IE80S BTのレビューとR-07と組み合わせたチェロのエンドピンの選定 | iPhone De Blog

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先月手に入れたゼンハイザーのネックバンドタイプのBluetoothイヤホンIE80SBTのレビューとローランドR-07と組み合わせて低遅延Bluetoothによるモニターシステムでチェロで使うエンドピンの選定を行いましたのでそのレポートです。

 

 

さすが、価格が高いだけあって全般のクオリティも然ることながら、大変軽く、耳掛け兼用となっている為装着感が良く安定していて、練習で使うつもりだったので、装着感の軽さはポイント高いですし、耳掛け型は初ですが落ちる心配が無いのでランニング等でも良さそうです(やりませんがw)。

 

 

重さを量ると今まで使っていたネックバンドが49gに対して31.8gなので35%も軽量化!

 

 

 

音は、従来のネックバンド以外に、AirPodsProや有線のSureと比較してみました。

 

 

Sureはこの記事で紹介しています。

 

 

有線のSureはダイナミックレンジの広さもパワーも断トツですが、何せ有線で、プラプラとケーブルを下げるのは扱い難いんですよね。

 

これに対してIE80SBTは良く言えば「落ち着いた音」「上品な音」「長く聴いても疲れない音」、特に高音にクリアさや鋭さが少ないので、悪く言えば音にインパクトが無く臨場感に欠ける印象です。

 

音量も恐らく他のイヤホンと比べても小さく感じるので聴きたい音楽のジャンルによっては物足りないかもしれません。

 

又、イヤーピースが3種類付属してて、この種類やサイズの選択によっても装着感や音が変わるので選択も重要でした。

 

とは言え、安定した質の良い低音と柔らかい中音域は装着感と相まって心地よく、例えば、作業をしながら音楽を聴くと言う様な本気度の低い用途にはピッタリでしょう。

 

そう言えばaptxLL対応ですから、長時間ゲームとかやるには良いでしょうし、自分の様に楽器の音をモニターしながら練習したいと言う用途ではこれが最も適していると思います。

 

Sureはパッと聴いたインパクトは大きいのですが、長く聴いていると正直疲れる印象で、今回自分の用途で手に入れた練習用と言う意味ではやや方向性が違う印象です。

 

本気で音楽を聴きたい場合はこれが良いかもしれませんが、イヤホンで本気と言ってもたかが知れていれるので、敢えてこれを使う必要は無いかなと思いますしAirPodsProで充分だと思います。

 

ちなみに、従来のネックバンドは価格相応笑 「取り敢えず音は出てますが何か?」と言う所で、重量やイヤーピースの部分の重さや装着感の悪さの方が目立ちます。

 

AirPodsProはこれらと比較しても正直これだけの本体なのに音のバランスも良く、良く出来ている製品だと思いますが、カナル型で耳に入れるだけなので、やはり長い事使うには装着感が気になりますね。

 

どうでも良いですが、ゼンハイザー 電源を入れると英語で「PowerON More than ○○% left」と女性の声で言ってくれるのですが、OnのNやMoreのR等が軽く巻き舌で、こちらもやや低めの落ち着いた声がカッコ良く。アイアンマンになってアーマーが装着された気分です笑

 

この他のペアリング等の案内もそうですが、今までこの手のアシスタントで聴いた中では一番好みですね笑

 

早速、R-07やオーディオテクニカのAT9943、ローランドのバイノーラルマイクを持って近くの練習場へ出掛けました。

 

AT9943やバイノーラルマイクの詳細はこちら

 

 

 

本体のマイクは比較的低音もしっかり拾ってる様で、以前使ってたオリンパスのLS-P2は全く次元の違う代物でした。

チェロの一番低い弦(C線)の「音量」と言うよりも「音圧」をしっかり伝えている感じがしました。

 

割と自然な音で録れるAT9943はチェロそのままのキャラクターで原音に一番近い印象です。

只、聴きながら弾いていると多少味付けがあった方が楽しいかもしれません笑

 

意外なのがバイノーラルマイクでした。

正直、音質は大して期待してませんでしたが、こちらも音圧をちゃんと伝えるレベルと、バイノーラル特有のより空間認識がなされる様な聴こえ方で、音質も低音から高音までバランス良く、このマイクが長く聴いていても一番疲れません。

 

モニターしながらの練習は本体マイクでも良さそうな感じなので、今後はR-07の電源を入れてSENNHEISERのヘッドセットをペアリングするだけで良いのでシンプルになります。

 

 

チェロのエンドピンと弓の評価

 

今回、これらを使ってチェロで最初に試してみたかったのがエンドピンの特性を実際に自分の耳で聴いて判断する事です。

 

最近まで使っていたステンレスの重たい物、その後セッティングした鉄とアルミの合金アルフェの8mmのエンドピン、コントラバスで使っている同じくアルフェの10mmの3本。

 

又、弓は最近までチョイスしていた強いけど硬い弓と現在使っている軽くて柔らかい弓の組み合わせで弾いてみました。

 

やはり、重たいエンドピンを装着して下回りを重くすると音の帯域が下の方へ集まって伸びる感じがちゃんと伝わって来ましたのでR-07の再現性は素晴らしいです。

 

以前使っていたLS-P2の本体マイクやAT9943では「ややこんな感じかなぁ」と言う程度の違いでしたが、今回は明らかに感覚として伝わって来ました。

 

