インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』 -10ページ目

第168回 「大人の品格」

先日、ある紳士からお礼状が届いた。

封筒を開けると、美しい文字と言葉で綴られた、流れるような文章に釘付けになり、感動を覚えた。

そして、頭に浮かんだ言葉が品格だった。

それが切っ掛けで、品格溢れる方々を回想したところ、共通点を見つけた。

 

私ごときが品格を語るなど罰当たりと承知の上だが、今更気が付いた私だからこそ、働き盛りの方々に伝えておきたくなったのだ。

というのも、品格は、大人になればなるほど、年を重ねる程必要になる。

人生100歳時代も普通になったので、ここでいう大人は、50歳過ぎてからだ。

人生は50歳から75歳までが林住期という人生のクライマックスの時期だとも言われている。

まさにこの期から、品格の有無が人物の器量を表すといっても過言ではない。

そして、自然に滲み出る品格というのは、財力や付け焼刃の知識や、外見では補えない。

品格とは、あくまでも精神の美しさであり、鍛錬された能力の賜物なのである。

 

という事は、より早くから鍛えておいたほうがいい。

 

精神の鍛え方の第一歩は簡単だ。怒らない、恐れない、哀しまない、ひがまない。

常に周りに感謝を忘れない事である。

そしてこの時期に何か、仕事以外の自分の武器(才能)を磨いておくことだ。

それはもう、なんでもいい。自分の仕事以外の好きな事、興味のある事でいい。

鍛えた心と、得意分野を一つ持つことで、充実した林住期を過ごせるのである。

 

大人になっても品格を感じない方に共通するのは、極端に異性を尊重しない。

また、家族、友人、仕事仲間の事も本当の意味で大切にしていない。

そういう方は、お金儲けが上手であっても、著名人であっても品格があるとは思えないのである。

といっても、日々充実されているのであれば、品格等気にしなくてもいい。

自分の人生なのだから、自分が満足していればいいのだ。

しかし、少なからずとも、私の狭い世間の範囲でも、この品格の差による人生の悲哀を痛感せずにいられないのである。繰り返すが、品格は大事なのである。

何故ならば、人生のクライマックスという林住期の後は、遊行期なるものが来るのだ。

75歳から100歳、もしかしたら、もっと長く…。

この時期、人は一体何をするべきなのだろうか、何が出来るのだろうか。

多分、体力は限界に来るので、書くことや語る事くらいしかなくなるのである。

その時の為に、頭脳と精神を鍛えて、品格を持ち続け、最後まで他人様のお役に立てるよう生き、迷惑をかけずに逝けたら最高の人生ではないだろうか。

つまり、品格は、最後の最後まで、人として生き、死んでいくための必需品ともいえるのである。

 

ゆとりの林住期、さとりの遊行期をより優雅に過ごされたければ、少しでも早くから「自分の品格」を育てて頂きたい。

 

間違いなく、将来損はしない。

第167回 「商売とは」

店舗関連の仕事をしている同年代の友人達までもが、買い物はネットでしているというので、「実店舗で買ってよ、いつも行ってるんだから」というと、「だって欲しい物置いてないから…。」と寂し気に語る。そんなはずは無い!では私が探す、と意気込んで、いくつかの大型施設内のお店を巡ったが、本当に置いてない。確かに、かなりの年配になったかもしれないが、私達世代は、ファッション雑誌に囲まれてというか、むしろ脅迫的に流行を追わされ続けた世代なのだ。

その世代の感覚に合わせてくれてもよさそうなものなのに、どういうマーケティングなのかと寂しくなる。欲しい感覚の物は、限られた街の若者向けの店舗だったりするので、女性はともかく男性の年配者には気軽に入りにくいし、そもそも行く時間も無いというわけだ。

結局、欲しい服や雑貨も、ネットで買うしかないね、という事になってしまった。

 

そして、実店舗側はというと、販売スタッフにやる気があっても、商品が無かったり、商品の説明も出来ない人が店舗で販売を任されていたりと、情けない事ばかり目につくのである。

