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晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

お気に入りドラマーSTEPHANE HUCHARDの3枚のリーダー作から4曲まるごと試聴出来るページを見つけました。現在では廃盤になっていると思われるアルバムの曲もあります。

特に、STEPHANE HUCHARDは気になるドラマーだと仰っていたJazz & Drummer のnaryさんには、ぜひ聴いていただきたいですー(笑)


ページの全てが表示されるまでに少々時間が掛かります。
     http://www.myspace.com/stephanehuchard

上記ページ右上の白い部分にちゃんと表示がされるまでしばらくお待ちくださいね。

1曲目の「Rush」は、3作目のアルバムBOUCHABOUCHES(2005年リリース)に収録されていた曲。
2曲目の「Jakawa Jungle Spoon」と3曲目の「Mrs cartoon」は、2作目のアルバムTOUTAKOOSTICKS(2001年リリースで、おそらく廃盤)に収録されていた曲。
4曲目の「Mes Soleils」は、1作目のアルバムTRIBAL TRAQUENARD(おそらく廃盤で、私も持っていません)に収録されていた曲。


STEPHANE HUCHARDのホームページがリニューアルされていました。
     http://www.stephane-huchard.com/

画面表示とともに音楽が始まりますのでご注意ください。
カーソルにぶら下がる音符がジャラジャラとうっとおしいですが(笑)こちらでは、ジャズフェスの動画(ローズを弾きまくるERIC LEGNINIなど)も観ることが出来ます。


『JAZZ magazine』が届きました。6月号の表紙を飾るのは、BIRELI LAGRENEとROBERT GLASPER(ん~、この人は知りません)で、今号の特集はこの二人。

また、フランス国内はこれからジャズフェスティヴァルのシーズンに突入ということで、各地で開催されるたくさんのジャズフェスの案内が18ページにわたって掲載されています。ああ、私もいっぺん行ってみたい。

付録のCDはDUKE ELLINGTONで、有名なTAKE THE A TRAINを含む1928年から1952年までに録音された7曲が入っています。さすがにこの年代の録音を買ってまで聴くこということはありませんのでもちろん聴いてみましたが、やはり演奏に年代の古さを感じました(当たり前か)。私の場合は、現代のジャズミュージシャンの演奏でしか聴くことのないDUKE ELLINGTONですが、けっこう面白い曲があって好きです。

STEPHANE GUILLAUMEは木管をマルチにこなす私のお気に入りプレイヤーです。まずどの楽器を演奏してもめっちゃハイレベルでセンスがいい。また、楽器のコントロールが抜群なので大変に美しい音色が出せている。そしてオリジナリティがあり、作曲とアレンジにも並でない才能を感じるからです。それから、ひょうきんな顔立ちに、眼鏡、長髪、むさ苦しいヒゲという決してハンサムでないところも気に入っています(笑)
STEPHANE GUILLAUMEの初リーダー作は持っていないので分かりませんが、その後の2作ではオリジナル曲だけでスタンダードはやっていませんし、国内盤も出ていないため、おそらく日本では全くといっていいほど知名度がありません。そこで、この機会にプロフィールを簡単に書いておきます。

STEPHANE GUILLAUMEの生年月日と出身地は不明だがおそらくフランス人。おそらく30歳後半と思われる。
17歳でジャズの世界へ入り、JEAN BONAL、JACQUES VIDAL、TED HAWKE等のサイドメンを務めた。同時期、サックスのクラシック奏法を学んでいたパリ国立音楽院在学中に最優秀賞を受賞。後にFRANCOIS JEANNEAUに師事し、HERVE SELLIN、RANDY WESTON、GEORGE RUSSELL、DAVID LIEBMAN等と共演する。
1994年からLAURENT CUGNYが音楽監督を務めたONJに参加している。
1998年に初リーダー作のMIAGEをリリース。
その後、QUATUOR Y'AKA SAX(1996~2002)という自己のサックス・カルテットでアルバム2枚をリリース。
また、サイドメンとしてLAURENT CUGNY率いるBIG BAND LUMIERE(1997~2001)、PATRICE CARATINIのJAZZ ENSEMBLE(1997~2003)、CLAUDE NOUGARO、FREDERIC FAVARELのクインテット(1999~2003)STEPHANE HUCHARDのクインテット(1997~2003)、ANDRE CHARLIER & BENOIT SOURISSE、PARIS JAZZ BIG BAND等々、多方面で活躍する。
2004年に2作目のリーダー作SOUL ROLE (O+Music)をリリース。
同年、DIDIER LOCKWOOD NEW QUARTETのメンバーとして来日している。(←ええ~っ?!そんなぁ...)
サイドメンとして最近作では、CHRISTOPHE WALLEMME / NAMASTE (Bee Jazz BEE 016)、ANTOINE HERVE / ROAD MOVIE (Nocturne NTCD 391)、PIERRE DE BETHMANN / OUI (Nocturne NTCD 404)、ANDRE CHARLIER - BENOIT SOURISSE / GEMINI (Dreyfus Records FDM 36621-2)に参加。

