日本ファミリーオフィス協会 -23ページ目

留学先でも世界一流と対等に渡り合える若者もー若者の超二極化

昨年から開成高校で「ハーバード・ブック・プライズ」が始まったが、その一期生でエールの学部に進学した笠井淳吾君(すでに雑誌等に紹介されているので本名を出すが)から一学期が終わったという連絡を受けた。正直、私自身の経験から、いくら優秀な笠井君でも最初は相当苦労するのではないかと思っていたのだが、全くの杞憂に終わった。普通に授業も理解し、英語以外の語学にも挑戦する余裕があった。


今年、他の例えばハーバードやプリンストンに日本人がそれぞれ数名行っているが、彼ら彼女らも「余裕」らしい。今はインターネットの発達によって英語学習の環境が激変したことが主な理由と思われるが、それにしてもトップ高校のトップの学生はできるものだ。アメリカのトップの学生に伍する成績や実績を残すだろう。


そうなると、彼ら彼女らから「大物」が出る可能性も大いにある。今年は私の知る限り10数名がアメリカのハーバード、エール、プリンストンのトップ3校の学部に進学した。大げさに言うと、この中からノーベル賞を取るような人物が出てもおかしくない。学部からアメリカの天才たちと切磋琢磨することの意義は大きいと思われる。


最近は、若者の「内向き志向」が問題となることもあるが、一部の若者は大いに挑戦する気概がある。その割合は確かに1%以下かもしれないが、その1%が真のエリート教育を受け伸びていけば日本人もまだまだ捨てたものではないだろう。


田村耕太郎さんなどは、「これからは外に出なければ生きていけない」とよく強調しているが、ここ2,3年のトップ高校生の動きを見れば、心配しなくても、もうこの動きは止まることはないだろう。皆、東大も合格しているが、やはり9月からはアメリカの大学に行く。これは雑誌等でも紹介されているが、今後はもう定番だろう。


今年もすでに「早期入試」で昨年以上の合格者が出ていると漏れ聞いている。オヤジ世代の私としては日本の将来を彼らに託し、「人材日本」がもう一度復活するよう、若者への環境を整えることを考えたい。



経団連元事務総長の三好正也氏が死去ー当協会の理事もお願いした

今日の新聞にも報道されているが、経団連二代目事務総長の三好さんが亡くなられた。当協会の理事もお願いしており、各種会合にも出て頂いたが、今年からは体調がすぐれず入退院を繰り返していた。奥様にも先立たれ、晩年はさびしかったに違いない。


私が経団連に新卒で入ったときには、三好さんは既に専務理事だった。事務総長には花村仁八郎という「ミスター経団連」がいて、その花村の目にかなってプロパー一期生として経団連に入ったのが三好さんだ。海外留学もされ、フルブライト奨学生の一期生だった。エールの浜田宏一教授もフルブライト奨学金の試験を受けるときに三好さんの「指導」を受けたという。浜田教授が経団連で講演するときには必ず「僕の英語の先生は三好さんで、囲碁の先生は相山君です」と言って、いつも白けていた。


三好さんが事務総長だった時代の経団連(1988年から97年)での大きな出来事は、何といっても1994年の政治献金あっせん廃止だろう。このことについては、いろいろな雑誌等でおもしろおかしく報道されたが、決して三好自身が判断したわけではなく、言うまでもなく当時の平岩会長のご判断だった。


但し、自民党への伝達方法が異例だったようだ。当時の自民党の幹事長であった森喜朗氏を経団連によび、そこで三好さんが森さんに伝えた。森さんはその後もこの時のことを三好さんに断られたと言っているようだ。私も森さんと1分ほど立ち話をしたときに、三好さんに断られたと言われた。当然私としては「三好が判断したわけではない」と弁明はした。


いろいろとお世話になった先輩が亡くなっていくのは、世の常とはいえ、耐えがたい気分になる。今はただご冥福を祈るだけだ。









フィリップ・コトラーのサムエルソン論ーやはり偉大な「教育者」

今月の日経「私の履歴書」はマーケッティングの大家コトラーだ。この人にはお目にかかったこともなく、経歴も知らなかったが、やはりMITでサムエルソンに教わっていた。「やはり」というのは、アメリカの有名な経済学者はほとんどがサムエルソンの弟子だからだ。


