裸足のギタリスト
倦怠感とI.W.ハーパーの名残が身体に混じり合い、血液が重たいどろどろとした鉛となって血管を流れる。二日酔いでもなければ憂鬱でもない、ただ余計な動き、余計な思考を省きたいだけの精神だ。
18年間も生きているのに、何故もっと上手な生き方ができないのだろう?
いや、考えるのをやめよう。こんないい気分を崩したくないのだ。
金曜日に山手線の列車でリサさんとばったり会ってしまった。東京のような大都会で俺の数少ない知り合いと偶然会うなんて、まず考えられないことだが、よりによってあの時に何故上智の人となんか会わなきゃならないんだ?考えるだけで頭が少し痛む。
俺、ばったりが苦手だよ。どのような話をすればいいか、どうやって別れればいいか分からないし、別れてからはいつもあまりぴんと来ない気分になってしまうし。
昨日は4時頃に起き、先週友人の紹介で会ったマリコさんの初イベントのライブに行ってきた。先週はadewのドラマーの黒田さんと一緒に居酒屋に行ったが、今度はギターとボーカルの人とも話ができた。そして2時になったら皆と車に乗り込み、寮まで送ってもらった(というか、皆が順番に送ってもらったのだ。まずは千葉県に行ってきて、やがて武蔵小金井に着いたのは4時半だった)。
今度の週末は改めて言語の優美さを知った。土曜日はそれが車の中、金曜日は2時過ぎのバー・カウンターで目にしたものだ。
俺は日本人が自分の母語で話していることをあまり意識しないのだ。あるいは自分が外国語で話していることを意識していないかもしれない。いずれにせよ、話し合っている時は両方が適切な言葉を選ぶために、ある程度努力しているというふうに無意識に解釈していると思う。
しかし人が疲れて、バー・カウンターか助手席の肘掛に肘をつき、頭を抱えながらぽつぽつと話す時が実に美しいと思う。手短で簡潔でありながらどことなく優雅だ。努力ではなく、極自然に零れ出る言葉。どんなに勉強しても、どんなに長く外国にいても取得することのできないあの流暢さを見ると感動する。自分の言語なら何とも思わないことだが、外国語を勉強する者にとっては高嶺の花だ。
不思議なもんだ。
ザ・チャリ・ファクター
昨日の記事を書いてから色々なことを思い出し、それぞれを付け加えようと思ったが止めた。一応書き上げたものだし、それを弄り続けるより更新した方が断然に良いし。但し、一つだけここに筆記しておく。
14b 鯨のペニス
さて、過去の話はもう止そう。
今日は自転車で武蔵小金井を走り、新しい駐輪所を探してみた。
ああ、そうだ、自転車のことはまだ話してなかったっけ?
この間旅に出ようかと思っていた頃、新宿の東急ハンズまで行ってみた。日本一周、やってみようじゃないかって感じで、自転車と大きなリュックと、近くの紀伊國屋で日本全土の地図を衝動的に買ってしまった。でも運が悪かったのか、店を出た瞬間から何もかもが滅茶苦茶になっていってしまった。第一、新宿から武蔵小金井までは結構遠いらしい。第二、いつの間にか大雨が降り始まった。そして何よりも、5分も漕いでいなかったうちにぼろい欠陥商品を売られてしまったことに気付いたこと。俺はロード自転車には前の輪のブレーキを絶対に掛けない派なんだけど(そうすると前輪だけが急にストップし、勢いで後輪が跳ね上がり前へと転んでしまいがちだから)、よりによって今度の自転車の後輪のブレーキが故障しているみたい。前輪の方もボロボロでろくに効かないからなんとなくやさしく停まることができるけど、新品のくせにこんなボロチャリを売られてしまって、冗談じゃないぞ。とはいえ、店に戻って修理してもらうのも面倒くさいから、結局は仕方ないけど… でもむかつく!
