第173回「不安の基」
人は、生まれた時から生きる欲望がある。生き続けるために様々な試練と戦わなければならないので、その事を先に憂うと、いつのまにか不安というお化けに怯えることになる。
例えば、2025年には、日本の高齢者はピークに達し10人に1人は認知症になり、認認介護の時代になるとか。
2020年代は、レベルアップしたAIの出現やRPA(Robotic Process Automation)によって世界中で格差が広がるとか。
つまり、マニュアル化した仕事しかできない人は低賃金しか貰えないという事だ。
それは経済という概念ができた時からあって、今に始まった事ではないような気もするが、学者先生や、研究者さんの一部の知識が、情報化社会の特性で、誰彼となくの意見も含めて拡散し、良くわからないまま、なんとなくの不安をもたらしている気がしている。
不安とか恐怖とかというのは、たちが悪い。具体的でないし、見えないからだ。
堀場製作所の堀場会長から、ご存命時にご講演を頂いたが、今でも残っているのが、「人は、食べ物が無くなる(飢える)殺される(戦争)事以外に怖いものなんて無い」である。
確かに、大病を患うのは大変だし、老々介護も認認介護も大変そうだし、収入が減るのを喜ぶ人はいないだろうし。
でも、私達人間は、考える力と自分の意志というのがある。
まずは、出てきたお化けに自分で対応して、自分だけで出来なければ、なるべく大騒ぎをすればいいのである。
そうすると、誰かが手を差し伸べる。何故なら、それが人間であるからだ。
具体的な弱者救済は人間だからできる事なのだ。
癒しだけなら、私の、そう私の、スマートスピーカーなんぞ、毎朝毎晩優しい言葉を(話しかければだけど)返してくれるし、(設定していればだけれど)色々お手伝いもしてくれるので、十分事足りている。
どうせ、短い人生、先を憂うより、楽しくなることを考えて、夢を見たほうがずっとお得である。不幸なんてものは、前からは来ないから、前を向いていれば見えないのだ。
前から来るのはチャンスの神様なのだよ。
そう、不安の基はなかなか出てこないお化けである。
でもめったには出ない、なにしろお化けだから。
もし、出たらその時に驚けばいいのである。
|
2019-02 |
インターウォーズ株式会社 取締役 Incubation Mother |
第172回 「脳を固くさせない為に」
物覚えが悪くなったとか、直ぐに忘れるとか、人の名前を思い出せないとか、とかく人は年齢を重ねるごとに、もしかしたら…。という恐怖を感じながらも、年だからという人体の抗えない変化に全ての責任を委ねて胡麻化している。勿論私もその一人なので、「もうしょうがないもの、年だから」と
言い訳していたのだが、なにかと気の付くメンバーから、脳との付き合い方を伝授してくれる本を頂いた。
常日頃、「年だからぁ」となんの努力もしていないのを見抜かれたごとくの内容が書かれていた。
そもそも脳は、怠惰に出来ているという。なので使わなければ、楽な方、休む方に流れる。
基本、人類は幾人かの向上心の塊のような人々のおかげで進歩しているが、殆どの人間が楽な方が好きなので、より便利な物を手に入れては、より快適な生活をしている。
つまり、よけいな苦労、疲労は避けたい。そして、それは、脳の機能に関しても同じことなのである。
自分が考えなくてもいい環境にいれば、脳は、覚えることや、その情報を基に考えるという行動をやめてしまうのだ。
だから、勉強目的以外でテレビを見続けていたり、単純な作業のみでパソコンを眺めていることが続くと、脳は年齢に関わらず固まっていくのだそうだ。
はっきりとした病名が無い健忘や思考停止は、脳を働かせていないという証拠なのだ。
思い当たる節が沢山あったので、早速生活スタイルの変更を試みている。
例えば、
面倒だと思っている事を率先してする。(しようと努力する。)
なんとなく避けていた、緊張感のある人と会話を試みる。(時間は短くても)