今年のノーベル経済学賞受賞者でロバート・シラーもファーマもサムエルソンに教わった。エールの経済学部教授もほとんどがサムエルソンと何らかの関係がある。浜田宏一教授もMITの研究員のときにサムエルソンの授業を受けていたそうだ。しかし、浜田教授の話によるとなかなか厳しい人ということだった。


そんなこともあり、私が2002年にハーバードの研究員をしているときにMITにいってサムエルソンの秘書にアポを取ったときには緊張したものだった。しかし、最初にお話ししたときに、初めはサムエルソンも固かったが、段々くだけてきて、最後はアポなしでいつでも話に来ていいと言われたのには驚いた。


そこでそれ以降は毎週行って、金融論のさまざまな公式についてその裏話を聞いていた。当時はもう80歳を過ぎていたが、基本的に毎日MITに来られて(隣の研究室がソローでそのとなりがモジリアニーだったが、彼らはもうほとんど来ていなかった)大学院生の答案にコメントを書いていた。真の「教育者」の姿をそこに見た思いだった。大学院生にとってサムエルソンのコメントの入った答案は一生の宝物だろう。


秘書の方ともいろいろ話をしたが、その中で忘れられないのがサムエルソンの「記憶力」の話だ。一度会った人間は二度と忘れることもなく、その人といつ・どこで会ったかも覚えているという。また頭の中には数百名の電話番号が記憶されており、常に自分で電話をしているという。それでいて、新しいことを生む創造力もある。まさに不世出の天才で教育者。もう二度とこんな人は現れないだろう。







経団連のOB会で内田元事務総長から含蓄のある教育論を聞く

先日、年1回の経団連OB会に参加した。私が経団連に入ったときの担当常務で開成を「二番」で卒業した内田元事務総長と話したが、この人の新たな開成分析を聞いた。なぜ内田が開成の分析をしているのか疑問に思っていたのだが、そこがまず明らかになった。


内田が56歳で経団連常務だったときに、開成で校舎改築か何かでお金が必要になったため募金活動に強いと思われた内田が開成の理事に推薦されたようだ。この種の活動の手始めとして、OBで社長になっている人物を探したりする。そのときにそういう人がほとんどいなかったことに驚いたというのだ。


一つには、当時60代、70代の開成卒業生の時代は開成も都立に押されていたという事実もある。今のような進学実績ではなかったようだ。だがそれを割り引いても企業で社長や役員になっている人が少なかったらしい。これはなぜかを、内田はその後開成の理事を14年間することになるが、その間に考えていたというのだ。内田はそういう分析が得意な人物だ。経済学博士も持っている。


その結果、開成の卒業生はお坊ちゃんで人を押しのけてまで出世したいという人間は少ない、という結論に達したという。もちろん、多くの例外はあるのだが(私もそういう例外の人を知っている)、全体としてそういう傾向があるようだ。内田自身もそういう人で、出世したくて出世した人ではない。でも実際の企業での厳しい競争下では、こういう人はなかなか出世はしないのだろう。


確かに私のように地方出身で、東京に出てきて家も何もない人は貪欲な人が多い。そうでないと生活すらできないからだ。ところが、私立の開成にいくような東京の家庭では、何不自由なく生活してきた人が多いだろうから、ハングリー精神のある人は少ないことは容易に想像できる。


また内田は、開成生は東大に入ることが目標で東大に入ってから勉強しなくなる人が多いので伸びないという指摘もしていた。これは現校長の柳沢さんも長年の東大教授の経験から認めるところである。しかし、柳沢さんもおそらく内田の言うようなことは当然分かっていて、いろいろなことを考えて実行に移している。海外留学の効用や東大に入ってからの本当の勉強の重要性を学生に説いているようだ。


また、柳沢さんが何かの雑誌で主張していた「開成生は大学に入ったら一人暮らしすべし」というのもいい提案のように思う。そういう努力が近々実を結んで、内田の心配も杞憂になる日が来るような気もする。


