日本ファミリーオフィス協会 -18ページ目

クリストファー・シムズの理論は日本に合うのかー麻生財務大臣も疑問符

最近あまり「アベノミクス」という言葉は聞かれなくなった。完全に量的緩和の金融政策が日本には「合わない」ことが分かったからだ。しかし、アベノミクスの生みの親といわれる内閣官房参与の浜田宏一エール大名誉教授は、こんなことではへこたれない。ここがこの人の「すごいところ」だ。

 

昨年の秋くらいから、突如「ノーベル経済学者クリストファー・シムズの、金融政策が効かない時には財政政策をミックスさせるという理論に『目から鱗が落ちた』」とのたまわったのだ。これには多くの人々が驚き、あるいはあきれた。金融政策と財政政策を同時に行うミックスポリシーはどの教科書にも載っている話だ。

 

シムズはずっとエール大の経済学部にいた人なので、浜田教授も親しい間柄だ。私がエールの経済に行ったときから、すでにシムズは将来のノーベル賞候補として知られていた。ちょっと話すとその頭の切れに驚く人だ。これは浜田教授が安倍首相に合わせたクルーグマンやステグリッツも同じだ。全てエールの経済学部で教鞭をとっていた人々であり、こういう人を安倍さんに合わせることができるのが浜田教授の「売り」でもある。

 

1月下旬にも浜田教授はシムズと一緒に日本に来た。もちろん、安倍首相に彼の理論を紹介するためだ。麻生財務大臣も聞いたのであろう。しかし麻生さんは、これ以上財政政策をやって日本の赤字を増やすわけにはいかない、とコメントしている。財務省の考えを代弁しており、まあ日本であれだけ公共投資などの財政政策をして効果がなかったのだから、当然のコメントだろう。そもそも、アベノミクスで金融政策を始めたのも財政政策が日本では「効かなかった」からでもある。

 

浜田教授の拠って立つ理論は「貨幣数量説」だ。物価水準は貨幣の「量」で決まるというもので、だから「日銀が貨幣供給量を増やさないからインフレにならない」とずっと言ってきた。むしろ「金融緩和さえすれば、日本はインフレになり経済成長を達成できる」と安倍さんに説明し、安倍さんもこれを信じてアベノミクスが始まった。しかし、結果を出せずに昨年秋から貨幣量から「金利」に着目する政策に変わった。明らかに量的緩和の失敗だ。

 

こういう動きから、私は浜田教授は落ち込んでいると心配したのだ。何せ、一方的にせよ私を「囲碁の師匠」と著書の中で言及した「弟子」である。先日もお会いしたが、このような心配は全く杞憂であり、本人は意気軒高に「シムズは素晴らしい」と微笑みをたたえながら言うのである。

この「精神力」というか「二枚腰」はすごい。

 

私などは、自分があそこまで言って、それが実現できなければ責任を取って辞める。それが「人の道」だと考えるが、人それぞれに「人の道」があることに気づく。浜田教授も東大からエールに移っていろいろな苦難を経験している。私がエールに行った20数年前には精神的に参っていたが、それから強くなったのであろう。今はかなりのことでもへこたれない「タフな」人に変わっている。国際人になるためにはこういう精神的な強靭さも必要だということを彼からは学んだ。

地方創生と「ファミリービジネス」のイメージ向上

またまたブログをさぼっていて、知り合いから怒られた。

ここ最近、痛感したことを述べたい。

 

たまに仕事や旅行で地方に行くことがある。県庁所在地などの中核都市なのだが、夜は驚くほど駅前でも人がいないことに驚くが、昼でもいない。まさに「シャッター通り」なのだ。当然、政治の方では、この事態を何とかしなくてはいけないということで、安倍政権でも「地方創生」というきれいなことを言っている。しかし実態はますますひどくなっている。何か新たな「切り口」が必要だと考える。

 

その「切り口」の一つになりうるのが「ファミリービジネスの活性化」だ。なぜなら、地方の中核都市での大きな企業は、ほぼ例外なく「ファミリー企業(同族企業)」だからだ。ファミリービジネスの活性化なくして地方の活性化はないのだ。

 

なかなか、こういうことを言う人がいなくて困ったものなのだが、そう言われてみると「ああそうか」という人は多い。しかし、「同族企業がいいんだよ」と声高に言える人は今でも私ぐらいだ。それほど「同族企業」は日本ではまだまだイメージは悪い。

 

