日本ファミリーオフィス協会 -61ページ目

政治と囲碁ー菅総理と与謝野さんとの会談に小川誠子さんが同席

昨日の菅総理は与謝野さんに会ったそうだ。表向きは囲碁を愛する二人が、囲碁界の華である小川誠子さんの棋士会会長を祝ったということだ。しかし、とてもそれだけとは世間は見ない。小川さんもこの時期に、この面子には参っただろう。でも久々に囲碁が脚光を浴びた感じだ。


昔は囲碁は政治と随分密接な関係にあったようだが、最近では囲碁棋士が政治の場に顔を出すことは本当に珍しくなった。小川さんは何度もお話したことはあるが、俳優の山本圭さんと結婚したことは有名だ。私が山本学さんのファン(「白い巨塔」の演技は素晴らしかった)だと言ったら、会わせてあげるわよと言ってくれた。梅沢由香里嬢が出てくるまでは美人棋士の代表だった。


小川さんはいろいろな雑誌でお偉方と指導碁を打っているので、その打ち方も一流だ。私の経団連の先輩でドラッカーの本のほとんどを一人で翻訳しているドラッカーの「日本における分身」、上田惇生さんも雑誌「経済界」で小川さんの指導碁を受けた一人だ。何と最終的に勝ったと上田さんから聞いて、早速その棋譜をファックスで送ってもらった。小川さんはうまく負けていた。


そういう人だから、菅さんと与謝野さんに囲まれてもうまくすり抜けたに違いない。今はこういうことができる人も小川さんと大竹文雄さん(日本棋院理事長で慶応囲碁部の顧問をお願いしている)くらいになった。もっとも、小沢一郎も囲碁好きで、依田紀基さん(元名人)と時々打っているようだ。これも依田さんがよく負けているようだが、さすがにあの迫力の人が盤の向こうに座っていたら、誰でもビビるだろう。


囲碁人口が少なくなっている今日、梅沢さんも「ひかるの碁」などで普及につとめているようだが、小川さんにもまだまだ活躍してほしい。





民主党の相続税課税強化に疑問ー超富裕層は海外移住が増える?

民主党は基本的に大企業やお金持ちに厳しい政策をとっている印象がある。菅首相は法人税は企業の国際競争力の観点から下げると明言し、大企業寄りの政策をとりつつある。しかし、個人富裕層に対しては相続税を強化する方針のようだ。アメリカでもオバマが富裕層への課税優遇政策を転換すると言っている。これはよくない動きだ。


日本は昔から嫉妬税制と言われたように、相続税の最高税率が高かった。一時期は88%くらいだったと記憶している。さすがにそこは下がってきたが、また上がりだしたら個人富裕層は相続税対策を考えざるを得なくなる。国の財政事情が苦しくとも、取れるところから取るという発想は不公平だし、最悪、超富裕層の国外流出という事態を招きかねない。


法人税も同じ議論があり、このまま税率が高いままだと日本企業は香港やシンガポールに本拠地を移転する可能性もある。それはさすがに日本としても困るので、法人税は国際的な水準までは落ちていくだろう。しかし、比較的移動の困難な個人は相続税の税率を上げられると本当に困ってしまう。


まだまだ民主党内でいろいろな議論があるだろうが、結果的に相続税強化になり日本の超富裕層が国外退去を始めると、日本としても困るだろう。超富裕層は目立たすに寄付をしている人も多いので、「数字」に表れているもの以上に影響は大きいことに注意する必要があるのだ。

日本人の超富裕層に対するアプローチの異常さー短期的なことしか考えない

何年か、ファミリーオフィスをやっていると、私の背後に超富裕層がいることから、本当に様々な人が近づいてくる。例えば、2年ほど前になるがテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の富裕層ビジネス特集で紹介された後、1週間で1000件くらいのメールがきた。半分が保険屋さんで、その500人の共通点は、「自分は日本一の保険セールスで、超富裕層のお客さんを紹介してください」というものだった。日本一が何人いることやら。。。


具体的な「提案」もあった。この保険を超富裕層に売れば1億円のコミッションが入るので山分けしましょう、というものだ。類似するものは多かった。私は「それは相手にメリットのある保険か」と聞くと、「メリットはないが、あなたも私も儲かる」という返事だった。私は「お金持ちを一発だますというやり方では長い付き合いはできないですよ」というと、「あなたは何をバカなことを言っている。お金持ちからコミッションを得なくてどうするんだ。商売が下手ではないか」というやり取りだった。


これは決して「特殊」な例ではない。日本の証券、保険、銀行、不動産業界のほとんどの営業マンは同じ感覚だ。「お金持ちを見つけたら、そのお金持ちからいかにコミッションを得るか」である。その結果は一発だますことにつながり、関係も長続きしない。短期的には儲かるかも知れないが、長期的には先細りだ。その結果、そういう業界の人は転職組が多い。私が「有料顧客の生涯顧客化」などというと、全く理解できず「あなたは宇宙人だ」というふうに考えるようだ。