余談はさておき、とにかく俺は大雨の中で新宿から西に向かって走っていたわけだ。でも中野の手前まで行ったら寒くてどうしようもなかったので、自転車から降り、事務所のビルの入り口のところに避難した。手足が痺れていて、身体が震えていたほどだ。自転車に跨って武蔵小金井まで走って帰るほどの気合はなかったけど、日本では自転車を持って電車に乗ることだってできないし、タクシーも乗せてくれないし、どうしようかと途方に暮れていたが結局はチェーンでどこかの柱に定着して放置してしまった。そしてそのまま旅行に出かけた。
旅から帰って、取りに行った時はさすがに驚いたよ。まさかまた盗まれていないなんて、考えもしなかった。取りに行ったと言っても、半分はそれが無事で盗まれ、もう俺の責任じゃないってことを単に確かめる為に行ったものだ。
でもそうは行かなかった。つまり俺は自転車一台得したって訳だ。
それを中野から武蔵小金井まで届けるのは決して楽ではなかった。大体あれは自転車で行くような距離ではないのだ。交番に行って道を尋ねた時は笑われ、「頑張れ」と言われた。とにかく青海街道を見つけて、それに沿って行ったら何時間後はなんとなく寮の前に辿り着いた。
でも問題はこれからだった。何日かはまた適当にアパートの前に停めておいたが、今日その前を通り過ぎた時、自転車に紙が貼られたことに気付いた。
「ここは自転車置き場ではありません」
やれやれ。そんな訳でこの前は自転車を走らせて、本当の自転車置き場を探した。結局は俺のよく行くファミレスの駐車所に停めておいたが、明日は駅の近くの駐輪所に行くと思う。面倒だしお金もかかるし、これでは本当に日本一周しないと勿体ないというような気がする。
咳払い
1ヶ月振りにブログを書くと適切な言葉が上手く思いつかないのが仕方あるまい。
「久し振り」にしようか?それともここは少し気取って「ご無沙汰しております」にするか?「おっすー!しばらくだなー」?!
ただいま・・・?
いずれにせよ、俺はかえってきた。本州に、東京に、この部屋に。あるいは正気に。
いつ出発したかははっきり覚えていないが、1月の下旬に服を鞄につめて名古屋に行った。そこでホストファミリーがいない間留守をしていた友達のところに何泊か泊めてもらい、それから京都に住んでいた友達のところで一週間ほど泊まった。そして2月4日に彼と二人で新幹線に乗り、博多でもう一人の友人と待ち合わせをしてから、俺たち三人の輝かしき旅が始まった。九州を巡りながら俺たちは掛け替えのない経験をし、一生忘れない親友たちに出会い、恋に落ち、危険に立ち向かい、そして大人になった。
最初の夜は俺がチェーンの居酒屋で酔い潰れ、小便器の中にゲロを吐いた。
それから俺たちは以下のように旅を続けた。
博多>大宰府>別府>>阿蘇山>>鹿児島>>屋久島
8日までノートで旅の記録のようなものを書いていたが途中でやめた。そして残念ながら、今日ここで覚えていることを全部書き留めるだけの根気もない。だからこの際は幾つかのエピソードのキーワードを筆記することにしておこう。
「俺たちの青き青春の輝かしき旅2006年」のキーワード
01 博多駅の旅行会社(のお客様はよく笑う)
02 ウェルビー
03 福岡タワー
04 大宰府で第一目の定休日
05 ソニックの何号?!
06 小倉如き! or マイケルはモテモテ!
07 別府は相川翔☆★
08 チェックアウト時間厳守
09 ひょうたん温泉の迷路
10 地獄めぐり開始!像使いのパチンコ相談コーナー
11 漫画喫茶店探し or マイケルは本当にモテモテ!
12 ♪ああ~あ いつまでもドーナツ♪
13 定休日?!
14 秘宝館 indeed
15 洗濯機の独占者たち
16 窓席
17 日本ではそんなことは通用しないぞ!
