日本ファミリーオフィス協会 -46ページ目

原発関係の「御用学者」たちー五十旗頭さんも仲間入り

ここ一月、原発関係で数人の学者がマスコミに頻繁に登場している。この人たちはいつも「大丈夫、大丈夫」といっているが、これが本心だろうか。原子力専門にして研究している人々なので、その危険性はわかっているのではないか。仮にそうだとしても絶対に「危険」だとは言わない。なぜなら、この人たちは政府から研究費、補助金をもらっているからだ。こういう人を「御用学者」あるいは「社会的便利屋」という。


こういう学者はあらゆる分野で存在する。学者としての良心よりも、自分の出世や有名になることを重視する人々だ。学者仲間からは無茶苦茶に言われるが、知らない人はマスコミに頻繁に登場するので、一流の学者と思いがちだ。また政府の審議会には、役人のいいたいことを代弁してくれる学者が選ばれる。審議会委員の選任は役人がするからだ。


この度の復興会議の議長になった五十旗頭さんは、元々神戸大学の教授をしていた。そのころはいいことを言っていたように思うが、審議会のトップになる人とは思わなかった。復興会議の初回で言ったのが「復興税の新設」である。枝野官房長はいきなり宿題をもらったと言ったが、事前にレクをして言ってもらったのは間違いない。あるいは財務省からの働きかけかもしれない。いずれにせよ、審議会のシナリオをつくるのは役人なので、事前に振り付けをしていたのは間違いない。


特に「増税」に関しては、政治家や役人からは言えない。そこで隠れ蓑として「審議会」を活用するのだ。その会長には、政府の言いたいことをそのまま抵抗せずに代弁してくれる人が選ばれる。「社会的便利屋」と言われる所以だ。だから魂を売って、有名になることを選ぶ学者が審議会の会長になるのだ。


でもこれでは日本は永遠によくならない。今回の原子力の問題でも、その危険性に古くから言及してきた骨のある学者もたくさんいたのだが、その人たちは補助金ももらえず研究もできない始末だ。学者としての良心を捨てて、原発推進の政府のいいなりになり法外な報酬を得ていた人の集まりが「原子力安全委員会」だ。このツケは今一般国民が受けている。筋が通らない話だ。


こういう構図は何も原子力に限らないが、それでもこの分野はひどすぎる。大相撲よりひどいかもしれない。これを機会に業界の浄化と新しいエネルギー政策を考える時にきている。

何と福島に福山官房副長官と行っていた坪井さんー経済産業省審議官として出向中

今日はNHKニュースで意外な人を発見した。福山官房副長官が福島の飯館村に説明に行ったのだが、その背後に経済産業省の坪井裕審議官が写っていたのだ。坪井さんは文部科学省から昨年、経済産業省に出向したが、旧科学技術庁で宇宙と原子力を長く担当していた。私が経団連で宇宙を担当したときからの知り合いで、かれこれ20年近い付き合いだ。今回の原子力事故でそちらに回っているかもしれないと思ったが、本当にそうだったようだ。


経済産業省でも原子力の技術系の専門家は少ないと思われる。坪井さんは技官なので原子力の技術的なことは相当な知識があるはずだ。貴重な人材として原子力安全・保安院に協力しているのだろう。当協会が今年、「ファミリービジネス」に特化してやっていこうと考えた一つのきっかけは、坪井さんが経済産業省のファミリービジネスを担当する審議官になったからで、原子力の方にとられると個人的には参ったな、となる。


しかし役人は公僕なので日本のために働いてもらわねば困る。短期的にはファミリービジネスより原子力事故の方が重要なのでやむを得ない。特に旧科学技術庁のエースと言われる坪井さんには、事態がよくなるよう全力で職務にあたってほしいと一日本人として考える。


西山英彦審議官のように、広報をやっているわけではないのでテレビで会見はしないだろが、優秀な人なので着実に成果を出すだろう。今回の震災でまた一人、テレビに出てくる知り合いが増えた感じだ。東電の広瀬直己常務も一昨日には清水社長と一緒にお詫びしていた。

東電への天下り問題ー規制があるから企業は天下りを受け入れる

東電の副社長の一人は代々、経済産業省の資源エネルギー庁長官だそうだ。こんな「指定席」があっていいものだろうか。もっともこういう「指定席」は規制産業ではどこでもある。なぜか。


法律、規制というものは、全ての事態に対応して細々とつくることは不可能だ。原則を法律で示して、それをどう適用するかはケースバイケースになるわけだ。このときに役所の「さじかげん」という問題が起きる。天下りを受け入れるとその「さじかげん」で考慮されるのだ。企業も役人が優秀だからとかいう理由で受け入れることはない。もちろん、ずっと役所にいた人が60過ぎて民間企業にきて使い物になる可能性は少ない。


