日本経済における中国の影響の急拡大に驚き
金曜日にもある中国ビジネス関係者と懇談したが、日本は今やあらゆる業界が中国頼みであることを実感した。私の「ファミリーオフィス」も例外ではない。顧客である企業オーナーの関心が中国にあるので、自分もそのニーズに応えなければならないのだ。
ファミリーオフィスの業務が中国とは、何とも違和感があるが、それが現実だ。弊社のお客様の全てが中国なくしては生き残っていけない状態だ。業種も多岐にわたっているのだが、全てが中国とは全く日中逆転の象徴だろう。しかも日本のバブル期のようにすぐに終わる話ではないだろう。これから数十年以上はこういう状態が続くのではないか。
もっともこれは日本だけではないだろう。もはやアメリカ経済でさえ中国なくしては考えられない。著名投資家で先見の明があることで知られるジム・ロジャースは、子息に中国語を教えているという。あと20年くらいで米中経済も逆転するだろうから、先を読める人はそういう対応をするだろう。しかもこの傾向は今後少なくとも数十年は続くだろう。2030年には米中経済が逆転するというシナリオもある。
但し、中国は先進国になってからまだ日が浅いので、まだまだ商慣行などで注意が必要だ。ブームにのって中国進出した企業の中には大怪我をしたところも多い。私も、曲がりなりにも大学時代中国経済を専攻していたこともあり、業務上の必要に迫られているこの機会に、大いに中国経済、中国とのビジネスについて勉強しようと考えている。
政治家は落ち込まないー小沢グループ幹部と立ち話
今日は小沢グループの幹部の方とちょっと立ち話をした。民主党代表選で小沢一郎が勝てば、今頃政府要人だった方だ。かなり落ち込んでいると想像したが、実際には元気そのものだった。政治家はこうなくてはいけないのだなと感じた。今回、一世一代の大勝負をされたと思ったが、また第二ラウンドもあろう、ということだった。
確かに、メディアの記事を見ても、菅内閣がこのままスムーズに行くとは思えない。ねじれ国会を乗り切れずに追い詰められることも十分考えられる。そうしたときに小沢待望論は当然出てくる。民主党の国会議員の半数をおさえていれば、次期総理は小沢一郎以外にはないという考え方もある。
そう冷 静に考えると、ジタバタすることは何もない。1年以内にチャンスはまた来ると考える方がむしろ自然かもしれない。戦前は小沢が負ければ政界再編と言われていたが、他に有力な総理候補がいない現状では、割って出て行くリスクよりも、党内に一兵卒として睨みをきかせ、じっと待った方がいいかもしれない。まさに「第二ラウンド」待ちだ。
政界は一寸先は闇とよく言われるが、逆に言うと「一寸先は光」といえなくもない。幹部の方の自信は、小沢一郎とずっと行動をともにしてきて、苦しいときも楽なときも経験してきた結果の達観のように見受けられた。
ハーバードを卒業してよかったことー中国ビジネスでもスペシャリストが
ハーバードの有名教授であるロバート・ライシュ(元労働長官)がその著書で度々言っているのは、「大学で大事なのは何を学んだのではなく、どういう人と会ったかだ」ということだ。エールでクリントンの同級生だったライシュらしい話だが、まさに私が最近集中してやっている中国ビジネスでもハーバードの卒業生の関係が役に立っている。
日本人でもハーバードに行く人は、私を除いて相当優秀だ。東大法学部トップとか京大法学部トップという人がゴロゴロいる。1年ほど前に知り合ったその先輩もそういう人だ。昨日お会いした時には「自分は英語がうまい」と言われていた。日本人でなかなかそれを言える人は少ないので、逆に相当な実力者であることがわかった。
この方は金融畑を歩んでこられ、最近の主な仕事は中国関係だそうだ。やはり金融の世界でも中国なくして仕事はできない。最近はある有名な日本の食品メーカーの中国進出を手助けしたという。しばらく食品をしたいそうなので、私の現在の案件もアドバイス頂くことをお願いした。上海でやはりハーバード卒業生で仲のいい人がいるようだ。
