スイスでの「ファミリーオフィスフォーラム」に参加‐①オーストラリア前首相との会話
11月中旬にスイスのチューリッヒで開催された「ファミリーオフィスフォーラム」に参加した。
チューリッヒの街も中国人の姿が目に付いたが、この会合にはアジア人は私一人だった。
相変わらず「日本のファミリーオフィスとファミリービジネス」について説明したが、スイスでは
日本への関心はほとんどなく、そもそもアジアへの関心も薄かったように感じた。
「ファミリーオフィス」の国際会議はいろいろな機関や会社主催で世界のどこかで月1回は行われており、
私はこれが5回目の参加だ。日本でこういう話をするのが私しかいないので、毎月のようにスピーチ依頼が
来るが、今回これに参加したのはオーストラリア前首相のジュリア・ギラード女史が参加するからだった。
当然、基調講演は彼女だ。こういう人は講演の後はすぐに帰ってしまうのが常なので、すぐに声をかけ、
日本の「ファミリービジネスのイメージの悪さ」について話をした。
最初彼女は「冗談でしょう」と言われた。オーストラリアでも欧米のようにファミリービジネスは尊敬されている
という。理由は他国と同じように「責任のある経営をしているから」ということだ。
ともかく、「日本ではファミリービジネスがイメージが悪い」ことは短時間の説明では信じてもらえなかったようだが、
「あなたが日本の歪んでいる分野について草の根から変えていこうとするチャレンジは共感し、応援したい」と
おっしゃって話は終えた。その間、5分くらいだった。
この「日本の常識は世界の非常識」の話を、何とか一歩前進というところまで持っていくことは、やはり社会的な
意義があることだと、ジュリア・ギラード氏の言葉からも、改めて確信は持てた。
今日はノーベル経済学賞の発表ー日本人はなぜ取れない?
ノーベル賞の中で日本人が唯一とれていないのが「経済学賞」だ。これがアメリカに行くと、例えばエール大学経済学部だと15人くらいの教授の中で5人くらいがノーベル賞を既に取っているか、近く取る予定の人だから、全く驚かない。日本人がノーベル経済学賞を取ったら国がひっくり返るほどの大騒ぎになることと天地の差だ。
浜田宏一エール大学名誉教授に聞くと、日本人で唯一可能性があるのは(自分を除けば)プリンストン大学の清滝さんだという。確かに、ネット上でもそうなっている。清滝さんは「信用」という概念を経済学に入れるという新機軸で「候補」になっているという。しかし「有力」とはならないのが残念なところだ。
日本には大きな大学には必ず経済学部があり、研究者は1000人以上いると思うが、ノーベル経済学賞「候補」すら一人もいないとは、不思議というより「何とかしなくてはいけない」問題ではないか。
先日、ある高名な経済学者と雑談してわかったのは、日本の経済学者は「アメリカのノーベル経済学者の著作を翻訳する」ことが仕事だと考えていることだ。そして、「自分は審議会に3つ入っている」ということが彼の拠り所だ。審議会で何を発言しているのですか?と聞くと、役人が原稿をつくってくれる、ということだった。その時点でその方と話すのはやめた。
こんなことでは、確かに日本の学者でノーベル経済学賞をとれる人が出てくるはずがない。何のオリジナリティも生まれない。今回の選挙で安倍政権がどうなるかは分からないが、浜田教授には最後の仕事として、日本人のノーベル経済学者を出すために一石を投じてほしいとお願いするつもりだ。
経営者で大学教授を兼務している人を何と呼ぶか~佐山展生さんの至言
最近、いろいろな大学に関係しているが、今は大学も「実務家」を教授や客員教授とする例が多い。最初に困るのはこういう人を「何と呼ぶか」だ。先日、阪急と阪神の合併などを主導したM&Aの大家で一橋大学大学院教授の佐川展生さんとお話した時にもなかなか困った。
佐山さんと話すのは二度目なので、最初は「社長」と呼んでいた。まさにスカイマークなどの会社の社長をされているからだ。ところが、佐山さんはだんだん機嫌が悪くなっているように感じた。しばらくして「社長とか先生とか言われるのには慣れていないので、佐山さんと呼んでくれ」と言われたのだ。この人の人柄を表しており、以後ご指導お願いしますと申し上げた。