しかし、「日本の常識は世界の非常識」で、ことファミリービジネスの場合でも、世界はファミリービジネスを高く評価し、欧米人はファミリービジネスを「責任を持った経営をしてくれる」ということで尊敬もしている。日本でも世界でもファミリービジネスの方が一般企業より業績が高いことは実証されている。その主な理由は、①意思決定が迅速、②長期的視野で考えられる、③責任を持った経営をする、ということである。ちょっと考えれば当たり前の話だ。

 

幸いにも、最近では日経をはじめマスコミも以前のように「ファミリービジネス=遅れた経営で悪」とは言わなくなった。たまに雑誌でも、「本当は強いファミリービジネス」などという特集を組んでくれるまでになった。私が5年前に明治のビジネススクールで旧知の青井倫一教授(昨年残念ながら死去)に、日本で初めての「ファミリービジネス」講座をつくって頂いたときには、一部から「相山は頭がおかしい」とも言われたが、今はそんなことを言う人はいなくなった。このわずかの間に隔世の感がある。日本人は変化も早い。

 

役所も政権も「地方創生にはファミリービジネスのイメージ向上が大事」ということを理解する人はまだまだ少ないが、地方活性化の一助になることは確実だ。ファミリービジネスが日本でも正当な評価を受け、地方のファミリービジネスのオーナーが「胸を張って」仕事ができる日がくるよう、草の根から啓蒙活動を地道に続けたい。

 

 

 

今年のハーバード(学部)は日本から82人が受験したが、合格はわずか3名

今年の5月にわかったことだが、日本人のハーバードの合格数(合格率)が激減して大変なショックを受けた。数年前からハーバード日本同窓会で、ハーバードに入る日本人高校生を増やそうという活動をしてきた私を含む数名にとって、この結果は驚くものだった。最近は50名程度受けて5名くらいが受かる状況が続いていたからだ。

 

しかも、3名の内訳はすべて女性だそうだ。一人はアメリカンスクールで、日本の高校出身者は2名だったが、いずれも有名受験校出身ではなかった。つまり、ここ数年合格者を出していた灘、筑駒、開成といった有名受験校のトップの学生は全滅したということだ。ここに二重のショックを受けたのだ。

 

ハーバード日本同窓会で学部留学を担当する人に詳細を聞くと、まず、ハーバード全体の合格率が毎年下がって、今年はわずか5%になったので、82分の3は「平均」だろう、ということだ。それにしても全世界から優秀な頭脳がアメリカに「ますます」集まる現状に驚く。それだけアメリカの大学は優秀な学生にとっては魅力的なのだろう。

 

第2の理由は、非常に日本人にとっては耳に痛いところだが、受験生の書くエッセイが非常につまらないことだそうだ。例えば、中高6年間で「この部活を精一杯やりながら勉強でも学校で一番だった」ということを日本人は書きたがる。日本人の中だったら「すごいね」となるのだろうが、アメリカ人の感覚だと、「それだけ優秀だったら他のいろいろなことをすればよかったのに」となるそうだ。

 

第3の理由は、これもまた耳に痛い話だが、日本のトップ受験校のトップ学生(東大なども当然のように合格している)を取ってみたものの、アメリカの大学にとってはおもしろい人材ではないことが分かったことだ。しかも、成績も振るわず、大学をやめてしまった学生もいる。これはいけない。日本の高校までの暗記中心の勉強を、自分の成功体験もあったのでアメリカでもやったのではないか。

 

私も最初そうだったが、教科書にあることをそのまま答案に書いても、日本だと「優秀だね」ということになるが、アメリカその他では全く評価されない。それは教科書を見れば書いてあることだ。自分のユニークな意見を書かないと点にはならないのだ。そのことにすぐに気づかねばアメリカで生き残っていけないだろう。

 

今年のこの状況はエールでもプリンストンでも変わらないようだ。数年前には、日本人の合格者を増すことは成功したと思っていたが、これからはしばらく苦しい時代が続くのではないか。ハーバードでもエールでも20人に一人しか受からない試験になってしまったので(一昔前は10人に一人は合格できた)こういう大学を受験する高校生には相当な覚悟が必要になってきた。

加藤紘一氏の思い出ーハーバード東アジア科の大先輩

しばらくブログも手つかずだったが、実は9月からある大学の大学院で客員教授として「ファミリービジネス」の講座を持つことになり、その準備に忙殺されていたのだ。普段の勉強不足のためだが、その間にもいろいろと考えさせられることは多かった。順々にまとめてみたい。