さて、本作は2006年1月録音、同年リリース。全10曲のうち9曲をSTEPHANE GUILLAUMEが作曲、あと1曲はメンバーのMARC BURONFOSSEが作曲で、全曲をSTEPHANE GUILLAUMEがアレンジしています。
前作のピアノその他の楽器が抜けたカルテット(曲によってはパーカッションを加えたクインテット)となったことで、結果として特にギターの比重が増大し、ギターソロやセンスの良いバッキングが生きていますし、前作に比べると明るく美しいメロディを生かした曲が多くてずいぶんとっつきやすくなっている気がします。木管類と他の楽器のバランスや相性も良く、前作と同様オーヴァーダビングによる木管の繊細なハーモニーを生かしつつ、美しく緊張感漲るアンサンブルを醸し出すことに成功し、聴き応え満点なコンテンポラリージャズ作品となっています。STEPHANE HUCHARDはartistic productionということで本作に関して何らかの音楽的方向を決めているものと思われ、パーカッションでも4曲のみ参加しており、比重は小さいながら効果的な演奏を聴かせています。

1曲目は、明るく爽やかなフィーリング。軽快に飛ばすアルトサックスのソロが気持ち良いです。ウッドベースの描くラインと曲の進行につれて表情を変えるアコースティックギターによるバッキングのコンビネーションが抜群。
2曲目、FREDERIC FAVAREL作曲のDEPARTは、始まりは静かでメランコリック。中間部で6+5の11拍子になるとエキサイティングでカッコイイ。テナーソロが男前の吹きまくりでスカッとしまっせ。ANTOINE BANVILLEのドラムソロもなかなかですー。
3曲目のWALKIN' ON THE OTHER SIDEWALKは、都会的ムード。躍動感が漲るアンサンブルが聴きもので、ソプラノサックスとクラリネットの繊細でハイテンションなユニゾン、ソプラノサックスのソロも実に素晴らしい。ANTOINE BANVILLEがカホンを演奏するのは初めて聴きましたが、曲の雰囲気に合っていてとても良いです。ギターのバッキングも◎!STEPHANE HUCHARDのパーカッションも効果的。
4曲目のGAMLA STANは、美しいメロディが大変に印象的。清々しいリラックスした雰囲気を持っていて、じっと耳を傾けているとうっとりします。アルトサックスのソロの美しいこと!そしてエレクトリックギターのソロもバッキングも素晴らしい。
5曲目のMICMACADAMは、クールでシリアスな雰囲気。聴きものはSTEPHANE GUILLAUMEのソプラノサックスによる熱いソロ。高速フレーズを吹きまくっていますが、実に滑らかで綺麗な音が出ていて感心しました!エレクトリックギターのアンニュイで浮遊感のある響きも良いです。
7曲目のODE A L'ANGLE DROITは、まずクラリネットの艶のある音色に心奪われる。中間部のベースソロはまぁ普通ですが(笑)万華鏡のように多彩な変化を伴うギターのバッキングは素晴らしい。
9曲目は、アルトフルートをメインにしたアンサンブルが美しいです。クレジットにはありませんが、バスクラも加わっています。奇数拍子を含む16ビート系で、ブレイクを挟みながら表情を変えて展開する構成も目先が変わっています。エレクトリックギターのソロも良いですね。

本作はどの曲も聴き応えがあり、全く退屈しません。これも愛聴盤になってしまいそうです。今回特に注目したのがギターのFREDERIC FAVARELで、この人はとっても気になる存在です。
それから!STEPHANE GUILLAUMEさん、ひとつだけ注文があるのです。次回はオーヴァーダビング無しの一発録りでリーダー作を出してください(笑)え?それなら、ぜひ生の演奏を聴きに来てくださいですって?わ~ん、誰か私をフランスへ連れて行ってくれー!
STEPHANE GUILLAUMEの詳しいプロフィールはこちらでご覧いただけます。

御用とお急ぎでないかたは、こちらで本作の全曲をご試聴なさってください。
FREDERIC FAVARELのHPはこちら。
*このブログで最初に記事を書いたのが、2005年5月17日付けのSTEPHANE GUILLAUME / SOUL ROLE ( O+Music OP104)でした。あれから2年が過ぎて、いつの間にか当ブログも3年目に入っていました。今日までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます<(_ _)>

■STEPHANE GUILLAUME / INTRA-MUROS (O+Music OP 116)
STEPHANE GUILLAUME (ts, as, ss, afl, cl, bcl)
FREDERIC FAVAREL (g, el-g) (1966年、フランスのトゥールーズ生まれ)
MARC BURONFOSSE (b)
ANTOINE BANVILLE (ds, perc)
STEPHANE HUCHARD (artistic production, additional percussion)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)
東京で2泊したのはホテルニューオータニで、私がここへ宿泊するのは27年振りです。翌日の朝も雨でしたが、朝食後に庭園を軽く散歩してみました。