まあ、私のような実力のない人間は実力のある人を探してお手伝い頂かないと結果は出ない。まさに「ファミリーオフィス」のようなコンセプトだが、実力者の力を使って自らの力とするのは、これは経団連の仕事にも通じる。人間は中年になると、一番長く働いた方法でしか仕事ができなくなるという研究を読んだことがあるが、その通りだ。
仕事は全て「結果」なので、そのプロセスはともかく結果を出さねばいけない。自分の特異な人脈を活かして結果を出せれば、それもまた一つの仕事の「やり方」に違いない。
日本振興銀行がついに破綻ー木村剛とは何者だったのか
およそ10年前のある日、木村剛と初めて話をした。たまたま私の知り合いに富山中部高校のサッカー部出身の方がいて、木村剛の先輩に当たるという話を聞いていたので、その方の話をしたら、「ああ」という感じだったので、ちょっと驚いた。不遜な印象を受け、この男は長くないと直感したものだ。
いろいろなメディアで振興銀行の闇の話が出ているが、そういう噂を聞いたのはその直後だった。振興銀行の立ち上げの前だ。2004年には木村剛が「富裕層向け」のフィナンシャル・ジャパンという雑誌を創刊し、その創刊号にハーバード同期の桜内君(7月の参院選でみんなの党から当選)が出ていた関係で、この雑誌の当時の編集長に会って、5回ほどこの雑誌に登場させてもらった。
ところが、2007年にはもうこの雑誌も売れ行きが落ちて「富裕層向け」という看板を下ろした。サラリーマン向け雑誌に変えたのだが、たいていこういうことをすると逆効果になる。「ぶれた」という印象を持たれ、読者も減っていく。その後は自然消滅の途を辿らざるを得なくなった。
まあそれよりも、今回の振興銀行破たんで初のペイオフ出動。一般の人々に多大な迷惑をかけたことが許せない。自ら「金融維新を実現する」という大言壮語をしながら、実はとんだ「金融維新」になった。笑い話では済まされない。
日銀で木村剛の隣に座っていたという知人がいるが、木村剛は「言っていることとやっていることが違う」のが特徴だとも言っていた。著書では長期投資を唱えながら、実際には短期投資で損をしたり、ぶれまくっていたようだ。やはり何事もぶれるとロクなことにならない。
その点、澤上篤人さんなどは15年前から「インフレが起きるので株を買え」といい続けている。あと10年くらい言い続ければ本当にインフレが起きるかも知れない。そうなったら「当たった」ということになるので澤上さんの勝ちだ。人間ぶれてはいけない。但し、ぶれなくても一生当たらない可能性はある。
ともかく、目立ちたがり屋の木村剛はホリエモンや村上世彰と同じ最悪の結果を辿った。日本社会では目立ってはいけないのだ。この点は代々の名家、資産家から日常的に教えられていることだ。木村剛の失敗は肝に銘じて他山の石としよう。
キッコーマンの高梨家の方から日本型ファミリーオフィスのあり方について聞く
今日は当協会の第12回目の研究会だった。今回はキッコーマンや東京コカ・コーラの創業者一族である高梨一郎さんからお話を伺った。そのせいか、参加者が多く会議室も熱気ムンムンだった。高梨さんの方で素晴らしい資料を用意して頂いて、参加者も満足だった。特に、高梨さんが20年以上も前にイギリスのファミリーオフィスを調査したときの成果は、貴重な資料だ。
講演の最後は、日本型ファミリーオフィスは何に重点を置くかだった。私のお客様でも今や株や不動産で資産運用するなどという人はいない。2007年くらいに全部売却した方が多い。「結果的」にそれが正解だったが、そもそもお金を増やそうなんてニーズはないのだ。200億円を250億円にしても相続税で取られるだけだ。
そうなると、日本型ファミリーオフィスのポイントは「非金融サービス」となる。子弟教育や結婚、相続(争族)といった「家族の問題」が中心になる。まさにそれが、高梨ファミリーのような方のニーズなのだ。それを知らずに「お金持ちだから」という理由で投信などを売りつけようとするから、日本の金融界の富裕層部門は常に失敗するのだ。
長らくピクテで投信ビジネスをしてこられた湯河理事も、今後は非金融サービスが中心にならざるを得ないという意見だった。低成長で人口も増えない日本に投資するのはどうか、ということだ。やはり「日本型ファミリーオフィスのあり方」は非金融サービスにある。ここでしっかりフィーを取れる人が、今後は生き残るだろう。