さて、加藤紘一さんが亡くなった。体調が悪いとは聞いていたが突然の訃報で驚いた。ご冥福をお祈りするとともに、この方にはいろいろな思い出がある。

まずは、1991年の9月にハーバードの東アジア科大学院に入ったとき。学科長との面接があった。この学科には毎年、外務省から一人入っているので、学科長も日本人の扱いには慣れていた。まずは、日本人で今までどういう人が卒業したかを話してくれた。明治時代の小村寿太郎や昭和の山本五十六の話があった。確かに、山本五十六はハーバードに留学していてアメリカの強さを知っていたので、最初、真珠湾攻撃には反対していたと聞いたことがある。

毎年来ている外務省の代表としては、加藤紘一さんの説明があった。これはのちにエズラ・ボーゲル教授からも聞いたが、当時から加藤さんは総理になる人物としてアメリカはマークしていたようだ。

帰国後、加藤さんを総理にする会(一の会)に入ったが、日比谷高校の同級生や外務省の方々が多かったように記憶している。アメリカの見た通り、加藤さんは橋本政権の後に総理になると目されていたが、政治家に必要な勘がなかったように思う(政治家に不要な正義感はあった)。加藤の乱で自滅された。その時に私も、日本の政治の古さを感じて非常に暗澹たる気持ちになった。

骨のある政治家のご冥福をお祈りしたい。

 

今年は大河ドラマがおもしろいー真田幸光さんから伺う

連休前に久々にファミリービジネスネットワークジャパンの会合に参加した。スイスのプライベートバンクのロンバー・オーディエ日本代表である河田さんが講師を選んで会合を行っている。河田さんもお忙しい身なので久々の開催でもあった。今回は今年の大河ドラマに合わせてか、真田信幸から数えて14代目の真田幸光さんが講師だ。この方は銀行勤務から今は大学教授で、講演を相当やっている感じがした。


たまたま、真田ブームで今週の「アド街ック天国」は信州上田だったので私も見ていた。すると、最後のランキング一位のところで、何と真田幸光さんが登場した。二日前に会ったばかりなので驚いたが、何ともニコニコした方で、「仲良くなりたいな」と思わせる魔力がある人だ。


お話は世界の金融の話であったが、私の興味は今年の大河ドラマの草刈正雄演じる「真田昌幸」のことだ。長年疑問に思っていたことを真田さんにぶつけてみた。すると、意外にも一刀両断、すぐに回答を得られた。

むしろ「何をいまさら、、、」という感じだった。


私の質問とは、今年の大河ドラマの第一回の場面だが、真田昌幸が武田勝頼が危機に陥ったときに「岩櫃城に来て再起を図ろう」と言った意図だ。研究者に言わせると、昌幸はすでに北条方に通じていたので勝頼を岩櫃に連れてきて、北条に寝返るときの手土産に勝頼を引き渡そうとしていた、ということだ。私は、昌幸は本気で岩櫃城で織田・徳川・北条の大群と戦うつもりもあったのでは、という希望的な観測をしていた。


真田さんの答えは簡単だった。「北条に勝頼を渡したと思いますよ」だった。まあ、常識的にはそうだろう。勝頼を最後まで守って戦えば、一族郎党ともども皆殺しだろう。徳川を二度も退けた昌幸ならば、何十倍もの敵が攻めてきても勝てるかも、、、というのはやはり幻想か。現実は厳しいということか。


今年の大河ドラマがどれだけ史実に基づいているかは心もとないが、草刈の真田昌幸は最高だ。あれだけ「うそばかり」つく人間が戦国といえども本当にいただろうか。個人的に残念なのは、大坂の陣の前に昌幸が死んだことだ。昌幸が生きていれば大坂方の軍師として家康に大逆転できたと考えるのは、やはり幻か。

イタリア人もファミリービジネスが好き?ーブランドメーカはファミリービジネス

先週はイタリアに行っていた。その中で多くの人に聞いたわけではないが、ファミリービジネス(同族企業)に対する印象を聞くと概ね同じ回答が返ってきた。「同族企業の社長は一般企業の社長とちがって、会社に対して長期的な責任があるので責任を持った経営をしてくれる。その結果、商品もいいし業績もいい」というものだ。同じことを多くの欧米人から聞いた。


ところが日本はどうか。先週も大塚家具の親子喧嘩や、セブンアンドアイの内紛が報道された。マスコミは同族の問題を必要以上に大きく取り上げる。読者が喜ぶからだ。しかし、言うまでもなく問題は一般企業にも同じだけある。ここは日本の特殊性だ。