水辺にいるとなぜか心が落ち着きます。この庭園の水場はビオトープにもなっているのだそうです。夏にはトンボが来るのかもしれません。




隠れ家みたいなレストランもありました。どこかにきっと茶室もあると思います。




大きな滝もあります。






可愛らしいカルガモを発見!中州に上陸してしきりに何か食べていました。もっと近くで撮影したかったのですが。




ハシブトガラス(たぶん)の夫婦(手前が旦那さんで奥にいるのが奥さん?)も飛んできました。




からすの旦那さんは、近寄って撮影しても逃げようとしません。




松、岩、睡蓮、悠々と泳ぐたくさんの錦鯉。こういう風景ですと、真っ黒なカラスでも実に絵になります。


こうやってポーズをキメてくれたカラスは、このあと飛び石のところへ戻って池に浮かんだ鯉の餌(?)が次々に流れてくるのを嘴で何度も器用にすくってはせっせと食べていました。賢いカラスは鯉の朝ごはんの時間をちゃーんと知っていて、毎日ここへ飛んでくるのでしょう。
撮影は出来ませんでしたが闊歩する猫を2度見かけました。彼等生き物にとって、ここはちょっと贅沢な食事付の散歩コースになっているようですね。

ドングリが6個届きました。

1) ■BILL CARROTHERS / KEEP YOUR SUNNY SIDE UP (Pirouet Records PIT 3021)
2) ■FRANCOIS INGOLD TRIO / SONG GARDEN (Altrisuoni AS 210)
3) ■LARS DANIELSSON & LESZEK MOZDZER (ACT Music+Vision 9458-2)
4) ■STEFANO BOLLANI TRIO / I'M IN THE MOOD FOR LOVE (Venus Records TKCV-35396)
5) ■STEPHANE GUILLAUME / INTRA-MUROS (O+Music OP 116)
6) ■NILS WOGRAM QUARTET / CONSTRUCTION FIELD (Altrisuoni AS 144)

3) すずっくさんとこで話題になってる盤でっせー。
5) は、注文してから半年してやっと届いた新譜です。楽しみ~。

*オマケ



東京へ行ったとき、表参道にあるハナエ・モリ ビル内のラ・メゾン・ドュ・ショコラでチョコレートを少し買いました。日本では今のところ東京でしか買えないですから。



表参道でひときわ目立っていたプラダのビル。

曲面のガラスだけで出来ているのが斬新で面白い!これには感心しました。

STEFANO BOLLANI TRIOの公演へ行ってきました。

  昨日と同じ写真だけど許してね。サイン会が無かったから(^_^;)

んが、しかーし!!
あたしゃアホです、バカです、スカタンです。ヴィーナスレコードからリリースされているSTEFANO BOLLANI TRIOの新譜「I'M IN THE MOOD FOR LOVE」を注文していたのに発送してもらうのをすっかり忘れていたため、全く予習が出来ていない状態でライヴを聴きに行ってしまったのでした(^▽^;)

ステージに登場したボラちゃんは、元気良く「こんにちはー!」。メンバー紹介をしてさっそく始まった1曲目は、原曲をいったん解体してボラちゃん流のアイディアと混ぜ合わせて複雑に組み立て直したといった趣のCHEEK TO CHEEKでした。スタンダードといえどもありきたりの演奏をしないところはさすがボラちゃんで、随所にアイディアの光るプレイで全く飽きさせません。のっけから快調に飛ばすボラちゃん。私は明るく爽快なトリオの演奏にたちまち引き込まれてしまいました。しかしまぁ、ボラちゃんは今日も元気いっぱいでとにかく演奏中のエネルギッシュなことといったら!椅子にじっと座っていないところなんかはKEITH JARRETTといい勝負だと思いました(笑)

2曲目は、3拍子にアレンジされたMOONLIGHT SERENADE。この辺りから、まるで鍵盤にじゃれつく猫のように徐々にやんちゃぶりを発揮し始めるボラちゃん。彼独特の茶目っ気あるプレイに何度もクスリと笑う私。ボラちゃんはこのステージではアメリカのスタンダード曲を演奏するよと言っていましたから、今日は予習なしでも大丈夫かもしれないと思いました。

3曲目は、I'M IN THE MOOD FOR LOVE。ロマンチックだぞぉーという感じで思い入れたっぷりに演奏していたかと思うと、尋常でない不協和音が。よく見るとボラちゃんったら、BLUE NOTEのロゴが入った青いタオルを右手で掴んだまま鍵盤をバンバン叩いているじゃありませんか(笑)まったくもう、いつの間に?上下運動のたびに青いタオルはヒラヒラするし、不協和音はドギャ!グガン!と鳴り響くしで思わず声を出して笑ってしまいました。ちょっと寄り目の真剣な表情をして、左手はアルペジオを保ちつつ、タオルを掴んだ右手でひとしきり不協和音を撒き散らすボラちゃん。でも演奏そのものはけっこう凄いことをやってるんですよー。が、そのうち演奏を完全に放棄し、ベースとドラムがリズムを繋いでいるのをいいことにタオルで鍵盤の拭き掃除に専念し始めると、客席のあちこちからクスクス笑いが。さらには楽譜立てから側板や脚部までせっせとフキフキして、ピアノの向こう側へまわると蓋をまあるく磨き、ピアノの真後ろからベースのARES TAVORAZZIのほうへにじり寄ってお背中流しましょパフォーマンス(やると思った!)。ついでにウッドベースのボディも撫で撫でして、さてお次は...という感じでピアノの真後ろからいたずらっぽくドラマーのWALTER PAOLIをジーッと見つめチャンスを窺うボラちゃん(笑)が、さすがにドラムセットの方まで移動するのは難しいと判断したみたい。ボラちゃんがこんなことして遊んでいるあいだにも、真顔で黙々とリズムをキープし続けるベース&ドラムスの二人も可笑しいのですが、まぁ彼等にしてみれば、ボラちゃんのおふざけはいつものことで、もうすっかり慣れっこになっているんでしょう。
さて、鍵盤の前に戻って演奏し始めたのでようやくおふざけも終了かと思いきや、な~に、ボラちゃん流エンタテインメントはまだまだ続くのです。今度はピアノ弾きながらI'M IN THE MOOD FOR LOVEを歌い始めました(実はこれで歌詞を聴いたのでタイトルが思い出せたのです(;^_^A)。が、そこは並大抵でないイチビリ精神に満ちたボラちゃんのことですからただの弾き語りでは終わりません。大仰に抑揚をつけて歌っているくせに、歌詞があやふやなところでは舌をベロベロ出してモゴモゴと誤魔化すパフォーマンスが可笑しいのなんのって!またまた大声で笑ってしまいました(すみません、私、豪傑笑いです)。

