TEARS FOR FEARS  「ELEMENTAL」      1993
 
 原盤は1曲目の「Elemental」がアルバム・タイトルになってるけど、
邦盤は3曲目の「Break It Down Again」が邦題になってます。
 
 
イメージ 1
 
 
 本アルバムからは「Cold」と「Break It Down Again」がシングル切ってるのかな?
相棒のカート・スミスと決別し、ソロ・ユニットとなった本作、
「ひとりTFT」になっちゃったけど、なかなかポップで、メッセージ性有りで、
「Elemental」~「Cold」~「Break It Down Again」の流れが素晴らしいね。
 
 気になるのは「Brian Wilson Said」、邦題は「ブライアン・ウィルソンの警告」
ローランド・オーザバルのコーラス・ワークも駆使して「ひとりビーチ・ボーイズ」
「僕の人生は今まで楽なものではなかった」と締めくくってるあたり
真意は判り兼ねますが...。
 
 とにかく、アルバムを出す毎に魅力が薄れてくTFTでした。(笑)
THE JIM KWESKIN JUG BAND 
「GARDEN OF JOY」
1967
 
 『祝! 結成50周年、ジェフ&マリア・マルダーも在籍していた
ニューヨークが誇るいかしたジャグ・バンド、
ラストにして最高傑作。』
 
 
イメージ 1
 
 
 
 ジャグ・バンドというスタイルを初めて認識したのは
1970年頃のマンゴ・ジェリーの「イン・ザ・サマータイム」でした。
このジム・クウェスキンのバンドはクラリネットやフィドルも交えて
更にオールドタイミィなアコ・スウィング感を醸し出しています。
 
 ロリー・ギャラガーがアルバム「AGAINST THE GRAIN」でやってた
「Out Of The Western Plain」、ロリーのヴァージョンは
ブルージーなアレンジでしたが、
こちらはマリア・マルダーのヴォーカルをフィーチャーしたフォーキーなものです。
 
 また、ラストの「Gee Baby Ain't I Good To You」は
後にジェフ・マルダーがソロアルバム「IS HAVING A WONDERFUL TIME」
エイモス・ギャレットのギターをフィーチャーしてカヴァーした絶品で、
このジャグ・バンドのヴァージョンをジェフはうまく踏襲してました。
 
 本アルバムがラストとなり、今年、結成50周年記念コンサートが
行われるそうです。21世紀の初めにアコースティック・スウィング・ブームが
ありましたが、ジャグ・サウンドを含めたこの辺の音楽が見直されるのは
たいへん喜ばしいことですね。
THE KINKS
「ARTHUR OR THE DECLINE AND FALL OF THE BRITISH EMPIRE」
1969
 
 『ひとつの家族の物語を通して英国の過去と現実を浮かび上がらせた
秀作コンセプト・アルバム。』
 
 邦題は「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 TVドラマの音楽として制作が進行してたけど、ドラマの企画が中止になった為、
ロック・オペラとして独立して制作が継続されたアルバムです。
レイ・ディヴィスの実姉とその夫を全盛期の大英帝国にダブらせて描かれてます。
ただ時は折りしもザ・フーの「トミー」が先にロック・オペラとして
脚光を浴びてしまったため、当時はほとんど話題にならなかったというのが
事実のようです。
 
 ボクがキンクスを知ったのは今から40数年前、
ラジオで流れてた「ヴィクトリア」が最初でした。
当時、中学生だったボクは、レイのヘンなヴィブラートに馴染めず、
でもメロディが好きで印象に残ってました。
あの頃はLPを買うということは中学生にとっては至難の業で、
LPどころか「ヴィクトリア」のシングル盤も買いませんでした。
今、こうやってCDのオープニング・チューンとして配された「ヴィクトリア」を
懐かしさに浸りながら聴いてます。
 
 例によって、アルバム・コンセプトは理解しづらいですが、
個々の楽曲はどれも素晴らしいですよ。
DEEP FOREST  「MUSIC. DETECTED...」      2002
 
 『時空を超えたメッセージを紡ぐ、新たなるヴァーチャル・ジャーニー。
「コンパルサ」以来4年振りとなるオリジナル・アルバム。』
 
 
イメージ 1
 
 
 
