ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」について説明をしています。
2010年ごろ、遊びでロンドン旅行をしたとき、ある老占い師から1時間ほど自分の運勢を聞いたときのことを紹介しましょう。
最初にお断りしておきますが、自分は占いをほとんど信じません。
例の、あたるも八卦、あたらぬも八卦といったところです。
しかし、そのときは、英会話の練習を兼ねて、当時ネット検索で行き当たった老占い師に約束を取り付け、会いに行ったのです。
約束の時刻の約30分前にテムズ河が見渡せるあるビルに到着し、1階の受付で取次ぎを頼みました。
それから、30分、そう悪くはないしつらえのソファに一人座って待ちました。
耳に入ってきたのは、いや、目に入ってきたのは、受付の中年男性と通りがかりの知人らしき男性が最初は世間話をしていたのに、途中からひいきのサッカーチームの話になり、ついには大喧嘩を始めたことでした。
それは、まさに両者つかみかからんほどの、大変な剣幕。
いやはやイングランドサッカーファンの熱さとは、日本の阪神タイガースファンの5倍か、10倍くらいではないかと思えたほどでした。
定刻の約5分前にやっと、先ほどの受付の男が、自分にエレベーターで上がるように促しました。エレベーターの扉が開くと、ネットで顔だけは確認しておいた老人がぽつんと立っていて、オフィスまで招き入れてくれたのは覚えています。
しかし、そこで、何を聞いたのか、どんな占いの内容だったのかは、ほとんど覚えていません。というのも、結果は、どうみてもやはり、当たったところもあり、外れたところもありだったからです。驚くべき運勢はありませんでした。
彼の話す英語は殆ど聞き取れたのは覚えています。わからなかった単語は、数えるほどでした。
それは、しかし、たぶん、彼が手加減してくれたからでしょう。
というのは、彼自身、別れ際に「やまとなでしこ」からの色とりどりのファンレターのようなものをたくさん示してくれたのです。
今までに相当数の日本人女性がここを訪れていたというわけです。また、本当かどうかわかりませんが、彼自身、何回か、そういった女性(たち?)に誘われるように来日したことがあると言っていました。
そんなところから、彼が日本人女性に対して今までわかりやすく、ゆっくりと話してきたように、自分に対しても手加減をしてくれたのだと推測します。
さて、この占い師のビルから離れ、テムズ河湖畔を散策していると、突然、イギリス人らしき中年男性から道案内を請われました。
というのは、自分はそのときあえてスーツを着て正装していたのです。
彼は、てっきり、ロンドンで働いているアジア系とでも思ったのでしょう。
「は、おたく、もしかして旅行者? ぬあんだ、ここで働いてんじゃないのかよ」
とかなんとかぼやき、彼はどこかに消えてしまいました。
人生の道案内ともいえる占いを英語で聞いて、その帰り道に、自分が英語で道案内させられそうになって、失敗をした経験。
しかし、それらは、SpeakingやListeningスキルなしでは、たぶん経験できなかったもの。
少なくともTOEICだの英検だのにあくせくしているだけでは、知りえなかったもの。
そう考えると、世界で最も通じる外国語を学んでおくことがやはり「ためになる」のだな、という気がしてきますが、いかがでしょうか。
以上、あなたの英語、英会話上達のヒントにしていただければ、幸いに思います。