次は何かなと思っていたら、ボラちゃんが「今度は現代の曲を演奏します。僕が作曲したやつね。」と言うけれどタイトルが分からず、聴衆はポカーンとするばかりで誰も拍手をしないので「ほらほら」と拍手を要求するボラちゃん(笑)ということで4曲目はタイトル不明のオリジナル曲でした。確かピアノソロが一曲あったのですが、これだったかも。いや、5曲目だったか???はぁ~、記憶がごっちゃになってますー(;^_^A ま、とにかくピアノソロでは、もちろん左手アルペジオによる十指フル稼働のピアノで聴衆を釘付けにしていたことは確かです!

アンコールは、激しくエネルギッシュなイントロで始まるAZZURROだったと思います。ダイナミックに躍動するトリオの演奏を堪能することができました。この曲では、特にドラムスのWALTER PAOLIも大活躍で、スピード感のあるビートを叩き出していたと思います。ライヴを締めくくるにはもってこいのエキサイティングなパフォーマンスで盛り上がりました。

ARES TAVORAZZIは、第2回ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル2006で見たときのように、始終とても落ち着いたダンディな雰囲気でプレイ。この人もベースソロではスキャットしまくる楽しい演奏。そしてヴェテランとしての余裕を見せる丁寧で安定感のある演奏を聴かせてくれました。が、ボラちゃんのおふざけがエスカレートして曲のエンディングをひどく長引かせたせいで、最後の一音を早く弾き過ぎてしまったARES TAVORAZZIが上を向いて「あちゃー」というような表情を見せたと思ったのは私の気のせいでしょうか?(笑)まあ、無理もありません。ボラちゃんは後テーマの部分へきても簡単に曲を終わらせたりはしませんでしたから。最高音~最低音のグリッサンドを何度も繰り返してみせたり、「エリーゼのために」のメロディを途中でチラリと引用するクラシックでござーい的なアドリブを展開しながら見てもいない楽譜を大げさな動作でめくったりとユーモラスなパフォーマンスの数々で笑わせてくれました。

この日はファースト・ショウだったので会場でディナーを。開演の15分前には食事を全て済ませていたのですが、ライヴが始まってからしばらくのあいだだけ、テーブル係が目の前を横切ったり、ほかのお客さんがたてる食器の音が聞こえるのが少々気になりましたが、それも場所柄でしかたないのかもしれませんね。また、このときは昨日と違って後方の席だったせいか静かな演奏のときは空調の音も気になりましたね。でも、座った場所は、3人の一挙手一投足がはっきり分かる良いお席でしたし、ボラちゃん流の飛び切りのユーモアが面白くて楽しくて、何べんも笑ってしまった私は、このライヴを心から楽しめてたくさんのエネルギーを貰ったような気がしました。

*どうでもいいオマケ
引き続きセカンドショウも、といきたいところでしたが、夫がそこまでよう付き合わんと言うので諦めました。でもね、帰宅すると私に嬉しそうに言うんです「またジャズのライヴへ行こうね!」と。夫は音楽無しでも平気で生きていける人種ですが、半ば無理やり(?)夫を道連れにして何べんもジャズのライヴへ連れて行ったのが功を奏したのでしょうか。その一言を聞いて私は凄く嬉しかったです。
次は息子もジャズ好きになってくれるといいな。ジャズは嫌いだなどとぬかしておる息子ですが(笑)、私がプレゼントしたRETURN TO FOREVER / ROMANTIC WARRIOR(フュージョンだけど)のCDは凄く気に入ってくれていますし(←親バカちゃんりん)、何しろ私のお腹の中にいるときからジャズ聴いてますから、本人の意識するしないにかかわらず遺伝子レベルでジャズが染み込んでるのは確かで、息子が筋金入りのジャズファンになる可能性は大きいとふんでおります。が、けっして無理はいけませんので、ぼちぼちと、気長にね。いつか親子でジャズのライヴを楽しめるように(笑)