しかし、やはりこういう人は例外で、私などは「社長」とか「先生」とか呼ばれるのは嫌で佐山さんと同じことを言うが、人によっては「先生と呼ばれたい」という人も実は多い。いわゆる「士業」の人で、あからさまに「自分は先生と呼ばれるために保険の営業マンから税理士になりました」と公言している人がいたが、あきれて以後つきあっていない。
思い出したが、昔、慶応大学に入ったときに入学式で「ここでは先生は福沢先生だけだ。他の人は皆「君」づけで呼ぶ習慣がある」と言われた。そこで、ある教授にさすがに「君」ではなく一歩譲って「さん」と呼んだら、この人はひどく怒ってきた。私が「慶応では先生は福沢先生だけではないですか?」と聞いたら黙ったが、以後、お互い話すことはなかった。
それほど日本では「さん」と呼ぶか「先生」と呼ぶかは微妙な問題になるが、これは人によって大部感覚が違うことなので、やはり最初は大学の中では誰でも
「先生」と呼ぶことにしている。慶応でも。
近江商人の「陰徳」ーサントリーの鳥井社長も実践した日本的経営の極意
今日の日経新聞に伊集院静さんがエッセイを載せていた。これは伊集院さんが日経で最近まで連載していたサントリー鳥井家の「陰徳」の話である。近江商人の話で必ず出てくることだ。
最初、この近江商人の「陰徳」の話を聞いたのは、10年以上前、伊藤忠の伊藤さんからだった。神戸のあたりには名前のついていない公園が多いという。これは灘の酒屋(誰でも知っている大手)の寄付によるという。しかし、どことは言わないが、この酒造メーカーの方々は決して自分が寄付したとか、自分自身の名前をその公園につけようとはしないという。
ところが、伊集院さんも指摘しているように、最近の日本の新しい経営者は東日本大震災の後に「10億円寄付します」と
発表したり(実際にはしなかったようだが)、寄付団体を立ち上げたりする人が多い。これは日本的経営ではなく、アメリカ的経営の手法だ。日本の特に近江商人の企業は、会社の「永続」を前提にしているので「あせる」必要はない。50年後、100年後に自分の善行が活きればいいので、目先の評判をよくしようなどと考える必要がないのだ。
これこそ、日本的長寿企業の極意のような気がする。最近、いろいろな「100年企業」の方々から話を聞く機会が増えたが、彼らは今やっていることが次の代、あるいは次の次の代に活きればいいと考えている。これこそが、バブルの時にアメリカ企業が恐れた日本的長期経営ではないか。
最近、このような日本的経営を見直す風潮が出てきたことは非常にいい傾向だと考える。バブル崩壊後、日本人は自信を失って日本的家族主義を捨て、リストラに代表されるアメリカ的経営を入れようとしたが、結局は失われた20年を招いただけだった。やはり、日本に合った経営をすべきで、その答えは既に目の前にあったのだ。例えば、この近江商人の経営手法である。
トヨタやサントリー、武田薬品といった近江商人の経営をぶれずに行ってきた企業はずっと強かった。これこそが日本企業の「回答」であり、それを体現している企業のほとんどが「ファミリービジネス」だ。日本的経営もまだまだ悪くない。
齋藤健さんが農水大臣として初入閣ーハーバード1992年卒で初
今度の安倍改造内閣で齋藤健さんが当選3回ながら初入閣した。ハーバードの卒業が1992年の同期で(もちろん歳上だが)、その後は特にお会いしていないものの、嬉しい知らせだ。今度の内閣では、出身大学別ではハーバード大学院卒が4名で最大勢力となり、外国の大学が閣僚の最大勢力となるのは、当然ながら初めてのことだ。
話を齋藤健さんに戻すと、この方は自民党の中でも最も見識のある政治家の一人と、ある国会議員(非自民)から聞いた。自民党の中でもそういう評価なのは、当選3回で入閣したことが何より証拠だ。それにしても個人的に不満なのは
そういうマスコミ報道は全くなく、当選3回なのは大抜擢なのに、そういう報道もない。なぜなのか分からない。
齋藤さんが役所(経済産業省)出身からなのか、分からないが、今回の組閣でも
二世以外の大臣が何人いるだろうか.。齋藤さんは数少ない非世襲議員であり、
最初の選挙は落選し、想像以上の苦しみを味わったらしい。こういう苦労人が今の安倍政権には必要ではないか。もちろん 安倍さんの「お友達」でもない。それどころか、派閥は石破派だ。
どうしても世間の目は「問題発言」の大臣に行ってしまうが、数少ない実力派大臣の仕事ぶりや成果もマスコミには報道してもらいたい。
今年のハーバード学部の日本人受験者は110人ー合格者は4名、この結果は?
