第90回 「強い女性の幸福論」
思い起こせば、幼少期から、か弱い女性にお目にかかったことがない。
どんなに極悪な状況下で出会った女性を回想しても、強い女性だったという結論になる。体力的にも、昔から、ガテン系の仕事で活躍する逞しい女性も珍しくないし、最近では、姥捨て山に放置された老女達までもが、サバイバルで生き残る映画もでていた。ものすごくわかる。
女性の強さは、生きる力だ。生き抜くためには、状況に応じて、いかなる犠牲も厭わない。なので、なんでも受け止めて流しきる力がある。
「悩んでも、嘆いてもどうしようもない事は笑い飛ばしておしまい。生きていれば、いいこともあるわよ。」
と、これまで出会った女性達から教わった事を思い起こすとそういう結論になるのである。
たまに、何かが大きく違う方に出会う。価値が「優越感」の方。
そういう人は大変だ。なにしろ、なんにでも過敏に反応するので気を遣う、疲れる。見下されるのが怖いのか、辛らつな表現で人を傷つける。刺々しく痛々しい。心配になってしまう。
女は、しなやかでいて欲しい。しなやかなものは、折れない。変幻自在である。
最近、気がついたのだが、刺々しい人は、幸せになることが苦手のようだ。幸せというのは、誰かが突然プレゼントしてくれるものでなく、まずは、自分が思うことから始まる。
自分が楽しい思いをしていなければ、人に優しくなれないし、人に優しくない人は、なによりも自分に優しくできない。だから、自分を苛める。こんなはずじゃなかった。私はこんなところにいるはずじゃなかった。と考える。親や他人を責めているようで、結局自分を責めているのだ。なんと馬鹿らしい事だろう。
幸せになる方法は、ただ一つ。
「私は、今日も、幸せに生きております。ありがとうございます。」
と、毎日お日様に手を合わせていたら、3日もすればそれなりの気分になる。是非、やってみて欲しい。
今年も、世界中で、新たな難題課題が待ち構えている年になると誰もが予測している。こんな時こそ、女性の幸せ力を生かして、いい日々を暮らして頂きたいと願っている。
今を生きている奇跡に感謝して
2012-01 |
インターウォーズ株式会社 常務取締役 Incubation Mother |
第89回 「和名はミドリムシ」
10月初めに開かれた食品開発の展示会場で、緑色でしっぽがある豆?のような、生命体に出会った。数日後、その企業(株)ユーグレナ(euglenaが学術名なので、会社の名前はユーグレナである。)のプレゼンを聞く機会があり、ミドリムシの生態に興味をもっていたところ、その10日後、またもや身近な会のゲストでユーグレナの出雲社長が登場された。
一月の間に3度も遭遇した事もあり、物忘れ自慢の私でも、簡単な説明ならできる。
まずは、「ミドリムシはキャベツについている青虫ではなく、5億年前から存在する原生動物であり、様々な栄養素を持つ生命体である。これが大事。どうも、あの青虫のイメージがつきまとうが、全く違う生物である。植物のように光で栄養素を作り出し、移動する動物としての機能も併せ持つ唯一無二の生命体だ。」という程度だが。
実は、これくらいは、出雲社長のプレゼンを一度聞かれた方なら覚えてしまう。ミドリムシを語る出雲社長は、聞き逃させない迫力と説得力があるからだ。
出雲社長は、東大卒のエリート銀行マンとして、人生を送る道があったにもかかわらず、ミドリムシをあきらめきれず、早々に研究室に戻られ、様々な努力の結果、食料としても、燃料としても活用できるミドリムシを培養する環境開発に成功された。
最近では、メディアにも注目され、多くの企業から興味を持たれ始めている。
どこにでもいるミドリムシがなんでそんなに凄いのかと思われるかもしれない。
なんなら、近所の池の水を飲んだらいいのかとか思われるかもしれないが、残念ながらミドリムシにも種類がある。ユーグレナのミドリムシは59種類もの栄養素を持つグレードの高いミドリムシ。そして、そのミドリムシだけが生き残れる特殊な環境により膨大な数ができるので、栄養素としての価値があるのだ。
それにしても、今時、こんな嬉しい話があるだろうか。発明や、開発や、改革には、半端じゃないエネルギーがいる。安定した暮らしとは、絶対に、絶対に比例しない、凄まじい根性と執念と忍耐を必要とするものだ。にも拘わらず、普通の暮らしをするのに何不自由の無い人が、全てを犠牲にして、未来の為に取り組んで頂いている姿には、神々しさすら感じる。
出雲社長の熱意のおかげで、5億年も前から存在した生物が、これからの地球の食糧危機を救う事になるとは感動的ではあるが、ミドリムシを食べるという事に抵抗感はないのかと思っていたら、若者の街原宿では、ミドリムシソフトクリームが人気だそうだ。
ジャンクフードだけでなくミドリムシを食べて栄養のバランス取っているとは、やはり若者は感度が高いのである。未来の食生活を心配する必要は無いのかもしれない。
2011-12 |
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第88回 「お酒は美味しい」
