インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ -82ページ目

第58回 ナスダックの火種

「これからの社会は、私たちを心底ゾクゾクさせてくれるだろうか。


21世紀の日本人が笑顔で生き生きと喜びに満ちた人生を歩むためにどうしたらいいだろうか?


 変革の時代、これまでの延長でない仕組みで、社会の意識を変え、元気な会社を一社でも多く創生するインキュベーション事業をやることにしました」。


1995年4月、私がインターウォーズ設立時に出した案内文に綴った内容だ。


1999年6月、ナスダックジャパンは、華々しくデビューした。


当日の発表会場は,多くの企業戦士達の熱気に溢れ、孫正義氏の語る未来に、新たな時代の曙光が見えた。


会場にいた私は、ナスダック市場の誕生が、ようやく日本にもこれまでにないスピードと意識が芽生え、社会にインパクトを与える予兆感じた。


これまでにない公開基準値と、3市場の出現は新興企業の大量上場時代の幕開けとなった。


多くの経営者たちのモチベーションは上がり、スターバックスコーヒー、有線ブロードネットワークス、パソナをはじめ98社、時下総額一兆五千億の市場が生まれた。


それから2年、今年度中に米ナスダックが日本から撤退する。


新興企業に、米国に準じた世界標準を取り入れて市場を提供し、株式市場そのものに競争原理を導入した。


そして、これまで平均23年もかかる上場までの年月を短期にし、市場から資金を集めるベンチャー企業育成支援の仕組みが創生された。


二年余の実績ながら、ナスダックジャパンの、これまでになかったインパクトを与えた功績は極めて大きい。


首脳陣に対し厳しい批判や責任を問う声が、いたるところで合唱されている。


公共性の高い証券市場を、簡単に撤退することの善悪は論じるまでもないが、舞台を創り多くの起業家に夢と希望を与え、一兆を超える時価総額を生み出したベンチャー企業支援の実績を残した。


そして、親しくしている多くの経営者仲間もこの市場でデビューし、市場から集めた資金を活用し元気に、事業を展開している。


「デフレ!19年ぶりの株価8,000円台!倒産!リストラ!・・」聞き飽きた。


先進国の中で、開業率が閉業率より低い国は日本だけだ。


ナスダックジャパンの残した火種を絶やさず、継承してゆきたいものだ。





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第57回 幸せの条件

セミナーでの講演後、会場である企業の幹部の方が、土地の担保価値がまだ落ちつづけてたいへんだと嘆いておられた。


「でも、安くなり家を建てやすくなってよかったじゃないですか!」と申し上げたら「?」の顔をされた。


社会通念での価値観と、この方の価値観が一体となり、個人の問題として考えられなくなっている気がした。


ここに【企業内個人】の不幸が象徴されているように思えた。


私は、会社を創る際、「会社は個人と社会の為にあり、共有した理念に向けて、人が自立し頑張った分だけ個人収入が青天井で確保できるべき」と考えた。


人が幸せになれる会社のあり方として、個人が会社とコミットを結ぶ仕組みを実践した。


試行錯誤の連続だが、時々「幸せの条件とは何だろう?」と仲間達とその条件について語り合ったり、求職者の方から質問を受けたりする度に、改めて考える。 


「夢」や「志」が必要だ!


何処に向かって、自分はどんな意味や価値を持って生きるのか!


人生の目的がないと、幸せなプロセスを歩む人生とは言えない。 


「お金」・・自分の夢にチャレンジするためにもある程度のお金は必要であり、家族で安心して生活できる原資がないと、幸せとはいえない。 


この二つだけでも何か物足りない!


