美濃を代表する人気中堅陶芸家 堀 一郎 先生。
今回紹介する陶芸家は美濃焼の一大産地のひとつ、
岐阜県瑞浪(みずなみ)市土岐町の山中で、
薪窯による焼成にこだわる 堀 一郎 先生のぐい吞です❕

堀 一郎 (ほりいちろう)先生は、
1952(昭和27)年9月11日に瑞浪市の量産型の食器等を作る窯屋・製陶工場の長男に生まれ、
1971年から故 加藤孝造先生に弟子入りします。
独立後は、家業を手伝いながら公募展や伝統工芸展に出品を重ね、
32歳の時に瑞浪市大湫に穴窯(薪窯)を作り、
1997年に工房を現在の瑞浪市土岐町大草に移して新たに窯を築きました。
堀一郎先生の主な技法は5つあり、
すべて地元美濃のやきものである、志野・鼠志野・黄瀬戸・瀬戸黒・唐津風です❗
師である人間国宝の故 加藤孝造先生の技法を受け継ぎ、
堀先生が独自に研究・改良したものです✨
そんな美濃の山中で薪窯にこだわる堀一郎先生のぐい吞の紹介です🍶
ぜひ見てください😄👇

「志野ぐい吞」
薪窯らしい優しい火色が魅力の志野ぐい吞です💛
堀先生らしい力強いロクロの造形も魅了です💛

裏面は志野の長石釉が厚くかかり、
志野らしい白色の景色となっています😀
撫でまわしたくなるようなしっとりすべすべとした肌が愛らしいぐい吞です🥰

上から見る👀と、このぐい吞は輪花型🌸をしているんです❕
この輪花型は師の加藤孝造先生の師匠である故 荒川豊蔵先生が良く用いた形でもあります😄

高台部分は土が縮緬状⚡に荒れて、
この土の雰囲気が酒器党の方から堀先生が人気がある理由のひとつです😄イイですね~💛

箱書き
「志野ぐい吞 一郎」

「志野ぐい吞」
作品名は志野ではありますが、鼠志野のぐい吞作品です❕
鉄分を多く含んだ土の成分で真っ赤な火色が男性的でカッコイイです😍
丸みのある形もボクのお気に入りポイントです👍

薪の灰が降りかかり、その灰が高温で溶けて口元に茶色の景色を作り、
さらに窯の中で土の中に含まれている鉄分が噴出し、黒い点々模様も生まれています❗
この景色は薪窯の強還元焼成🔥で無ければ生まれない、正に炎の芸術品です🥰

ところどころに見えるホクロのような黒い点々が鉄分が噴いたところです👀❕

この赤い火色が、見る人によってピザ🍕やトマトスパゲッティ🍝に見えるようです😋
確かに・・・🍕🍝

箱書き
「志野ぐい吞 一郎」

「黄瀬戸ぐい吞」
薪窯の焚口手前に裸で置かれ、
薪の灰や炎の窯変が魅力の堀先生の黄瀬戸作品です😀

灰が降りかかりガサガサの肌になり、高温の炎で釉も一部が剥がれ落ち、
更にその灰が焦げて黒くなっています❕
この独特な黄瀬戸の一群は荒川豊蔵が生み出し、加藤孝造に引き継がれたものなんです🤗

ぐい吞の底には黄瀬戸釉と薪の原料である松灰が溜まり、
黄緑色に変化した釉薬が美しいです💚
でも飲み口はガサガサなので、口当たりは悪そうですね・・・😅💧

高台周りには様々な釉薬が織りなす景色や窯変、表情があって面白いです✨
ちなみに高台の左側にある線は、堀先生の彫名です❕

箱書き
「黄瀬戸ぐい吞 一郎」

「唐津風ぐい吞」
堀先生の作品群の中でも圧倒的に点数が少なく珍しいのが唐津風(美濃唐津)の作品です❕
唐津風ぐい吞を保有している方は少ないのではないでしょうか😀
ちなみに唐津風(美濃唐津)とは、佐賀などの本場の唐津の土を使わずに、
唐津焼と似たような鉄分の多い瀬戸や美濃の土と釉薬で作られた唐津焼風な焼き物と言う意味です。
美濃には桃山時代から江戸初期に作られた「美濃唐津」と言う焼き物の種類があります。

堀先生の唐津風作品は変化が大きく、
このぐい吞は美濃の山から採れる植物を燃やした灰などから作った堀先生のオリジナルで、
それを6日間に及ぶ薪窯還元焼成で生まれた作品です❕
釉が青く変化し、それが滝のように下に落ちる景色が素晴らしいです😍

きっとお酒を注いだら綺麗だろうなぁ~🥰
織部のようなグリーンの色彩が美しいです💚

還元によって茶色に変化した荒い美濃の土がハッキリ見えます👀❗
ボクのような土マニアには、この高台はたまりません😄

箱書き
「唐津風ぐい吞 一郎」
ボクの堀一郎先生のぐい吞コレクションはいかがでしたか👀❓
美濃陶が好きな愛好家の中では非常に人気のある堀一郎先生❗
その理由は、ボクが思うに男性的な動きのある造形に、
今の時代に6日間を要する過酷な薪窯焼成にこだわるスタイル、
そんなところが愛好家や若手陶芸家からカッコイイと憧れ人気があるのだと思います😆
本当なら堀先生の主要な技法である瀬戸黒のぐい吞も紹介できれば良かったのですが、
残念ながらボクは堀先生の瀬戸黒のぐい吞を保有していないので紹介できませんでした💦
今後、もしご縁があり入手できたら紹介しますね~😄
間違えなく5種類の技法の志野・鼠志野・黄瀬戸・瀬戸黒・唐津風のぐい吞を揃えて並べたら、壮観で感動的だろうなぁ~😍
堀一郎先生は現在72歳の中堅陶芸家です❕
72歳では中堅とは思われないかもしれませんが、
ボクは80歳以上の瀬戸・美濃の戦前生まれの陶芸家と関わっていることを思うと、
まだまだ1950年代生まれは中堅作家だと思っています😅
堀一郎先生は紛れもなく10年後、
美濃を代表する巨匠陶芸家になります❗
師である加藤孝造先生などの美濃の偉大な諸先輩から学んだ技術やスピリットを、
これからも継承し続けてほしいです🔥🔥🔥

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