遺伝子の関係で、アルコールに弱い体質の方がいらっしゃるそうだが、私の遺伝子は分解能力が劣るのにもかかわらず、お酒を欲しがるという面倒な遺伝子だ。
つまり、アルコールに弱いのに、酒の誘いは断らないし、よく覚えていないが、人一倍飲んで騒いでいるらしい。その上、家呑みに凝りだして、近所の酒屋さんで、あれこれ買い込み、今や、ホームバー状態である。そんなことから、改めて酒に興味が湧き「そもそも」というところを探ってみた。
酒の歴史は、ものすごぉぉく古い。そもそも、アルコールというものが、この世に現れたのは、人類よりも前だそうだ。
2千万年前に葡萄が発酵したワインの原型のよう液体が存在していて、その後1500万年以上たって人類が何気なく口にして欲求が湧き、酒をつくるという技術が生まれたらしい。人類が酒を摂取しだしたのは、紀元前4200年の書物にビールづくりの記録が残されているので、そのあたりか、もう少し前からであったと考えられている。ワインは、最初に原型があったにもかかわらず、文献として残されている上では、紀元前2000年頃が最初である。余談だが、酒場という酒売りを商売にする場所は、紀元前1800年にはあったそうだ。
スピリッツ系は、紀元前3000年頃にメソポタミアに生まれた蒸留技術が、8世紀から15世紀にかけて世界中を網羅し、国によって、ウオッカ、ブランデー、ウイスキー、リキュール、焼酎とひろがったとか。私が日々通う酒屋さんに並ぶ酒類の原型は、この期間に出揃った事になる。
日本酒は、これまた独特で、中国から蒸すという技術が伝わった弥生時代あたりから酒のようなものづくりは、始まったようだが、清酒づくりとしての技術が確立したのは、なんと江戸時代である。日本酒というのは、意外と新しいお酒なのだ。
日本酒でいえば、私は大吟醸派。飲み口もすっきりして二日酔い知らずだからだ。お勧めは、新潟の今代司の大吟醸。切れ味がよく、香りも良く、後味もいい。
たまに飲みたくなるのは、青森の桃川のにごり酒。
このお酒の事を深く知ることになったのは、桃川の関連企業であるヴィアノバの社長との会食の席である。この方は知識が豊富で、話題がつきない。酒造りも、学問的な見地で話をしてくれるので面白かったが、桃川酒造は、アメリカでも生産していることを知り驚いた。「今や世界の「SAKE」ですからね、日本人もワインやウイスキー造ってるでしょ?なにもおかしくはないよね。」と言われて納得したが、青森から世界に向けて10年以上も前から実行されていたことに、これからの日本の地方企業のあり方を気づかされた。
それにしても、何故、人間はそんなにお酒が好きなのか。
それは、人間の脳に関係していて、私達人類はアルコールによる脳内物質の排出を好むからである。不安や恐怖を取り除き、理性をゆるめ、緊張感をなくしてくれるのだ。
つまり、適度なお酒は、体にいいのだ。百薬の長というが事実そうなのである。
私も適度を心がける、人類とアルコールの歴史を振り返った事で、益々上手につきあっていける気がしているので、たぶん、大丈夫だと思う。
2011-11 |
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第87回 「次の社長になるということ」
大正デモクラシー、大正ロマン。たった15年しかなかった時代にもかかわらず
何故、こんなに興味をそそる表現が残っているのだろう。
大正デモクラシーとは、大正時代の自由主義、民主主義の風潮であり、大正ロマンとは、(昭和になってからこの名称が定着したそうだが、)大衆から生まれた和洋折衷と新旧の融合による新たな芸術や流行の概念を総称している。
大正文化というのは、封建的なものが緩和され、新しい日本を民衆でつくるという気概が芽生え始めながらも、忍び寄る戦争への陰りから、将来への不安も感じていた時に生まれた文化である。
今年3月以降の天災、人災、世界的な先進国揃っての不況等、日本の若者達の将来に対しての不安は計り知れなく大きいと感じている。反面、技術の進歩は、時間や距離を越えて誰とでもつながることが通常化し、その便利さゆえに、民衆が一斉に事を起こす事が安易にできる。現実との境を見失うような高度な映像も、人の変わりに働くロボットも、果てしない長寿を可能にする医療器具も日々進化している。技術の進歩には終わりがない。こんな希望と自由と不安が入り混じる時代背景が、大正時代を懐古したくなる由縁かもしれない。
今の日本こそが、本当の意味での民主主義、自由主義をもとに、新旧融合した、グローバル(和洋折衷)企業を創造できる良い機会なのだ。高度成長時代に培われた戦略戦術だけでは、時代に逆走していく危険性を感じている。
今の時代のリーダーに必要なのは、この新旧融合と和洋折衷の感性を持って、社員の不安を払拭しつつ、新たな日本の企業のスタイルを創りこんでいける人だと思っている。
そして、大事なことは、本人がリーダーになる気持ちでいることだ。