「うちの店わぁ、すごぉーく年取った方もぉ、買いにみえますよぉ。年齢とか関係ないからぁ。」と、キャピキャピした可愛いお嬢さんに慰め、いや、むしろディスられている気持ちになる店や、逆に、かなりの大ベテランさんに、「絶対似合うよ、買わなきゃ損よ」等と、絶対着ないような服を強引に勧められる店があったりと、最近の店舗での購入は、自分を見失わない気合と根性がいる。

だから、通販系はドキドキも照れも、気合も必要ないから楽なのであるが、その代わり、実際に到着してから残念な事は多々ある。痛し痒しとまではいかないが、悩みどころだ。

 

しかし、物が溢れているのに欲しい物が見つかりづらい理由は何かと考えていた最中。

私が敬愛するW氏の著書にヒントがあった。

そもそも商売とは

「お客様は誰なのか、何を本当に求めているのか。それを具現化したもの(商品)を開発したり品揃えしたりして、納得する価格で提供する事」だと。

そうだった!

創業者の思いは、お客様から始まっているはずなのに、だんだんと自分達の専門性を過信したり、組織の都合が重なり合っていくうちに、少しずつずれて亀裂が入ってしまい、どんなに大きな企業でも滅びる原因となっていくのだ。いつの時代でも、商売の基本は変わらないのにである。

だから経営者ばかりではなく、幹部の方たちも、同じ危機感を持つべきなのだ。

「うちの会社は、本当に『商売』をしているのか?」と常に問うべきなのである。

そうして、経営者や株主ではなく、お客様に視点を合わせている限り、その会社は価値があり、その価値を維持する営業力があれば存続し続けるのである。

 

それにしても、実店舗での買い物をもっと楽しく出来る方法はないのだろうか。通販ビジネスが定着した今こそ、実店舗の醍醐味を味わえるなにかがあるはずなのだ。カエルパルコのように、スタッフブログと連動した通販サイト等いい試みである。

そういえば、最近、10年ぶりに買い替えたポットの販売員さんは凄かった。私の求めている条件に合う品を的確に判断し、抜群の感じよさで勧めてくれた。なんと、ものの3分で良い買い物ができた上に、日々使用している時も気分がいい。

こういう人物に出会えるのが、実店舗ならではの良さなのだ。

 

ともかくも、競争相手が溢れている今だからこそ、自分の商売を再考するべきだ。

お客様は誰か、何を本当に必要としているか、それが開発できるか、それを適正な価格で販売できるか、そして、販売は誰がするのかも大事である。

 

顧客が個人であろうが、法人であろうが、最後は現場の「人」次第なのだから。

 

2018-08

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第166回 「花の時」

有難いことに、100年生きても普通の時代になってきた。だからといって、

ずーっとキラキラ輝いていられるわけではない。なにしろ細胞は日々死んでいく。

劣化は避けられないのだ。

だから人間として最も輝くときは、せいぜい40歳あたりまでなのである。

残りはその輝いた時の名残なのだ。

なので、気力体力に自信のある方はそれなりに頑張られてもいいけれど、

そうでもない方はできるだけ早々に、穏やかな日々を過ごされてはいかがだろうか。

人生についての「四住期」説でも、50まで頑張って働いて家庭を持って仕上げたら、

50~75までは静かに暮らしなさいとある。75から先は、悟りの極みの話なので簡単ではないけれど。

ともかくは、時がきたら静かにしている事が大事であり、花の時で輝いている人たちを応援することで社会貢献はできるのだ。

 

花の時の人間は、やる気も元気もあるし、なにより新たな事や物を生み出す感覚は、この時期ならではの特性だ。

これまでも、野望を持った若者の行動力で、世界は進歩していった。

それに、若さというのは、古くてダサいものを、格好良く生まれ変わらせる能力と感性がある。

そのことを改めて思い出させてくれた会社があった。

最近、あちらこちらに、お洒落なビルが建設されているが、そこの広場に現れるキッチンカー達が、格好良くなって、看板のつけ方も含めて絵画のようになっているのをご存じだろうか。

