日本ファミリーオフィス協会 -11ページ目

エーザイの内藤晴夫CEOは子息を後継者にーファミリービジネス関係者の努力も

今週はエーザイの抗アルツハイマー新薬の話題で持ち切りだった。これを達成できたのは内藤CEOの執念だ。エーザイは同族企業でCEOの任期も長く、長期的な開発作業が可能だったのも大きい。医薬品は開発に長期間かかるので日米欧ともに同族の会社が圧倒的に多い。アメリカのSCジョンソンやドイツのバイエル、メルクといったところが有名だ。

 

日本ではファミリービジネスのイメージがまだまだ悪いので、一時期、内藤氏も「脱同族」と言っていたようだ。これに異を唱えたのが、内藤氏とアメリカのケロッグ・ビジネススクールで同期だった奥村昭博先生(元慶應ビジネススクール校長、ファミリービジネス学会会長)だ。この経緯は奥村先生から伺ったが、要は同族を維持した方が内外ともいい結果が出ているという「事実」を説明されたようだ。奥村先生には当協会の理事もお願いし、ご指導いただいている。

 

日本の同族企業の中でも「脱同族」を唱えている企業は多い。しかし、これは古い経営学だ。アメリカでも1980年代までは脱同族が優位だったが、今では同族の強さが意識され、脱同族は死語になっている。こういう事情が日本では知られていないため、大手の同族企業でも「脱同族」を言うところが多い。ここは大いに事実を伝えていかねばならない。

 

奥村先生や星野リゾート星野さんなどのご努力で、脱同族を言っていたキッコーマンや、愛知の老舗企業のミツカンも同族経営を維持することになったようだ。私はよく、「同族経営を維持したトヨタと、同族を放棄した日産でその後どうなりましたか」と説明している。アメリカの同じく自動車会社でも、同族を維持したフォードが生き残り、脱同族のGMやクライスラーが衰退した事実もある。

 

ファミリービジネスを研究している我々は、同族企業に「事実」を説明し、事業承継で衰退への道を歩む企業が増えないようにする使命はある。もちろん、事業承継で必ず同族がいいとは限らないが、無条件に「脱同族」を選ぶ企業には事実が伝わるようにしていかなければならない。

経団連の副会長に就任したDeNAの南場さんー何になるかではなく、何をするか

経団連も世間の風潮から、副会長に女性を入れることになり、第一号にDeNAの南場さんが選ばれた。南場さんはハーバード1991年卒で、私とはちょうど入れ替わりで面識はない。ただ、就任会見で「副会長になるのではなく、何をするかが問題」と言われたようで、この考えは私もハーバードで学んだことだ。

 

ハーバード入学同期の楽天・三木谷氏も、「日本でサラリーマンをしている時には会社でトップになることがビジネスの王道だと思っていた。何をするかはあまり考えていなかった」と経団連での講演会で言っている。日本のほとんどのサラリーマンが未だに同じ考えだろうし、私もかつてはそうだった。大企業のサラリーマン社長には「何をするか」を考えてほしいと思うこともある。

 

特に、私が感じているのは、サラリーマン社長は「自分が社長をしている4年間だけ業績がよければいい」としか考えていない。その間業績がよければ自分がクビになることはないからだ。だから、最近話題のSDGsで、特に温暖化対策には本気で取り組まない。やっているフリをするだけだ。

 

誰でも温暖化対策が必要なことは分かっている。しかし、これを本気でやろうとすると特に化石燃料に依存している業界は「短期的には」業績が落ちる。10年後、20年後には会社のプラスになったとしても、4年間だけ社長をする自分にとっては何のプラスにもならない。だから長期的な課題はサラリーマン社長には無理で、オーナー社長でないと何もできないのだ。

 

サラリーマンは肩書が全てなので、どうしても「何になるか」だけを考えて日々を過ごすのは仕方がない。これを批判するつもりはないが、やはり「何をするか」を考えて働かないとつまらない。南場さんや三木谷君などのオーナー社長はこれができるだけに、オーナー系の会社はこの点でアドバンテージがあるともいえる。

 

 