ただし、最近は「長続きしない」ことが多くの業界で分かってきたため、「生涯顧客化」を本気で考える大手金融機関も出てきた。しかし、ここまでのところ、やはりサラリーマンは短期的に成果を挙げないと自分の出世に係わるので、我慢しきれずに、やはり昔ながらの一発だます作戦に回帰してしまった会社の話も聞く。当然、長年の日本の商習慣を変える話なので、一筋縄ではいかないが、「芽」が出てきたことは嬉しい。そのトリガーに永田町ファミリーオフィスなり、日本ファミリーオフィス協会がなれたら、これに勝る喜びはない。


私も何もしないわけにはいかないので、日経系の雑誌「ファンド情報」で超富裕層ビジネスの連載をしている。読んでいる金融に勤める友人からは「相山はこんなに自分のノウハウを開示して大丈夫か」というメールをもらった。しかし、私は「ノウハウなんてものは自分が努力してまた新たに開拓していけばいいもので、日本の超富裕層ビジネスが少しでも変わることが自分にとって重要だ」と応えると、「相山らしい考えだ」と納得する。


ともかく、少しでも、異常な日本の超富裕層ビジネスを変えていく活動をしなければいけないと日々感じている。



原爆投下の正当性ー20年前にハーバードの寮で議論

エノラ・ゲイの機長の息子が、原爆投下は謝罪する必要はないと言って物議をかもしている。しかし、その「立場」に置かれたら誰でもそう言うしかないだろう。問題は多くのアメリカ人、あるいはアメリカのインテリがどう考えているかだ。


オバマは核廃絶でノーベル平和賞をもらったので、当然、謝罪派であり駐日大使を初めて平和式典に派遣したのは評価できる。オバマと同時期にハーバードの大学院にいた私は、たまたまある東大留学経験のあるユダヤ人と議論し、彼の提案で寮のさまざまなバックグラウンドの学生と原爆投下について議論した。


日本人の私を前にしていたためではないだろうが、原爆投下を正当だと考えている学生はいなかった。当時、1990年にちょうどアメリカ政府が「原爆投下は戦争を終わらせた」などという文言を入れた切手を発行しようとして、大変な議論になり、結局この切手は発行されなかった経緯もあった。


さすがはハーバードの大学院生だけあって、理系の学生でも原爆など投下しなくても日本は同じ時期に降伏した、という時代背景を知っていた。しかも、「真珠湾攻撃」は日本がルーズベルトの謀略にかかったことを知っていた。ただし、この件についてはそれが戦争というものであり、結果的にアメリカの方が「戦略的」に勝っていたという解釈だ。結果を見る限り、その通りであろう。


戦争の解釈になると日米のみならず、日韓、日中で感情的な議論も出てきて、マスコミはそれをおもしろおかしく報道する傾向にあるが、少なくともアメリカのトップ層は原爆は正当などと考えておらず、その背景を深く考えている。そういう意味では、さすがに今更、原爆問題で日米関係がギクシャクすることはないなと安心もした。





日中逆転ーあらゆる業界が中国人なくしては成り立たない

今年はGNPで中国が日本を抜くことになるが、我々の生活面でもこれを実感することが多くなってきた。今日も銀座に行ったが、そこは中国人の街になっている。秋葉原、新宿も同様である。東京にとどまらず、箱根や那須に行っても中国人の団体客だらけだ。この現象により、復活した温泉街も多い。


観光や電気店ならずとも、高級レストランでもそのようだ。六本木の某高級レストランのオーナーは、リーマンショックの後にあまりに売り上げが落ち込んで店をどうするか、考えざるを得なかったようだが、最近は中国人富裕層の来店により完全に復活しているという。不動産業界も中国人が1億円くらいのマンションをどんどん買うので、リーマンショックから立ち直っている会社も多いという。


日本がバブルのころ、よく中国に行ったが、まさに隔世の思いがする。当時は円が強く中国人も円での支払いを求めてきた。当時は中国人にとって1000円札が相当の価値を持っていたようだ。20年後の今はまったく逆で、中国人が1万円札を大量に使っているという信じられない世の中になった。


今更、この状態を嘆いてもしょうがないので、これからは中国人をいかに商売に活用するかを現実的には考えるしかない。彼我の差は今後ますます出てきそうなので(10年後にはGNPの差が2倍になるという試算もある)、中国人の富裕層をいかに取り込むかが、日本の全産業のキーになるかもしれない。