UMBRIA JAZZ PRASENTS
TOP ITALIAN JAZZ AT BLUE NOTE TOKYO
出演 : STEFANO BOLLANI TRIO
STEFANO BOLLANI (p)
ARES TAVOLAZZI (b)
WALTER PAOLI (ds)
日時 : 2007年5月18日(金) 1st Show 午後7時開演
会場 : BLUE NOTE TOKYO(東京都港区青山)
ENRICO RAVA QUINTETの公演へ行ってきました。



登壇してすぐにENRICO RAVAがメンバーを紹介。いつもながら、男性のジャズミュージシャンはほんとうに服装が地味なんですよね~。演奏で勝負する一流のジャズミュージシャンに、服装のセンスまで求めてはいけないのかもしれませんが(笑)

1曲目はTODAMORでした。しっとりした雰囲気で始まってもソロを回していくうちに5人は徐々に熱を帯びてきます。盛り上げ方が上手いのですね。やはり実際の演奏はCDで聴くのとは全然違いました。特に演奏が始まってすぐに感じたことは、とにかく5人全員が実によく歌い演奏を楽しんでいるということ。それがこちらへも伝わって聴いている私達もリラックスし、とても楽しい気分になれるんです。
2曲目はECHOES OF DUKE(5月23日訂正:正しくはALGIR DALBUGHIです。すんません)で、CDよりずっと速いテンポでもう緊張感たっぷり。ステージの奥へ引っ込むと、いったん身も心も演奏から離れてしまったかのように見えるフロント楽器の人がいますが、ENRICO RAVAはそうではありませんでした。ステージの奥へ下がると顔を上に向け、目を閉じ、手を指揮者のように空中に漂わせながら演奏に聴き入ったり、時々はメロディを声に出して歌ったりと、常にRAVAの心と身体から音楽が離れることがありません。ROBERTO GATTOなどはもうヴェテランの余裕で、ときおり見せる笑顔がス・テ・キ♪彼もドラムを叩きながら声をだしてメロディをアクセント的に歌うことをやっていました。さすがに歌の国イタリアのミュージシャン達は、どこか違うなあと思いました。

3曲目はNATURE BOY。いろんなアルバムでも演奏しているようですから、RAVAはこの曲が本当に好きなんでしょうね。彼のトレードマークのようになっていると思います。私もこの曲は大好きです。聴衆のなかの若い女性が目を閉じてRAVAの奏でるメロディにじっと耳を傾ける姿が目に入りました。

この辺から私の記憶はどんどん怪しくなりますが(笑)4曲目は、CERTI ANGOLI SEGRETIだったと思います。繊細でありながらダイナミックな演奏。4曲目に続いて別の曲を切れ目無く演奏したような気もしますが、曲名は分かりません。

今回のライヴで特に凄いと思ったのが、トロンボーン奏者として有望な新人だとENRICO RAVAが紹介していたGIANLUCA PETRELLAです。彼がソロでトロンボーンの可能性を試すかのような縦横無尽のハイテクニックを次々に披露してくれたのは何の曲だったか...。とにかくコントロールが抜群で、ヴォイスを吹き込んで重音を楽々と奏でたかと思うと、信じられないほどの低音を綺麗でふくよかなロングトーンで繰り返したり、次の瞬間には超高音を飛ばしたりと、びっくりするようなパフォーマンスの数々でもう目が点になってしまいました。CDを聴いてPETRELLAのトロンボーンは確かに上手いとは思っていましたけれど、これほどの凄腕だったとは...。ステージでは笑顔をあまり見せませんでしたが、より良い演奏をしようと常に真剣な表情で挑む姿には好感が持てましたし、背中を丸めた独特のポーズでどの曲においても熱いソロを聴かせてくれました。GIANLUCA PETRELLAは、このときのライヴで最も注目を集めていたアーティストだったと思います。RAVAのソロが終わるのを今か今かと見計らってステージの前へ出ようとして「あ、まだだった...」という感じで再び奥へ引っ込んだりするときの様子も微笑ましかったです(笑)

ANDREA POZZAというピアニストはとても感じのいい演奏をする人という印象が前々からあったのですが、このライヴでも素晴らしいソロを聴かせてくれました。フロントが後退したときのトリオの一体感も素晴らしかったです。
冒頭に、とにかく5人全員が実によく歌い演奏を楽しんでいると書きましたが、その筆頭がROSARIO BONACCORSOで、彼はもう心の底から歌っているのがはっきり分かります。ベースソロになるとスキャットとベースが完璧にシンクロし、興が乗ってくると体を揺らしてステップを踏んだりと、まるでウッドベースと組んでダンスしているみたい(笑)人は水で出来ているという言葉がありますが、ROSARIO BONACCORSOは歌で出来ている...まさにそんな感じでした。私がこのライヴで一番見たかったのが実は「動くROSARIO BONACCORSOさん」なのですが、ほんとに彼を見ているだけで嬉しくって嬉しくって(笑)それだけでもう大満足の私です。