尾身さんが本領発揮か?ーそもそも厚生省の公衆衛生学の人だが

尾身茂さんが「御用学者」とは思えない一面を発揮している。明らかに菅さんも想定外で、これは私にとっては嬉しい話だ。

 

尾身さんとは30年以上前に経団連の地球温暖化関連の仕事でお会いした。当時は尾身さんは厚生省の医務技官だった。公衆衛生学が専門で、地球温暖化も厚生省では自分の担当になりそうだという話をされていたと記憶している。そもそも感染症の専門家という感じはしなかった。その後、WHOに行かれたという話を聞いていた。

 

それが、昨年から急に注目され始め、現在は「コロナといえば尾身さん」になっている。菅さんの意を汲んで、それに合った意見を出す、まさに究極の「御用学者」になっている。個人的にはもっと骨のある人だと感じていたので、かなり「がっかり」だった。

 

ところが、原因はわからないが、なぜか先週あたりから不規則発言が目立つようになった。オリンピック開催もまずいと言い始めたため、これは官邸は大慌てだろう。これ以上、オリンピック発言をしたら、何か身辺調査をされ、体よく解任されるだろう。でも個人的にはそうなってもいいので、「常識的な」発言を続けてほしい。それが私の知る尾身さんだ。

 

多くの御用学者が「自分の地位を保つため」、自説を曲げ、首相のいいなりになる中で、一人くらいは「本当のこと」をいう人がいてもいい。私の知る御用学者は、「本当はこうなんだけど、首相の意向はこうだから屁理屈を考えている」という人が全てだ。とくに、前政権のように長期政権になるとそういう御用学者が出てきて、政府内での人事権まで持つようになる。世も末だ。

 

尾身さんはこの週末はいろいろな筋からプレッシャーを受けているだろうが、そんなものにはひるまず、「学者の良心」に従った行動を取ってほしい。本当にオリンピック開催がヤバイ状況ならば、国民に広く伝えてほしい。正しい情報がないと、取り返しのつかないことになりかねない。

 

 

高橋洋一氏の内閣官房参与辞任に思うーなぜ菅さんはこんな人を、、、

昨日、高橋内閣官房参与が辞任した。菅さんは自ら辞めたと言うが、実際は更迭だろう。発言がいいかげんすぎた。しかし、高橋氏の発言のいいかげんさは今に始まったことではない。

 

この人は窃盗事件も起こしていたが、菅さんがなぜこんな人を経済アドバイザーにしたかは大いに疑問だ。私はこの人に実際に会ったことはないが、良く知る人から聞くと、非常に売り込みがうまい人だという。おそらくそういうことだろう。

 

前政権の内閣官房参与であった浜田宏一氏と非常に似た匂いのする人だ。現に二人は仲良しで、浜田氏の2012年の著作「アメリカは日本経済の復活を知っている」では、帯に推薦の辞を述べている。何とそこには「ノーベル経済学賞に最も近い男」と浜田氏を紹介している。エール大学で浜田氏の授業を受けた人は皆、大笑いしたものだ。「何の研究で???」ということだ。

 

浜田氏も「高橋さんが僕のことをノーベル賞候補だと言っていた」と嬉しそうに言っていたので、一応、浜田氏が囲碁の師匠といっている私は「先生、何の分野ででしょうか?」と聞いてしまった。これについて何か回答があると思ったが、さすがになかった。

 

高橋氏がいなくなると、残る経済政策分野の内閣官房参与は元経団連事務総長の中村芳夫だ。中村さんは昨年4月にバチカン大使を終了し帰国したが、イタリアのコロナ禍もあり、かなり疲れている感じだった。しかし、こうなったからには菅さんに、今度こそまともな経済政策を提言してほしいものだ。

「ファミリーオフィス」についての本日の日経記事ーさすがに正確

アルケゴスでお騒がせの「ファミリーオフィス」だが、今まで私のサボリもありあまり注目されていなかったので、なかなか「基本」がわからない。また、その「基本」が揺らいでいるのが最近の世界の「ファミリーオフィス事情」だ。そのあたりのことを、本日の日経記事は短いながらも要点をとらえてまとめていた。小生も電話取材を受けたが、かなり多くの取材を行った感じだ。