 

(株)mellow(メロー)という会社が、企画、運営している。

私なんぞの時代は、移動販売の軽トラックが、のぼりを立てて販売していただけなのに。

今や、車体がおしゃれなだけではなく、イベント的なテーマがあり、スマホ連動で呼び込みもいらず、売り方も買い方もスマートになっているのである。

そこの代表が、「せっかく沢山お金をかけて、カッコいいビルを建てたのに、違和感があるスペースにしたら気の毒かなぁと思ったんです」という、素直な発想から始まったそうだ。

 

そういえば、今から25年程前、100均のお店は、スーパーの店頭にひっそりと場所を借りてるだけの催事専門の業者さんであった。ある時から、バラエティグッズと呼ばれ、なんだかどんな素敵な場所でもおかしくない立派な売り場に変化し、新たな業界を築き上げた。

現金で買いたたき、安売りするバッタ屋さんが、多くの顧客を持つ立派なキラー店舗となったし、始めは安さを売りにしたファミリー向けの郊外店が、いまや日本で一番のアパレル会社になった。切っ掛けは、なんだか格好よくなった時からである。

デザインコンセプトに基づいた店づくりと情報発信の変革で、人の興味は変わるのだ。

その、全ての新しい感性がおもいきり迸るのは、やはり花の時なのである。

思い切りダサい物を格好良く変える。古臭い商売を現代の仕組みを使って変革できるのも、花の時の人達なのである。なぜなら、【細胞がまだ沢山生きている】からだ。

そして、時が経ち、先輩の立場になったら、次の若者を思い切り応援する。

思い起こせば、多くの年配者は、若い時に、先輩達に応援してもらってきたのだ。

 

若者たちの感性を信じて、託す。

その、循環がうまくいけば、未来も明るいと思うのは、またまた私の思い込みだろうか。

 

2018-07

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第165回 「生きがいという利益」

人は、生まれた時から死ぬまで、ともかく生きていかないといけない。

体に養分を補給するために、なにかしらの行動を起こし、あらゆる弊害やそれなりの困難に立ち向かい、その人なりの寿命がつきるまで喜怒哀楽と共にひたすら生きる。

だとしたら、喜びをより多く経験して生きた方がお得である。

生きがいとは、生きていることに喜びを感じるという「生きる上での利益」なのだ、と私は思う。

では、生きがいはどうやって持つのだろうか。

 

人は他人の為に生きてこその人生という教えも尊いけれど、

自分の好きな事の為に生きていたら、他人の為になることもある。

 

人間は、他人に迷惑や被害をもたらさずに、一生懸命に生きているだけで、必ず誰かの為になっているものなのだ。

ともかく、自分が生きていることに喜びを感じる「何か」に出会えたら、より、お得なのである。

何故なら、日々刻々と自分の時間は終わりにしか向かっていかない。

辛いよりも幸せ、苦しいよりも楽しい時間を過ごすべきなのだ。

その為には、気になる事に対して具体的に動く事だ。

動けば生きがいにつながる「何か」が見つかる。その後の満足度合いは自分次第だけれど、まずは生きている事に喜びと感謝を持ち、生きる欲求を高めることができる。

 

生きる欲求といえば、幼子を持つ親は絶対的な責任と愛情による生きがいを持っている。

統計でも、子育ては生きがいの多くを占める。

しかし、時代に沿った子育て環境が整っていない事で、子育て中の人は仕事との両立が難しい。それよりも、素晴らしいキャリアを持つ女性が、子育て中心の日々にストレスや不満を感じたり、なによりも、生活に支障をきたすシングルマザーの話は辛い。

 

親にとって、子供は大きな生きがいだが、仕事も出来れば、さらなる幸福につながる。

ならば、働く親と同じ施設に子供がいればいいのでは?と考えた方がいらっしゃる。

もともと、子育てに奮闘する奥様を助ける方法はないものかと考えて、周囲の反対を押し切って、親たち向けのカフェを考案し起業されたのだが、その時に、ママさん達の苦悩や高い能力を改めて実感したことで、現在のモデルを構築され、新たに事業を始められた。