昨日、ハーバード日本同窓会で今年日本からハーバードの学部に行く日本人の壮行会があった。合格者は4名で受験者は110名(過去最高)だったという。私は今は面接官をしていないので、面接官をした人に聞くと、この結果は「悪くない」という意外なことを言っていた。その心は、全体の合格率が3%なので110分の4は「平均以上」になるという。宝くじにあたる確率に近い。
しかし、合格した学生に聞いてみると、やはり受かるべくして受かった4名だった。倍率に関係なく受かる感じだった。昨年はいわゆる受験校の学生が全滅だったが、今年は受験校の学生ばかりだった。このあたりハーバードの合格基準はよくわからない感じだ。
アジアでの受験熱はすごいらしく、中国からは3000人がハーバードの学部を受けたという。しかし、それ以上に人口比からいうと、韓国人のアメリカ留学熱はすごく、圧倒的だという。ともに5人前後しか受からないので、合格率は1%以下だ。しかも、アメリカの大学を受けるのは手続きや必要書類が膨大なので「記念受験」は少ないと考えられる。中国から受かるのは一体どういう天才児なのだろうか。
日本人の4名には、卒業後は安易に就職せずにノーベル賞をめざせよ、と言ったのだが、まだまだその意味は分からなかったようだ。行けなかった100名以上のことも思い出しながら勉学に励めと、私が昔あるエール大のノーベル学者から言われたことを言ったら、これは腑に落ちたようだ。ともかく彼ら、彼女らが日本の誇りになるような存在になることを願うばかりだ。我々ハーバードの卒業生がボランティアで面接する意味はそこにあるのだから。
タカタに見るガバナンスの弱さーファミリービジネスには「番頭」が必要だ
タカタの民事再生報道で、創業家のガバナンスに焦点があたっている。しかし、これは今更言うまでもない。ファミリービジネスの最大の弱点はオーナー社長の独断などのガバナンスにあるからだ。しかし、日本の「強い」ファミリービジネスはこの弱点に対して「番頭」という日本独自のシステムを確立している。タカタにはこの「番頭」がいなかった。
番頭の活用で一番有名なのがトヨタだ。かつては、石田さん、花井さんといった大物番頭がいたが、最近でも奥田社長や張社長は豊田章夫氏につなぐための「番頭」的な役割を果たしたと言われている。トヨタのみならず、武田薬品も小西さんという番頭がいた。「番頭」と「婿養子」は近江商品の知恵、と言われる所以だ。
日本は世界一の長寿国だが、それを可能にしたのは日本的な経営システムである「番頭」と「婿養子」だと考えている。いずれも現在では「古い」と思われているが、こういう日本のよさを忘れて、日本には合わない欧米型の経営手法を真似たことが「失われた20年(以上)」を招いたと個人的には考えている。
日本では、この「番頭」の研究が進んでおらず、大学の授業でも「番頭が重要だ」とか言っているのは私くらいだが、アメリカでは特に日本の競争力が世界一だった1990年前後に日本の経営の研究が進み、「番頭」にも注目されていたようだ。
ハーバードの世界的な経営学者であるチャンドラー教授も「番頭」に注目されていたようだ。チャンドラー教授は亡くなったので、その着眼点は聞くことはできないが、同僚だった吉野洋太郎ハーバード名誉教授によると、「日本企業の強さ
は「番頭」にある」とおっしゃっていたそうだ。この場合の日本企業とは日本の「ファミリービジネス」のことだと思われる。
最近では、私は「ファミリーオフィスはファミリービジネスの「番頭」ですよ」とことあるごとに話している。日本ではもはや番頭的な人は影をひそめ、そうなると日本のファミリービジネスの「強み」がなくなる。番頭がいなくなると第二、第三のタカタはどんどん出てくるだろう。コーポレートガバナンスの観点から、「番頭」という役割を果たすファミリーオフィスの重要性を今後も訴えていくつもりだ。
シンガポールでの国際会議に出席ー③ファンドマネージャーはAIに勝てるか?