 1曲目の「India」、このハードなリフにはちょっとビックリ!
「これ、ホンマにディープ・フォレスト!?」と疑っちゃうほど。
インドっぽいマテリアルを集め、アジアン・テイストというかアジアン・カラーを
見事表現したナンバーです。
 
 今までの作品は民族的な題材をベースにした、
どちらかというと素朴なサンプリングだったのに、今回はちょっとハードです。
そしてオマケにそれぞれの曲にヴォーカルをフィーチャーしてんだよね。
これがまたプリミティヴで妖しげな効果を産み出してるような気がします。
 
 三橋貴風というヒトの尺八をフィーチャーした「Yuki Song」は
メンバーのエリック・ムーケの奥方(日本人)に捧げた曲で、
ビヴァリー・ジョー・スコットのロック・ヴォーカルがイカシてます。
 
 もちろんワタシのお目当ては「Will You Be Ready」、
メジャー・デビュー直前?直後?の元ちとせが唄ってます。
尺八と三線のイントロに導かれ、奄美の島唄を唄う元ちとせと
アンジェラ・マクルスキーのヴォーカルの絡みが面白い!
 
 今までの民族音楽の持つ土着性が薄れ、
ロック・テイストを前面に出したアルバムは
ファンの間では賛否両論あったそうですが、ワタシはどちらも好きです、ハイ。
LEANN RIMES  「I NEED YOU」      2001
 
 映画「コヨーテ・アグリー」にリーアンの曲が4曲収録されてますが、
その内の「Can't Fight The Moonlight」と「But I Do Love You」の2曲が
本アルバムに収録されています。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 アルバム「BLUE」でメジャー・デビューしたのが何と13歳!!
天才シンガーと言われたリーアンもこの時点でまだ18歳!
日本じゃなかなか認知されないカントリー・ミュージックを唄ってた彼女が
徐々にR&Bやポップスに立ち位置を変えても日本じゃダメ...。
こんなに唄が上手いのに、ちょっと寂しいですね。
なんせ、あのエルトン・ジョンとデュエットした「Written In The Stars」でも
対等に渡り合ってるからね。ホント頼もしいよ。
 
 全体的にはロック・テイストが強い作品ですが、
その中でもカントリー臭をちょっとだけ感じ取れる
「Love Must Be Telling Me Something」や
「Together, Forever, Always」あたりも好きですが、
オーソドックスなバラードなんかはもう唄ってくれないのかなぁ。
TEARS FOR FEARS 
「WOMAN IN CHAINS」 
1989
 
 アルバム「THE SEEDS OF LOVE」からのシングル。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 オリータ・アダムスがヴォーカルで参加した
アルバムのオープニング・チューン「Woman In Chains」と、そのインスト版、
そしてアルバム未収録の「Always In The Past」と
「My Life In The Suicide Ranks」の4曲を収録。
 
 ちょっと気になるのは「My Life In The Suicide Ranks」で、
ライナーには「Recorded straight onto cassette : words, music,
everything created at the same moment. と記されており、
即興でプレイされた曲をカセットで一発録りした、みたいな感じです。
即興ということはその時点でのローランドの感情を素直に吐露したものなのか、
「自殺」をテーマにした曲はちょっと意味深ですね。
OTTMAR LIEBERT 
「NOUVEAU FLAMENCO」 
1990
 
 タイトルはまさに「新しいフラメンコ」。
でもこのオットマー・リーバートはスペイン人ではありません。(笑)
父は中国系ドイツ人、母はハンガリー人。
ジプシー・ミュージックからジャンゴ・ラインハルトやパコ・デ・ルシアを研究し、
フラメンコをベースとした新しいサウンドを作りだしてます。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 93年の「THE HOURS BETWEEN NIGHT + DAY」では
なんとフリートウッド・マックの「アルバトロス」や
マーヴィン・ゲイの「マーシー・マーシー・ミー」あたりも取り上げています。
生粋のフラメンコのようなパッションはあまり感じられず、
どちらかというと、イージー・リスニング的な優しさも感じます。
 
 どの曲もギターの音色が美しく、音響的な狙いもあるのかな?
オープニング・チューンの「Barcelona Nights」などは
軽快なテンポの覚えやすいテーマです。
 
