ドトール・日レス(3087)株主総会 | IR担当者のつぶやき

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5/29(木)、ドトール・日レスHD(3087)の株主総会が行われました。


時間: AM10:00~

場所: 日本青年館大ホール(千駄ヶ谷、外苑前)


ドトール・日レスとして、経営統合後の第1期定時株主総会になります。

議長は、鳥羽社長(ドトール)。


発行済み株式総数、株主数、議決権個数等について事務局からの報告、監査役からの監査報告など、淡々と進みます。


事業報告について。


社長の事業報告については、スクリーンを使ったプレゼンテーションだったようですが、ナレーションではなく、議長自らの説明でした。

ほとんどカミカミはなく(^^; よく通るしっかりした声だったということです。

事業報告に関して、新業態の開発についての説明が多く、「俵屋じゅう兵衛」、「若軍鶏」、「麦とオリーブ」、「カフェブーケ」などの日レス新業態、「バリッシモ」、「ごちそうグリル」といったドトール新業態についての説明が魅力たっぷりでした。


ざっと連結業績を説明した後、現在の外食産業をとりまく環境について説明されました。


・原油高、小麦・大豆等の食材価格高騰、コーヒー相場の高騰、地代家賃、人件費の上昇、昨年来の食品にまつわるさまざまな事件があり、外食離れにつながっていると認識していること、

・外食産業として危機的状況にあると考え、事業会社の経営基盤を再構築する必要があると強調しています。


対策としては、


・らっでぃしゅぼーやや生産者と直接契約など、食の安全性強化に注力、

・人材確保が今後難しくなることが予想され、厨房機器の刷新を検討、

省電力の厨房機器、空調機器の開発、クリーンエネルギーを利用した店作り、ガソリンスタンド併設店などの立地創造、鉄道コンコース内などの給排水設備のないところでも出店できるユニット型店舗の開発など


を考えているようです。


また、事業会社の説明のなかで、第3号議案で各事業会社の社長候補である山内氏(日レス)、星野氏(ドトール)を持ち上げ、各事業会社の業務推進を行うに最適の人材であることを強調するなど、なかなか気配りの効いた事業報告でした。


業務の推進にあたっては、食の安全等の観点から、コンプライアンスや内部統制・内部監査をしっかりやっていくことを強調していました。


議案の上程について。


第1号議案: 剰余金処分の件

 配当性向20~30%をメドとした利益還元ということから、前期は期末配当25円としたい。


第2号議案: 定款一部変更の件

 株主総会の招集、取締役会の招集権者および議長を変更。


第3号議案: 取締役8名選任の件


第4号議案: 取締役・監査役の報酬額改定の件



質疑応答。


Q1.統合効果がうまく現れていないとの報道がなされているが、どうなっているのか。初年度から統合効果が出る、という話ではなかったか。


→統合発表当時と状況が変わってきている(原油高、原材料高等)。原材料の確保ですらなかなか厳しい状況になってきており、1年目から統合効果を出すのが難しくなっている。今しばらくお時間をいただきたい。


Q2.株主還元について

 配当性向20~30%というのはバラつきがある。株主としては30%を期待したい。

 端株対応という観点から株式分割も検討してもらいたい。

 株主優待に関しては、これまで日レスは優待がなかった。ドトールと合併した日レスにはなじみのない株主も多く、優待を拡充してもらいたい。

 あるいは、総会後の株主懇親会を考えてもらいたい。

 会長・社長が1期で変わるのはいかがなものか。また、議長を会長がやるというのはおかしい。ふつう社長では?

 社外取締役をもっと拡充してもらいたい。

 また、取締役としては10,000株程度は保有してもらいたい(損害賠償請求への対応時を考えても)。


→いろいろな質問に対して、1つ1つ丁寧に回答していましたが、今後に期待できる回答としては・・・


 株主優待については、事業で取り扱っている自然食品を使ったものも検討していきたいという考えあり。

 しかし、株主優待については要らない、その分、配当等で還元してもらいたいという意見もあり、今後検討していきたい。


日レス側の優待や、自然食品など優待メニューが拡充されるとしたら嬉しいですね。


Q3.人数が増えるたびに株主総会の会場が変わるのか。

 銀座のお店の入り口が難しかったので、地図の表記を再考してもらいたい。


Q4.負債の部における「その他」(流動負債・その他、固定負債・その他)の割合が多いので、これは何か。

 減損損失の内容は何か。従業員数(正社員・アルバイトの区分を含め)を教えてほしい。


Q5.新規出店について。パスタ店のターゲット(単価)は700円とあったが、牛丼、天丼など外食店は多く、渋谷あたりのパスタ店を見ても、客単価が高めなのではないか。原材料が高騰、という言い訳は通用しないのでは。

