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「ホリー・ガーデン」江國香織 著

女同士の友情ともろもろのお話女の子クローバー女の子


メガネ屋に勤める果歩は何年も前の失恋を引きずって、他人と深く関わらないように日々を過ごしている。

幼馴染で親友の静江はそんな彼女を心配しながら自身は不倫をしている。

2人はお互いをよく知り尽くしていて、相手の状況が何となくおかしいと思いながらも、友情を波立たせることは何も言わない。互いに察してはいるけれども。



江國香織の小説は緩やかに話が進んでいく。

文章が丁寧で綺麗な日本語が並んでいる。

ここでも冒頭、果歩が朝起きて出勤するまでの動作がゆるゆると綴られている。読んでいて平和な状況が目に浮かぶ。

でも彼女はまだ失恋の痛みから立ち直っていない。あれから何年も経つのに・・・


女は失恋から立ち直るのが早い、とよく言いますが必ずしもそうとは限りません。

傷が癒えるには時間が必要で、その期間は人それぞれです。


果歩がことある事に昔幸福だった思いを蘇らせて、その思い出を大切にしている姿は彼女の気持ちが分るだけ、読んでいて何とも痛ましい。ついついそっちにリンクさせちゃうんだよね。


そんな中、彼女を慕う年下の男の子が現れ状況が緩やかに変化していきます。



ドラマチックな展開はないけれども、ほんわりとしたエピソードが積み重なって全体的に心優しい世界が広がっています。


アニメ「不思議なメルモ」

ブログネタ:史上最強のアニメを教えて! 参加中

故・手塚治虫氏の作品。
主人公の小学生メルモは天国のママからミラクルキャンディーキャンディーを受け取ります。
赤いキャンディーを食べると10歳若返って赤ちゃんに。
青いキャンディーを食べると10歳年取って一人前の大人に変身します。

その能力を生かし、時には看護婦、婦警さん、学校の先生などその時々都合の良い年齢になっていろいろな困難を克服していきます。

そしてこのアニメのすごいところは子供向け性教育アニメでもあったのです。
思えば精子と卵子の話はここから学んだといっても過言ではありません(ただ、当時は意味をきちんと理解していたとは言えない状態ですが)

夢のあるファンタジーの世界でさりげなくお勉強。しかもいやらしくなく生命の神秘を説く、なんてさっすが医学博士の肩書きも持っていた手塚治虫ならではの作品です王冠2

「ラッシュライフ」 伊坂幸太郎 著

独特の世界。なんか不思議。なんだ?この理屈は??でもこういうの嫌じゃない、というのが最初に感じた感想です。


舞台は仙台。ivisの地元です。聞き覚えのある地名がところどころ出てきます。

画廊オーナー、画家の卵、空き巣、宗教関係者、カウンセラー、サッカー選手、失業者・・・

知り合いでもなんでもない彼らが神様のいたずら?もしくは気まぐれ?によって、関わりあってドラマが繰り広げられていきます。エッシャーの絵画「上昇と下降」(城の階段を兵士は昇っているのか降りているのか?メビウスの輪のように変にねじれているだまし絵)がモチーフになっているため、文章の構成も時間が前後していて、ねじれています。


そんでもって、バラバラ殺人、拳銃発砲、強盗とぶっそうな事柄が次々と起こるもさらりと話は進んでいきます。人生何が起こるか分らない。起きてしまったものはしょうがない。何事も経験。明日は明日の風が吹く。It's All Right.クローバー

ラッシュライフ  豊潤な人生 



これを読んでてて去年公開された映画「バベル」を思い出しました。あれも世界各国の男女が一発の銃弾で繋がって繰り広げられる人生模様を描いた映画です。ま、こちらの方は内容がもっと深刻で重かったけど・・・



映画「ジュリア」

アメリカの女流戯曲作家の自伝的映画。

時代は第2次世界戦争間近、戯曲家のリリーは幼馴染で親友のジュリアに会いにヨーロッパへ渡る。

しかしジュリアは行方知れずでやっと連絡がついたと思いきやウィーンの病院で入院していました。再会して間もなく彼女は手術してまた姿を消してしまいます。

それから風の噂で彼女が大学に行かず、反政府運動に身を投じていることを知る。それでもリリーは再度彼女に会うため渡欧する・・・

そこで彼女はジュリアから人づてに頼まれごとをする。それはナチの目をかいくぐって反ナチの運動資金を運ぶことでした。迷った末、彼女は了解して列車へ乗り込む。


列車の行く先々でジュリアの仲間達から指示を受けて行動する様は観ている側もハラハラします。

自分がこんな役目を仰せつかったらプレッシャーで自滅しそう・・・あせるでも彼女は友情のため任務を無事遂行します。

ジュリアはイギリスの特権階級に生まれながら、不当に扱われていた労働者たちに目を向けて、格差社会を是正するために戦う道を選びました。リリーはそんな自分の信念に従って正義感の強いジュリアを誇りに思い慕っていたのであります。

結局ジュリアは敵に殺されてしまいます。


戦時中、このように正義のため、自由を得るために戦って亡くなった勇敢な人々は数知れません。

今の平和があるのは彼らの犠牲の上に成り立っていることを私たちはきちんと認識しておかなくてはなりません。



映画「それでも僕はやってない」

電車内での痴漢行為の冤罪を訴えた法廷劇。

はっきり言ってこれを観た男性はいつ何時同じような事件に巻き込まれてしまうか、怖くなってしまったんではないでしょうか。被害者が「この人痴漢です」と名指ししてきたら、即現行犯逮捕ですから。

そして逮捕、取調べ、拘束、裁判・・・


主人公は自分は無罪と主張して裁判に臨みますが、状況は不利。この手の裁判99%は有罪だそうです。

満員電車で目撃者ほとんどなしの状態で、彼が犯罪行為をしていないと立証するのは極めて困難なのです。


実際、同じような事件で無罪を主張し続け、何年もかかって裁判を闘い職場から解雇されたり家庭内不和になって人生が狂ってしまった人もいるとのこと。


周防監督はそういう現状を細かく、そしてリアルに描いています。

担当裁判官が2回無罪判決を出したから左遷されたというエピソードはちょっとショックでした。検察が裁判に持ち込むのは、ほぼ有罪だと確信している事件ばかりで、それを覆すというのはある意味警察を敵に回すということでもあるのですから。


この映画をきっかけに痴漢がいなくなればいいんですけどね~(-。-;)