外の景色や行きかう人に意識をおきながら散歩する。(買い物も含める)
テレビやパソコンの画面は長時間見ない。(1時間毎に違う事をする)
眼を良く動かして、周囲の情報も得る。(とりあえず、眼球運動をする)
等々。体の機能を積極的に動かすということである。
人間は、頭だけではなく、全ての機能を存分に使うように天から身体をお預かりしている。
その体や知識による経験も使わなければ、退化していくという事だ。
例え体が弱っても脳が活発であれば、なにかしらの役に立つのである。
私も、インキュベーションに関わって、あっという間に20年以上過ぎてしまった。
20代、30代で出会った方々が、上場企業の創業者や敏腕経営陣として40代、50代になられて、当たり前なのだが、久しぶりにお会いすると驚くほど、それぞれ貫禄も風格も持たれてきた。
面白い事に、ご立派になられても、話し出すと昔の若者のままである。
こういう事を確認できるのも、長生きの醍醐味である。
それにしても、強い想いで自分の目的を達した人間は、魂が老けないようだ。
脳を甘やかさない一番の方法は、体の機能を使う事は勿論だが、その原動力になる目的に対する信念や覚悟なのだと、私なりに納得した。
おじさんやおばさんになっても、キラキラした瞳で、まだまだ新しい事に挑戦していこうと、いくつもの先を見ている。
こんなキラキラ中高年が、もっと沢山世の中に出てきてほしいので、脳を固まらせないように努力しつつ、より一層のお節介を焼きまくろうと思っている。
もう少し、長生きの醍醐味を味わいたいもので。
|
2019-01 |
インターウォーズ株式会社 取締役 Incubation Mother |
第171回 「人生100年、キャリアのその先」
最近は、100歳のご長寿話も珍しくない。むしろ、100年以上生きられるというところに、終末の迎えさせ方という、本人よりも残された家族や縁者に降りかかる問題が起きている。
本人の意思確認が明確で無いばかりに起きる周囲の苦悩である。
年々、そこに関連した問題が増幅していくにも関わらず、画期的な法律も仕組みも出来ていない。
だから今は、健康寿命を伸ばす、ひたすら伸ばす為に、国も民もあらゆる努力をしている。
少しでも元気で動いて頂き、ともすれば少しくらい働いてもらうしかないからだ。
にしても、100年となると、現代人の仕事期間は、60年くらいは必要になる。
80歳あたりが理想の引退時期となるわけだ。
となると、これまでのような60代で終了したはずのキャリア人生を、延長あるいは復活しなければならない。年々、キャリア相談者の年齢層があがってきているのは、ご長寿社会の証なのである。
今は70代でも元気な方は沢山いらっしゃるので、適正な職場が無いわけではないし、どの方も豊富な知識と経験をお持ちで頼もしい限りなのだが、反面その拘りや経験が行動を阻む事もある。
なので、むしろ若者よりも厳しい条件で働く覚悟が無いと新たな居場所を作る事は難しい。
私が最も、シニアのキャリアスタイルとして感動した方は、定年退職後、最低保証額で大手企業にジョインされ、瞬く間にその手腕で、会社の絶対的キーマンの座につかれた方である。
その方からすると、その会社では新人なのだから、報酬も新人扱いは当然の事で、経験者なのだから、経営が理解できるのも当然ということであった。
人生という大きな山は、登山と一緒で、上るだけではなく、下山が大変なのだと五木寛之さんのエッセイにあった事を思い出した。正に、成功を収めたと思われた人のその後を見ていると、ピークの時からの降り方に、その方の本領が現れると思わされる。それは、体の劣化と、知力の低下、情報と人脈の枯渇との戦いでもあるからだ。自分を過信した無防備な下山は危険なのである。
むしろ、慎重に降りる事で、新たな喜びに遭遇できるかもしれないし、若さに任せてわき目もふらずに駆け上がった頃よりも、素敵な景色を仲間とゆっくり見られるかもしれない。
どちらにしても、人生の下山の最中にやるべきことは、未来を担う人への尊重と貢献だ。