あるいは、量を減らして(高齢者にも対応可能)でも、価格を下げたほうがよいのではないか。

将来、ガソリン車が電気自動車に置き換わっていくことを考えると、GS併設店よりは電力会社などと組んだほうがよいのでは。


Q6.連結P/Lで投資有価証券売却益358百万円は何か。

 ある店舗の冷水機が壊れていたが修繕したのか。


Q7.神奈川県は飲食店の中でも全面禁煙になるということだが、タバコ対策についてはどのようにしていくのか。

 東高円寺店の喫煙用の仕切りはJTがやったということだが真相は?


Q8.大株主について

 ハービンジャーとの話し合いはどのような経過になっているか。


→その後、特段コンタクトはない。徐々に株式を売却しているようだが、まだ株主なので、注意深く見ていきたい。


マスコミで報道されているように、とくにハービンジャーからの要求があるわけでもなさそうで、何かあるかちょっと期待していたのでひょうしぬけです(笑)


Q9.ドトールは昔からコーヒー農園を持っていて販売もする、というビジネスモデルだと思うが、コーヒー豆の価格上昇により、豆の調達や農園に対する設備投資(農園拡大)についてどのような予定か。


→ハワイの農園にはあまり設備投資する必要はない。

 コーヒーは世界的に需給が逼迫しているので、今後、価格が上昇していくと、新興国需要の増大により需給バランスが崩れると、コーヒー豆の調達が難しくなる。あるいは、180円、200円という価格でのコーヒーのご提供が難しくなるかもしれない。

 総会後、ブラジル、インドネシア、ベトナムを回ってくる予定であり、ブラジルでの調達を重視(農園を買う、事業提携をする等の対策が必要)。そういう意味での事業投資は今後も必要と考える。


原料調達については、相当危機感をもっているようです。


Q10.1号議案(配当)について

 自分が取得してから株価が下がっている。配当利回り(?)でいうと、0.8~0.9%程度かと思われる。せめて、1%以上の配当利回りをお願いしたい。

 喫煙対策等の改装によって、客層が少し変わったと思われ、今後も頑張ってもらいたい。

 スターバックスと比べると、店舗数が多くて安心するが、小規模店舗が多い。



以上、10名の質問で質問・審議を打ち切り、採決へ。


1号議案~4号議案まで、さくさくと賛成多数で承認・可決されました(なお、2号議案は定款変更ですので、2/3以上の賛成多数と明言されています)。


閉会宣言までで1時間25分程度でした。


株主総会のおみやげは、ドトールのエクセルシオール・カフェのお試し券(好きなドリンクとフードを1品ずつ。高価格のコーヒー店なので、ちょっと嬉しいラブラブ )と、どーんとこれです。



ドトール・日レス株主総会おみやげ


一杯仕立てのドリップコーヒーとクッキー4種類詰め合わせのセットです。

(総会に行ってもらった会社の同僚には、半分おすそ分け音譜


それから、1日経って配当金領収証が送られてきました。


さらに1日後に、株主優待品が宅急便で届きました。

内容はこれ。



ドトール・日レス株主優待品


これまたドリップ式のコーヒー5種6品詰め合わせセットです。


私もカミさんもコーヒー派なので、とっても嬉しいおみやげ&優待でした。

(欲をいえば、ドリップ式でなくても、というか、自分で淹れたいので、ドリップ式ではないほうがありがたいなぁ。そういう意味では、ドトールで豆の購入に使えるチケットのほうが嬉しいかも。

あ~、株主さんから質問が出ていたように、日レスの洋麺屋五右衛門にも行ってみたいので、日レスでも使えるチケットならもっと嬉しいかも、です。


今回、初めてドトール・日レスの権利取りしてみましたが、コーヒー好きにはなかなかお勧めの銘柄ですよ~。


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