穏やかな紳士である高梨さんは、非常に勉強家で知的好奇心の強い人だ。高梨家のファミリーオフィスも構想段階を超えて実現に向かっているようだ。そもそも「ファミリーオフィス」と「ファミリービジネス」は密接なつながりがあり、高梨さんはファミリービジネス協会の理事長で私はファミリーオフィス協会の代表だ。その点からも、これからもご指導を受けねばならない。
無能な善人を選ぶか、有能な悪人を選ぶかー菅・小沢対決のポイント
先日、あるテレビ番組で今回の民主党代表選を「無能な善人を選ぶか、有能な悪人を選ぶか」と位置づけたマスコミ人がいた。確かにその通りだ。政治家としての能力では小沢の方が数倍上なのは誰もが認めるところだろう。でも菅直人は、田中金権政治への怒りから政治家になり、総理にまでなったのは、その純粋な志を持っていたからだろう。まさに善人だ。
しかし、冷静に考えると、やはり人間性はともかく政治家としての能力、我々国民を幸福にしてくれる方を選ぶべきだろう。この点、アメリカは国民一人ひとりが政治を真剣に考え、民度は高い。クリントンの変態事件が発覚したときも、そのこと自体は悪いが政治家としては一流だ、ということで再選された。まさにアメリカ人は「有能な変態」を大統領に選んだわけだ。
ところが日本ではまだまだ、「有能な悪人」があっさり総理になれるほど、皆が政治について考えていない。未だに誰がなっても同じと考える人が多いのは残念だ。今回だけは菅が続投になった場合と小沢が総理になった場合で は相当違う。小沢剛腕が役人国家日本を変える可能性もある。
現在のところ、どちらが有利ともいえない接戦のようだが、まさに今回の代表選は国民の民度を試すいい機会だ。
「剛腕小沢」伝説の原点ー経団連の頭越し集金の実態
民主党代表戦も最初は世論は管総理が有利との話もあったが、だんだん小沢氏が巻き返してきているようだ。この閉塞感のある日本で「剛腕小沢」だったら「何かやってくれる」という期待感からだ。先週は、たまたま元経団連事務総長の三好正也(当協会理事)と話をしていて、私は一度も話をしたこともない小沢一郎の人となりを聞いた。
今となっては時効だろう、ということで三好が話したのは、小沢一郎が初入閣をしたあたり(1985年)から財界は将来性のある政治家のトップとして小沢一郎に目をつけていたらしい。そこで三好正也が幹事をして秘密裏に小沢一郎を囲む会を開いていたというのだ。まあこの手の会合はいろいろなグループがやっていたが、経団連が幹事をしていたのは小沢一郎くらいしかないようだ。
その通りに小沢一郎はすぐに出世し、1989年には47歳で幹事長になった。その次の年に衆院選があり、経団連は選挙のために50億円くらいを集めたようだが、小沢幹事長は「それでは足りない、負ける」と考え、経団連の頭越しに300億円を集めたと言われている。これは「小沢剛腕」伝説のもとになった話だが、実態は違うらしい。
当然、小沢幹事長から各企業に政治献金の話があると、企業は経団連にこんな話があったと言ってくる。献金は個別企業がやると汚職の温床になるし、その反省から経団連がまとめてやることになっていたからだ。当時、事務総長だった三好は早速、小沢一郎に中止を申し入れたところ、あっさりやめたそうだ。これはどうも「剛腕」のイメージとは違う話だ。だから300億円も集めているはずがない。
まあ、マスコミ報道が先行しておもしろおかしく話が作り替えられることはよくあるが、この「剛腕伝説」は小沢本人にとってはいいような悪いような話だ。実際には集金能力も金に汚いこともないかも知れないが、世間のイメージではそう思われてしまう。小沢側近の平野貞夫さんなどによると、小沢一郎は大きく誤解されているということになるが、実態は側近でも分からない。
管総理になっても小沢総理になっても、日本をよくする方向で働いてほしいものだ。管総理になって小沢離党とかになると、また日本政治の迷走が日本経済に悪い影響を及ぼすことが心配ではある。
中国人の超富裕層は皆「成金」?
