第53回 企業の基本設計
「みんなで一生懸命頑張ってるのに儲からない!」と言った話をゆく聞く。
利益を生み出すかどうかは、大きく2つの条件がある。
第一は、【顧客が企業の提供してくれる商品やサービスを選択してくれるかどうか。】
その為には提供コストが、顧客の払ってくれる価格より小さいことが必要である。
当たり前のことであるが、以外とこのメカニズムが解かっていない経営者がいる。
お金にあまり苦労をした事の無い世代の若いボランティア的経営者が、このところ多いのかもしれない。
人を喜ばせることが「生きがい」なのは、大事なことであるが、経営に不可欠な儲けることを見失ってしまっては、本末転倒である。
第二は、【企業活動ができる事】
企業活動とは、組織メンバーが、共同作業体として活動する事、メンバーが同じ方向を目指し、エネルギーが分散することなく、集中して行動をおこすことにある。
過日、日本電産社長の永守さんの話を聞く機会があり「理念を守れんくらいなら、つぶれた方がええ!!」と言い放った言葉が脳裏に残った。
利益の裏に潜む理念は、大きなエネルギーとなり利益の源泉となり、その理念を共有した個々が活かされるよう組織に、効率的な資源や能力が整っていることが利益を生む条件である事を改めて確認した。
発展するにはマーケットで「自社のサービス、商品が選択される魅力を創る」、その実現のためには「社員の心も智恵も欲も感情もある人間のベクトルを合わせ、奮いたたせる理念とマネージメントする力」があればいい。
今、経営者の一番の大事は「一刻も早く事業全体を儲かる基本設計」に創り直すことだ。
第5「中内功さんは、流通革命の英雄」
過日、知人の結婚披露宴で、居合わせた、元金融機関メンバーの輪の中で、「ダイエーへの金融支援をするのに創業者中内さんはすべての私財を差し出し、球団株も含め」との話題になった。
中内さんとは、幾度かの新規事業ミーティングを通じ、事業理念、ビジョンに触れる機会があった。
メーカーから価格決定権を奪い、流通革命を展開し小売業のリーダーとして生活者に多くの利益をもたらした歴史を創った起業家のオーラを感じた。
中内さんの示したビジネスモデルは、40年間に渡り日本の流通業界を席巻し続け、この間金融機関に支払った金利は5兆をくだらないといわれている。
大変な利益を銀行にもたらしている。
それを知りながらマスコミ国民世論や金融庁の論調を背に銀行陣は、戦後経済を支えた英雄にすべての私財を出せ!という論調で、多くの人が当たり前のように言っている。
「本当にそうなのだろうか?」、疑問に思う。
口触りのいい国のセルフを鵜呑みにして、独自の見方が出来ない人達の社会になってしまったら、今後本当に志を持った中内さんのような起業家は、出てこないかも知れない。
三月決算を終え、企業の年度業績はますます明暗が分かれてきた。
ついこの前、ユニクロがヨーカ堂の利益を抜き株価も5万6000円と話題になった。
今では、2000円まで落ち込んでしまっている。
ここ2年~3年前に公開し華々しいデビューした「時代の寵児」と持て囃され一年後に「落ちた偶像」となっている企業がこのところあまりに多いことが気になる。
次元の違う中内さんは、「落ちた偶像でなく流通革命を推進した英雄」であり、経済史に名を残す経営者だと私は思う。
サクセス・ストーリーとして、セコム,トヨタ、キャノン、リコーそして電気メーカーの多くが苦戦している中で、三洋電機などの企業郡は、本当に長年にわたり安定して好調を維持している。
閉塞感漂うこの時代、本当の成果を上げ、社会貢献した事業を創ってきた事業家の先輩達や、今後時代をリードする元気な企業を、正当に評価する自分の目を持ちたいものだ。
第51回 未来は現場から
過日、「劇団ふるさときゃらばん団長の大内さん」を囲み、OISIXの旬の野菜と南フランスのワインで集いの会を行った。
異分野、世代の違う不ぞろいな男女の語り合うエネルギー溢れる方々から生まれるハーモニーは、何よりのご馳走だと改めて感じた。
高揚した時空の中で、人と人が交わり、互いの意識の中にある上質な鮮度の良い情報のキャッチボールが交わされる。
参加者の一人が、ここ一年は女性誌の歴史の中で画期的な一年だったことを熱く語ってくれた。
5月に「バイラ」(講談社)9月「Style」(集英社)が創刊、いずれも20代後半の女性をターゲットとし、大ブレークしたのが「Oggi」(小学館)とのこと!
広告収入が、なんと新卒の就職情報誌の売上を上回っており、年間50億「Oggi」とのことである。創刊以来、20代の後半の働く女性のファッションをコンセプトに「オフィスに着ていけるカジュアルな服」といった編集内容で、未婚の自宅から仕事先に通う[パラサイトシングル]の女性達が、対象読者とのことであった。
声の通るある方は、最近ドラッグストアーで、犬猫の風邪薬がうれている・まぐろ丼屋さんでの人気メニューは、やまかけ丼・フリマでの人気商品は古着・不登校のこどもは3万人・PCインターネットハイスクールに参加している子が増えている・六本木金魚の○○チャンは・・と生の加工されない現場精通人間情報が飛び交い、まるでアジアの市場のような熱気に包まれる。
昨今、毎日のように会社更生法やリストラ不況大合唱によるマスメディアから提供される情報によって、一億総評論家になってならない!!
