市村宏・金沢大学教育委員長との裁判が水曜/試験点数と成績の逆転や再試験は?安藤研究室情報の証拠等 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

市村宏・金沢大学医学部医学類教育委員長との裁判が10月4日(水)/
 試験点数と成績の逆転の防止や再試験の行方は?
  安藤研究室の情報の証拠など(医学部大学等事件75)


<10月1日夜追記>
 コメント欄や私信などでさまざまなご意見を頂戴し有難うございます。
 「11名(以上)の点数と成績の逆転」という「過去の事実」と、「転記ミスが起きそうな状態」は、基本的には別の話です。
<10月1日夜追記ここまで>

 まずは裁判のご案内で、10月4日(水)午前に、市村宏・教育委員長を被告とする裁判が、金沢地裁で予定されています。

事件番号:金沢地裁平成29年(ワ)第269号
期日:  平成29年10月4日(水)午前11時
原告:  小川和宏
被告:  市村宏(金沢大学医学部医学類教育委員長)
(非公開の弁論準備手続のため、傍聴には当事者の同行が必要です)


1、点数と成績逆転や虚報などの概略

 金沢大学医学部・医学類の「薬物治療の基礎」科目で、昨年、一部の点数が低い学生をそのまま合格させて、それより点数が高い学生を合格させない処理(点数と成績の逆転)が行なわれていたのに続き、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12307665268.html
今年8月頃より、成績を扱う医薬保健系事務部学生課(医学学務係などを含む)において、相次いで虚報が発信されており、そのうちの1つについては、高山浩接・事務部長が、9月4日夜に、私に対して、撤回と謝罪のメールを送ってきました。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12309592412.html

 その後も、次の内容を学内幹部などに尋ねていますが、返答がありません。
(ア)点数と成績の逆転(一部の低得点の学生を合格させる)は常態化しているのか?
(イ)こうした点数と成績の逆転を、金沢大学や医学部医学類は容認しているのか?
(ウ)学生課から相次いで虚報が発信された経緯は?
(エ)組織的な虚報作出・発信よりもはるかに容易でリスクが低い、点数や成績の改ざんについて、防止策はとられているのか?


2、経過概略の時系列(ご存知の方は次の3へどうぞ)

8月前半:成績の集計が完了、60%未満の再試験対象者が24名、点数が60%以上か60%未満かを各学生に通知。

8月31日:再試験対象学生の連絡代表者が決まったと、小川へ連絡してきた。

9月1日:学生課医学学務係が、「結果は掲示にて知らせること」「以降の通知は安藤より行なうこと」を、学生に通知したもよう(安藤から小川へ、9月4日昼過ぎに、この通知がされているという、連絡メールがあり、その後、高山事務部長からもその通りだというメール連絡があった)。

9月4日夜:高山事務部長より、小川へ、8月の虚報について撤回と謝罪のメールが着信した。

9月に入っても、8月の夏休み中に来れなかった学生が、小川を訪ねて直接やメールで、採点済み答案や点数を確認していて、もちろん小川はこれに応じている(採点や点数の開示を希望する学生には開示済み)。

9月19日夕方:多久和医学部長・医学類長より、小川へ、成績の入力は締め切りが過ぎているという旨のメールが着信した。

9月20日夕方:学生課医学学務係が「結果は掲示にて知らせること」「以降の通知は安藤より行なうこと」を学生に通知したという情報について、小川が、高山事務部長へ、メールで、「もし真実ならば、教員等からの指示か、事務独自の判断か、どちらですか?」と尋ねた。

9月21日夕方:高山事務部長より、小川へ、前日のメールでの上記質問に対して、「どちらでもありません。医学類の組織としての対応です。」との返答メールが着信した。

3、9月26日に市村訴訟で提出の原告準備書面2

<市村訴訟の原告準備書面2(弁護士作成)より一部を引用>
 安藤・市村・多久和被告などは、安藤被告が「薬物治療の基礎」科目(「薬理学」に改称予定)の「科目責任者」だと主張している。
 しかし、平成29年9月1日に医学学務係が同科目内の連絡を学生に行なった際、安藤被告は連絡の指示や判断を行なわずに、医学類(多くの大学の医学部医学科に相当、金沢大学も組織改編前は医学部医学科であった)が対応したと、高山事務部長は明言している(甲14)。
 このように、安藤被告は、「科目責任者」どころか、「科目担当教員の1人」としての役割さえ果たすことができていない。
<引用ここまで>

 1科目内での単純な連絡の判断や指示でさえ、安藤被告は行わず(行えず)、医学類が行ったことを指摘している部分です(その連絡内容や実行の適否はここでは論じるのを控えますが)。

4、成績入力が出来ない状態、点数と成績の逆転処理を防止

 昨年行われた一部の低得点の学生を合格にするような処理をしないのであれば(しないのが当然ですが)、8月前半に集計が完了している成績(事前にシラバスに記載の通り、得点率90%以上はS、80%以上はA、70%以上はB、60%以上はCで合格とし、60%未満は再試験対象)を入力すればよいだけの状態です。

 しかし、上記3の時系列の、9月19日夕方の多久和医学部長・医学類長からのメールなどの通り、医学類などは(医学類長は多久和被告)、成績入力は締め切りが過ぎているとして、入力できる状態にしないことを続けています。

5、着任1年3ヶ月後も基礎薬理学が皆無、講師昇任を助教のまま記載

(1)大学院紹介冊子2017年版の、安藤研究室ページを証拠提出

 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科は、研究科紹介の冊子をほぼ毎年作成して配布するとともに、ホームページの下をクリックするとPDFファイルで見れるようにしています(現在は、2017年7月発行の2017年版)。
http://www.med.kanazawa-u.ac.jp/outline/docs/bulletin.pdf

 その第47ページの安藤研究室のところを、安藤訴訟の甲第17号証として証拠提出済みです(次の画像)。
安藤ページ17

(2)安藤被告の着任1年3ヶ月後も基礎薬理学が皆無

 上記の大学院紹介冊子2017年版は、校正が同年6月締め切りで、7月に発行されたのですが、安藤研究室のページの左下の、「3)基礎薬理学研究」の内容は皆無で空欄となっています(校正時は安藤被告の着任から約1年3ヶ月後)。

(3)講師昇任を助教のまま記載して配布・公開

 同じ安藤研究室のページの上の、研究スタッフ欄で、長田直人氏は「助教」になっています。

 しかし、2017年5月8日の教授会で、長田直人助教は講師への昇任が正式に承認されたこと、および、この教授会に安藤被告も出席していたことが、議事録に明記されています。

 上記の大学院紹介2017年版の校正締め切りは6月でしたから、普通なら「助教」を「講師」に変更するように思うのですが、「助教」のままで配布および一般公開されました。

 長田氏の職を講師と書きたくない状況でもあるのか、あるいは、講師昇任を忘れていたのか(安藤被告自身が出席していた教授会で講師昇任が承認され、自分以外に2名しかいない教員の職位を忘れるとは、一般的には考えにくいですが)、どういう事情かは知りませんが、6月校正の2017年版は「助教」になっています。

 このほか、試験点数の集計に関して、安藤被告は、7月31日に、原告小川に対して、点数の転記ミスを防ぐために点数は直接入力して欲しい旨をメールで述べています。
 安藤研究室には、上記の教員3名(安藤教授、長田講師、盛重助教)に加えて、事務補佐員1名と技術系職員1名の計5名の教職員が配置されているのですが、試験点数の転記ミスを防ぐ体制が構築できないようです。