社長というのは、誰でもなれる。ただ、なりたいから、なるということだけではなく、使命として受け継ぐ人もいる。それでも、本人が、自覚をしたらリーダーになる。
社長の仕事は、会社の意思決定の焦点、要である。会社は、社員一人一人が、力を寄せ合って事業がおこなわれる。その社員の焦点がぶれては、会社は崩壊してしまう。
だから、会社には社長が必要であり、社長の責務を外れた人がいても、会社が残れば新たな社長は必要なのだ。
そして、次の社長をやるという事は、当たり前だが、前の社長と比較される。それは、次の人の宿命だ。でも、そんな事はどうでもいいのだ。
今を動かすのは、今の人だからである。その時代にあった経営をすればいい。
私が、経営者としてだけでなく、人格者としても尊敬申し上げているツインバードの野水重勝社長が、今期、ご子息に席を引き継がれた。
現社長は、他業種で修行をされ、技術の分野でも博士号を持たれている。社内に入られてからは、一営業マンとして活躍されながら、海外事業部の立ち上げを始め、国内外のマーケティング戦略を経験された。いずれにおいても順調に功績をあげて、晴れて就任された。
その影には、ご本人は否定されると思うが、素晴らしい後継者育成の達人がいらしたように思う。緻密な戦略を豪放磊落に楽しげに遂行できる頼もしいご指南役だ。この方との出会いは、現社長に取って幸運であったはずだが、この方との連繋を生かせたのは、御本人の器量であり能力でもある。まさに新旧の融合を図られていた。
少し前に「社長になるって思われています?」と伺った時に「はい、工場の手伝いをしていた子供の時から、後を継ぐのだと思っていました。」という真っ直ぐな答えが返ってきた。
だから、彼はその為に、子供の頃から一生懸命勉強し、修行をし、あらゆる努力を惜しまず社業に邁進し、社員の気持ちを集め、功績を残し、晴れて社長として就任された。
やはり、次の社長になるためには、その気持ちと行動が必須のようだ。
これからも、益々期待できる会社として、ツインバード工業を応援しつづけたいと思っている。
2011-10 |
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第86回 「幸せを運ぶ笑いの力」
人は、生きていく上で、いろいろな問題や課題に遭遇し、それぞれに心労を抱えている。ところが、有難いことに、その悩みや苦しみで疲れる心を助けてくれる「笑い」という特別な感情を天から持たせてもらっている。
私も、これまでの波乱に満ちた人生の中、この笑いの力に、どれだけ助けられてきたかわからない。結局、人は自分の考えの中にしか答えは無いのだから、暗い結末を考えればそれなりになってしまうし、明るい気持ちで考えれば明るい未来をつくる事ができる。
つまり、明るい未来をつくるスタートは、笑うことから始まるのだ。
こんな事を改めて思ったのは、いつも、いつのまにか、笑いの渦の中で、楽しい時間を過ごす事ができる社長と経営陣との会食の席だ。
この方とのお付き合いは、10年近くなる。大手飲食チェーンで才覚を発揮して順調にエリートコースを歩んでおられたが、創業者の意思を理解しない新経営陣と意見があわず、成長の可能性を秘めていた飲食事業で新たな挑戦をして頂いた。入社後は、一定の成長路線を走られていたのだが、徐々に迫ってきた自粛ムードの風を受け、創業者の意思による巨額の投資も大きく影響し、再構築の計画を練らざるを得なくなった。
結果、苦渋の策を講じても、社員を守り抜くために奔走された素晴らしい人物である。
その最中には、悔しい思いも、悲しい思いも寂しい思いもされたはずである。しかし、彼は、一度も愚痴も弱音も吐くことなく、常に変わらぬ笑顔と優しい語り口で状況を説明しながら、必ず、これからの方針を語ってくれていた。事態を想像できる事でもあったので、気掛かりではあったのだが、この方がいてくださればなんとかなるという気がしていた。
やはり、自力で山を越えられ、今度こそ、自分で創られた目標のてっぺんを目指して邁進しておられる。当時の本音を聞いてみたら、どんな時も、なにかできるはずという気持ちを持って、ややこしい事を考えることも、むしろ楽しんで過ごしていたと教えてくれた。
自分は、若いときにも、自分ほど仕事をする人間はいないのではないかと真剣に思っていたとも、独特のジェスチャーと、柔らかな関西弁トークで周りを笑わせながら話してくれた。(そうでしょ。その笑いのマジックですよ。苦しいことも辛いことも、ユーモアのセンスで切り返していった結果ですよ。明るく未来を語り、楽しい事を共有してくれる人といたいのは、だれでも同じではないでしょうか。今、あなたの側で笑っているメンバーも、私達も)と、これは、その話を聞いている時の私の心の声である。
人間に与えられた、幸運を運ぶ武器は笑いだ。辛いときや苦しいときこそ笑ってから、策を考えるのだ。
そういえば、「笑う門には福来る!」とは、昔からの教えだった。
2011-09 |
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