この会議は主に各国のファミリーオフィスの人々が参加していたが、機関投資家もいた。彼らの関心は「投資成績」なので、今は各方面で注目されているAIのこの分野での活用に最も興味があるようだ。その専門家を呼んだセッションがあった。
最近、また囲碁の「アルファGo」が世界一の棋士を破ったことが注目されたが、
実はこれは当然予想された事態だ。1年前の段階で既に世界一の棋士にAIが勝っており、AIはその後も日進月歩なので人間は相当不利だった。私は人間が勝ったならむしろ「奇跡」と思っていた。
より大きな問題は「投資は人間がやった方がいいか、AIがやった方がいいか」だ。AIの専門家は、投資は感情を入れると負けるので、感情の入らないAIが圧倒的に有利とし、個人的にも賛成した。ところがそれを認めると仕事がなくなる人々がいる。もちろんファンドマネージャーたちだ。予想通り、彼らは一斉に反論した。
日本のファンドマネージャーもそうだが、投資には「勘」の有無が結果に作用すると思っている人がいる。カリスマファンドマネージャーは「勘」が鋭い人々と言われる。しかし、本当にそんな「勘」が必要なのか。
囲碁でもかつては同じ議論があった。囲碁独特の「勘」や「感覚の一手」というものがあり、これはAIでは理解不可能なので人間は越せないという説だ。これは長い間囲碁のプロの間では共通認識で、自分たちは永遠にAIには負けないと思っていた(信じていた)。ところが昨年、大激震が走ったわけだ。もう囲碁の分野では人間は勝てない。
それでは、投資はどうか。これも結果が出るのは時間の問題だが、人間は相当不利だろう。感情が入ると投資も博打も負けるものだ。まさに「投資の心理学」の話だ。著名投資家ジム・ロジャースも「あと何年かでファンドマネージャは消える」と公言しているほどだ。
投資は結果が全ての世界なので、数年の内に片は付くだろうが、この分野でも悲しい結果に人類は気づくことになるだろう。
シンガポールでの国際会議に出席ー②「ファミリーオフィス」の急増にはこんなカラクリが
日本では、私の活動不足により「ファミリーオフィス」の認知度は低いが、アジアでは最近はシンガポール、香港、上海あたりは一般人でも知りつつある存在になっているようだ。数としては、それぞれ500件以上に上っているという。全世界では1万件を優に超えている。日本では「自称ファミリーオフィス」を入れても50件程度だ。
そもそも、ファミリーオフィスとは、超富裕層の個人を顧客にして、そのニーズのあることを全てワンストップで行うコンサルタント業である。様々な専門家と提携して超富裕層(金融資産10億円以上、普通は100億円以上)の顧客を満足させなければならないのだから、これは「大変な」仕事内容だ。だから世界広しといえども「1万件」もあるはずがないというのが常識だろう。
私も当然そう考えており、例えば東京23区くらいの面積のシンガポールで500件~1000件のファミリーオフィスがあるという話を聞いて、非常に違和感を持った一人だ。今回は「実地調査」をして、「やはり」という結論を得た。もちろん、事前にいろいろな専門家から情報は入っていた。
結論からいうと、この約1000件のファミリーオフィスのほとんどが、投資顧問業の方々だ。単に顧客を「超富裕層」に絞っている(絞りたい)というファンドを売る人々が「ファミリーオフィス」という何となくよさそうな名前を付けているだけだ。東京だってそういう投資顧問会社は大小合わせて500や1000はあるだろう。
問題は「本当の」ファミリーオフィスと「投資顧問業だけの」ファミリーオフィスを
どう区別するかだ。これはまさに「本当の」ファミリーオフィスという意味で、
