僕の近所に | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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僕の近所にベトナム人の夫妻が引っ越してきたのは3年ほど前だった。

2軒あるアパートの西側であった。

 

夫は地方の一流企業に勤めていて妻は妊娠していた。

車も持っていたから単なる技能実習生の制度の移民ではない。

詳しい事は聞かなかった。

 

奥さんは妊娠していた。

やがて出産して最初は赤ん坊を抱いて散歩をしていた。

それを見つけたのが僕の妻だった。

一目見た妻は「まあ、かわいい」といって褒めちぎるのだった。

 

他人からこれほど褒められると悪い気はしない。

やがて僕の妻はベトナム人の奥さんと大の仲良しになった。

ある日、僕が帰宅するとベトナム人の奥さんと幼い子供を自宅に招いていた。

 

妻は子供を褒めちぎり、ねえかわいいでしょうというから僕もかわいいねえと言うしかなかった。

ベトナム人の奥さんは多少日本語が出来た。

しかし難しい日本語は通じなかった。

文字も書けた。

名前も聞いたがベトナム語は難しくて忘れてしまった。

 

妻にとっても一つの生きがいとなって、ベトナム人の赤ちゃんに会いに行ったりしていた。

自宅に招いた帰りにはお菓子などを帰りに持たせたりしていた。

やがて、夫妻もお土産を買って持ってきてくれたりするようになった。

 

最近、そんな夫妻と赤ちゃんが転勤で東京の向こう側の方へ引っ越す事になった。

 

引っ越しの当日、妻は言った。

こちらの方へ遊びに来たときには実家だと思って必ず寄ってね。

ベトナム人の奥さんは涙をとめどなく流して別れていった。

 

日本にもスポーツやテレビ画面でも外人と思われる人が日本語を流ちょうに話すようになった。

あれは外人の2世かハーフか、とにかく日本代表としてオリンピックにも出場する。

 

あの赤ちゃんもやがて2世として日本語をぺらぺら話すようになる。

僕の店でも外人が買い物に来ると、なんと通訳は子供である。

荒川区においては6年後には小学生入学のの40%が外人の子供になるという。

 

そんな未来の日本がうまくいくように祈るばかりである。