ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」について説明をしています。
さて、今どきの英語学習は、「友だち何人できるかな」といった楽天的な方向よりもむしろ、「いかに他者に対してNo!を伝えるか」なのだという趣旨で投稿を続けてきました。未読の方は↓をお読みください。
実は、数年前、自分が警備会社で警備員に英語を教えていた時に聞いた話でこんなのがありましたので、まずその紹介をしていきましょう。
あるビルの出入り口、あのセンサー機器が置かれていいるところで起きたエピソードです。
ある外国人が、そのセンサーに自分のカードをたたきつけるようにタッチさせていたそうです。
そこで、近くにいた警備員、さっそくその外国人に近寄って、こう注意したそうな。
No station !
彼が伝えたかったのは「ここは、駅じゃないし、駅で使うICカード乗車券のようにお持ちのカードは堅牢にできていないので、もっとやさしくタッチしてください」だったのです。
つまり、本来であれば、
Don’t hit hard it, please ! (どうか、それをたたきつけないでください)
とでも言うべきところでした。
しかし、警備員の放ったNo station ! は、通じてしまったようなのです。
以後、その外国人は、自分のカードをセンサーに打ち付けるようにはしなくなったとその警備員から聞きました。
重要なのは、このようにはっきりと即座にNo!を言うこと。言うべき時にはっきりと言うことなのです。
しかし、この点に関して、日本人は苦手ではないでしょうか?
なぜか。
理由の一番目は、気配り、悪く言いえば、忖度(そんたく)の世界で生きているからです。同調圧力が強いのを良しとしているからです。
次に、日本の英語教育では、特に義務教育中においては、外国人と仲良くすることが倫理的に正しいような形で教え込まれるようになっていることも、理由として挙げられます。
理由の三番目は、外国人(特にCaucacian)、欧米文化に、引け目とか、劣等感のようなものを相変わらず抱いていることもあるでしょう。
しかし、多様性の時代なんですよね?これからは。
それなら、間髪を入れずに、尻込みせずに、英語でNoが言えないといけないのではないでしょうか。
言い方など、二の次でいいのです。不完全な英語でいいから、「ならぬこと」には「ならぬ」と伝えなければいけません。
それなしでは、あっというまにあなたが侵略されてしまう。
などと言っては「大げさだよ」とおっしゃるでしょうか?あなたは。
しかし、日本人特有の「自分ががまんしさえすれば」とか「こちらが譲れば相手も譲ってくれるはず」が報われないことは、確かです。それは、外国人相手にやりとりしてきた経験からはっきり申し上げます。
この国で通じる常識が世界のどこでも通じるわけがないのは、既にご存知でしぉう。
とすれば、対立にビビらずに、丁々発止とやっていくこと。
言わぬが花ではなく、言うが花なのです。少なくとも、これからは。
ところが、このあたりについてきちんと唱えていらっしゃる方が決して多いとはいえないのではないでしょうか。
確かに英語の先生、英会話の先生が、これから習おうとする生徒さん、お客さんに対して、こんな厳しい現実を持ち出してしまっては、商売あがったりでしょう。
それは、わからなくもありません。
そこで、ここは英語の先生でも英会話の先生でもない自分が、あえて、いやな役目を引き受けましょう。
多様性の時代?なら、もっと敏速にはっきりと英語でNoが言えないと、と。
以上、あなたの英語、英会話上達のヒントにしていただければ、幸いに思います。
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