18 夢の湯
19 えびすぱーな
20 直美さ~ん!
21 シリアル:牛乳
22 阿蘇山、登るぞぉー!
23 雲後晴れ
24 高岳に行こう!道と呼べそうな道
25 野性動物マイケル1号
26 ORCS!! MAGIC MISSLE!!
27 熊本県の姫 or 日本語を話すブライアン
28 忘れ物とかきこみ乗車
29 Good evening, 鹿児島! or 「肉」の問題
30 Nobby’s or マイケルは本当にモテモテ!マジで!!
31 燃える和泉さんと愛する和泉さん
32 夜を駆ける
33 ♪ああ~あ なぜこんなにドーナツ♪
34 屋久島をなめんなよ
35 夜明け前が一番暗い
36 マイケルと郵便局に出発
37 ヒッチハイク作戦成功!
38 更に成功!!
39 無人市
40 男性三人=一番乗せてもらいにくい組み合わせ or ガッツポーズのゴウさん
41 大川の滝
42 野生動物マイケル2号
43 instant ramen, Justin Timberlake, a kangaroo, a lasso, masochism, nihilism, and an orgy
44 謎の女、エリさんが登場
45 海亀館
46 Water for the instant ramen!!
47 ユースホステルでの奇跡 or 渡辺えり(23歳)の誕生
48 縄文杉へ
49 橋を渡る旅人
50 世界で一番長い1.9km
51 沈黙の8時間
52 定休日の呪
53 彼女の旅は続く
54 夕日に向かって漕げ!
55 乾杯! or 時にはブライアンもモテモテ
56 万能薬スピリタス
57 飲酒運転
58 トッピーを待つ
59 ルールがわかんねえ!
60 盛り上がるタクシーの運転手
61 懐かしきウェルビー
恢復
今日薬局を出ようとした時に自動扉が開いてくれなかった。わけわかんない、全く。
5時頃シャワーを浴びてみたが、途中に眩暈がして死ぬかと思った。最近そう思うことが大変多いのだ。
それから三日振りに外出してみた。風邪を引いてしまってから味蕾が麻痺しているような感じで、食欲がまるでなくなってしまった。そういうわけで近くの松屋に行くことにした。この間あそこの海鮮チゲという商品を食べてみた時、辛くて食べられなかった。僕は辛いものを食べると物をどんどん食べたくなる質なので、ひょっとしてと思って6時に寮を出た。
海鮮チゲは殆ど食べなかったが昼になるとこの三日間始めて何かを食べたいという気持ちになった。コンビニでいろんな物を買い、部屋でそれを食べてから久し振りに本を読んだ。集中できなくて頭痛もあって、暫くの間本が読めなくなってしまったが、今日やっと「羊をめぐる冒険」の続きを読んだ。
ろくなものを食べさえすれば近いうちに回復するだろう。いい本さえ読めれば風邪を引いていても惜しくない。
微熱
この間の大雨でびしょ濡れになったせいか、それから19時間続いてパソコンの前で座っていたせいか、昨日熱を出してしまった。こんなに具合が悪くなったのは久々だ。頭痛、吐き気、筋肉痛、止まらない咳。でも何より苦しいのは、それを誰かに訴えることができないことだ。何故なら、それは聞いてくれる相手はいないからだ。そういうわけで、僕は一日中ベッドの上で横になって、頭が破裂しそうになりながら姿勢を途切れなく変えて見続けた。
食欲はまるでない。夕飯を食べに寮の食堂に行ってみたが、トレイをもらってからそれをテーブルの上において腕枕をついてうつぶせになった。すると寮長が来てどうしたと聞いてくれた。大丈夫ですと僕は言い張ったが、結局は熱を計って薬をもらった。
体温計は37.5と表示した。「微熱だな」と寮長は言ったが、それって見解の相違だと思わない?彼によれば「微熱」かもしれないが、こっちが死にそうだぞ。