ROBERTO GATTOはドラマーとしての本分をわきまえて自らは突出せず決して目立たないのですが、実にさりげなく多彩なフレーズを繰り出しているんですね。ドラムソロでは、完璧に曲想に沿っていてしかもものすごく歌っているので驚きました。常に楽曲から離れないドラムソロを展開しているので、聴いている私も心の中で一緒に曲を歌えるほど。それがどの曲だったか覚えているともっと良かったのですが(^_^;) RAVAがメンバー紹介するときに、ROBERTO GATTOはイタリアで最高のドラマーだと言っていましたが、実際に演奏を聴くとそれも理解できるような気がしました。私がこのライヴで2番目に見たかったのがROBERTO GATTOで、それはなぜかというと彼の顔が好きだから(笑)演奏中にときおり見せてくれるGATTOさんの笑顔、めっちゃ可愛らしかったです♪

アンコールは古いスタンダードということでしたが、ついにタイトルは分かりませんでした。美しいベースラインが印象的だったのはよく覚えています。この曲だったでしょうか(それとも別の曲だったかも)、RAVAが聴衆に向かって簡単なリフレインを歌うようさりげなく指示すると、会場に皆の声が響いてとってもステキな雰囲気になりました。もちろん私も歌いましたよ。イタリアンジャズのトッププレイヤーと歌でアンサンブルなんてめったに経験できませんもの~。プレイヤーとオーディエンスが一体感を得られるステキな演出だったと思います。

良い演奏を聴いていると時間が短く感じられるものですよね。1時間半は本当にあっという間でしたが、ENRICO RAVA QUINTETは1曲目から聴衆の心をしっかりと掴み、最後まで中身の濃い演奏を聴かせてくれて私達を最高に楽しませてくれました。

手前より
ENRICO RAVA、GIANLUCA PETRELLA、ROBERTO GATTO、ANDREA POZZA、ROSARIO BONACCORSO

  ENRICO RAVA

  GIANLUCA PETRELLA

  ANDREA POZZA

  ROSARIO BONACCORSO

  ROBERTO GATTO

UMBRIA JAZZ PRASENTS
TOP ITALIAN JAZZ AT BLUE NOTE TOKYO
出演 : ENRICO RAVA QUINTET
ENRICO RAVA (tp)
GIANLUCA PETRELLA (tb)
ANDREA POZZA (p)
ROSARIO BONACCORSO (b)
ROBERTO GATTO (ds)
日時 : 2007年5月17日(木) 2nd Show 午後9時30分開演
会場 : BLUE NOTE TOKYO(東京都港区青山)
これは、DAMIEN SCHMITTというドラマーの実力を他の参加作で確かめるべく試聴できるサイトを探していたらたまたま見つけた若きベーシストHADRIEN FERAUDの初リーダー作です。
ということで、本作のお目当てはDAMIEN SCHMITTのドラムスだというのに、14曲中たったの3曲しか叩いていないじゃありませんか(^_^;) ですが、DAMIEN SCHMITTの参加作なら手元にもう一枚ERIC LE LANN - JANNICK TOP / LELANN TOP (Nocturne)という未聴盤がありますので、そちらも聴いて良かったら書くことにします。

以下にHADRIEN FERAUDのプロフィールを簡単に。
1984年8月16日、パリ生まれの22歳。両親は音楽家で、幼い頃の彼は映画俳優になることを夢見て映画音楽を聴きまくる毎日でした。HADRIEN少年が7歳か8歳の頃に父親から勧められた楽器はギターでしたが、彼が気に入ったのはフロント楽器ではなくドラムとベースのほうだったといいます。
12歳の頃、父親に与えられたアルバム「JACO PASTORIUS / THE BIRTHDAY CONCERT」でJACOのベースにすっかり魅了され、何度も繰り返し聴きまくり、JACO作品を探求するうちに、JACO PASTORIUSとWEATHER REPORTは彼のバイブルになったということです。
HADRIEN少年は、JACOに少しでも近づこうとベースを猛練習したんでしょうね。そのうちに、DOMINIQUE DI PIAZZA、CHRISTIAN McBRIDE、ANTHONY JACKSON、RICHARD BONA等のベーシストを知ることとなり、また、MICHAEL BRECKER、WAYNE SHOTER、JOEZAWINUL、BIRELI LAGRENE、JOHN McLAUGHLIN、SYLVAIN LUC、JEAN-PIERRE COMO、THIERRY ELIEZ等を聴くことによって、自らの音楽的視野を広げていったということです。
2001年には、SACEM(フランスの音楽著作権協会)主催(?)によるベーシストが一堂に会しFRANCOIS JENNY-CLARKを偲ぶコンサートに招かれ、BIRELI LAGRENE、SYLVAINLUC、FRANCK AGULHON等と共演したそうで、このコンサートにはDOMINIQUE DI PIAZZA、RICHARD BONA等の著名ベーシストのほか、MOUTIN兄弟も参加していたとのことです。
- 中略 -
2005年には、JOHN McLAUGHLINに招かれてアルバム「INDUSTRIAL ZEN」の録音に2曲で参加しています。