ケネディ大使のスピーチ原稿ー洗練された英語に驚き

一昨日、新任のケネディ大使が日米協会・ACCJ主催のパーティで講演した。その時のスピーチメモを参加したある人が送ってくれた。早速、それを読んでみると、さすがに明快で表現豊かな英文だ。これは相当優秀なスピーチライターがいるのだろうと想像した。


こういうスピーチメモは、日本でもそうだが、かなり推敲に推敲を重ねるものだ。そのあたりの事情を2002年にハーバードに研究員で行ったときに、たまたまケネディのスピーチライターをしていたテッド・ソレンセンが特別研究員でいたので聞いてみた。


ケネディ大統領は数々の名スピーチで知られるが、それもソレンセンという稀有なスピーチライターの力だ。もっとも、そういう人を探してきて、その人に任せたわけだからケネディ本人の力が大きいのは言うまでもない。ソレンセンも何日もかけて原稿をつくり、それを若干ケネディ本人が手を加えて実際に発言していたようだ。スピーチの練習は通常で100回以上していたという。


日本人はスピーチが上手な政治家は少ない。原稿の棒読みの人が多い。これは企業の社長でも同じだ。しかし、アメリカ人は小学校のころからクラスでプレゼンの授業があり、内容はもちろん顔の表情などを指導され、誰でも上手だ。アメリカの大学に行った日本人は誰でも感じるところだ。


それでも、日本人も何度かのオリンピック招致失敗で、そのあたりを痛感したのか、今回の招致では皆表情豊かにスピーチをしていた。訓練すればできるのだ。今のTPP交渉でもそうだが、海外からの理解を得るためにはスピーチの内容はもちろん、声の抑揚や顔の表情も重要だ。この点は外国人から学びたい。

最近の若者はアメリカのトップとも戦えるーエールに行ったK君の場合

昨年から開成高校で「ハーバードブックプライズ」が始まり、その第一号となったK君はアメリカのエール大に進学した。最近、彼から連絡があった。私などは自分が苦労した経験から、彼もさぞや苦労しているのではと思ったが、何と「余裕がある」とのことだった。さすがに開成でトップだけあって余裕男だ。


私がアメリカに最初に留学した1990年はバブル景気もあり、職場派遣の人間がハーバードでもエールでも100人はいた。しかし、当時はインターネットもない時代で、皆、英語の習得に苦労した。東大の三冠王(法学部成績トップ、司法試験トップ、国家公務員試験トップ)で大蔵省、通産省に行っている男もいたがが、彼らでさえ試験では苦労していた。だから当時留学していた人は誰でも「寝る時間もなかった」というのが実情だ。


最近はインターネットの発達が大きいと思うのだが、若者が簡単にネイティブスピーカーの発音やら実際にも話ができる機会が簡単にでき、若者が英語を学ぶ環境は抜群によくなった。だから、しっかり勉強している高校生は相当レベルの高い英語を話す(帰国子女でなくても)。英語のハンデがなければ日本人は大学一年生の時点ではその「知識量」においてはハーバードの学生より間違いなく上だ。これは開成高校の校長になった柳沢さんがよく言っていることだ。


しかし、残念ながら日本人は大学に入ってから急に勉強しなくなるので、大学4年時点では完全に逆転される。これはハーバードでも教えていた柳沢さんも認めるところだ。「負ける」というのは主に思考力であるが、最近の若者は「知識だけでは世界で戦えない」ことが分かっているので、思考力勝負になっても期待大だ。


日本人若者の留学離れが指摘されて久しいが、トップ層に限っては相当な人材がハーバード、エール、プリンストンに今年行っている。私もそのほとんどを見たが、この10人の中から将来ノーベル賞を取る人材が出ても全くおかしくない。それぞれが日本のトップ校でトップの成績だったのだが、彼ら、彼女らは知識だけではないものを持っている。


留学の「人数」では韓国、中国に負けているが、トップ数人の「質」では十分勝負ができるのではないか。そろそろアメリカの大学も早期入試の時期だが、今年も有望な高校生が合格するだろう。