共に喜びを共感し会える「同士」が必要だ。


「仲間同志」、「家族」や「恋人同士」や「友人同士」という喜びを、分かち合う仲間がいないと空しい。


人の役にたち、社会の役にたつ存在であることがより豊な人生を与えてくれる。 


「夢」だけでも、「金」だけでも、「仲間」だけでも、「人の役に立つ」だけでも駄目で、夢と金と仲間、社会貢献がそろって「幸せの条件」となる。


会社も、夢だけだと、大きな夢や志はあるが、必要な資金もなく、夢を共有する仲間もできない。 


金のみだと、金儲けだけで夢もなければ、信頼し合う仲間もいなく金の亡者と化し、事件に繋がることも多い。


仲間だけだと、共有する志もなく資金もない、仲良し集団でやがて姿を消してしまう。 


人の役に立つだけだと、気持ちは満足する事があっても、事業ではなくボランティアになってしまい存続できない。



幸せは、夢と金と仲間と社会貢献のバランスと、自分の心が決める。





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第56回 祭り

日本中が興奮したワールドカップ。


にわかサッカーファンと化したメンバーと、6月1日の土曜日、記念すべき日本での開幕戦【カメルーン対アイルランド戦】を観戦した。


会場に向かう新幹線の中から、興奮したサポーターたちは、すでに戦いが始まっていた。


新潟駅に着くと、そこは治外法権とも思える、いつもと全く違った熱気溢れる国際都市があった。


白鳥の羽をモチ-フにしたという会場で、世界の代表選手たちの蹴るボールの行方に、5万人の放つ「叫び、怒声,ため息」は、凄い歓声だった。


世界が興奮した、ワールドカップ。 


2002年の夏を迎え、これまでオリンピックを始めとする世界の一大イベントを体験し、70メートルジャンプの日の丸飛行隊、柔ちゃんの金メダル、Qちゃんのマラソン金メダルと興奮してきたが、ワ―ルドカップは違った。


これまでは、あくまでもテレビを前にしての観戦であり、遠く離れての興奮であった。


今回はスタジアムに行かなくても、日本中いたるところで沸いたWサッカー空気を体で感じることが出来た。


幸運にもその場で試合を観戦したことによる参加した意識が興奮を更に高め、日本戦の際は、会社で、メンバーと共にプロジェクターを使い大画面に映し出される試合に大いに盛り上がった。


友人の誘いであまり気がのらなかったが、試合の行われていない国立競技場に行って我目を疑った。


そこは、5万人の観客で会場にウェーブが興り、海外からきたサポーターと日本サポーターたちが一体となって盛り上がっていた。


携帯で今日の試合を、いつ何処にいても確認できるようになった。


ネット社会が到来し、一つの出来事をテレビ、新聞、インターネットを始め、コミュニケーションの手段が多様になり形を変えて情報が入ってくる。


だからこそライブで同じ時と場を、皆で共有して盛り上がることに価値がある。


国立競技場に5万人もの人が5000円のチケットを買い、そこに試合が行われてなくても人が集った。


成長している企業は、時々お祭りイベントやキックオフをよくやっている。


日本中を熱狂の渦に包んだW杯、日本経済をリードしてゆく企業元気の基は、こんなところにある。



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第55回 起業から企業への要素・・

2002年の年頭にあたり、勝ち残る企業は、「独自のビジネスを発掘し、価値を形にした企業」そして「顧客との接点にすべての経営エネルギーを集中すること」「オンリーワンを目指し無駄を抜いたコストで、明解な商品、サービスを確立すること」がサバイバルのあり方だと、書いた。


起業から企業へのシフトしてゆく成功要素といった視点を、お伝えしたい。


ベンチャー企業の創業時は、市場開発に特化した人材を中心に、日々顧客との葛藤の中から、独自のビジネスのモデルが創造され育ってゆく。


更に成長し株式を公開できるかどうかは、事業アイディアやビジネスモデルの良し悪しも大切な要素ではあるが、それ以上に「経営陣のチーム力」といったファクターが必要になる。