銀行からの営業電話に唖然ー顧客軽視の例

今日は大手都市銀行から変な営業の電話があった。以前もあったことだが、マンションを買うときに大量のお金を都銀に入れて小切手をつくる時がある。その時に、銀行から「このお金は何に使うのですか?よかったら当行の投資信託に」などと、初めて話す「担当者」と名乗る人から電話がある。下手をすれば職場に電話があったこともあり、この時はあまりに非常識だと思ったので怒鳴りつけたら、部長に聞かれた。事情を話すと、部長も銀行は相変わらずそういう営業をしてくる、と半ばあきらめ顔だった。今でもこれは変わっていない。


まあ、大きなお金だったら投信にだまして(?)入れたときの手数料が大きいので、まずいことにせよ、分からぬことではない。ところが今日のケースはケタが一つ違っていたのに、営業の電話をかけてきたのだ。銀行も相当、投信が売れずに困っているのだなと感じた。それにしても、個人情報の最たる「預金高」を見て、ある程度のお金を入れると「このお金は何に使うのか」などと聞いてくること自体、日本は個人情報は何も保護されていないと感じざるを得ない。


今日の電話では、「担当者」から支店長に代わってもらったが、何と「こういう営業は金融庁も認めている」と強弁したり(本当だったら日本の金融行政に問題がある)、「上から言われていること」と言い訳したり(これは本当だろう)、支店長も大変だと同情した。私からは「あなたは顧客がこういう電話で迷惑をするとは考えないのか」と聞いたが、「当行の商品を案内(営業ではないそうだ)させて頂いただけなので迷惑はかけていない」とのことだった。長年、顧客のことなど考えたこともないと、こういう信じられないことをいうのだ。支店長は自分の異常さにも気づいていない。


日本で一番遅れている業界は銀行(金融機関)といわれて久しい。日本の銀行(金融機関)はいつになったら変わるのだろうか。顧客から儲けて自分たちが生きていることに気づかなければ、永遠に変わることはない。また国際競争にも勝てるわけもない。これからは、金融分野の強化なくして日本の発展はないのだ。


日本にまともな富裕層ビジネスを広めるためにー大手出版社の方と打合せ

当協会のミッションの一つは、「日本にまっとうな富裕層ビジネスを広める」ことだ。日本で富裕層ビジネスというと従来は怪しげな人がやっていたことも事実だ。例えば、数年前に当時は富裕層ビジネスといえば「SEVEN HILLS」と言われていたが、その臼井宥文編集長と懇談した。何とも胡散臭いスイスの留学の話をしていたが、当時から悪い噂があり、以後私は一切コンタクトしなかったが、昨年逮捕された。


このように、従来の日本は「富裕層=騙せて儲けられる相手」という先入観のもと、詐欺師まがいの人々が入ってくる分野だった。現在でも合法、非合法を問わずその傾向は強い。金融分野では、未だに超富裕層を見かけると「この投信はどうですか」とか「この保険はいいですよ」とか、すぐに商品を薦めて超富裕層に敬遠されることが日常茶飯事で行われている。


こんな状況がいいはずもなく、従来から当協会の広報担当の内藤忍さん(マネックス・ユニバーシティ社長)からは、相山さんもどんどん雑誌や本を出して世の中に訴えなければだめだ、とお叱りを受けている。昨年からは日本経済新聞系の「ファンド情報」で「超」富裕層ビジネスの連載を行っているが、より一般の人々に訴えるために、今日は出版社の方と本についての打合せをした。


日本に大手といわれる出版社は数社あるが、その中で一番に知名度がある会社のご担当の方々と打合せさせてもらった。他の大手出版社の方とも以前打合せしたこともあるが、やはり会社は「人」で、その出版社の方は酷かった。打合せ時にファミリーオフィスのことについて何も勉強していないのだ。今日の方々はさすがにそんなことはなく、かなり勉強されていてポイントをつかれていた。プロならこうなくてはならないと再認識もした。


ともかく、NPOの目的は基本的に普及啓発なので、日本に「ファミリーオフィス」を広めるため、NPOの代表としてあらゆる機会を活用して広報していかねばならない。





日本の金融機関の不思議な「富裕層ビジネス」-顧客のニーズは関係なし

日本経済新聞社系の雑誌「ファンド情報」で昨年の10月から「富裕層ビジネスーその傾向と対策」という連載をしているが、先月のは結構反響があった。タイトルは刺激的なものに編集部が変えてくれて「日本の金融機関はなぜ失敗を繰り返すのか」というものだ。まあでも内容はそういうものだ。


欧米で富裕層ビジネスをしてきた人と話をすると、必ずこの話になる。日本の金融機関はセグメントも何もなく、プライベートバンキングでも一般リテイルでも同じアプローチをするというものだ。先日もある金融のプロと懇談したときに、またこの話になった。しかし、これはある意味当然で、3年後ごとの人事異動のなかで、「たまたま」3年間プライベートバンキング部に配属になったので、従来と同じ営業を続けるのだ。またそれしかないのだ。