 後のアルバムではシンガーも登場するのですが、本作は全曲インストです
MONTGOMERY GENTRY  「MY TOWN」    2002
 
 このCD、かれこれ10年ほど所有してますが、
今までクルマの中で聴いてたりしてたので、
ピンナップ風のブックレットを開いたことが無かったんだけど、
今回、家の中のオーディオの前に座って
ブックレットを拡げながらじっくり聴きました。
恥ずかしながらいろんなことに気付きました。(今更ながら・笑)
 
 
イメージ 1
 
 
 
 まず「MONTGOMERY GENTRY」、
これはバンド名というかユニット名だと思ってました。
実はEDDIE MONTGOMERY と TROY GENTRYというコンビだったんですね。
「ブルックス&ダン」や「ロギンズ&メッシーナ」のように「&」があれば
すぐに判ったものの...。(笑)
おまけにこのエディ・モンゴメリーはあのジョン・マイケル・モンゴメリーの実兄。
元々はエディ&ジョンのバンドにトロイが加わり、ジョンが抜けた後のユニットです。
いやぁ、やっぱりライナーとかはよく読むべきですね。(笑)
だいたい、このジャンルのアルバムは輸入盤でしか手に入らんから、
英文ライナーを読みこなしなさい、というこっちゃ!(笑)
 
 さて、オープニングの「My Town」、
ピアノのイントロが独立したトラックになってて、
その後「My Town」が続きますが、
始めはバンジョーなどの音色が聴こえるものの、
サビ以降はロック・サウンドのノリです。
 
 全体的な印象はハードなノリのカントリー・ロックとでも言いましょうか。
TEARS FOR FEARS 
「THE SEEDS OF LOVE」 
1989
 
 MTV時代の「Shout」とかの映像を観ると、
悲壮感を漂わせたような表情で唄うローランド・オーザバルと、
片や、明るそうなカート・スミスの対照的な姿が印象的でした。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 そんな彼らの大ヒットアルバム「SONGS FROM THE BIG CHAIR」に続く
3rdアルバムです。
本作にはローランドが見つけてきたオリータ・アダムスという女性が
何曲かでヴォーカルを披露してくれてます。
ライヴ仕立ての「Badman's Song」での彼女の唄いっぷりは素晴らしい!
ひょっとしてピアノも彼女が弾いてるのかな?
 
 そしてヒット・チューンの「Sowing The Seeds Of Love」、
「愛の種を蒔こうよ」というロマンチックなタイトルとは裏腹に
当時の英国政府に対し、かなり政治的な批判を盛り込んだ唄のようです。
それにしても唄い出しの「High time we made a stand」、
「かぁちゃん許して~」と聴こえるのは有名なハナシで、
何度聴いても可笑しい!!
 
 ビートルズ風やフュージョン風など、いろんなスタイルの曲で構成されてるけど、
どれも捨て曲はありません。前作に比べるとインパクトに欠けるものの
素晴らしいアルバムでした。
BLOOD, SWEAT & TEARS 
「NEW BLOOD」 
1972
 
 前作「4」までディヴィッド・クレイトン・トーマスのソウルフルな唄声が
聴けましたが、そのD.C.トーマスが脱退、替りにジェリー・フィッシャーが加入。
バックのブラス陣もほとんど入れ替わり、タイトル通り「新しい血」による
新生BS&Tです。
 
 
イメージ 1
 
 
 
 ですからD.C.トーマスに較べて線が細い...とか言ってはいけませんぞ。(笑)
当時のレビューはそればっかりでしたから。(笑)
 
 さて名刺替りのオープニング「Down In The Road」、
ハーモニカ誰が吹いてんだかわかんないけど、
このリフはクリームの「クロスロード」を想わせるようなブルージーなナンバーです。あれれ!?ディラン作でした。
今までにもいろんなカヴァー曲をアレンジして収録してましたが、
これは今まで以上の「BSTマジック」です。
クレジットを見るまでわかりませんでしたよ。
 
 カヴァーと言えば、今回は他にバリー・マンの「So Long Dixie」や
THE CITY時代のキャロル・キングの「Snow Queen」、
そして何とハービー・ハンコックの「処女航海」なんかもあります。
その「処女航海」、フレディ・ハバードのトランペットのパートを
スキャットでフォローしたところは、まさにアイデア賞でしょう。