人生の師 その21(介護) | 吹けば飛ぶよな家具屋のおやじ

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病院へ運ばれたおやじを車いすに

乗せて待っていたら、診察前に警察官が二人やってきた。

事故だというので、調書をいただきたい。 


検査の結果、てっきり入院かとおもったら、

お帰りくださいとなった。


多発性脳こうそくであります。

風邪のため運転がちょっと狂いましたね。

89歳なのでもう運転はおやめください。

警察官の前で約束させられた。


そのあいだ、おふくろは持っていた財布の入った

カバンを行くところで次々忘れた。

この二人の面倒を見ながら、

会社再建の道を歩かねばならない私は完全にブルーの

スイッチがオンになり、ここから永いブルー生活が始まった。


病院では看護士が車いすから手伝って私の車に乗せてくれたが、

おやじの自宅では長男を呼んで二人で運んだ。

今の時代は、めったなことでは入院できないと悟った。


それからおやじは膝の水を抜いたら多少動けるようになったが、

時々、動けなくなっては大騒ぎしていく生活になった。


おふくろは、それから一年半、Bウエーブオープンまで

認知症が進んでいき、ご近所、警察、民生委員、役場

ケアマネージャー、その他いろいろな人を騒がせていった。


思えば、そのまた一年くらい前、みのもんたが

テレビの中から私の食事を覗いて

げらげら笑うんだよ、と言ったときに私もぎょっとなったものだ。

いろんな医者に相談したがどうにもならないと言われた。


この、両親二人こそ人生最大の師であり、恩人であります。

私は中村天風先生の本を毎日読みながら、自分を励ましたが

業績が坂道を転げ落ちるようで、ブルーのスイッチが解除できなかった。

それは山本先生という救世主がわが社に来店する日まで続いた。