まあ、オケだけなら以前の重たいエンドピンと強い弓のセッティングで弾くとパワフルで楽しいのですが、やはり響きが後から付いてくる為、実際の曲を弾くと細かい動きでは音がもたつく感じがします。

 

反面、8mmのアルフェコと軽い弓の組み合わせは一発のパワーには劣りますが音の切れ味が良く、実際の演奏ではこちらの方が戦力になると思われます。

 

下回りが重たいセッティングだと母音は聴こえますが子音が聴こえ難いので、オケのtuttiやソロでも動きが無いゆっくりした曲はともかく、ある程度幅広いニュアンスや速い動きを要求される様なソロの曲では使えないですね。

 

今回テストして気がついたのですが、重たく(硬い)弓の場合、長い音を弾いている時、常時弓の音さ(圧力)が乗りやすく、その状態でビブラートを掛けても意外と音として遠くまで伝わらないんですね。

 

言い換えるとビブラートが沈む感じで音が広がらない印象です。

 

これに対して、軽い弓の場合、スタート以外は弓の圧力よりもスピードで音が伸びる印象で、左手のビブラートも大きく聴こえて来ますし、弓そのものの重さで出す音よりも音が上向きに広がる(伸びる)感じがします。

 

自分の推測ですが、軽い弓の場合、弦がビブラートで大きく振幅変調されるのに対して(電波で言うAM)、弓の圧力が少なく柔軟である為(微振動まで反応する=周波数帯域が高域まで広い)、その弦の振動に影響を与えない様に弓が対応してビブラートを減衰させずに駒にそのまま伝えている事で、ビブラートも大きく聴こえるのでは無いかと思います。

 

重たく硬い方が弓によって圧力を掛けて発生する音は大きいのですが、棹が硬い為、反応が鈍く(帯域が狭い)なり、音色が硬く一本調子で面白くなくなるのかもしれません。

 

AMの場合「搬送波」と言う基本周波数を「変調波」と言うもので変化させますが、搬送波は弓で開放弦を擦っている時に発生するスティック(引っ掛かる→滑るの繰り返し)現象の「ヘルムホルツ波」がそれに相当すると思われ、その搬送波のレンジが大きくなっても振幅変調の量が少なければ再生した時の変化が少ないと言う事になります。

 

ちなみに、この弓の柔軟性の差は開放弦を1拍40で24拍等と言うゆっくりの速度でロングトーンの練習をしていると太い弦等に同じ現象が発生します。

 

硬い弓の場合は毛の松脂の乗り方やスティック等で振動に微妙な変化があった場合、弓が止まったり引っ掛かったりしやいのですが、柔軟な弓の場合、それらの変化を吸収しやすいので、比較的スムーズにロングトーンが出来ます。

 

実際の曲を弾いていてもやはり柔らかい弓の方が様々なニュアンスが出せる様で、離れた場所でモニターした音を聴き比べると良く分かりますし、弾いていても楽しいですね。

 

この特性を実際に演奏をモニターしながら練習して理解すれば、表現の幅が広がるのでは無いかと思いますし、これらは楽器の直接音だけを聴いていては中々判断が出来ない部分で、これらのシステムを使って初めて実現出来るものです。

 

遠くの音を聴く経験を積む

 

今回、新たに気がついたのは、イヤホンで楽器の音を聴くのに慣れると、狭い場所で楽器の直接音を聴くと大変うるさいと言う事です。

 

例えばホール等の広い場所へ行くと音が空間へ広がる為、自分の楽器の直接音がうるさいと言う印象はありませんが(寧ろ逆に感じるかもしれません)、イヤホンで楽器から離れて聴こえる音を聴きながら弾くと、丁度、そう言う広い場所で弾いている状態に近く聴こえます。

 

又、低遅延と言っても僅かに遅延がありますから、それがホールの残響の様になり、あたかもホールで弾いている様な感じとなります。

 

そう言う(遠くの音)を聴きながら弾く習慣を付けておけば、実際に広い場所で弾いた時に楽器の直接音が聴こえなくとも困らないのではないかと思います。

 

深夜の静かな場所でも役に立つ

 

逆に、自宅で楽器に練習用ミュートを付けて弾く必要がある場合でも、楽器の近くにR-07を置いてモニターする音量を調整してやれば、ミュート無しで弾いているのと変わらない様に聴こえるので、夜でも(実際には小さな音ですが)バンバン弾いている様に聴こえてミュートをしているのを忘れそうなくらいです。
 

SENNHEISERまとめ

 

低遅延Bluetoothのイヤホンに関しては、昨年からSUREの通常のカナル型のイヤホンを挿して使うレシーバータイプとネックバンドタイプの2種類を使ってましたが、練習の時はネックバンドタイプの方が使いやすい様で、通常の物はやはりケーブルがウザい感じになりますね。

 

装着状態は気に入っているのですが不満点が一つ。

 

他の電波の影響を受けやすい

 

と言う事です。

Bluetooth機器が多い場合は他の機器の電波に影響を受けやすい様で、途切れるのはまだしも、aptXLLで接続している状態から通常のaptXに切り替わるのか(接続の表示はaptXLLのままですが)、遅延が増えて「いっこく堂」状態となります。

 

IE80SBTは複数の機器にペアリング出来るのですが、ペアリング済みの2台の機器が待ち受け状態だと電源を入れてすぐにそれらへ接続してしまいますので、その影響も受けるのかもしれません。

 

何れにせよ、aptXLLで使う場合は他の機器と接続しない。又、Bluetoothの通信環境に注意する必要がある様です。