人生の師 その20 | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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平成18年になった。

インターネットは相変わらず好調でやがては店舗売り上げを

追い越すのではないかと思われる勢いであった。


そんな中でもピオンは絶好調のようであったが、

家具業界は底なしの不況が続いていた。


そんな中、山本先生によるクリニックセミナーが

静岡のH家具さんで行われるという。

私はあいにく用事があって出席できなかったが、

アウトレットに業態を転換して成功させたという。


私はそれが迂闊にも山本先生による仕掛けであることを

知らなかった。

メガマックスのようにクリニックセミナーをするだけだと思っていた。

痛恨の欠席であった。

岡山のO家具さんが出席されて、

感動のセミナーであったという。


まだ、インターネットが好調で危機感がうすかったのもあるが、

地道に業態化を模索していけばよいと考えていた。


ところが、夏場からインターネットが頭打ちになり、

秋口からぐんぐん売り上げが減り始めた。

インターネットは楽天とヤフーに出店していたが

イーリビング本店も立ち上げて仕事は忙しかった。


だが、売り上げの回復が難しく、

要するに価格競争に巻き込まれたのである。

価格で売り上げを増やしたが、

価格で売り上げを減らすという公式になってしまった。

当たり前のことなのであった。


だが、店舗の売り上げは減り続けるし、

頼みのインターネットも減り続けて、

銀行も警戒態勢で金利が高くなるし、いっぺんに

不景気ムードに突入していった。


そんな年末、前からの予約でゴルフをしていた。

忘れもしない、12月14日。

業績が暗雲垂れこめていたので、楽しいゴルフでもなかった。

お昼頃、携帯電話が鳴った。

家内からであった。


おやじが、交通事故を起こしたとのこと。

自宅前で止まっている車3台にぶつかったという

幸い人身事故でなく、おやじがショックで

足腰が思うように動かないので長男とおやじの自宅に

運び込んだとのこと。

とりあえず大丈夫なのでゴルフが終わったら

駆け付けることにした。


だが、後半のゴルフの楽しくないこと、

おびただしいものがあった。

それがトラウマになって、以後ゴルフが

あまり楽しくない人間になってしまった。


私から呼んだゴルフの人たちであったので

途中で逃げるわけにいかなかったのである。


焦る気持ちを抑えながら、

おやじの自宅に駆け付けてみたら、

まったく動けなくなっているおやじが失禁しているし、

そのそばで、おふくろがボーとして震えながらいる。

おふくろは認知症が進んでいたのである。


寒い冬なのに、炬燵がそばにあるのに

動けないおやじと、何もできないおふくろが

炬燵まで行くことさえできないで

ぶるぶる震えている。


おやじ、ごめん。

おふくろ、すまない。


親不孝を詫びつつも異常事態を感じた私は

救急車を呼んだ。