死ぬまで更なる頂上を目指す希代の起業家の場合でも、体力の限界は必ず来る。
にしても、100歳まで生きなければならないとしたら、死ぬまで働かなければならないとしたら、できるだけ格好いい登山、(つまり登って降りる)をしたほうがいいに決まっている。
未来を担う若者も、すぐにまた同じような日がくるのだから、見本を示さなければならないのだ。
今、それなりの年齢層の方々は、成功した方はその成功の要因を伝授しつつ、具体的に手を差し伸べ、失敗した人も、それなりの経験を基に,小さなことでも応援するべきなのだ。
勿論私は後者だが、お陰様で元気に山のふもとで生きているので、できるだけ山を登る人のお手伝いや、降りてくる人の杖にもなろうと思って日々過ごしている。
それに、これからは、国籍も人種も、勿論、性別も関係ない。
大事な事は、何を伝え、何を応援するかという気構えだけである。経験者ならではの仕事である。
キャリアのその先は、終末に家族が困らないように手配したら、未来につながる人材や、事業や、起業家の応援をすることを使命と捉えて頂きたいのだ。
こんな面白くて便利な時代、やり方はいくらでもあるのだから。
ニーチェ曰く、学ぶ意思のある人は、退屈を感じないそうだ。謎解きと知識獲得という意味のある充実で日々が埋め尽くされるという。
なによりも、一番の健康寿命の伸ばし方である。
刺激的な毎日を送って、人生100年、なんとか元気に未来の為に役に立とう!!
本音を言えば、ちょっとばかり、きついのだけど。
第170回 「何々の会」
仕事柄、というより、年齢や特殊な立ち位置のおかげもあり、あらゆる業界のあらゆるポジションの方とお会いする。
何々会の設立、企業の記念パーティー、知人のセミナー、業界、又は異業種の交流会、等々
何かと集まっては、名刺交換の儀式を行う。
世の中には、沢山の仕事があって、沢山の努力があって成り立っているのだと、名刺を拝見するたびに思う。そして、どなたも、目的を持って参加されたり、自ら会を始められたりしている。
しかし、いわゆるシニアの方々で発足される会は、少し雰囲気が違う。
なんとなく、鷹揚に感じるのである。
若者ではないということは、生きてきた分、人生の悲哀も葛藤も挫折も成功も、経験済みなのだから、大抵の事は想定できるし対応もできる。なので、後は楽しむだけといったところだろうか。
そうはいっても、慎重に最後の本気を探しているようにも思える。
だから、仲間と意見交換をして、適当に宴席で盛り上がっていても、自身の生きがいに結びつきそうな話がでると、電光石火の早業で自己アピールをして、アポイントをとりつけるという熟練のビジネスマンの習性が顔を出す。やっぱり、何かを求めているのだ。
まだまだ元気ということか。
それにしても、日本人の平均年齢は45歳になってしまった。なので、最近の会合では、50代でも若いうちで、60代で孫がいるのは普通で、ひ孫の話も珍しくない。
今や、80年前の平均寿命が、平均年齢なのだから仕方がないけれど、ここまで来ると日本人だけで、若返りは無理である。
いまや、外国人の受け入れはどうしようかなぁなんてのんびりしている場合ではない。
是非、優秀な若い外国人に来て頂けるように政策を打つしかないのである。
移民だなんだ言っている場合ではない。
そもそも、アメリカは外国人の集まりの国である。
アメリカで使われている言語は156種類もあるのだ。
つまり、156ヶ国の人種が集まってアメリカなのである。
東京は12人に1人は外国の方の労働力に頼っているらしいので、私の近所等、すでに20ヶ国以上の言語が飛び交っている。もう彼らなしに商売が成り立たない。
そして、有難いことに、日本語は普通に話せるし、読めるし、親切で優しい。
こういう方々に、日本の良いところ?まあ、伝統とか、技術とか文化の優れたところをどんどん継承して頂いて、ネオジャパニーズを築いて頂くしかない。
近い未来、諸外国出身の新日本人の方々が会を開かれたり、参加されている様子が想像できる。