 

そんな中、昨年1年間はバーチャルでやっていた「ファミリーオフィスの国際会議」だが、10月にシンガポールでリアルの会合を久々に開催する運びとなり、小生にも講演依頼がきた。もっともコロナ感染の状況によってはまた延びる可能性もある。

 

この会議への参加条件は「GENUINE  family office 」であること。純粋な(本当の)ファミリーオフィスということだ。かつては「REAL family office」という言葉を使っていたが、さすがにこの表現はキツイということで変えたのだろう。逆にいうと、数年前から本当ではないファミリーオフィスがかなり増えたということだ。主催者に聞くと、条件はつけても1人ひとり身体検査はできないので、自称ファミリーオフィスが入ってきてしまうということだった。

 

いつか何かの問題が起きるとは感じていたが、それはバブル崩壊後だと思っていた。このタイミングは想定外で、世界中のファミリーオフィス関係者がメールなどで「何だ」とか言い合っている。私もウォール街の自らの資産を運用している友人(彼は自分のことを自称ファミリーオフィスだと理解している)に聞くと、「アルケゴスはこちらでは超有名で荒っぽいことをやっていた。他はあそこまではない」ということだった。特殊な例で、近々、次々に同じことが起きる雰囲気ではないという。

 

しかし、この機会にファミリーオフィスの誤解を解くための解説と最新情報を何かの雑誌に載せないといけないなとは感じている。

 

 

 

 

突然注目される「ファミリーオフィス」ーアルケゴスは特殊な新興ファミリーオフィス

アルケゴスの問題が起きて、突然「ファミリーオフィスって何?」という問合せが増えて驚いている。中には長年の友人にも関わらず「ファミリーオフィスって何をしているんだ」と聞かれたのには悶絶。もっともこの意味は「ファミリーオフィスは超富裕層のビジネスや資産のトータル管理をしていると思った」という正しい認識からだった。そう思っていたのがヘッジファンドと同じことをしているファミリーオフィスが出てきたので、?ということだった。

 

私もそのうちこういう問題は出てくると思っていた。というのは、2014年ごろから毎年数回、ファミリーオフィスの国際会議に出席しているが、そのころから新たなファミリーオフィスの形態が目立ってきたのだ。それが「自分でつくった資産を運用するためのファミリーオフィス」だ。本来のファミリーオフィスは富裕家族の問題を一族が管理する「シングルファミリーオフィス」と、私のファミリーオフィスのように複数の富裕家族の世話をする「マルチコマーシャルファミリーオフィス」だ。

 

新たなタイプのファミリーオフィスは、たいていはウォール街の人が多いのだが(意外にアジア系が多い)、中にはオーストラリア初の女性首相ジュリア・ギラードもいた。誕生日が近いことからちょっと立話をしたが、額は言わないものの、自らのファミリーオフィスを立ち上げそれなりの資産を運用するとともに、講演料をそこに入れるなど資産管理をしている感じだった。

 

一昨年の10月、ニューヨークのハーバードクラブで開催されたファミリーオフィスの会合はある種異様だった。場所がいいせいか、ロックフェラー家、ロスチャイルド家、ケネディー家、マイバッハ家のファミリーオフィス代表(一族)が参加していたが、その中に混じって今回のアルケゴス的な自称ファミリーオフィスが相当程度参加していた。懇親会で、あるインド系の人はちょっと桁が大きすぎて計算が難しいくらいの試算を運用しているという話だった。

 

もちろん「ファミリーオフィス」を名乗るのは自由で規制もない。日本でも意外にファミリーオフィスを名乗っている会社はある。しかし、こういう事例が多発し、悪い意味で「ファミリーオフィスって何をしているんだ」という事態は勘弁だ。今はまだバブル継続であまり出てこないはずだが、もしバブルが崩壊したらウォール街ではこういう事例が頻発するだろう。

根絶できない官僚接待ー官僚の給与を上げないとダメ?

