クロダイは雌の方が大きく、キダイは雄の方が大きいことを、このブログで紹介しました。
ところで、マダイはどうなんだろうと疑問がわいてきました。マダイについての研究報告を調べても、どちらかが大きいという
結果は見当たりません。成長式は雌雄一緒になっています。ということは、雌雄で成長差がないということになります。
しかし新たな疑問がわいてきました。生活史戦略の視点から、産卵期になわばりを雄が形成する種では雄が大きく、乱婚型(集団内の雄と雌がともに複数の相手と交尾する)では雄が小さいことを説明しました。雌雄で成長差がないというのは逆にどういう意味を持っているのでしょうか。
マダイの産卵行動を観察した記録を調べてみると、雌1尾に対して雄数尾が追尾行動をすることがわかりました。
なわばりを雄が形成するわけではありませんが、乱婚型と言えるかはわかりません。ある程度、雄同士の競争があるのかもしれません。その結果、雌雄で成長差がないという現象が生じたのかもしれません。
いずれにしても、生活史戦略の視点では、子を残す上で有利な繁殖方法だと考えるので、それなりの意味があるのだと思います。結論はでませんが・・・・。
市場のマダイ(上が雌、下が雄)