金融機関の営業マンとしては、顧客と一生付き合うつもりも、また人事異動があるのでその必要もなく、ただ目先の営業成績を挙げることが目標だ。そうなると、お金持ちを一発騙すことが目標になってしまう。これはしかし、サラリーマンとしては仕方がない。超富裕層は顧客になるまで2,3年かかるそうですよ、などと上司に言えば、その人は富裕層ビジネスが分かっている人ではあるが、その組織にとっては(上司にとっては)必要のない人である。


その結果、金融機関でも超富裕層と長期的な関係はできず、また超富裕層の方も「証券会社にだまされた」ということが繰り返されている。これはとてもまともな世界とは思えない。そろそろ何とか変えねばならないが、金融機関側から変えようという動きは未だに見られない。


そのあたりをまともな世界にするのが、当協会の一つの使命でもある。これは言うは易く行うは難しの世界だが、何とかその変革へのトリガーにでもなることを私もしなければならない。

ある金融プロとの出会いー旧態依然とした日本金融界の人と体質

今日はある金融のプロと懇談させて頂いた。「金融のプロ」というと村上世彰氏が逮捕前の記者会見で自らをそう称したが、そんな安っぽいプロではない。ケンブリッジ大大学院を卒業後、一貫して欧米の外資系金融で働き、今は日本にいて、最近小規模の証券会社の再生を任されている方だ。


こういう方は結構いると思いきや、実際に日本の外資系金融機関の上の方で働いている人は日本の証券会社出身で「売る」のはうまいが、全く顧客のことなど考えていない人が残念ながら多い。本当の金融のプロとは顧客からの満足をもらっている人だ。一時期、村上世彰氏もハイパフォーマンスで顧客の満足を得ていたようだが、それが違法行為の結果であり、逮捕されてファンドが消滅しては、結局は全く顧客のためにはならない。


このプロの方の日本に来ての感想は、日本の証券マンは机上で国際分散投資などは知っているが、それを実際にどうやってやるか、実務でできる人は驚くほど少ないそうだ。また、未だに「売ってしまえば終わり」で1回騙せばそれでいい的な「売り逃げ」体質が強く残っているそうだ。確かに3年で人事異動ならば、フォローはできないので「売り逃げ」をして自分の成績だけ上げようと誰でも考えるだろう。システムの問題だ。


こういう悪しき日本金融界の体質を変えようと、私は「顧客から考える」ファミリーオフィスをつくったのだが、道まだ遠しという感じだ。個人が被害に会うので、何とかしなければいけないのだが、なかなか楔が打てない。それでもあきらめずに、「顧客の側から考える仕事もある」ということを常にアピールしていくしかない。

投信を売る人の悩みー自分の利益か顧客の利益か

今日、ある投信販売の方から悩みを聞いた。同じ悩みは他の投信販売業者の方からも複数聞いているので、目新しいものではなかったが、内容は本質的なことである。それは「自分はしばらく投信は儲からないと思っているけど、それを売らないと収入が得られないので今でも売らざるを得ない」というものだ。自分の利益か顧客の利益かで悩んでいるのだ。極めて健全な悩みである。


彼らは独立系で、証券会社の営業マンを経て「顧客利益」のために独立した方々だ。ところが今、投信を売ることは顧客の利益にならないと自分の相場観では思っているのだ。そうはいっても生きていかなければならないので、売らざるを得ない。それではなぜ自分は独立してこんなことをしているの?という職業観そのものの哲学的悩みが生じているのだ。


証券会社で働いていたときだったら、そんな疑問を持っても上司からケツを叩かれ売っていた。しかし現在は自営で、売らなくても怒る人はいないので、真剣にこういう問題を考え込んでしまうのだ。「これだ」なんて回答は誰にもないのだろうが、「休むも相場」なんて諺もあるので、休んだらと私は責任のない戯言をいったのだった。


どの業種でも同じだろうが、顧客重視を貫くことは至難の技だ。自分が仕事で稼がなくてもいいのだったらできるだろうが、そういう人はあまりいない。顧客と利益が背反になった場合にどうするかでほとんどの人は悩むのだ。投信販売はその分かりやすい例に過ぎない。


幸い「ファミリーオフィス」は100%顧客の立場で考えるので、基本はそのような悩みはない。しかし、具体的に思いつかないが、顧客と利益相反が起きた場合にどうするかは、なかなか難しい問題になる。私は迷わず顧客の利益の方に走るだろう。だから「ファミリーオフィス」を運営する人はある程度の経済基盤がないといけない。貧すれば鈍するになったら終わりだ。


何とか終生、顧客の利益>自分の利益として仕事をしていきたいものだ。もっとも、ファミリーオフィスの場合そこを崩したら全てが崩れてしまうので、当然だが。