インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ -56ページ目

第127回 「起業家の育つ会社」

 書籍を出版してから「企業内起業家の相談を、よく受けるようになった。


 起業家が、社内で一人誕生すると、次々と起業家が登場し、企業内起業の勃興が起こり、企業をイノベーションしてゆくことがある。


 以前IBMの出身者が、多くのベンチャー企業を創出した時代があり、最近ではリクルートが起業家を輩出する企業と言われている。


 起業家が育つ組織には共通して、独自の風土や仕組みが存在する。


リクルートでは、「RING」(リクルートイノベーショングループの略)と称した社内起業提案が、年間300件を超え、審査を経て実際の提案者が起業チームを創り新規事業を立ち上げ、多くの事業や関連会社が育っている。


 最近は、個々の役員がテーマをメンバーに広報し、共感したメンバーが、事業提案を行っている。


リクルートでは、経営とメンバーが一体となって新規事業を創造してゆく仕組みと風土が醸成され、次世代の起業経営者と事業を育てようとしている。


 よく経営者から、「起業家は、なかなか育たない」との話を聞くが、育たないのではなく、そういった人材を採用を試みていなく、育てようとする風土や、仕組みを本気で創っていないからだと思う。


 起業家が育つ会社には、起業家を育てようとする風土や支援組織や、一旦起業人材を外に出して、育てる文化がある。


これを、私は、「出島」インキュベーションと呼んでいる。



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コローCOROT

休日に、上野の西洋美術館で19世紀のフランスの画家カミーユ・コロー展を観た。 
 20数年前から、コローの絵が好きで何度か原画を観てきたが、今回、「モントフォンテーヌの想い出」や「真珠の女」を始め、代表的な作品が数多く、世界から一堂に集まっていた。
 コローの森や湖の風景の絵は、心に安らぎを与えてくれる。
今回、初めて観る人物画が展示されていたが、一枚一枚の絵に深い想いを込め、光と詩情ゆたかに描くコロー画風は、唯一無二の画家だと思えた。
 見終えた後、上質の映画を観たような、心地いい幸福を感じた。


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企業内新規事業委員会

6月4日、東京国際フォーラムにて、ニュービジネス協議会での企業内新規事業委員会主催で、「企業内起業」をテーマにした勉強会を行った。 
  企業内新規事業委員会では、これまでリクルートから、生まれたオールアバウトや三菱商事発クリエイト・レストランツ、ローソンのナチュラルローソン等を例に取り上げ、講演会・ディスカッションを行ってきた。
 今回は、松下電器産業が2001年に創設した社内ベンチャー支援制度に関する講演を、パナソニック・スピンアップ・ファンド推進室室長の水間さんから頂き、その後、パネルディスカッションを、実際の企業内起業家のぱど社長倉橋さんJTBモチベーションズ社長大塚さんを交え、コーディネータをさせていただいた。
 多くの方々から反響 を頂き、この会の委員長として、期待の大きさと責任を感じる思いがした。
 これからも、有意義な活動によって、情報を発信してゆきたい!!


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第126回 「近江商人」

 ゴールデンウィークに、近江商人の発祥の地といわれる滋賀の五個荘と豊郷を訊ねた。


今でも、街全体に旧商家が散在し、街並みには風情ある白壁と船板塀の蔵屋敷が残っていた。


 この地は、てんびん棒をかつぎ全国に飛び出て、豪商へと成長拡大した代表的な起業家として、伊藤忠商事、丸紅の創業者伊藤忠兵衛や中国に一大百貨店を築いた中江勝治郎などを始め、高島屋、大丸、西川産業、トーメン、ヤンマー、東レといった多くの商人(起業家)を生んだ地である。


 琵琶湖のほとりの小さな町から、これだけ多くの起業家が誕生し、拡大した背景には、「諸国産物廻し」といって各地域の産物を仕入れ、よく売れる地域で販売するビジネスモデルと、独自の資本管理と流通システムの確立があった。
 近江商人の理念として、次のような考え方が、今でも語られている。


1.「三方よし」(さんぽうよし)
…「売手によし、買手によし、世間によし」、売り手と買手だけでなく、出先地域での経済的貢献をすること。


2.「しまつして、きばる」
…遠い地域間の価格差を利用し、商売相手の利益を優先して考える薄利で、利益を上げるためには、他人の嫌がる労を進んで「きばり」、長期的にみて経済の合理性を求め「しまつ」をすること。(ケチと誤解されやすいが、「しまつ」の極意)


3.「奢者必不久」
…生活は質素に、手織木綿の衣服を着、常にわらじをはき、粗食で粗末な家に住み、陰徳を積むことを喜びとすること。


4.「好富施其徳」
…商売が繁盛して富を得るのは良いが、その財産に見合った徳、すなわち社会貢献をすることが重要であり、商いが大きくなると共に商人も大きな徳を持った人間へ成長しなければならない。


目前の利益を求めるだけでなく、遠くを見据える近江商人(起業家)の理念、そして、ビジネスのモデルは、勉強になった。





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永平寺

過日、曹洞宗大本山永平寺を訪ねた。 
 永平寺は、福井県の河川九頭竜川麓の山の中に、今から760年前に道元禅師によって開かれれた座禅修行道場だ。
 混迷を極める昨今、年々全国から多くの入門を希望する禅宗の修行僧が増え、現在250人の若い修行僧が、朝3時半から、(2年から4年)修行しているとの話を伺った。
 勤行(ごんぎょう)という場に出遭ったが、200人を超える僧が声を一つにした雲水の読経は、自然と一体となって、なんとも云えぬ安らぎのハーモニーになって内面に響いた。
 時を超え、人を超えて、語り、受け継がれ、伝えられる道元禅師の「真実のメッセージ」は、現代を生きる私達の羅針盤に思えた。


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