社会人になって色々学ぶことは多いですが、多くは社会に出て学べることが多かったりします。
先輩が手取り足取り教えてくれなくとも、怒られながらも経験を通して学べることが多かったりもするんですが、そういった教わること、年月を重ねれば学べて行くことではなく、誰も教えてくれないんだけどこの技能があればもっと仕事がしやすかったのになぁ、って思うものがあります。
その一つが絵心。
幼い頃は誰しも絵を書いたりもしていて、うまい下手はあるものの、そのうち才能の有無を個人の中で識別してしまい、学ぶ場としては学校の美術の時間ぐらい。
ただ、それも風景画を描いたり版画をやってみたりと、その道に進もうとする人以外は大して興味の対象にもならないものだったりもします。
ところが、そんな絵を書く作業や美的センスというものも社会人の中では求められる技能の一つだったりもします。
人をひきつける資料、人を魅了する色彩
その一つが、資料を書くという作業。
ホワイトカラーな仕事をする人にとっては、プレゼン用の資料を書くという場面は少なくありません。
資料は、必要な情報を詰め込むという作業にはなりますが、それは何も文字だけではありません。
他人にとって情報を伝えやすくするには、文字だけより絵や図を盛り込んで視覚に訴えかけた方がわかりやすいものだったりします。
ところが、そんな絵を書く作業というものは社会に出てからは学びません。
資料作りがうまく、わかりやすい絵を差し込んでる人でも一から絵を描いているわけではありませんけど、どんな絵を差し込めば読み手や聞き手をひきつけるのかというものは、わかって意図的にそうしていたりします。
センスのよい絵を差し込んだところで、資料というのはその絵だけで決まるものでもなく、資料全体の構図のバランスによって良し悪しが決まってきます。
そんな美的センスが求められれたりするわけですが、資料をレビューする側も相手に伝える目的や資料の構成とかは意見を出すものの、配色や用いている絵や図のセンスまで細かく指定してきません。
まぁ、少なくともPowerPointで図を描いたときのデフォルトのエメラルドグリーンを用いてたときは、さすがにもうちょっと図をどうにかしてって思ったりもするんですが、だからといってここは基本色をこの色にしてサブカラーをこの2つにすれば資料がもう少しシャープに収まるとか、そんなことをいちいち伝えてたら、自分が作った方が早いってことにもなったりするわけですし、そのセンスも含めて作り手の仕事だよって部分もあるわけです。
サイトデザインの提案をする資料であれば、そこにはサイトイメージが貼り付けられてたりもしますが、それを作るのは専門のデザイナーさんだったりもして、それはテーマとかからイメージカラーをちゃんと決めた上で作り上げたものです。
提案書自体はその絵をうまく活かしたものにしなくてはなりませんし、バランスを崩して資料がそのよさを打ち消すようなことになっては元も子もないわけです。
相手の視覚に溶け込む絵
要件がまだはっきり決まってなく、とりあえずこんなことをしたいよってヒアリングをする場でも、絵がうまく書ければ事がスムーズに運ぶことが多々あります。
私の場合は、システムエンジニアとしてサイトのイメージを引き出すときに、その場で絵を描いてイメージを共有したりするんですが、もっと具体的で視覚的にわかりやすい絵が描ければなぁ、と思うことはよくあります。
デザイナーさんと仕事をすると、それを言葉にするのがとても難しいものでもノートにササっと図を描いてみたりして、サイトの構図や操作方法のイメージから業務運用の関係図などもわかりやすくまとめてて、そんな姿とその技能がとてもうらやましく感じるものです。
こういったことは、絵を書く上でのコツを抑えればある程度のレベルのものは絵が得たりもするんでしょうけど、学生の頃に美術で教わる技能が、まさか社会人になって必要になるとは思っても無かったわけです。
それは、画家など一部の才能を開花させた人にとって必要なもの、もしくは趣味の世界として自分の個性を発揮する場として必要なもので、とてもその道を目指さなかったり興味を持ってない人にとってはそれを使うことは無かろうと思ってたりもしてました。
言葉にするのが下手であったり、言葉でうまく言い表せない情報を上手に相手に伝える際に絵というものは有用で、それはコミュニケーションスキルを補うものとしては、当時は気づきもしませんでした。
絵心や美的センスを鍛える方法
一番手っ取り早いのはセンスのある資料を読み漁ってまねしてみることでしょうか。
営業をしている人であれば、他の営業さんの提案資料が共有されてたりもするでしょうから、それを読み漁ったりテンプレートにしてみるのが一番近道だと思います。
プレゼンが例えつまらなくても(おい)、その資料のレイアウトや配色、使われている絵とかに注目してみたら違った視点で学べることも多々あるかもしれません。
資料だけでなく、サイト作りに活かしたいのであれば色使いや構図が気になったウェブサイトをじっくり見てみるのもいいでしょう。
そこにある色使いのテーマや意味を理解してみれば、その才能が開花するということは無くとも、近いようなセンスは身につけられます。
こういうのって才能じゃないのって個人的に思ってたりもしたんですけど、色使いでもきちんとしたテーマだとか、相手によって受け入れやすいもの、受け入れにくいものがあったり、コツというものが存在するんだなとわかったりもします。
また、ツールに頼ってみることもよいかもしれません。
高い値段の画像ソフトを買うということでなくとも(むしろいきなり買っても使いこなせませんけど)、無料でしかもクォリティの高い図が探せたり、描くのに手間がかかるようなセンスあふれる図を簡単にかけるWebサービスもあったりもします。
クオリティの高い図を並べればクオリティの高い資料が出来上がるわけではありませんが、自分では到底描けないようなものが手軽に手に入るので、余計な手間を煩うことなくあとはそれをどう活かすかって点に注力できます。
こういうセンスって才能だし私は絵心や美的センスが無いからダメだとか、自分はエンジニアだから資料を書くことは仕事じゃない、ってそこから逃げ出さず取り組んでみた方が仕事の仕方もだいぶ変わってくると思います。
言葉だけで相手に正確な情報を伝える事って相当大変なわけで、それを補ってくれるものとして前向きにトライしていくのがよいのではないでしょうか。
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