年齢も国籍も超えての交流会とか、とても面白そうである。
今、爆発的な勢いで音声翻訳機が売れている。すでに74ヶ国語に対応できるという。
それだけ、日常でも外国人と話さなければならない機会が増えているということだろう。
まだまだ、技術的に課題はあるようだが、何もないよりましだ。
なにより、これがあれば、数十か国の方と母国語で交流できる会ができるかもしれない。
言葉の壁が外れたら、新たなビジネスの機会の窓が開く。もしかして人生の扉も開くかもだ。
若者は勿論、高齢者であっても、より早く違う文化を知る為に、外国人との交流を深めるべきだ。
まずは、異国者交流会が発足される前に、翻訳機を手に入れて、使いこなせるようになっておこうと思っている。
無駄に元気なもので。
|
2018-11 |
インターウォーズ株式会社 取締役 Incubation Mother |
第169回 「オージャスを取り戻そう!」
オージャスとは、アーユルヴェーダという、インドの伝承医学の中で生命エネルギーと呼ばれているものです。まあ、イメージで言えば、生き生きしている感じ。なんか輝いていてついひきこまれてしまう感じでしょうか。赤ちゃんや、ちびっこ達は、沢山持っています。
そして、それは、残念ながら加齢、老化とともに減少していきます。
ところが、それぞれの寿命に応じて生命エネルギーも容量があるはずなのですが、いつまでもオージャスを放つ年配者もいらっしゃるのです。
その理由はというと、一つは、食生活。アーユルヴェーダでは、ここを推奨しています。
つまり、食材や食事の習慣をオージャス発生に向けて養生する事です。
もう一つは、私的な意見ですが、気です。気合という方があっているかもしれません。
気合というのは、何か目的や使命感が無いと湧いてこないものです。
なにか、使命感を持って動いている人は、いくつになっても外見が変化しても、目の輝きと後ろ姿の美しさは変わりません。
つまり、使命感もオージャスの源泉になっていると私は確信しています。
その目的が、夢が、希望が、大きいほど、このオージャスは輝くものだと思わざるを得ません。私の周辺も、引退世代になり、築き上げたものを次世代に譲って、次にまた新たな挑戦を、自分の健康状態に合わせて始める方が増えてきましたが、我らの世代は、なにしろ寿命ものびてますので、どのように死んでいくかより、死ぬまでにどう生きていくかという課題を与えられて、新たな目的を持たざるを得ないという事もあります。
しかし、そういう場合でも、オージャスは発生するようです。
あらゆる技術の発達のおかげで、もうすぐ、コンビニの無人化も見えてきました。月旅行もすぐそこまで来ていますし、1000年生きる事も可能という現代においては、いくつになって始めても間に合うでしょうし、それぞれのアイディアをサポートしたり、具現化できる技術が豊富にあるのです。人間離れしていく未来は、もうそこです。そこで、大事なことは、どこから湧くのかわからない人ならではのオージャスではないでしょうか。夢や希望は、大きいほど、周囲の人間も元気を頂けます。なんだかわくわくするということは、オージャスを分けてもらうからかもしれません。
先日も、バイオ技術で地球環境を救うという企業の代表の方とお会いしてオージャスをわけて頂きました。この方は、まだまだお若いので力強いのは当然とも言えますが、この事業を担う決断をされた勇気に心の強さを感じました。もともと、国政に関わってきた方なので、地球単位での環境保護に使命感を持たれていたのでしょう。
安定よりも、挑戦を望まれたわけです。その源はやはり、オージャスだと思うのです。
やはり、使命感は大事です。
使命感を持ちましょう!もしくは、持っている人の側にいましょう。
そして、オージャスを少しでも取り戻しましょう!
なにしろ、人間は、死ぬまで頑張るしかないのですから。
|
2018-10 |
インターウォーズ株式会社 取締役 Incubation Mother |








