【生き残れる販売員を育てたい。そう思ったときに、どのようにしたらよいのでしょうか】
そりゃそうだろ
こんばんは、接客アドバイザーの平山枝美です。
ちょっとバタついているときに電話が鳴り
慌てて出たんです。
普通なら電話をかけてきた相手が「今大丈夫ですか?」って言うと思うんですけど
なぜか私が
「平山です、いま大丈夫ですか?」
って聞いてました。
たぶん、意味がわかんなかっただろうなあ・・・。
ごめんなさいね、電話かけてくれた人。
さてはて。
今日はこんなテーマ。
話に入るまえに補足なのですが
今回はイラストを最後に振り返りのためにまとめて載せています。
(いつもは文と文の間に入れていたのですが、読みにくいかな?と思って)
思考錯誤しておりますが、よろしくおねがいします。
では、本題。
***
先日、とある商業施設でPOPの巡回をしていた時のことです。
「POPが掲出されていないのはなぜですか?」
と理由をきいたら
「本当は貼りたいと思ったんですけど。手書きじゃなくちゃダメだと思って」
と返事がありました。
そこで
「手書きじゃなくてもいいんですよ。じゃあテプラが大丈夫ならそれを貼るところからやってみましょうか」
と伝えました。
どうやら、配布してもらったPOPマニュアルが手書きだったから、それに合わせないといけないと思ったようです。
私は考えました。
今は「あれはだめ、これはだめ」と言われて素直に従う人が多いんだな。
それはそれでいいんだけど。
「失敗した」
「これは違う」
と肌で感じることが一番「売り場力」を上げる秘訣なんだけどな、
と。
言われたまま素直に従う理由はいくつかあって、
失敗するのが怖い
したがっておいた方が楽
したがっていなかったときに怒られる。上司と衝突するのは避けたい。
という注意を受ける側のこともあるし
上司の
「今はすぐ売上を取りたいから、失敗させたくない」
というものがあります。
でも、これではスタッフが育たないんですよね。
仕事が面白くなくなっちゃうし、失敗した理由を「上が言ってるから」ですませちゃうから、思考が止まってしまう。
私がエリアマネージャーだったとき、こんなことがありました。
担当していた店長に入り口の平台を縦に置いて、と指示を出したのに
店を訪ねた時は横に置いていました。
「なんで横にしてるの?」
と聞くと
「横にした方がお客様が触るし、売れそうだから」
と言います。
そこで、スタッフに任せることにしました。
そうしたことで売れればそれでいいし
売れなかったら、その理由をスタッフに考えてもらおう、と思ったからです。
結果、平台の売り上げも上がらず、入店率が下がったことで売り上げも下がりました。
でも、私はそのことにより売り上げが下がっていいと考えました。
それより得るものがあるから、です。
後日、店を訪ねると平台は縦になっていました。
理由を尋ねると
「横にすると、お客様が入ってこない気がして」
と店長は言います。
私が何度「入店率が下がるから」と言って、平台を縦にすることをお願いしても聞かなかった店長。でも、自分で「何か違う」と気づけたからこそ、縦にしたのです。
店長は続けて言いました。
「しかも横にするとお客様は商品を触るんですけど、話しかけようとしてもお客様までの距離が長くて逃げられちゃうんです。だから、縦にしてみたんです」
自分で気づいて、納得できたから、縦にした店長。
理由を考えたからこそ、なぜ横にすると売り上げが取れなかったのか、縦にすると売り上げが取れるようになったのか、説明できるようになりました。
店長である彼女とエリアマネージャーである私は、このような話し合いを何度も繰り返しました。
店長は私からの指示が違う、と思ったら納得するまでやらない。
だから私も、彼女が気付くまで待つことにしました。
放置するのではなく「結果とその理由をしつこく聞いて、説明してもらう」を繰り返しながら。
お互い、しんどかった。
それに、売り上げが下がって本部から詰められることもたびたび、でした。
でも、そのおかげでそのときその時に合わせて考えて動く、ということができるようになっていたし、そのほうが自分が「機械」ではなく「人間」という感じで楽しかった。
彼女は転職していきましたが、いった先でエリアマネージャーとして多くの店長を育てました。自分で考えて、納得して行動したことだからこそスタッフに理由を説明できたからです。
今、アパレルは岐路に立たされています。
販売員の仕事の8割は接客とは関係ない仕事。
でも、この接客以外の仕事はデジタル化していきます。
そしたら、販売員は辞めさせられるでしょう。
2割の仕事を今と同じ人数でやるのは、はっきりいって人件費の無駄だからです。
事務作業だって本部で一括管理し、倉庫整理は外注。
VMDも、データを反映させながら、夜中に自動的に機械が終わらせてくれているかもしれない。
でも、機械にはわからない理由を考えて
「これはこっちにあったほうが売れるな」
と一手間かけられる販売員が、業界に残ることができます。
私とあのやりとりをした店長は「失敗して、考える」人でした。
そういう人がこれからも活躍できる。
そして、考えることを待てる会社、も今後を作っていくと考えています。
綺麗事かもしれない。
でも、考えることをやめたら、この業界は終わりなのです。
「これがだめ、あれがだめ」
でもなく
「ちょっと、やってみてよ」
の実験を伝えられることができるか。
そんな駆け引きが今、求められているのかもしれません。
というわけで、まとめとしてイラストを最後に御覧ください。
というわけで
今日もお疲れさまでした。
それではまた今度。
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2020年09月03日 13:02
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