、適材適所にはとても今の自民党ではかなわないだろうから。
エール大学での殺人事件ー久々にニューへブンのことを思い出す
最近のエール大学医学部での殺人事件は日本でも大きく報道されている。私も19年前になるが、エール大学経済学大学院に留学していたので、おおよそ事件の起きた場所はわかる。大学の映像をみると、今回の事件は別にして、なつかしいものだ。ここはコネチカット州のニューへブンという人口20万人の中都市にある。
大学の校舎はオックスフォード大を真似てつくられている。ハーバードがケンブリッジ大を真似してつくられているのとは対照的だ。ニューヨークから電車で1時間半、ボストンからは2時間半の距離だ。ニューヨークから通勤電車が出ていて、その終点だ。1時間半だったら何とか通える範囲だ。
大学は1701年創立で、アメリカ独立前だ。その当時は原野に大学をつくったに違いない。世界の大学ランキングでは常に3位以内に入っている。ハーバード、エール、プリンストンの中でほぼ毎年順位は移動するが、上位3校は不動だ。それほど、アメリカの中でもこの3校は突出している。エールはロースクールが有名で、タフト、フォード、ブッシュ、クリントン、ブッシュと5人の大統領を輩出している。特に最近の大統領はエール出だ。
エール大学卒業生を通称、YALIと呼んでいる。ハーバード卒業生はHARVARDIANだ。こういう呼称がある大学は本当に少ない。アメリカの中でも特殊な地位を占めている感じで、私がエールにいた1991年に学生が射殺されるという事件が起きたが、これは全米に報道され、当時のパパブッシュ大統領は犯人を捜すようにFBIに指令し、3か月後に犯人が逮捕されたのだ。通常、目撃者がいないこの種の事件で犯人が挙がることは少ないようだ。
このニューへブンという街は、どこにでもある中都市だが、カーペンターズの生まれた街として知られる。幼い頃ここで音楽教育を受けていたようだ。エールに入ったわけではないが。ニューへブンに住み、5代続けてエールに入ったという名物家族が地元の新聞で紹介されていた。名誉なことなのだろう。
悪いニュースだったが、久々にエールでの学生時代(1年だけだったが)を思い出した。