「REAL FAMILY OFFICE」と言っているのだ。笑ってしまった。そのものだ。
何年か前にジュネーブの会議で最初にこの言葉を聞いたが、今や広まっていたのだ。
だから、世界のファミリーオフィスの数と言った時には、この二つを区別する必要があるのだが、残念ながらそのデータはない。感覚的には「本当」なのは10%以下であることは間違いない。全世界で「本当の」ファミリーオフィスは1000件強くらいではなかろうか。しかし、これこそ一つ一つチェックする必要があるので永遠の謎だろう。
結論として「本当」だろうがなかろうが、世界中で「ファミリーオフィス」という存在が知られることが、まずは第一歩のような気がする。どんどん参入を促して、問題が起きれば、その時に考えたらいいと思う。
シンガポールでのオルタナティブ投資関係の国際会議に出席ー①日本人発表者はやはり私一人
4月下旬にシンガポールでのオルタナティブ投資関係の会議に出席、パネルディスカッションに出た。アジアでも欧米でも、こういう会議に出ると日本人の参加者はいるのだが、誰も発表しようとはしない。私より内容的にも詳しく、英語もできる人は日本にいくらでもいるのに、いつもこうなるのが不思議だ。そういう人は参加者としては来ているが、質問もしない。まるで、アメリカの大学院の授業で日本人がなにも発言しないのによく似ている。日本人が民間の国際会議で発表しないのは、なぜか?
まず、この種の会合に日本の金融機関が出て「効果」があるかが問題となる。自分の手の内だけをさらして、他国の参加者から得られるものが少ないのではと考える。この点は、欧米の金融機関の人々のプレゼンは素晴らしく、「肝心」のところはぼかして、周辺のことをわかりやすく説明する。アメリカの大学院で日本人が質問できないのも、実は欧米人のプレゼン能力に圧倒され「こんなことを言ったら笑われる」と考えるからだ(少なくとも私はそうだった)。
次に「英語でのプレゼンをする準備が大変」だからだ。私は国際会議でのプレゼンは3回目だったが、ともかく初回は大変だった。45分のスピーチの準備にまる1か月はかかった。これは自営業だからできることで、サラリーマンだったら無理だろう。しかも役員がこういうプレゼンをすることになったら、その原稿は下の者がつくらざるを得ず、地獄になる。
最後は「時間」だろう。出張で1週間は本業ができなくなる。これは痛い。私も出張の前はいない間の手配が大変になる。
こう見てみると、まさに「悪いことずくめ」だ。でも私は招聘があれば、時間の許す限り今後も海外に行こうと考えている。なぜか?
まず、日本の「ファミリーオフィス、ファミリービジネス」の紹介をしたいからだ。これは「日本ファミリーオフィス協会代表理事」の役目でもある。これは私しかする人はいないので、当然の責務だ。最近は「日本」に興味を持ってくれる人が少なくなっているので、ニーズが少なくなっており、与えられた機会は最大限に活用する必要がある。
第二は、海外の情勢を知りたいからだ。ファミリーオフィスに関する状況は各国とも激変しており、日本だけが取り残されている感じだ。こういう国際情勢を知りつつ、自分がすべきことを考えたい。
第三は、会合で世界中の友人ができるからだ。参加者の中には「自社の商品を日本の超富裕層に売ろう」という思惑で私に近づいてくる人もいるが、そういう人は少数で、大抵は各国での超エリートだ。ハーバード、エールの卒業生も必ず何人かはいる。そういう人が日本に来るときは「会おう」と言ってくれる。今週も三年前のジュネーブでの会合で会ったイギリス人と会う。こういう機会は自分の人生を豊かにするので、何物にも代えがたい。
次回からは、今回のシンガポールでの会合で気づいたことを何回かに分けて説明したい。