10年働いてみてスキルという言葉に対して思うこと | A Day In The Boy's Life

A Day In The Boy's Life

とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

スキル依存症 @ 101回死んだエンジニア


スキルを磨けば磨くほど確かにできることとできないことがはっきりしてきます。

時間は物理的に越えられない壁になるので、そこに費やす時間量というのは限界があって何に時間を割くかということになってしまいます。

極端に言えば、これは俺がやる(できる)仕事、これは俺がやらない(できない)仕事というような切り分けにもなってきます。



スキルを集中化するリスク


ただ、当然スキルを一本に絞るというのはかなりリスクを伴うことでもあります。

技術的なスキルであれば、そのスキルがいつまでも通用するわけも無く、時代の流れとともにガラっと中身が変わっていくということもしばしばありますので、それについていく努力をやめた時点であの頃の栄光にすがってだけ生きていくような状況にもなりかねません。

「俺も昔、○○をやってたんだよ」みたいな過去の経験をちらつかせる人の話って大抵的外れなことが多かったりもしますからね。

別に技術だけの話ではなくて、業界そのものがなくなってしまうということも考えうるでしょう。


あと、スキルを磨くってよく言われる台詞ではありますけど、そう簡単なものでもありません。

本当に特定のスキルが一級品とみなされる人ってほんの一握りですし、探せば探すほど自分より上の人なんてたくさん出てきます。

斯く言う自分も技術的なレベルというのはたいしたことが無いということが痛感している人で、それ以外のもので補ってキャリア形成できればいいかな、見たいな事を思ってたりします。


それは、技術的な難しさそのものより、そこにどれだけの労力と時間を費やせるのかというのを考えると、がむしゃらにしかもただただ楽しそうにその道を突っ走っている人には到底かないそうにないしまねできそうも無い、って言う理由であったりしますが。



中途半端な人でも働ける環境の存在


少し皮肉っぽく書いてしまいましたが、そういう人って凄いなと思いますし、尊敬できる人です。

なので、そういう人たちが活躍できる場所っていうのは、そんなスペシャリストな人たちに任せて、自分はその他のところをサポートできればいいなと思ったりしています。

スペシャリストな人が活躍できる環境って、色々な条件がそろわないとなかなか本領発揮ができなかったりもするので、なかなか見つかりにくいって思ってたりもしています。

なので、そういう裏方の仕事もあるんだなと。


一つのことに特化した能力のある人って当然他方で苦手なことも多かったりします。

技術的なスキルレベルが平均であったとしても、平均でわかるレベルでスペシャルな人から情報を聞きだして、自分が通訳のようにさらにスキルレベルを持たない人との間に入ればそれだけで存在意義も出てきます。

最高レベルの人と最低レベルの人とでは当然会話がかみ合わないわけですよ。

会話術がトップレベルなら話は別ですけどね。


全員が全員何か1つのことしかできないって状況になったら当然世の中回らなくなるわけで、中途半端に持ち合わせた人でもそこに存在意義が生まれる仕組みにはうまくなっていたりするもんだなと思ったりしています。



どうやってスキルを見つけるか


それ相応の社会人歴を経ると「あぁ。俺これで食っていこう」みたいなものが見つかったりするでしょう。

もちろん、それがあきらめの境地としてたどり着いたのか、天職として見つかったのかでは大違いですけど。


新人に様々な現場や環境の経験をつませるという教育であれば、その中から自分のやりたいこととを見つけてステップアップするみたいなキャリアも描けるかもしれませんが、最初から一本に絞られた場合、その道が閉ざされた瞬間、一からのキャリア形成をする羽目にもなります。

最初から正解のキャリアパスを描けるなんて早々ないので、試行錯誤の経験の末「これが自分に合う」というものを見つけていくしかないと思います。


そこでこれだと思うものに残りの時間をかけて集中すればそこに特化した自分というものも生まれるでしょうし、この辺りかなという漠然としたフィーリングを感じていたとしても、先に書いたように中途半端でもいいように立ち回れる自分というものを生み出すことにもできると思います。


スキルというのは経験を持つための武器にはなります

レベルは問わず、何かができるということになればその経験をすることができるでしょう。

要はわらしべ長者みたいに、自分の持っているスキルでステップを重ねていくというやり方も取れると思います。

口だけうまくなってもしょうがないので、次のステップで今までのスキルに磨きをかけたり、新たなスキルを習得するという努力は必要でしょうけどね。



まとめ


結局のところ、スキルというのが何なのか自分でもよくわかっていません。

自分が持っているエンジニアとしての技術がスキルの一つなのかと言ってもそれだけで食っていけるかというと厳しいと思っています。

少なくとも、サッカーが凄くうまいからサッカー選手になれるというほど、サラリーマンの世界って単純ではない気がします。


あと、スキルって磨くだけじゃなくて今自分が持っているものをうまく掛け合わせていくことでもオリジナルのものを生み出せたりもできると思ってます。

関連性の無いスキルをやたらと身に着けていくよりは、自分の持っているスキルに何を足せばどんなことができるとかを考えていくことも重要なんじゃないかと感じています。