私は、経営ボードチーム人材確保が、事業成功の確信であると捉えている。


今日のように変化が激しいIT時代では、旬のアイディアやビジネスモデルは短期で陳腐化する。


現存の企業は、既存事業の変革による延命安定収益構造にするか、継続的に新しいビジネスモデルを創造できるかしか「勝ち組」として生き残れない。


組織の最適化、経営チームマネジメントという考え方を形にできる組織企業であるかどうかが、「勝ち組」になれるかどうかの最大ポイントとなる。


よく事例に出されるケースとして世界のホンダを築いた本田宗一郎氏は開発拡大型人物、そして金庫番管理型の藤沢武雄氏とのコンビによる相乗効果を生み出した補完関係は、あまりに有名だ。


偶然の組み合わせによって出会ったかどうか、それとも創業時考えて出会いを求めたかはともかく、近年の公開を果たした勝ち組みの企業は、必ずそういった経営ボードで成り立っているケースが大半だ。


ベンチャー企業が成功確率を上げていくためのキーコンセプトは、「コンビネーションマネジメント」つまり、補完し合える人と人、仕事と人、仕事と仕事、組織と組織を上位概念とした、組織形態の最適化、人材配置、ミッションマネジメントで成り立っている。


誰と組み、共に同じ夢を求め、どんな結果を出すMission Combination Managementが、成功への王道だと思う。





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第54回 上海の光景

ゴールデンウィークに、話題の多い中国の上海に行ってきた。


庶民の生活観溢れる歴史を感じる長屋空間の中に、インテリジェント高層ビルがいたるところにそびえ立っていた。


街じゅう何処にいっても、工事中の高層ビルが目に入る。 


外国列強の租界地として進化した街ならではの、異文化交流によって「ここは中国?」と疑ってしまうほど、建物をはじめ歩いている人達はファッショナブルで活気に溢れていた。


グッチ、ルイビトン、セリーヌといったブランドショップ、多くの百貨店とファーストフード店をはじめとする新業態と古くからの業が重なり、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような彩りの街だ。


中国の通貨は元(一元15円位)、一般の生活者が使う飯店と一部のリッチ層や観光客に対してのレストランでの価格が2重であるかのように感じられた。


2000元(一月の給与)の携帯電話を上海に住む多くの人達は持ち歩き、日本のとんこつ味の「千束ラーメン」というチェーン店がいたるところに出店し賑わっていた。


地下鉄、バス、タクシーの交通インフラは整っており、街ゆく人々は携帯を片手に、大きな声で何やら話しているシーンは迫力を感じた。


「あなたは、何を買いに来たのですか?」とHOTELのプールで連日出会った白髪のダンディな日系アメリカ人が、語りかけてきた。


上海の高層マンションをはじめ郊外のマンションは立てる前から完売する。


買っている人達の多くは中国人とのこと。 


資産を持った中国の人達は、目一杯買えるだけのマンションを買って人に貸し、その賃料で比較的安いところを借りて暮らし、差額で生活し、そしてまた資産として残してゆく。


借金を払う為の、人生設計はしない。


 昨年11月にWTO加盟が決定し、GNPは世界7位で毎年8%の経済成長を遂げている。


今後10年でアメリカに次ぐ世界第二位の貿易大国になることは確実だといわれている。


中国という市場は存在しない。


それぞれの各地域が自立し、且つお互いに競争しながら独立経済活動を展開している。


中国人社会に張り巡らされた「ネットワーク」を知らずしてビジネスは出来ない。


日本人は、知り合いの知り合いは知らないという感覚だろうが、彼らは、本当に知り合いの知り合いは絆があり、いつでも連れていける人達である。


経済の中心である上海は、政治の中心の北京を自分の支配下にある地方都市くらいに思っている。



彼の時々おかしな日本語と英語の混じった内容の話は、チャイナインパクトを私に与えてくれた。


今、世界で最も急成長を続ける中国。


日本のビジネスモデルを持ち込むのか!ユニクロモデルのように生産をここでするのか! 強くなる中国とどう付き合うのか?





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