いつの時代も、現場に答えがあるが、美味しいワインと旬の肴食と良き仲間達との語らいが、未来のありかを教えてくれた。
第50回 幸せになれる会社
「幸せになれる会社って、どんな会社でしょうか?」。
一人ひとりの幸せの基準が異なるわけだから、自分が幸せになれるのはどんな会社かという視点をまず持つべきだ。
その前に、働くということが置き去りにされていることがある。
「働いて得る幸せになれる会社」とは、自分が成長でき自己実現できる会社だ。
個人が成長できる企業の条件とは」
最初に、揺ぎ無い企業理念を持ち、魅力的なビジョンを描いている事。
企業環境が刻々と変化している昨今、その変化に対応していくことは不可欠だが、だからといって基本的な理念がころころ変わるようでは、顧客や投資家から信頼を得る事はできない。
社員にとっても何を指針に頑張ればいいのか見えないまま、仕事に打ち込む事はできない。
もちろん、利潤を追求するのは当然だが、トップが単に「会社を大きくしたい」とか「もうけたい」としか考えていなかったら、共感して働くことはできない。
それに対して、「世の中の仕組みを変えたい」「人々に新しい価値を提供したい」といった理念が浸透していれば、おのずとモチベーションが高まり、前向きに仕事に向かえる。それがひいては自分自身の成長につながる。
世の中にない新しい価値を創造しているか?
21世紀のリーディングカンパニーは、「新しい価値を創造できる企業」だ。
構造変化が起きている今、だれも手がけていない全く新しいビジネスモデルが、これからのオピニオンリーダーになる。
そうした先進的な企業と、旧態依然としたビジネスを展開している企業とを比べれば、前者に身を置いたほうが個人としてもはるかに成長できる。
新しい事にチャレンジする機会が多いため、時代の流れに沿ったスキルや技術が身につく。
常に変化にさらされ、「気づき」や刺激が多い事にある。
仕事選択やキャリア形成の開放自由度があるか?
若いうちからどんどん仕事を任せてもらえる会社と、補助的業務しかやらせてもらえない会社。
どちらが早く力がつくか。
いうまでもなく前者である。
やる気と能力次第では、年齢や経験の度合いにかかわらず責任ある仕事を任せてもらえ、どのように仕事を進めるかは個々の判断に委ねられ、仮に失敗してもふたたびチャンスが与えられる企業かどうか。
そして、仕事の成果に見合った収入を得られる企業か?
昨今はエンジニアを中心に、年収アップのみを目的とする転職が多く見られるが、転職して仕事のクオリティが落ちたらキャリアは逆戻りである。
若いうちは給与や待遇より、どんな仕事ができるかを優先すべきである。
仕事の成果を重視した給与体系でなく、年齢や在職年数だけで給与を決めている企業、その人の市場価値とあまりにもかけ離れた給与しか提示できないような企業は、どこかに問題がある。
評価の仕組みも、仕事とは別の力関係が働いて評価が決まるようなところ、仕事内容と対価が不釣合いな企業も避けなければならない。
それでは、その条件を兼ね備えている企業は一体何処なのか?
また、出会えても自分を迎え入れてくれるのだろうか?ということも考えて欲しい。
漠然とでなく具体的にどうしたいのかつきつめていくと、どうしてもゆずれない条件は譲らず、捨ててもいい条件は、潔くあきらめ決断してゆくことが、「幸せな会社」と出逢う早道となる。
第49回 ほんまもん経営力
新年新心
21世紀幕開けの昨年は、いよいよ「ほんまもん」が勝ち残り、企業間の格差がいちじるしく開いた年となった。
例年、故郷の寺山八幡神社で迎えている。
勝ち残る企業は、「本当に成長する価値のある独自のビジネスを発掘し、確立して、顧客との接点にすべてを集中している。
自分たちの競い合っている事業分野の中で秀で、ひたすらナンバーワン、もしくはオンリーワンを目指す企業でだ。
無駄を省いたスリムな形態を持つ事業であること。
他社とは異なるビジネスモデルを有し、コストが最低であること。
商品もしくはサービスの、クオリティが世界水準であること。
明解な技術的武器、ニッチ市場で他にない強みを持っている企業になる事だ。
規模はどうあるべきなのか、成長のスピードはどのくらいでゆくのか、また、どのくらいの経営資源の人材と資金を投下して、自分達の先導的なポジションを確保するシナリオを明確にして、決断と実行を繰り返さなければならない。
自分自身にこの問いかけをしない2002年の企業、経営者は理由がなんであれ、早い時期に姿を消すことになる。
「ほんまもんの経営力」が試される時となった。
2002年馬年を駈け抜けてゆきましょう!
本年も宜しくお願いします。