先週は中国人の超富裕層とも懇談したが、彼らはすべて「成金」だ。中国が資本主義化したのはつい20年くらい前からで、その前は貧富の差はなかった。だから、代々の金持ちなどいるはずもない。それは高級官僚などの特権階級のみだ。
だから中国の超富裕層は日本とは一線を画するのだ。服装、顔つきを見てもやはり成金という感じがする。急にお金が入ったんだが、これを何か有効に使おうとか、そういうお金の使い方は知らない。
そのあたりの話は今回はしなかったが、徐々にしていこうと思っている。中国の方が日本より数段活気があるが、日本は成熟国で画期的なことはできなくなっている。中国人の超富裕層の性格も知らねばいけない。
中国ビジネスが日本を救うことは、誰の目にも明らかだ。但し、まだまだ日本人はおっかなびっくりだ。中国人と商売をするとだまさえるリスクは大きくなる。
ともかく、日本にとって一番大事な国である中国をめぐっては、これからも日本企業のいろいろな経験談が重要だと思ってる。
中国の今後10年を考えるとき、上海の夜景もすばらしいし、体を強くしておこうと考えている。
菅か小沢かー我々の生活には小沢がいい?
民主党代表選は予想通り、菅対小沢の戦いになった。どちらが勝つか全く予断は許されないが、ここ数週間の菅総理の経済対策を見る限り、円高・株安を放置していた菅総理で日本は大丈夫かという気がする。こういう時には真剣に日本を防衛してくれるトップがほしいものだ。
小沢一郎は顔の印象も悪く、政治とカネの権化のような人物だ。しかし、我々の生活に対しては「何かやってくれそうな」気にさせる。今の閉塞感の中では「乱世の小沢」が必要な場面ではある。金丸信は小沢一郎の本質を見抜いてこういう人物評をしたはずだ。
よく昔、経団連の戦後初代事務総長だった花村仁八郎が言っていたが、「時代がその時のトップを選ぶ」ものだ。高度成長期には石坂泰三がよかったが、低成長期になると土光敏夫が経団連会長に選ばれた。かつては経団連会長は「財界総理」と呼ばれ、実際の総理大臣を選ぶときにも大きな影響力があった。
平岩会長の時以来、経団連会長は小沢親派が多いが、多分今もそうだろう。市民運動家出身の菅総理と経団連が相容れるはずもない。経済政策も小沢一郎の方が大企業寄りだろう。菅総理は消費税を上げるというところは経団連と相容れている。しかし、その収入は法人税減税に回すわけではない。福祉に回すのが菅流だ。
ともかく、どちらが総理になっても国民生活を第一に考えてほしい。菅首相続投なら、経済対策をしっかりやってもらわないと困る。消費税の引き上げは今の状況では無理だ。政治は国民生活を豊かにするためにあるのが基本だ。
中国の変貌に驚きー深せん、マカオは20年前とは別の都市へ
昨日まで4日間、仕事で中国を訪れたが、何とも驚きの連続だった。20年ぶりにいった深せんやマカオは全く別の都市に変わっていた。深せんは既に人口1400万人となり、中国の4大都市の一つだそうだ。深せんに本拠を構える中国企業も多く、確かに中国株式市場は上海か深せんになっている。
より驚いたのはマカオの変貌ぶりだ。かつてはリスボアホテルくらいしか大規模ホテルはなかったが、今や南の島の部分が埋め立てられ、そこに大規模ホテルがいくつも立ち並んでいた。世界最大といわれるべネティアンホテルの巨大さに驚き、日本では今後、この規模のホテルが作られることはないと直感した。日中逆転を実感し、身の毛がよだった気持ちだった。
それでも、まだまだ中国人にとって日本はあこがれのようだ。中国には温泉は少ないし、神戸牛のような高級牛はないそうだ。日本に行ってみたいという中国人が多いと聞き、少しは安心できた。GNPの総額では抜かれても「一人当たりの」GNPではまだまだ日本の方が上だ。これの逆転は数十年後だろう。
またハードでもそうだが、「ソフト」でも中国人の貪欲さには驚いた。交渉も引くことはない。これではアメリカ人とも交渉できるだろうと感じた。行儀は相変わらず悪いが、アメリカに対等に交渉できるのは中国しかないのだろう。日本人はこのハングリー精神がもはやないとはよく指摘されることだ。
こういう国のこういう人々と今後は日本も対等に渡り合わねばならない。日本人は欧米人の研究はしているが、中国人の研究はまだまだだ。それでも今後は中国、中国人の研究があらゆる業界で必須となる。私も中国経済を大学でやっていた割には中国人が好きではないが、もはやそんなことは言っていられない。いずれ世界一の大国になる国とのビジネスは、何より最優先で考えねばならない。日本にとってアメリカ以上の重要性を持つのは遠い将来ではないだろう。