昔、経団連で規制緩和をやっていたときに、某省庁の課長補佐と打合せをしていたら、恐るべきことを言われた。要は、法律の適用が企業によって異なることに文句を言ったのだが、それは役所のミスではなく、理由があったのだ。そのキーワードは「天下りを受け入れているか否か」だった。


つまり、天下りを受け入れている企業は本当に甘くして、受け入れていない企業は法律を最大限に厳格に適用するわけである。それで「天下りを受け入れないとこうなりますよ」と暗に言うわけだ。決して役人は口にはしないが、これほど効果的な天下り確保、維持策があるだろうか。だから、役所が規制緩和に命がけで反対するのは、企業に対する権限がなくなり、天下り先がなくなるからなのだ。


今回も東電に対して経済産業省が甘く見えるのは、副社長を受け入れてもらっていることが大きいだろう。東電も事故時の「保険」として代々天下りを受け入れていたのだろう。こういうときにこそ天下り官僚に働いてもらわないといけない。しかし、東電ほどの大企業で力のある会社でも天下りを受け入れているとは、日本の天下り問題は根は深い。民主党ならずとも、一日も早く何とかしなければならないが、まずは規制緩和が第一歩だろう。



東電の広瀬直己常務ーエールの大先輩で企画部のエリート

先日、ある新聞を見ていたら東電の広瀬常務が全漁連の会長に謝っている写真が出ていた。清水社長が入院していたので役員が手分けしてお詫びをしていたようだ。広瀬さんも勝俣会長や清水社長と同じく企画部の出身だ。私が20年以上前に経団連で環境問題を担当していたときに広瀬さんにはお世話になった。


留学する前に、東電企画部の永野さん(新日鉄元社長の永野重雄氏の孫)も留学されるということで、企画部の南部長以下の方々に一緒に歓送会をして頂いた。その席で広瀬さんがエールに留学されていたことを知った。その後、失礼していたが、何と2008年のエールクラブで18年ぶりにお目にかかった。広瀬さんが私のことを覚えていてくれて、その記憶力に驚き、また嬉しかった。留学中にニューヨークでばったり永野さんにお会いした話をした。


昔の東電は木川田さん、平岩さん、那須さんといった大物は皆総務部出身だったようだ。その後、南さんが初めて企画部から社長になり、企画部が主流になった。経団連も企画部の方々とコンタクトすることが多い。皆優秀でほとんどが役員になっているから驚きだ。広瀬さんも当然のごとく役員になり今は常務だ。環境問題の専門家で、今は苦しいところだが、乗り切って東電を引っ張ってくれるだろう。


地震からちょうど一月だが、原発問題が解決しないと復興に向けた活動も難しい。花見の時期なのに街は暗いままだ。ここは日本のために東電のエリートに頑張ってもらわねば困るところだ。







日本がエリート教育をやめたツケー原子力問題を解決できる人材がいない

アメリカの教育と日本の教育を比べて一番大きい違いは「エリート教育の有無」だと思う。しかし、日本も戦前は十分なエリート教育をしていたし、またその成果もあったと思う。戦後、アメリカが悪平等の教育システムをつくり、また日本が欧米を手本にしたキャッチアップに成功したこともあり、しばらくはエリートの存在は必要なかった。しかしここにきて、成功モデルが分からなくなった日本にエリートの必要性は高まっている。


一番如実にそのことが日本人にも分かったのは、今回の原子力事故だ。1月以上も経つのに、いろいろな組織がいろいろなことをやってものの誰にも解決できない。国際社会の日本を見る目も日に日に厳しくなっている。要は、菅首相を初め役所や東電、原子力学者にもリーダーシップを取る人間がいないのだ。皆、自身の保身や延命を図っているだけだ。


明治時代の日本には多くのリーダーがいた。彼らは自分の保身など考えずに、日本のためを思って命がけで働いた。その結果、殺される政治家も多かった。彼らは松下村塾や福沢塾で少人数のエリート教育を受けていた。戦後の日本にはそれがない。大学は「平等」という名のもとにエリートを育てない教育に変わった。欧米ではエリートを育てる教育を行っているので、その差は歴然だ。


日本では大学教育がサラリーマンを育てる教育になっているので、原子力に関わっている人も「自分に危害が及ばなければいい」という発想になってしまう。原子力が爆発しても自分に責任がこなければいい、という発想になっているからいつまで経ってもことが進まないのだ。「失敗」をしないことが結果よりも重要だ。何もしなければ失敗もない。


ちょっと時間はかかるが、日本でもエリートを育てる教育の仕組みを早くつくらないと、取り返しがつかなくなる(現在でもすでにそうだが)と考える。





エール大の「スカル・アンド・ボーンズ」-ブッシュ親子他、大統領を輩出

日経新聞の「私の履歴書」でブッシュ前大統領の記事が続いているが、この中でブッシュも決して触れない話題がある。それはエール大のサークル「スカル・アンド・ボーンズ」だ。2004年の大統領選を争ったブッシュとケリーがともにエールの「スカル・アンド・ボーンズ」出身であったことから日本でも報道された。でも実態は闇のままだ。