またまた霞が関官僚の接待が問題となっている。この問題は2,3年に一度は起こるので、何とか根絶できないものかと、第3者ながら私も若いころから考えてきた。不愉快極まりなく、また非常に後ろ向きの話だからだ。いつも国会で多くの時間を使い、幹部の処分で終わるのだ。

 

3年前には仕事でコンタクトがあった局長級の役人が逮捕された。飲食での逮捕は相当な話だ。やはりこういう人間は「相当」であり、20年以上前からタカリが酷いことが私の耳にも入っていた。本人に注意はしたが、「付き合ってやっている」とふてぶてしかった。いくら霞が関でもここまでの人物は見たことがなく、逮捕されたのは当然の感もあった。

 

最近は、霞が関ルールで民間人と夕食をともにする時には「割り勘」にするそうだ。しかし、民間人は仕事なので会社から経費が出て、官僚の方も仕事関係の話をするのに自腹では、そんな懇親会はそもそも成り立たない。懇親会を行うには企業側が全て負担するしかない。

 

だいたい、今回もそうだったが、料亭に行けば一人7万円以上かかり、しかもお土産や車の手配も必要なので10万前後かかってしまう。こんなものを「割り勘」にしていたら、公務員は生活できなくなる。霞が関官僚の給与はそもそも低く、それ以上に「サービス残業」が非常に多いので、若手の時給はウーバーイーツ以下だ。最近の霞が関離れも分かる。

 

この問題は「構造的」な話なので、役人を国会で虐めても全く解決しない。また2,3年後には問題が発覚する。私は昔ある官僚に「料亭でやるから問題になるのであって、昼間、役所の会議室でオープンに民間企業との交流会を開けばいい」と提案したが、「上の人々が皆、料亭でやってきたのでなかなか理解されないし、企業側も個室で情報交換や交渉することを望んでいるのでは」ということだった。実態はそうだろう。

 

菅総理は役人に恐れられているようだし、今回は自分の息子が原因になっているので、そろそろいい解決策を考えてくれないか。官民の交流は必要だが、いつまでも夜の料亭でしか物事が決まらないのでは、オリンピック同様「透明性ゼロ」で、国際的にも理解されない。

 

 

 

 

(大河ドラマ2)渋沢栄一の先祖は武田家の家臣ー渋沢記念館の館長に聞く

今年の大河ドラマは渋沢栄一だ。その5代末裔の渋沢健さんは、当日本ファミリーオフィス協会の顧問をお願いしている。かつては理事もお願いしていたのだが、この大河ドラマが決まってから講演依頼が殺到し、外部の理事は断っているそうだ。それで何とか顧問に残ってもらった経緯がある。

 

渋沢栄一の実家は深谷市の血洗島にある。現在は記念館になっており、そこに数年前に伺った。渋沢健さんとの関係を話し、館長の渋沢さんから渋沢家の話を伺ったが、意外にも戦国時代には武田家の家臣で甲府に住んでいたという。まさに本能寺の変の直前の1582年3月に武田家が滅亡したときに深谷まで逃げてきて、そこで帰農したそうだ。

 

渋沢健さんにこの話をしたら、母親の先祖が武田家の家臣だったと聞いているということで、渋沢家は武田家と深いつながりがあるようだ。

 

健さんには、渋沢家の「ファミリーオフィス」について、この協会ができた時に調べて頂いた。2007年の10月のキックオフ講演会で健さんにも登壇頂いたのだが、そこで発表してもらおうとしたのだ。調査の結果は、「どうやらファミリーオフィスらしきものはあったようだが、文献では確認できなかった」ということだった。だいたい、明治の財閥はどこもファミリーオフィスのような組織を持っていたが、文献では確認できないことが多い。

 

大河ドラマでは近代をやると視聴率は悪いが、第1回は20%を超えてよい出だしだったようだ。私も健さんの影響もあり「論語と算盤」は愛読書なのだが、渋沢栄一そのものについてはほとんど知らない。今年は毎回見てみたい。

 

 

(大河ドラマ1)麒麟の最終回ー信長の首の行方の異説(富士宮に埋められた)

昨年の大河ドラマは堅調な視聴率で終わったようだ。最終回はどうなることかと見ていたが、明智光秀が「生きていた」という説を紹介していた。これについては数十の小説で書かれているテーマで私も多くを読んだ。それとともに、最終回では本能寺の変の前日に信長が本因坊算砂と囲碁を打っている場面が出ていた。

