終末期ケア(1126)ー2 "高齢者施設における緩和ケアの特徴②" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


⭐️認知症plus緩和ケア

チューリップ高齢者施設で展開する
   認知症の人を支える
         緩和ケア

❶高齢者施設における
    緩和ケアの特徴②

⑴不安を軽減する環境をつくる
    (いつでも、誰かがそこにいる)





・認知症の中核症状による生活の不自由を
 想像したことはあるでしょうか。

・例えば、時間の見当識が低下すると、
 時間や日付の感覚が鈍るだけでなく、
 人生の時間もわからなくなります。
 空間の見当識が低下すれば、部屋での探し物
 に手間どります。
 場所に関する感覚も鈍るため、知らない場所
 だと不安になります。

その人の生活に中核症状がどのように
 影響しているのか、どのような不安や苦痛が
 生じているのかを理解する必要があります。

・施設ケアだけではありませんが、
 認知症ケアでもっとも大切なのは「人」
 です。

不安を軽減するには人的環境が一番重要
 です。

いつでも、誰かがそこにいる

その人には何を聞いてもよいという安心感

その安心感を与えられるように、
 スタッフが寄り添い、何を聞いても親切に
 教えてくれる

認知症の人に「不安」を感じさせない

ケアをする側が不安を与えない存在になる



⑵認知症の人の生きてきた
     歴史・文化を知る

・認知症の人の行動の意味を推察するとき、
 認知症の人の生きてきた歴史や文化を知る
 ことで解釈できることがあります。

・家族構成や仕事・趣味だけでなく、
 その人のこれまでの「習慣」についても
 情報を得ることで、行動の意味を解釈
 できることがあります。

・認知症の人の生きてきた時代、文化を知る
 ことは、認知症の人が大切にしてきたこと、
 その人の価値観を知ることにもつながり
 ます。




スピリチュアルペインとは、

 自己の存在から生じる苦痛であり、

 それはその人の価値観と関連するといわれて

 います。


・認知症の人は、日々の生活の不自由さや

 生活の中での苦難や苦痛を感じ、不安を

 抱えながら生活を送っています。


・自分の生活の中で大切にしてきた習慣などを

 わかっていれているか、自分の存在を認めて

 くれているか、というスピリチュアルペイン

 を感じておられるかもしれません。


・それをうまく表出できないのが認知症という

 病です。








認知症の人の生きてきた歴史、文化的背景を

 知ることで行動を読み解くきっかけとなり

 ます。


・施設は生活、暮らしの場です。

 だからこそ、生きてきた歴史や文化を踏まえ

 安心できる物的環境・人的環境を整えること

 が必要です。


どのような趣味を持っているのか、

 ご本人がうれしいと思うこと、

 楽しいと思うこと、

 安心されると思うこと

 などを、ご本人・ご家族から情報を得るよう

 にしましょう。






参考資料

 認知症plus緩和ケア
 症状緩和とスピリチュアルペインへの対応
          日本看護協会出版会
     

   
    次回は、
     "高齢者施設で展開する
        認知症の人を支える
             緩和ケア
        高齢者施設における
           緩和ケアの特徴③"
   

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