さて、本作は2006年録音、2007年3月リリース。全14曲中お遊びの短いトラックを3つ含む11曲がHADRIEN FERAUD作曲のオリジナルです。
豪華ゲストに混じってTHIERRY ELIEZがいるのが嬉しい。最近ちっとも名前を見ないのでどうしたのかと思っていたら、こんなところにいたのね~(笑)THIERRY ELIEZは、ANDRE CECCARELLIやDEE DEE BRIDGEWATERと共演暦のあるピアニスト兼オルガン奏者ですが、彼はピアノ、オルガンともに凄腕なんですよ~。2002年にオランダで行われたNORTH SEA JAZZ FESTIVALでのライヴを収めたDEE DEE BRIDGEWATERのDVDでは、オルガンのアドリブソロでKEITH EMERSONの曲を引用して弾きまくり!この人も好きやな~と思わず笑ってしまったことがあります。THIERRY ELIEZも、本作に参加してシンセサイザーを弾きまくることが出来て、きっと喜んでいると思います(笑)

前置きが長くなってしまいました。
1曲目のRUMEURSは、いきなりのハイテンションでかっこいいです。終盤に「クマバチの飛行」のメロディがちらりと。
2曲目のMARIE AELと13曲目のMARIE AEL Long Versionは、スペインフィーリングを感じる美しいメロディが印象に残ります。ベースがまるでギターのように高速で奏でられています。VINCENT PEIRANIのアコーディオンソロもなかなかです。
3曲目のNATURALは、明るく爽やかなメロディとスムースなフィーリングを持っています。クレジットにはピアノと書いてありますが、JEAN-PIERRE COMOが弾いているのはアコースティックピアノではないようです。う~む、思っていたとおり、ドラマーのDAMIEN SCHMITTは只者ではありません。細かいことを言えば、叩き過ぎで微妙にハマっていない箇所もありますが(笑)、後半など、手数が多いとかオクトパスなどという表現では追いつかないほどの叩きっぷりなのです。
4曲目、JOHN McLAUGHLIN作曲のHIGH JACKEDは、とにかくこれでもかーっと叩きまくるDAMIEN SCHMITTが凄いのなんのって、コヤツは千手観音か?しかも瞬発力が素晴らしい。シンバルにしても目の眩むような高速連打です。ヒュンッっていう鋭い金属音が3回ほど聴こえますが、あれもシンバルですかあ???キメるところは鮮やかにキメてかっこ良すぎ。いや~、もうびっくり!お口あんぐり(笑)すんませんが、御大JOHN McLAUGHLINがここでどんだけカッコエエ早や弾きしたかて、もう私の耳ん中へは入って来ないのです。
6曲目のJET SUN DANCEは、へヴィメタっぽい(かな?)。FLAVIO BOLTROのトランペットとTHIERRY ELIEZのシンセで掛け合いをやっているのが聴きどころ。
8曲目のCLAIR OBSCURは、穏やかで静かな雰囲気を持つメロディアスな曲。HADRIEN FERAUDがJACO PASTORIUSに傾倒しているのがよく分かる演奏です。
9曲目、RHAPSODY IN BLUEとは、これまた意外です。若者が選びそうな曲ではないと思うが(笑)毎度のことながら、BIRELI LAGRENEのギターソロはBIRELI節が強烈なので一発で分かりますよね(笑)あくまでも己が道を行くBIRELIさんはさすがです。
10曲目のSHALL WE LOVE ? ではどうでしょうか。ドラマーのDAMIEN SCHMITTは、ちゃんと基本のグルーヴをキープしつつ、やはり千手観音もやってます。終盤になって怒涛のごときシンバルワークを繰り広げるところなどは凄いけど、オーヴァーダブまではしていないと思いますが。
12曲目のMARIA CHRISTINAなども、曲のメロディといいHADRIEN FERAUDの演奏といい、JACO PASTORIUSの影響が感じられます。

HADRIEN FERAUDはJACO PASTORIUSの再来だなどと言われていますが、かなりいい線いっているかもしれません。本作では彼のやりたいことが全て詰まっているような気がして、なかなかの力作になっているのではないでしょうか。ただ、録音が良くないのが少々残念です。まあ、しかしながら、ドラマーのDAMIEN SCHMITTの実力と持ち味はよく分かりました。あ、それと、THIERRY ELIEZの演奏も久しぶりに聴くことができて良かったです♪

*どうでもいいオマケ
そういえば(遠い目)私がJACO PASTORIUSの演奏を初めて聴いたのはウン十年前、弟が父のオーディオでWEATHER REPORT / HEAVY WEATHERを聴いている最中だったのですが、JACOのベースがベースの音だとは分からず「この変な音は何???」と尋ねると、「え、変な音って?ベースやけど」と言われ、「ええっ、ウッソー!これがぁ?」と叫んで思いっきり音楽鑑賞の邪魔して弟にうるさがられたのを思い出しました(;^_^A