やはり遠い「日本人のノーベル経済学賞」受賞ー優れた素材も日本では伸びない

今年もやはり日本人のノーベル経済学賞受賞はならなかった。というより、「候補」がいないのだから取れるはずもない。しかし、浜田宏一教授に聞くと「可能性がある人はいた」ということだ。宇沢弘文先生もそうなのだが、エール関係で浜田教授がよく言っているのは先々週に日経に出ていた岩井教授だ。


岩井先生にはお目にかかったことはないが、奥様が水村美苗さんで、何度かお話したことがある。「続明暗」は日本人では絶対に書けない内容のものだ。岩井先生自身が言われているように、エールやMIT時代の研究はかなり先進的で、ノーベル賞に近かった可能性もある。しかし東大教授になってから失速した感じだ。


よく言われているのは、東大教授になると審議会委員などに呼ばれ、研究の時間が制限される。浜田教授もそれがいやでエールに行った。いわゆる「御用学者」は拒否したわけだ。しかし、多くの東大教授が御用学者になる意味もわかる。いや、それを目指している教授が多いのも事実だ。


御用学者になると審議会の委員によばれる。官僚から「先生、先生」と呼ばれ日参もされる。官僚のつくる発言メモを審議会の場で発表していればいい。それで高い講演料や勲章も貰えることになる。テレビ出演も思いのままで、一般人からは「一流学者」と思われる。しかし、研究する時間がないので研究内容は薄っぺらのままだ。「学者」としてはだめだが、サラリーマンとしては成功となるのだろう。


浜田教授が言っていたが、エール出身の東大教授で、多くの審議会委員などもしている方だが、若いころ御用学者の道を歩まなければノーベル賞を取れたかもしれないという人もいる。この先輩を批判するつもりもないが、人間そんなに強いものではないので、おいしい御用学者への道が可能であればそちらを選ぶ人も多いだろう。


だから、ノーベル賞を取るような深い研究をする人は、利根川さんの例を引くまでもなく、アメリカで研究をする人が圧倒的になる。語学の壁があるが、理系や経済学ではそんなにハードルは高くないだろう。だから浜田教授もプリンストンの清武さんには期待大だ。清滝さんは世俗的な名声には興味がない人で、論文も世間では知られていないが学界では「一流」のものだけを選んで載せているそうだ。本物っぽい話だ。


それとともに、浜田教授によると、やはり世間では知られていないが若手の経済学者で将来、ノーベル賞を取る可能性がある人が数人アメリカにいるそうだ。あと10年くらいで日本人初のノーベル経済学賞受賞が実現するかも知れない。しかし、日本の大学ではハードルが高いだろう。



エール大のロバート・シラーがノーベル経済学賞ー不動産価格の専門家


今日はうれしいニュースが入ってきた。ロバート・シラーがノーベル賞を取ったのだ。いずれ取るとは思ったが、意外に早かったという印象だ。彼とはエールに留学した20年以上前からの知り合いで、2002年にハーバードの研究員をしていたときにはボストン(彼の経営する不動産会社「ケース・シラー」社)がある)とエールで何度か懇談した。彼の会社の名前がアメリカの不動産価格の指数になっているのは有名だ。


エール経済学部の教授の中でも、シラーは「天才」的な人物だ。残念ながら日本人でこんな人は見たことがない。ともかく、何を聞いても即座に明確な回答が返ってくる。最近では、私の仕事の中で不動産に関することが増えているので、日本の不動産市況に関する質問をするとすぐにクリアーな回答がくる。とにかくシャープな男だ。


それとともに、昔からハリウッド俳優のような容姿だ。しかし、彼にも分からないことがあった。それは宇沢弘文教授(東大、シカゴ大)から聞いたという「日本にはドクター浜田と同名の変な政治家がいる」ということだった。これについては私が懇切丁寧に説明したところ、さすがにシャープな男だけあって「完璧に理解した」とのことだった。


当の浜田宏一教授に聞いたところ、宇沢教授がエールに客員教授でいたときに、いろいろな人に政治家のハマコーの話をしていたとのこと。宇沢教授はやはり愉快な人だった。「ノーベル賞」という点では、宇沢教授は日本人初のノーベル経済学賞に一番近いところにいたこともある。


