インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ -13ページ目

第234回 「ピエトロを創ったアートな村田邦彦さん」

桜の花が咲き誇る4月9日、全国ブランドのピエトロを創業された、私が敬愛してやまない村田さんが75歳で旅立たれました。

 

村田さんとの初めての出逢いは、20年程前、博多で商社の友人からの紹介でした。シャイで口数が少なく、自らの世界観と色気を持ち、交わした会話に余韻が残りました。

その後、多趣味で年下の私と波長が合い、公私共に長きに渡り親しくさせていただきました。

 

村田さんは、仕事も遊びも一生懸命をモットーに、本物を追い求め、挑み続けた芸術家タイプの経営者でした。

39歳で福岡の天神で小さな「洋麺屋ピエトロ」を開き、ひたむきに「おいしい」を追求し、一部上場の食品会社を育て上げた起業家です。趣味の域を超えたゴルフ、音楽、書道、絵画、陶芸と多才で、ダンディで格好よく、社交的ではありませんが、多くの人に慕われ、人柄が企業像に投影されることを学びました。

 

以前、日本マクドナルドの創始者の藤田田さんに、村田さんを紹介したところ意気投合し、時を忘れ話し込んだことがありました。辛口の藤田さんが、村田さんの商品開発力に感動し賞賛された時の、青年のような笑みを浮かべていた村田さんの顔が忘れられません。

 

村田さんは、人とつきあうととことん、深く、長く関わっていくので、自ら出会いを求めることをしない人でした。私は、もっとPIETOROブランドを拡げた方が良いと思い、様々なアドバイスや、私の信頼する多くの人を紹介しました。

社交が苦手な村田さんに会った人達が、いつの間にか、村田ワールドに魅了され、年輩の方から若い人たちまで村田ファンになっていく姿に、多くの事を学ばせて頂きました。

 

MURATA KUNIHIKOが、生涯をかけ懸命に創り上げた、最高傑作の「PIETORO」を世界に拡げる物語りの挑戦を、これからも支えて行きたいと思います。

 

人との出逢いには、必ず別れがあります。

村田さんと出逢い、心の宝物をいっぱい頂きました。ありがとうございました。合掌。

 

功徳無量(村田さんの好きだった言葉)

「今の自分の幸福は決して自分一人の力ではなく、ご先祖様が積んだ徳によって利益がもたらされている、ご先祖に感謝を」

第233回 「農業総合研究所」

3月16日、東京ニュービジネス協議会の第11回IPO大賞の表彰式がTHE LANDMARKSQUARE TOKYO 「LOTUS」にて開催され、会場には多くの人々が集い熱気に包まれました。

今回の「IPO大賞 ルーキー部門」には、株式会社農業総合研究所が選出されました。

「農家の直売所事業」という社会性の高いビジネスモデルを構築し、新たな市場を示し、物流事業においては、日本のみならず海外まで生産者直送農産物の流通拡大に貢献したことが評価された要因です。

 

昨年6月、東証マザーズ市場に農業ベンチャーとして初の上場を果たした農業総合研究所は、農業を稼げる産業にする為に、生産者の利益を高め農家と消費者を近づけたビジネスモデルです。

収益構造は、販売価格の60~65%を農家が手にすることができ、残りの35~40%を自社とスーパーで折半する内容です。これまでの農業協同組合(JA)は販売価格の約3割が農家でしたが、同社は2倍近い収益を得ています。

また、これまで形が悪く、傷があって廃棄するしかなかった作物が出荷でき、翌朝には店頭に並び、消費者は新鮮な野菜を買えるようになりました。スーパーにとっては、農家の名前が分かる安心・安全な野菜で店の魅力を高め集客ができ、農家、消費者、小売店の3者にとって“三方良し”の新しい流通の仕組みを作り上げ、収益を伸ばしています。

 

社長の及川さんから、「現在、生産者約6000人を超え、全国のスーパー約900店舗と契約し、今後流通総額を年率30~40%ずつ伸ばしていく計画を立てている。更に、農機具や肥料、種などの農家向け販売のほか、スーパーからは野菜以外に魚や肉なども取り扱ってほしいという要望が寄せられているので、構想として、築き上げたITと物流と直売所運営のノウハウを生かし、様々な新規事業を立ち上げていきたい」と、情熱的な話を伺いました。

 

2016年のIPO企業数は、83社と7年ぶりに減少しましたが、農業総合研究所のような「新たな産業を興す」志を持って、既存の産業をイノベーションしてゆく及川さんのような起業家が、誕生する起業立国JAPANへの希望と勇気を貰った日でした。

第232回 「バンコク」

「東南アジアのハブ」といわれる国際都市バンコクに、行ってきました。 

40年前、バンコクの街に象使いが象に乗って悠々と歩いている姿がありました。 今では、街は高架鉄道や地下鉄の路線が通り、高層ビル群や巨大なショッピングモールができていますが、路地には昔ながらの静かで素朴な庶民の生活があり、古今の文化が見事に調和した大都市となっています。 