 

本能寺の変の前日夜に信長が本因坊算砂を本能寺に呼んで、囲碁を打ったり、打っているのを観戦していたのは有名な史実だ。深夜に及んだので算砂はそのまま本能寺に泊まり、翌日早朝の変に巻き込まれたという説もある。この人は大河ドラマにも出ていたように僧侶なので、明智軍に殺されることはなかった。それどころか、大活躍して信長の首を持って逃げたという異説がある。

 

私もこの説を知ったのは数年前に初めて富士宮市を訪問した時だ。たまたま、富士宮市議会議長が知り合いで、話のタネにでもということで電車で行って、駅前の観光案内所でパンフをもらった。目的は山本勘助の生家を訪ねることで、さすがにそのパンフにも載っていたのでそれを見て行ったのだが、そのパンフにはもう一か所、「西山本門寺」という見知らぬ寺が出ていた。

 

その内容を見て度肝を抜かれたのだが、本因坊算砂が本能寺で信長の首を切り落として、それを持ってきてこの寺に埋めた、、、ということだった。京都から富士宮まで持ってくるのは相当大変だと思うのだが、地元では毎年信長公の供養をしているそうだ。

 

後日、この話を議長にしたのだが、さすがに真偽は分からんとのたまわっていた。本当ならすごい話だ。明智光秀が天海になったという説を信じている郷土史家もいるが、歴史の異説は確たるものがない限り100%の否定は難しい。

森さんと川渕さんーこんな人がトップに君臨する日本の深刻な人材難

日本も全ての分野で人材難だ。政治家の質低下は目立つのでよく問題になるが、経済界だって人材がいない。かつては財界四天王と呼ばれる人がいて経団連会長を争ったものだ。最近では

経団連会長になり手がいない(相応しい人がいない)ことが改選期には常に問題になるまでになった。

 

政界にも私が就職したころは綺羅星のような優秀な人がいた。中曽根、宮沢、後藤田などは国際場裏に出しても恥ずかしくなかった。ところが今は森喜朗だ。この人には30年ほど前に5分程サシで話す機会があったが、私が経団連職員だと分かると一転態度を硬化させ、「三好さん(元事務総長)に政治献金を断られた」と言い出したのだ。

 

私は何のことか分からず、「先生、それは平岩会長の決断ですよ」と申し上げたのだが、森氏は「自分が自民党幹事長の時に三好さんに経団連会館に呼びつけられ、一言、政治献金は終了ですと言われた」とのことであった。だから「三好さんに断られた」そうだ。。。この人は「組織」というものが全く分かっていないと認識できた。三好さん本人も森さんにはあきれていた。

 

昨日も、自分に後任会長を選ぶ権利がないのに、勝手に川渕さんにお願いしたのだから、組織が分かっておらず定款も読んでいないことが暴露されてしまった。報道では、森さんの年齢によるものという解釈が多いが、若いころから分かっていなかったのだ。よくこんな人がトップに居続けたものだと感心する。

 

もう一人、恥をさらしたのが川渕さんだ。こんな話を受けなければいいものを、大変な名誉であることから受諾した。そもそも論だが、この人も森さんに後任を選ぶ権利があると思ったのだろうか。評議員をやっていれば分かりそうな話だが、この人も組織が分かっていなかった。挙句に風向きが変わると一転、受諾しないとか言い出した。受諾するといっても、もはや理事会でも相手にされないだろう。

 

川渕さんがどういう方か存じ上げないが、「選手村の村長」をしていれば「人のいいサッカーおじさん」で人生を終えられたと思う。昨日のわずか一日で、まさに晩節を汚した。今からでは「村長」もできるかどうか。そもそも今回の件でオリンピックがなくなる可能性もある。この一番大事な時期に会長不在となるのは相当痛手だ。

 

人間歳をとると、森さんはともかく、誰でも判断力は鈍る。私もかつて目立ちたがり屋の経済学者に「晩節を汚すのであまり表に出ない方がいいですよ」といったが、森さんと同じように逆切れされただけだった。反面教師として学びたい。