私もちょっと気になったので、エール大の学部出身の伊藤公一さんに聞いたことがある。伊藤さんもその存在は知っていたが、どういう人がそのメンバーになれるのか、基準はよく分からないという。ともかく、大学4年になったら白人10人が「選ばれた」というのだ。でも日本で報道されているような秘密結社ではないという。


今は知らないが、伊藤さんがエールの学部にいた50年前(ブッシュやケリーはもっと前だ)はWASPの中からメンバーが選ばれたことは想像できる。それもブッシュやケリーのように代々の名家であることが条件だっただろう。その中からアメリカ大統領が多く出るということは、アメリカも階級社会だ。オバマなどは例外中の例外だろう。


エールからは大統領が5人出ているが、そのうちクリントンを除く4名は「スカル・アンド・ボーンズ」出身だという。アメリカの歴代大統領のうち、約10人に一人が一つの大学のしかも毎年10名しかいない「サークル」から出ているというのはどう考えても異常だ。欧米でもおもしろおかしく報道されるのも分かるというものだ。


そのメンバーには何か特別な連帯があるのではないか。いやしかし、ブッシュとケリーは同時期にエールの「スカル・アンド・ボーンズ」にいたのに大統領を争うのはおかしい、などなど、話の種は尽きない。しかし、世界で一番「自由で平等」と思われている国でこういう特権的な秘密サークルが未だに存在するのは、人間社会の表と裏を見るようで興味は尽きない。



新生「日本ファミリーオフィス協会」はファミリービジネス研究へー新たに専門家二人に入って頂く

当協会も次なるテーマを何にするか、しばらく悩んでいたところだが、この度、新年度を迎え「ファミリービジネス」をしばらく重点的にやっていくこととした。とはいっても、その専門家が従来の協会役員には当然ながらいなかった。そこでここ2か月くらい新理事を考えていたが、この度二人の方に決定したので紹介させて頂く。


まずは「学会」から、初代ファミリービジネス学会会長の倉科敏材・甲南大学教授で、まずはこの人しかいないという感じだ。人格・識見とも誰もが認める方で、元々大手町の三菱総研にお勤めだった。経団連とは日経ビルをはさんで二件隣で、私も経団連時代に三菱総研の方にはいろいろとお世話になったり、仲良くして頂いた。今は同志社大教授になったユーロの専門家である浜矩子さんにはいろいろな場でお世話になった。


ファミリービジネスの「実業界」からは、キューピーの中島周常務にお願いした。中島さんのお兄さんには経団連時代に非常にお世話になった。知的財産分野の権威だ。まあ、これ以上ご家族のことに触れるとご本人に怒られるので何も言わないが、皆それぞれの分野で一流の方々ばかりである。当協会で欲しいのは、「実際の」ファミリービジネスの情報であり、ファミリービジネス研究をご自身でもされている中島さんが誰よりも相応しいと考えた。


もちろん、日本の企業のうち9割以上を占める「ファミリービジネス」なので、一社を研究すればいいなどとは考えていない。ファミリービジネスに多くの知己を持つ伊藤公一さん(ご自身も伊藤忠、丸紅のファミリービジネスといえなくもない)などのご協力を得て、調査していかなくてはならない。


ともかく、日本ファミリーオフィス協会も新メンバーになり、これからの日本の「ファミリービジネス研究」に一石を投じる存在になりたいものだ。





ブッシュ親子の共通点ーフィリップスアカデミーとエール大

今月の日経「私の履歴書」はブッシュ前大統領だ。この人は直接見たことはないが、父親のブッシュ元大統領は1991年のエールの卒業式で握手をしたことがある。父親はエールでの成績もよく、野球部のキャプテンだったそうだ。息子の方も大統領在任中にエールの卒業式で講演したようだが「C STUDENT」とか変なことを言っていたそうだ。つまり、自分のように成績はCばかりでも大統領になれると言ったのだ。


しかし、誰もこんなことを本気にはしない。親が大統領だったから大統領になれたのだ。そうでなかったら、知事や議員にはなれたかもしれないが、大統領はありえなかっただろう。アメリカでも意外に親の七光りはあるのだ。大学でも「どうしてこんなのが教授?」とかいるが、よくよく聞いてみると親がノーベル賞受賞者であったりする。


ブッシュ(息子)も親の七光りで、高校は有名なボストンのフィリップスアカデミーに行き、大学はエールだ。共に父ブッシュと同じコースだ。いい悪いは別にして、日本の大学入試は点数だけだが、アメリカの大学入試は親が卒業生だと優遇される。大学のよさが分かっている家の子弟を入れたいと思うのは当然でもある。またそういう家族は寄付もしてくれる。


