セマンティックWeb
は、インターネット上に発信される情報に付加情報を与える技術概念です。
インターネット上に発信される情報は、その情報提供者ごとに異なってきます。
例えば、リンゴを「林檎」と漢字で書いたり、「Apple」と英語で書いたり、「アップル」と横文字にしたりと、表現方法は書き手によって様々です。
その文字が表す意味が同じである場合、それ探し出そうとする側は、「リンゴ」であろうと「林檎」であろうと、その情報に関して有益であるサイトを探したいと願うでしょう。
セマンティックWebはそのような玉石混合のインターネット上の情報から、玉をとりだそうとするために考えられています。
これは、検索する側だけでなく情報提供者側にも嬉しい技術になります。
SEO対策にあるように、そのサイト内に含まれる情報を書き手があまり意識しなくても、検索する側は自分のサイトを訪れてくれる可能性が広がるわけですから。
現在、こういった情報変換はGoogleなど検索エンジン側で行ってくれています。
しかし、Googleはそのサイトにランキングをつけたりとあまり中立な立場に立って情報を提供はしてくれていません。
しかも、あるサイトの運営者が自分のサイトに呼込みたいがために、関連する検索ワードを買い取って上位に結果を表示させる事もできます。
本当に有益な情報がそこにあるのに、そういった偏向で埋もれてしまう情報が数多くあるのは事実です。
ただ、セマンティックWebの技術がインターネットの世界に広まったところでそういった偏向は完全になくならないでしょう。
それは、付加する情報が悪意によって改変される可能性があるからです。
今の単純なHTMLのページと同じく、内容とまったく関係の無いことを付加情報に織り交ぜられていたら、結果も関係のない情報が出てくる事になります。
では、この技術の適用範囲はどこにあるかというと、ある程度決まったネットワーク内でということになるかと思います。
それは、そういった悪意が混じる事が少ないネットワークです。
つまりは企業内や、SNSなどがそれにあたると思います。
特に企業内のネットワークでは、付加情報を悪意を持って織り交ぜる事はまったく意味が無い事です。
むしろ、今の企業内に散在する情報は、付加情報が無いために、その情報内に含まれるものだけしか探し当てる方法が無いのが現実です。
企業内には、Googleのように優れた検索エンジンは存在しないでしょう。
であれば、単純にその情報内に検索ワードが含まれているか否かで判断されてしまいます。
ですが、最初に書いたとおりそれを探そうとする人は、必ずしも情報提供者が考えている範囲で、情報を検索してくるとは限りません。
そういった人は、情報を探し当てる事が難しくなります。
企業内でこうしたセマンティックWebによる情報の意味づけができれば、Googleほどの高度な検索エンジンを社内に抱え込まずとも、情報提供者にその必要な情報を与えてあげる事ができるでしょう。
企業内の情報も、インターネット上の情報と同じくらい散在していますので、それを有効活用できていないのが現状ですが、この技術によりそれを解消できる可能性は出てくるかもしれません。
近い将来、この技術が企業内にも浸透したとき、企業内の情報は綺麗に整理されるかもしれませんが、その前に始める事は、企業内情報の大整理と言う事になるでしょうね。