 

別々にするのが大変なのであれば、一緒にいればいいという、素晴らしい考えである。

サラリーマン川柳に「働き方、改革よりも、働く場」というのがあるが、まさしく場を改革してしまったのだ。しかし、その働く場を創るために、どのようにして、収入を確保するか、どうしたら子供の安全や生活時間を守れるか等、行政や企業との取り組み方に始まり、場所の選定や内装のルール等、微に入り細に入り探求され、今なお努力され、あらゆる方法に挑戦されている。

 

競合や、真似をする企業が増えますよね?

との問いに、「いいんです、僕一人では間に合わないですから、沢山増えて欲しいのです」

という答えが返ってきた。

 

こういう人だから、出来たんだなぁとその場にいた一同が納得した。

こんな素敵な社長は、苦労はあっても、生きがい利益は沢山持っていらっしゃる。

こういう企業にこそ、国や大手企業が協力して、成長を助けることで、子育て世代の収入UPにつながれば、生きがいの相乗効果で、国の利益もあがるのではないだろうか。

 

ねえ、そう思いませんか。

 

2018-06

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第164回 「地球を大切に」

今や世界に衝撃を与えている企業ほど、地球を大切に考える時代になっている。環境、食料、エネルギーと問題は山積みだからだ。

なにしろ、少子高齢化の国はともかく、地球上の人口は増え続け、大気汚染は留まるところを知らず、その歪みは多くの天災を引き起こす要因ともなっている。

そして、情報管理や金融の課題も世界共通である。

今時、自国の安定や安全を政府にだけ頼っていても、なんの解決にもならない。

 

個々人が、地球を一つの枠として、新たな事業や解決策を考えていかなければならないのである。

昔から日本人は日本を通して世界を見るばかりで、外から日本を見る視点が圧倒的に欠けていると言われてきたが、これからは相手の立場や文化、相手から見た日本というのを理解した上で、物事を調整し、交渉する能力を養っていかなければならない。

そして、今や相手というのは、対一国ではない。アフリカに住むフランス人とでも台湾に住むアメリカ人とでも仕事をする時代なのである。世界規模の情報を積極的に取り入れていかないと気持ちが掴みづらく、また、自己の主張が無いとただ流されてしまうことになる。グローバルな感覚が必要だということだ。その感覚を養うためにも、国内外を問わず多くの外国人と交流を持つことは大事なのではないだろうか。

といっても、すでに日常の生活の中でも外国の方が増えている。2017年日本在住の外国人は250万人程と言われるが、後10年したらどのくらいになるだろうか。日本人の人口は減少していく一方なので、そのうち比率が半々くらいになってしまうかもしれない。

 

しかし、地球規模で考えれば、日本の国に住んで日本語を話し日本の文化を愛してくれるのであれば、それはもう日本の人なのである。だったら、人口減少なんてそんなに心配する事ではない。むしろ新しい文化を取り入れてより良い国になるように一丸となればいいのである。自然災害を止めることはできないが、人災は防ぐことが出来る。しっかりとしたルールと本当の意味でのグローバル人材を増やすことで悲しい出来事は減るはずだ。 

 

グローバル人材と言えば、20年近く前から、海外の人材を派遣や斡旋している企業がある。

起業当時は、やはり文化の違いにご苦労されたかもしれないが、今では、その多くの経験を生かして、あらゆる企業から信頼を受けて目覚ましい成長をされている。

これから、益々この企業のように、どの国の方にも、その人、その人の能力と希望に沿ったキャリアのステージを提供していくことが、必要になってくると思う。

そして、国内外問わず、未来に輝く企業で優秀なグローバル人材が活躍して頂ければ、安心で安全な世界が広がるのである。

地球を救う為には、グローバル感覚を持つ人を、国籍年齢性別問わず増やす事なのである。

私はそう、思う。

 

 

2018-05

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