英検1級1発合格者が「ゆっくり話してください」をあまりおすすめしないわけ | ひとときのときのひと

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広告業界で鍛えたから、読み応えのある文が書ける。
外資系で英語を再開し、アラカンでも英検1級1発合格。
警備業界にいたから、この国の安全について語りたい。

そんな人間が、ためになる言葉を発信します。
だいたい毎日。



まずは英語から。

 アラカンだろうが、アラフィフだろうが、アラフォーだろうが、英検1級1発合格はできます。

 

 ほぼ還暦でそれを実現した自分が、「受験術」とは切り口を変えた形で、英語学習のヒントを共有しています。

 

 ここでは、「相手の英語が聞き取れないとき、『ゆっくり話してください』は、なるべく使わないようにする」という考え方にういて異論を述べてみます。

 

 その前に未読の方はぜひ、こちら↓をます一読いただきたいと思います。

 つまり、一番目の理由は、いったんこの「聞き返し」のカードをごじぶんに許してしまうと、際限なくこのカードを使ってしまい、Listeningの能力が上がりにくくなるからなのです。

 

 平たく言えば、「甘え癖」が付いてしまうからであります。

 

 「いやいや、英語やり直し組なのだから、まずは、この「聞き返し」カードを使わせてほしい。そうしないと、前に進めないのだ」。

 

 そうおっしゃる方も少なくないかもしれません、が、そういう方には2番目の理由を述べることにしましょう。

 

 2番目の理由とは、「ゆっくり話す」ようにしてもらったからといって、必ずしも、「より聞きやすくなる」とは限らない。

 

 いや、本当にそうなのですよ。

 

 試しに、下記のリンクから、極めて「ゆっくり話す」英語を聞いてみていただきたいと思います。

 ジャーナリスト、Diane Rehm(ダイアン・レーム)女史の話のどのくらいを読者は聞き取れるでしょうか。

 

 この番組司会者は、自分が知る中でおそらく最もゆっくりと話しをするアメリカ人です。(相方の男性も比較的遅いが)

 

 有名無名を問わず、いろいろなアメリカ人の話しぶりに接してきました。

 

 が、こんなにのんびりと話すアメリカ人は、そうそう出会えないでしょう。しかしどうでしょうか。。

 

 一言一句間違えずに100%聞き取れますか。あくまでも、「聞き取りやすい感じがする」であって、聞き取れるわけではないのではない。そうではありませんか。

 

 Listening能力とは、決してスピードだけの問題ではないのです。音としてとらえた後に、あの単語だとすぐわかる語彙力や、文章全体に関する瞬間的把握力などが関係した、総合的なものなのです。

 

 相手の言っていることを理解することとは、実は、ごじぶんの推理力や洞察力、直感も総動員する。それ以外のなにものでもありません。

 

 したがって、相手に英語を「ゆっくり話す」ことをしてもらい続けると、この推理力や洞察力の成長をストップしてしまいます。それは、意味がないでしょう。

 

 その証拠に、といっては大げさかもしれませんが、こんな経験したので、紹介してみます。

 

 フツーの警備員数十人に英語を教えていた時ですが、あるアメリカのニュース動画を見てもらい、動画で示された状況に関してどのくらい理解できたか聞いてみました。

 

 キャスターのしゃべるスピードは速く、日本語の字幕や同時通訳はいっさい付加されていない動画。

 

 このニュースは、ある警官1名(もちろんアメリカ人)がホテルの玄関先で容疑者1名を取り押さえようとしているとき、激しい抵抗に見舞われ、まわりにサポートを求めたものの、近くにいたひとりの警備員は補助するどころか、スマホで逮捕シーンを平然と撮影していた、というものでした。

 

 逮捕後、警察の責任者が別の場所で、この警備員のような無責任な行動に非難の声明を上げるところまでが扱われていました。

 

 ほとんどの警備員は、このあらましに関して首を傾げました。ここまでは予想通り。

 

 ところが、1割弱の警備員は英語が全くわからなくても、つまり英語が聞き取れていなくても、何が起きているかをほんの数回の視聴で把握してしまいました。

 

 つまり、英語を解する能力が無かったとしても、この場合自分がプロとして担当している警備に関連することであれば、頭の中で「こうではないか」といった推理力が全開となるようなのです。

 

 そんな能力は、英語力のあるなしにかかわらず、何かしら人間の脳に備わっているのでしょう。少なくとも、これら警備員の示した予想以上の結果により、自分はそう考えます。

 

 ということは、ごじぶんで既にお持ちの推理力も総動員するよう、鍛えておくべきではないでしょうか。安易な聞き返しをするよりも。

 

 それでも、これらの理由がいまひとつピンと来ない方は、あわせて、こちらも↓ご一読願います。

 

 以上、英語上達のひとつのヒントとして読んでいただければ、幸いである。