株式評論家にはご用心ー検証すると予想はほとんど外れ | 日本ファミリーオフィス協会

株式評論家にはご用心ー検証すると予想はほとんど外れ

世の中には「株式評論家」なる人々がいる。有名な人が数人おり、よくいろんなところで「無料」講演会などをしている。でもこの人々の言う事をきいて株を買うと損をする確率は高い。なぜか。。。


そもそも論として、株価の予測ができるかという問題がある。世の中のほとんどの人は、「証券会社や株式評論家はその道のプロだから値動きも読めるだろう」あるいは「一般の人よりは当たるだろう」と考える。しかし、これは大きな間違いだ。冷静に考えると分かるが、明日の株価が上がるか下がるかなんて神様でない限り分からない。


これを理論的に証明したのが経済学の大家であるサムエルソンだ。では、世の中の株式評論家はこのサムエルソンの説を知らないのか?いや皆知っている。ではなぜ、株式評論家などやっているのか?これは逆説的だが、株価が読めないことを彼らは熟知しているので、実際に投資は行わず、責任のない「評論家」をしているのだ。


例えば、ある有名な株式評論家は今年の初めに「10月には株価が6000円前後になる」と予測している。こういう株価が下がるという予想はむしろ例外で、彼らの背後には証券会社がついているので(証券会社からお金をもらっていることが多いので)「株は上がる」ということが多い。最も著名な株式評論家は「2008年はラッキー8で、株価は50%程度上がる」と予想していた。いうまでもなく、事実はその正反対になった。


しかし、こんな大間違いをしても彼らは今日も講演をしているのは不思議だ。彼らは過去の過ちは決して語らない。それどころか、過去の推奨銘柄で当たったもののみを強調する。ある、株式評論家が冗談で私に語ったのは、「推奨銘柄を5つ挙げておけば、そのうち必ず一つはあたるので、それを当たった、当たったと強調すればいい」とのことだった。何ともいい商売だ。


やはり株式投資に王道はない。逆に、ちまたの評論家の言うようにやっていれば儲かるのだったら、世の中億万長者ぞろいになる。結果責任のない人の言葉は信じないのが無難なのは、どの世界でも同じだろう。