ブッシュ家は1630年にイギリスからボストンに移住した名門WASPだ。ケネディ家と同じくらいの資産があり、エールにもフィリップスアカデミーにも多額の寄付をしていたと思われる。一度、ボストン郊外アンドバーのフィリップスアカデミーに行ったことがあるが、日本の大学以上の施設だ。ヘリポートもあり、全米からヘリで来る人も多いという。


アメリカの資産家の富を見た気分だったが、他方でお金はないが優秀な人材は奨学金できているというから複雑だ。お金で入る人、頭で入る人の2種類がいてバランスを取っているのだろう。もちろんお金で入っても卒業基準は同じなので、ダメな人は卒業できない。長年の試行錯誤で、大学の経営と大学の質を両立させるのがこういう手法なのだろう。おそらく、より歴史の長いヨーロッパの大学もそうなのだろう。






NHKの大越健介アナー経団連の石坂財団の奨学金で留学

最近、NHKの午後9時のニュースで大越さんが出ているので、よく見ている。この方は経団連の石坂財団(石坂泰三元会長の功績を記念してつくられた財団)の奨学金を取ってアメリカに留学された方だ。10年以上前になるが、月刊「Keidanren」で石坂財団奨学金で留学された方の寄稿コーナーがあり、そこに登場いただいた。


もっとも当時は大越さんも若かったので、テレビで拝見することもなかった。お話を伺うとNHKでは、昔は留学制度がなかったそうで、外部の奨学金をとって留学される人が多かったそうだ。石坂財団は毎年社会人、学生数名に奨学金を出しているが、これはなかなか難関だ。


今ではより難しくなっているだろうが、私の知っている限り、数十名が受験し数名しか合格しない。面接は当然英語で行われるので、留学前にかなり英語ができなければいけない。TOEFLは当然600点以上必要だ(680点満点時代)。私も留学時に受けようと思ったが、内部の人は受けられないと言われた。ここが経団連のクリーンなところで、中央官庁では息のかかった財団の奨学金をもらって留学する人が非常に多い。


こういう奨学金も基本は基金運用のお金を回しているので、かなり続いている低金利の影響で支給条件も悪くなっているようだ。となると、ますます日本からの留学生は減ることになる。欧米の一流大学は私立が主流なので授業料も高い。日本の私立大学の比ではない。


他方、現地の大学から留学生が奨学金をもらうのはやはり難しい。私もダメモトでハーバード大学院に入ったときに授業料免除を申請したが、奇跡的にゼロ回答ではなかったものの最低の授業料10分の1免除だった。それでも当時日本人唯一のハーバード奨学生だったので、金額は関係なく威張っていた。後で学科長に聞いたら、その前の年にエールで修士をとっていたので、それに敬意を表して最低ラインを出したということらしい。なるほど日本人でそんな人はいなかった。


でも、日本人留学生が減っている大きな理由が奨学金を出す機関(あるいは額)が少なくなっていることなので、事は深刻だ。学生を責める前にまずは大人が環境整備をしなくてはいけないのだ。



原子力安全・保安院の西山英彦さんのことを浦勇氏に聞くーハーバードロースクールの1年違い

毎日の原子力安全・保安院の会見で西山英彦審議官がいい味を出している。この人はいったいどういう人物だろうかと思い、小生がいつもお世話になっているマーチャントバンカーズ取締役の浦勇さんに聞いてみた。ハーバードロースクールで一年違いだからだ。ところが何と、ロースクールは1年で修士が取れる関係で、会ったこともないそうだ。


先日、浦勇さんと一緒に参加させてもらったハーバードロースクールの同窓会でも西山さんの姿は見かけたことがないという。謎の人物だ。もっともロースクールの同窓会の参加者は、渉外弁護士が多く中央官庁の人はいなかった。西山さんが出ていなくても不思議はない。


ちまたでは、NHKの水野解説委員の方が人気があるようだが、西山さんのあの淡々としたしゃべり方も捨てがたい。いかにも人柄がよさそうに見えるところがいい。この人が東大法ーハーバード院の超エリートとはなかなか思えないところがいいのだ。


私もアメリカから帰国したときに、当時経団連の事務総長だった三好正也(当協会理事)から、ハーバードとエールの修士を持っていることは言わない方がいいな。日本のサラリーマン社会は嫉妬社会だから、と言われた。そのいいつけ(?)をずっと守っているが、時々普段付き合っている人が何かの講演などのプロフィールを見てこのことを知り、電話をしてくることもある。それだけ「意外」なのだろう。いいことだ。


ともかく、この原子力騒動が収まったら経済産業省に西山審議官をたずねにいこう。