残念ながら今年も日本人からノーベル経済学賞は出なかった。プリンストン大の清武教授が近いとは言われているものの、まだしばらく時間はかかるだろう。この点については、浜田教授の意見も聞いてみたいところだ。



消費増税が決まってから文句をいう日本人ー反対ならはっきり意思表示すべき

東京オリンピックが決まってからマスコミの消費増税反対の声はなくなった。その結果、浜田教授や本田さんの姿はマスコミからばったり消えた。昨日の日銀短観の結果も予想通りよく、安倍首相は消費増税を発表した。本人は「かなり迷った」ということだが、もう2週間以上も前に決めていただろう。


実際に増税が決まると、今度は役所側から「悪い情報」がどんどん出てきた。当たり前だが、数兆円の国民負担の増加になるということで一家あたり年間数万円の負担増になる。こういう「実感のある」データが出ると皆反対に回る。今回は役所とマスコミの連携プレーに国民が負けたというところか。


しかし、人のせいばかりにしてはいられない。正確な数字は分からなくても、3%消費税がアップされたら数万円くらいの負担増になるとは生活実感として分かるのではないか。このあたりは日本人は相変わらずマスコミや雰囲気に影響されやすいことが分かる。


私の経験でいうと、何か法律やルールが変わるときには強者の意見が通り、弱者は損をすることが多い。だからよく言われるように金持ちはますます富み、貧困層はますます貧困になるのだ。税に関しても、今後も消費税の増税、法人税の減税は続くだろう。それでも、企業が儲けて、その分だけ給与が上がればいいが、昨日のデータでも分かるように、景気はよくなった気がするが給与は下がっているのだ。企業は儲けは内部留保で、従業員の給与に還元するのは最後だ。


だから、個人が企業に勝つのには相当な戦略が必要だ。何もしなければ税も文句を言わない個人から取って、文句を言う企業から取らないことになりかねない。我々は増税から自分の生活を守るためにも、役所やマスコミの情報に踊らされず本質を見る能力がますます求められるのではないか。

加藤良三コミッショナーの辞任に思うーマスコミの役人たたきの危険性

加藤良三さんがやはり辞任した。問題は今回の件で一般の人は加藤さんのことを「相当いやな人間」と感じたことだ。全てはマスコミ報道によるものだろう。私も加藤さんにはエールの卒業生の会で一度お話しただけなので深くは知らないが、加藤さんをよく知る人の話だと全く違う本人像が浮かぶ。


加藤さんの日比谷高校のサークルの先輩で外務省一家の法眼さんによると、加藤さんは日比谷時代に軟式野球部で(だから野球が好きなのだ)隣の料亭にボールを入れてしまった時などは丁寧に頭を下げに行っていたという。長い外務省や大使生活で変わってしまったかもしれないが、元々はそういう人物なのだろう。


また浜田宏一教授も、加藤さんが駐米大使のときにはエール出身ということでいろいろとご協力をお願いした時に、真摯に対応してもらえたそうだ。私も加藤さんとお話ししたのはせいぜい2~3分だが、いい印象しか受けていない。しかし、本人に会ったことがないほとんどの人にとってはテレビでの印象しかない。


話は加藤さんだけの問題ではなく、全ての役人に対するマスコミの報道姿勢に戻る。マスコミは役人をたたけば(経団連もだが)視聴率は上がる。しかし、怒鳴ったりする変な場面だけを報道された本人にとってはたまったものではない。


しかも、最近はマスコミの役人タタキの影響もあり、優秀な人材が中央官庁に行かなくなってきているという。これはこれで時代の流れかも知れないが、今の日本の政治家を見ていると彼らに国を任せられると考えている国民はあまりいないだろう。世界一優秀な霞が関によって日本は持ってきたというのは、良かれ悪しかれ事実だろう。


となると、マスコミの役人たたきは日本のためにはならない。しかし、これはマスコミの原因というより日本国民がそういう報道を「見たがる」ことに大きな原因があるともいえる。我々のイメージでは「役人=威張る」があり、実際の中央省庁のキャリアはそういう人は少ないのだが、なかなかこのイメージは払しょくされない。官僚の方もイメージ払しょくへの努力が必要だし、我々も「報道に左右されない真実を見る」努力が必要だろう。