同様に、日本では政治家の世襲も批判される。それなのに当選するのは世襲が多いというのも不思議だ。嫌いだけど、様々なしがらみがあるのだろうか。企業家同様、政治家も世襲議員だとマスコミは大きく取り上げる。しかし、どちらも「是々非々」で判断すべきではないか。世襲か否かでなく、その人物で判断すべきだと考える。きわめて当然だと思える。


私事であるが、ある縁で、今年から某大学院の客員教授として「ファミリービジネス」の講座をすることになった。数年前から日本でもファミリービジネスの実態を知ってもらうため、大学院で「ファミリービジネス」の講座をつくろうとし、まずは明治でつくって頂いた。その後、この動きは早稲田にも広まり、今後も広まるだろう。自分でもやらねばいけない。


こういう「場」をつかって、少しでも「世界の常識は日本の非常識」の分野をなくそうと、今年も微力ながら、ファミリービジネスの普及啓発のため活動していかねばならない。



ショーン川上氏の経歴詐称ーハーバード大学院卒とは驚き

ブログをあまりに更新していないため、また友人に怒られてしまった。取り急ぎ、最近気づいたことを3テーマほど書いてみたい。


まずは、ちょっと前になってしまったが、ショーン川上氏の経歴詐称問題、特にハーバード・ビジネススクール卒と大嘘をついていた件。私も、「これは嘘ではないか」と最初から思っていた。というのは、川上氏が「本当に」ハーバードに行っていたら、私と年齢も近いので「知っている」はずなのだ。特に、あれだけの容姿ならハーバードの卒業生の中で話題にならないはずがない。


日本人でも、最近の詐欺師はよく「ハーバード卒」という詐称をする。数年前のIPSおじさんしかり、小保方しかりだが、これは一つにはアメリカの大学は講座や肩書が複雑であることが一因だ。エクステンションスクールやサマースクールなど、誰でも出れる講座もある。あるいはお金を払えばなれる「研究員」などという制度がある。


いずれも、こういう講座に出ていただけで「卒業」と詐称するのだが、ハーバードの方もこういうことは100も承知で(アメリカ人でも同じ手口を使う人が多い)、大学のホームページで、「名前と卒業年」を入れると、その人が本当に「卒業」しているかどうかが調べられるのだ。詐欺師はそこまで調べていて、川上氏も決して「卒業年」は言わなかった。


日本でも学歴社会は終わったという人もいるが、さにあらず。多くの詐欺師は嗅覚が鋭いので日本人が「ハーバード」という名前に弱いことを知っている。最近も、あるパーティで会った人が「ハーバード卒」と言ってきたので、「中身」を詳しく聞いたら、ハーバードに行っただけだった。話しの最後に「これ以上言うとヤバいぞ」と釘を刺したら、かなりビビッていた。それほど、身近に学歴詐称する人は多い。有名人でも何人か知っている。「コロンビア」が多いようだ(野村サッチーか)。気を付けたい。




松木康夫医師が12年ぶりに大規模パーティ開催ー「自称最後の出版記念」

新赤坂クリニック名誉院長の松木康夫先生が、満を持して11月にパーティを開くことになった。12年前の古希のお祝いパーティでは2000人が集まり、いろいろな政治家パーティなどに出ている私も度肝を抜かされた。そこには歴代首相が5人集まり、スピーチは橋本龍太郎氏のみが行った。森さんや海部さんがいても誰も驚かない、不思議な空間だった。


松木先生には私の結婚式でスピーチをして頂いた恩人だが、そもそも私のゼミの指導教授の石川忠雄先生(元慶大塾長)のお知り合いで、先生に「指導してもらえ」と言われお会いしたのが最初だった。15年ほど前だ。その後は本当に様々な場所でお目にかかっている。とにかく、顔が広い方だ。


パーティの発起人には60数名が名を連ね、相変わらず政財界のお歴々ばかりだ。司会はまたも徳光さんで、前回のパーティで伺ったところ、松木先生が「命の恩人」だそうだ。テレビでも何かの病気で死にそうになったと言われていたのを思い出した。その時に松木先生が適切なアドバイスをされたようだ。


今回も1000人以上の規模になるそうだが、82歳になられてその求心力とバイタリティは恐れ入る。おそらく参加者全員とお話(挨拶)をされるだろう。人情家であり、医師にはそれが必要だという信念を持たれている。個人的にも人間ドックでお世話になっているが、終了して最後に松木先生の話を聞くとなんとなく安心するのが不思議だ。