現地で働いている経営者から、「バンコクの平均月収は10万程で、大卒の初任給は6万円です。住民の生活は、定食が平均150円、家賃1万5000円位で、4万円前後で生活できます。自分は、繁華街近くの東京で言えば山手線内の1DK、プール・ジム付きの高層マンションで、家賃6万円のところに住んでいます。贅沢な暮らしをしても、日本の生活費の2分の1以下です」と聞きました。 

 

タイには、戦前より多くの日本企業が進出しており、ホンダやダイキンをはじめ6800社もの様々な日本企業が進出しています。 驚いたことに、バンコクに日本人が5万人程在住し、東南アジアで最も多く、ロサンゼルスに次いで世界で2番目に多いとのことでした。 タイとの親交の歴史は古く、アユタヤ王朝時代、日本人で初めて東南アジアに新天地を求め、シャム国で日本人町を創り、大臣にまでなり地方の王国リゴール王にまでなった「山田長政」という人物がいます。 初めて海外に進出し成功した日本人といわれています。「貿易を広めるために、アユタヤの内乱や外征に日本人義勇隊を率いて参戦し、つぎつぎと武勲を立て、その功績を国王に認められ、信頼を獲得した」と伝わっています。 進出する国の「不」を解決することで信頼を獲得し、時間をかけ事業基盤を創り上げた「山田長政」の足跡が、日本人への信頼の歴史となったように思います。

 

 昨年、プミポン国王が崩御され、街のいたるところに白と黒の幕が飾られ、今も黒い服装の人々の姿がありました。不幸なことがあると、汝が至らないと考え、人のせいにせず、殺生はしないことが功徳をつむ、タイ人の慈悲深さを感じました。 これだけ多くの日本企業がタイに進出しているのは、コストだけでなく国民への信頼感や、これまでの親交の歴史から来ていると思えました。 

 

これから、タイへ多くの日本人が移住し、共創の展開が更に拡がる予兆を感じました。

 

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第231回 「経済の世界は、一つに繋がっている」

年明け、賀詞交歓の会場で百貨店の社長に、ファッション通販サイト「BUYMA(バイマ)」をどう捉えているのか聞いてみました。

「アマゾンやゾゾタウンは知っていますが、その会社はよく知りません。ファッションは、実際手に取って、鏡に合わせて納得していただき売れるものです。パーツ衣料はネットで売れているようですが、ネットでそう売れるものではありません」と言われてしまいました。

 

5年前、ネット副業で稼いでいる人から、バイマを知りました。

バイマは、日本にまだない世界中のファッションアイテムやブランド商品を、海外で生活しているパーソナルショッパーと呼ばれる8万人の出品者と、個人間の取引を仲介するサービスを展開している注目のサイトです。

現在、世界125カ国から商品が買える人気アプリとして、会員数320万人を超える、海外ファッション通販サイトに成長しています。

 

現地の商品価格に手数料を数%上乗せした程度で、豊富な品揃えから選んだ商品を数日で手にすることができます。

以前、百貨店のバイヤーから、「世界から買い付けて店頭に並べる平均価格は、現地で3000円の商品が13000円程」だと聞いて驚いたことがあります。

また、海外ブランド企業の直接展開や、総代理店の輸入販売価格も、現地の3倍~4倍となっています。

 

最近、越境ECも話題になっています。本質は、同じビジネスモデルです。

こういったECサイトが、デジタル大陸のユーザーに、日本にはない商品を安く豊富な品揃えから買い物ができる「場」を提供することで、長く続いた産業や市場が短期間に「破壊」され始めています。

事業再編ではなく、世界の産業構造がハイスピードで変り始め、経済の世界は一つに繋がりました。

 

「America First」を連呼するドナルド・トランプ氏が、第45代米大統領に就任しました。

世界が繋がる境目のない社会で、米国だけが強くなるなんてことは、成り立つはずがありません。

 

経営者の皆さんには、振り回されることなく、現実を直視し、あるべき道筋を見極めて、愚直に信じた道を追求していただきたいと思います。

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第230回 「謹賀新年」

皆さん、2017年をどんな思いでお迎えでしょうか?
昨年は、世界も日本も第四次産業革命時代の中で、

産業構造変化のスピードが速まり、企業も個人間格差を更に造り出した年となりました。

 

「デジタル・ディスラプション」という言葉を、目にするようになりました。デジタル・ディスラプションとは、スマートフォンに代表されるモバイル端末の普及や、ビッグデータ分析、IoT、AI技術の発達などによって、ユーザーニーズに「デジタルソリューション」を提供することで、長く続いた産業や市場があっという間に「破壊」されることをいいます。

 

これまでの当たり前の常識が崩れ、世界的に大変化が起こっており、多くの業界で過去の延長線上では生きていけない状況になっています。
今年は、ますます前例を崩す様々な衝撃が起こってくると思います。湧き出す変化とエネルギーを味方にして、皆様と未来に繋ぐ事業と雇用機会を創り上げていきたいと思います。

 

この一年が、健康で実りある一年でありますよう祈念申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願いします。

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