御用とお急ぎでないかたはHADRIEN FERAUDのHPをご覧ください。

HADRIEN FERAUD の「MY SPACE」はこちらです。

■HADRIEN FERAUD / HADRIEN FERAUD (Dreyfus Records FDM 46050369072)
HADRIEN FERAUD (el-b, key, programming)
JOHN McLAUGHLIN (el-g)
BIRELI LAGRENE (el-g)
FLAVIO BOLTRO (tp)
JEAN-MARIE ECAY (el-g)
JEAN-PIERRE COMO (moog, p)
MARC BERTHOUMIEUX (acc)
MOKTHAR SAMBA (ds, perc)
JIM GRANDCAMP (el-g)
JON GRANDCAMP (ds)
DAMIEN SCHMITT (ds)
GERARD FERAUD (programming, key)
JULIEN TEKEYAN (ds, perc)
VINCENT PEIRANI (acc)
DOMINIQUE DI PIAZZA (el-b)
THIERRY ELIEZ (p, syn)
MICHAEL LECOQ (key)
LINLEY MARTHE (el-b, rhum & whisky) ←「ラム酒とウィスキー」ってなんじゃらほい?(笑)
入手先:HMV(通販)
ドングリが5個届きました。全て未聴&未観賞。

1) ■HADRIEN FERAUD / HADRIEN FERAUD (Dreyfus Records 46050369072)
2) ■ERIC LE LANN - JANNICK TOP / LELANN TOP (Nocturne NTCD 418)
3) ■MICHEL CAMILO / SPIRIT OF THE MOMENT (Telark CD-83653)
4) ■THE ARI HOENIG GROUP / KINETIC HUES (Smalls Records SRDV-0001)
5) ■LIVE 3 WAYS / JOHN SCOFIELD (TOSHIBA EMI TOBW 92050)

1) は、2) に参加してるDAMIEN SCHMITT(ds)の実力を他の参加作でちゃんと確かめようと試聴できるサイトを探しているときに偶然見つけてしまった若きベーシストの初リーダー作。サイトで試聴した限りでは、えらいコトになっとりました。参加ミュージシャンも多数で、これがまたむっちゃ豪華な面々。
2) この二人は異色の顔合わせという感じですが。DAMIEN SCHMITT(ds)の演奏も気になります。
4) はDVDです。ARI HOENIG大好なのに、ようやく今頃になって入手。これはすぐにでも観たい。
5) もDVDで、これは 4) を入手するために抱き合わせで入手。動くジョンスコさんも観とかな。

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*オマケ

  スズランが咲きました

  え~と、これは野花のようですが名前が分かりません(^_^;)

  このつる草も名前がわかりません

  赤い葉っぱのアクセントがステキ
JEAN-MICHEL PILCは、お気に入りピアニストのベストスリーに入ります。私のお気に入りピアニストになるには、少なくとも両手を完全に独立させて異なるメロディを同時に、しかもそれぞれのテンポをずらしながらでも完璧に演奏出来る人(分かりますかあ~、この意味?)ぐらいでないといけましぇん。PILCの素晴らしさについては以前に少し触れましたので詳しくは書きませんが、こんなに凄い演奏なのにピアノはほとんど独学だいうのですから驚きですね。

さて、お待ちかねの新作は、2006年10月録音、2007年リリース。全15曲のうち、JEAN-MICHEL PILCのオリジナルが9曲、ほかにスタンダードなどで、大好きなARI HOENIGが9曲も演奏しているのは嬉しいです。
お気に入りの曲について少し書きましょう。
1曲目のBUT NOT FOR MEで、演奏がプッツリと消えてなくなったので、「またCDプレイヤーの故障かっ!?」と思ったら、単なるブレイクでした(^_^;) PILCの演奏するスタンダードナンバーですとちっとも退屈しませんね。
2曲目は、CHILD IS BORNを美しく。この曲は好きですー。
聴いていて一番面白くて楽しいのが6曲目のSATIN DOLL。PILCがスタンダード曲をデフォルメする手法はいつものことながら流石です。目まぐるしく表情を変えるピアノに反応するTHOMAS BRAMERIEとARI HOENIGもなかなかのもので、I'M BEGINNING TO SEE THE LIGHTのメロディを引用しちゃうPILCさん。中間部になると縦横無尽という感じになり、'ROUND MIDNIGHTも出てきます。でもでも、DOWN BY THE RIVERSIDEのメロディがチラリと聴こえるのは、たぶん私の気のせいです(;^_^A
9曲目のACTIONのトンガリ具合もいいですなあ。
14曲目のSTRAIGHT NO CHASERはエキサイティング。お気に入り(たぶん)のTHELONIOUS MONKを演奏すると俄然張り切っちゃうPILCさん(笑)まるでピンポン玉を与えられた猫みたいです。こういう演奏のときのドラムスは、ARI HOENIGでなくちゃいけません、はい。こういうのをライヴで演奏すると凄いことになりそうです。もういっぺん来日してくれへんかしらん。もちろんドラムスはARI HOENIGで。
アルバムには、静謐な趣の曲もいくつかあって、それもまたなかなか良かったです。
御用とお急ぎでないかたはJEAN-MICHEL PILCのHPへどうぞ。
    http://www.jmpilc.com/
ARI HOENIGのHP。

■JEAN-MICHEL PILC / NEW DREAMS (Dreyfus Records FDM 46050369052)
JEAN-MICHEL PILC (p) (1960年、パリ生まれ)
THOMAS BRAMERIE (b) (1965年9月18日、フランス生まれ)
ARI HOENIG (ds) (1973年、フィラデルフィア生まれ)
MARK MONDESIR (ds) (1964年12月12日生まれ)
入手先:HMV(通販)