今は大学病院に行ってもサラリーマン的な医師が多く、何かしっくりせずに帰ることも多い。松木先生のような医師が「引退宣言」をして一線を退くのは何とも寂しい。とはいっても、以前にも何度も「引退宣言」をしながら、結局は要望が多く診察を続けているので、やはり生涯現役にならざるを得ないだろう。



アメリカのトップ大学にアジア系は不利?ーそろそろ出願の季節

昨日の日経新聞夕刊に気になる記事があった。ハーバードなどはアジア系学生は入試で不利になっているというのだ。訴訟も起こっているという。向こうのセンター試験にあたるSATという試験で満点でも不合格になるアジア系学生が続出しているそうで、何とも嫌な話だ。


確かに、アメリカの大学入試は点数だけで決めない。「総合的」に判断するということだなので、試験で満点でも他の面で目立つところが無ければ不合格になっても不思議はない。成績が多少悪くても(それでも最低限はクリアしているのが日本と異なるが)アメフトの有名選手がハーバードに入ることは知られている。要は「将来、この大学のためになる有為な人材」を採るのだ。


それはそれで、理にかなっているようにも見える。問題はアジア系への差別となると、これは由々しき問題になる。これも大学側では「多様性を重んじる」という一言で片づけるだろう。要は、日本人何名、中国人何名、黒人何名というふうに、多様な人種を交えて授業に多様な意見が出るように、との配慮だ。


それが事実とすれば、実際に受ける高校生は大変だ。しかし、こと日本人に関する限り、昔からハーバードは4、5名なので影響はなかろう。中国人や韓国人は、日本人の10倍近く受けるようになったのに、採る人数は日本人と同じくらいなので影響大だ。全体としてアジア系制限という事実があったとしても、影響は中国や韓国が受けるという構図だ。


そろそろ、日本の高校生も出願の準備に入るだろう。日本人の高校生の合格者が減ってきたので、数年前からハーバードやエールの日本人同窓会では、「学部の合格者を増やす」運動をやっている。私も微力ながらお手伝いをしている。その成果か出て、ここのところコンスタントに両校とも5名くらいの合格者を出している。


高校生側の事情もある。従来、灘、開成、筑駒といった高校のトップ学生は東大理科3類(医学部)に行っていたものだが、先の見えない現状を鑑み、一番の学生がハーバード、エールを受ける傾向が出てきた。こういう学生でも合格するまでには簡単でないので、我々卒業生も応援している。


今年も何人かの高校生の面倒を見ると思うが、この中から将来のノーベル賞、日本を背負って立つ人材が出る可能性も高いので、日本の将来のためにやっていきたい。

大村智さんのノーベル賞受賞に驚きー実家が近い

大村さんのノーベル賞受賞には驚いた。この方は山梨出身で、何かの折にお会いしてお話させて頂いたことがある。実家が近いことがわかり、ほぼどのあたりかはわかるくらいの距離だった。私が通った中学のそばに美術館を建てられたそうで、それも驚きだ。


その時に研究内容も拝聴した。医薬関係なので全く分からなかったが、特許を取られた話はある程度理解できた。北里研究所に莫大な特許料をもたらし、もちろんご本人にも入り、それで美術館をつくられたことが本日の新聞にも出ていた。


山梨からノーベル賞はおそらく初めてで、地元の山梨大学からも初めてだ。ご本人からは、30代にアメリカに行ってから勉強を始めた、という旨のお話もあったが、大器晩成を絵にかいたような方だろう。


今週はノーベルウィークで、いろいろな分野のノーベル賞の発表があるが、問題は「経済学賞」だ。これは他のノーベル賞とは異なり、数十年前にできた賞だ。サムエルソンにノーベル賞を与えるためにできた、という伝説もある。もちろん、日本人の受賞者はいない。早く出てもらいたい。


先日亡くなられた青木昌彦さんがノーベル賞候補に挙がったというウワサがあるが、あくまでもウワサだろう。このあたりの事情は、「最もノーベル経済学賞に近い男」と著書の帯に載せている浜田宏一教授に聞くのが一番だろうが、詳細は聞いていない。


アメリカのトップ大学の経済学部では、ノーベル経済学賞受章者はまったく珍しくない。エールとかMITにいくと5人くらいはいる。だから浜田教授もエールにいるのだからノーベル経済学賞候補、というウワサがでる。しかし、例えば私のメル友でもあるロバート・シラー(2013年ノーベル賞受賞)などのシャープさは日本人と比べると群を抜いている。


理系分野は日本は強いが文系分野(経済学も日本では文系になるが、アメリカでは数学科出身者も多い)はまだまだだ。特に経済学賞の受賞はいつになるか、これは待ち遠しい。