インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』 -24ページ目

第100回 「私の龍馬さん」

インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』 「リョーマ」と聞いただけで、桂浜の巌頭に立つ坂本龍馬が目に浮かび、アドレナリンの分泌量が増えてくる気はしないだろうか。私は、背筋を伸ばして遠くをみたくなる衝動にかられる。全霊をあげて龍馬さんの心をつづった司馬遼太郎氏のおかげだろうか、はたまた、歴代の青春スターが演じる龍馬ドラマの影響か、志半ばで夭折した天衣無縫な若者に興味がない方は少ないと思う。


 でも、私には、私の龍馬さんが富士山の側にいる。正確には、龍馬さんは、こういう方だったのではないかと思っている方がいる。
 幼少から、富士の裾野で伸び伸びと育ち、20歳そこそこで起業し、40代で政財界の著名人と交友関係を作り上げ、県や国の土地開発に深く関わっていた「時の人」である。中でも不可能とされていた山奥に、日本を代表する優良企業を誘致した事は、日本経済にとっても貢献度は高い。胆力と洞察力と包容力に溢れた凄い男なのである。さらに、恐れ入るのは、バブル崩壊時の銀行の手のひら返した貸し剥がしにも、ぎりぎりまで耐え抜き、数百億円の負債を処理して自身は本当に無一文になって責任を果たした。しかし、財産等持たなくても、風格も人脈も消えない、常人の枠を越えた本物の人なのである。


 弊社も、創業期は試行錯誤の日々で、メンバー同士で心折れそうになることもあったのだが、其の時の私たちの気持ちを汲みとったがごとく、なんの前触れも無く、FAXが届いた。そこには、短文にもかかわらず、心に響く励ましの言葉が書かれていた。
 この方は、一生忘れられない言霊を放つ。
 多分、政財界の大物との交流には、こういう言葉を放てる度量や粋さが必要なのだと思う。ましてや、気合と根性に裏打ちされているから、一言で相手の心を掴む、龍馬さんとはそういう人だったのではないかと思うのだ。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  容姿も良く似ていらして、上背もあり、筋肉質で野生的な雰囲気と知的な行動も似合う華麗さを持ち合わせている。立ち食い蕎麦を食べても、高級レストランでも、この方となら堂々と美味しく食べられる。こんな男いいよね。めったにいないね。でも、身近にいたら大変だろうな。
 多分、通常の生活なんて送れない。龍馬のまわりの女性のごとく、悲劇を味わう。
 私の龍馬さんも、隆盛時は、とても静かな生活はされていなかったと思うが、リタイアされた今は、晴耕雨読の日々をのんびりと過ごされているようだ。


 方丈記の鴨長明のように、余計なものを一切なくして、富士山に見守られ、心の豊かさで過ごされている。
 やっぱり、格好いいわ。


2012-11

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第99回 「社会的企業を目指して」

インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  社会起業家とは、社会の課題を事業により変革する人である。それならば、殆どの会社法人は、社会の課題解決をしているし、貢献もしているはずだ。なのに、何故改めて??
 そこで、私の考えとしては、社会的企業は、課題解決の対象もしくは構図が、体力的にも、制度的にも、環境的にも恵まれていない方々に向いている事だと思っている。
 物は溢れ、知識も簡単に入手でき、交通の便も、買い物環境も、こんなに優遇されている現代の日本社会においても、格差はどんどん広がって、辛い立場の方も増え続けている。
 今、必要なのは、本気の社会的救済企業ではないだろうか。
 救済は、施しではない。哀れみでもない。
 高齢や事故や病気や貧困または不運な家庭事情によって様々な障害や被害にあっている方々に、自分の力で収入を得る方法や、余暇を楽しむ場や、事や、物を、提供できる事を言っている。
 その為に、知恵を絞って、継続可能な経営方法を考えるのが、社会的起業家だと思う。


 そんな思いが深まっていたところ、田坂広志氏の講演を聞く機会を頂いた。
 田坂氏は、知識と知恵と胆力のある方らしく、社会問題に対する気合が入っていて、かつ、魂がこもっていた。「人生は一度きり、自分の心に向き合ってみれば、なにをするべきか見えてくる」という言葉に姿勢を正された思いがした。
 その田坂氏が、名誉学長をされているのが社会起業大学だ。そして理事長の田中勇一氏と弊社とは、長く、そしてとても身近なおつきあいをしてきた方である。
 初めて会った時から、将来を熱く語って、何事にも積極的に、かつ、具体的に動いてインターウォーズに貢献してくれる逸材であった。
 そして、彼の理想を形にする為に、独立されたのが10年前、そして3年前に、頼もしいパートナー中村氏と共に、社会起業大学を設立された。
 経営と社会貢献の矛盾に向き合いながらも挫けることなく、常に前向きに、相変わらず具体的に動いているのが、確実な発展の様子で伝わってくる。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  綺麗ごとでは、経営は不可能だ。社会の問題を解決するにしても、世間に賞賛されても、実は資金がいるのである。つまり、利益がなければ継続できない。そんな相反する仕事を、それでも、かならず道が開けると信じて頑張り抜いている事で、今や賛同者が増え、多くの卒業生を、そして、本気の社会起業家を創出している。
 これからも、ますます、多くの社会起業家を世の中に送り出してくれると思う。
 より多くの人が社会的企業を目指すようになれば、日本は、益々幸せな国になり、その知恵を世界の国々に広めたら、憂さを暴力で解決するような心寂しい事件は消えていくはずだ。
 社会起業をもっと良く知りたければ、是非、社会起業大学を見学して欲しい。現実を見て、共に考える事から、なにかが、始まるのだから。

2012-10

インターウォーズ株式会社
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第98回 「ぴんとこなの悩み」

 ぴんとこない悩みではありません。ぴんとこなの悩みです。
インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  「ぴんとこな」とは、歌舞伎用語で男前の事、ただ顔が綺麗な色男ではありません。ぴんとこなの条件は、もとは武士という由来がゆえに、男らしい強さがなければならないのです。優男(やさおとこ)といわれる、顔が綺麗なだけの、根性はいま一つで、気が小さい男の人は、「つっころばし」というそうです。つっころばし…。つついたら転んでしまう、ひ弱なタイプ。少し、イラッときますね。


 で、なんでこの話かと。会ったのですよ。ある方の誕生パーティーで。久しぶりに「ぴんとこな」に。
 地域活性や土地開発のプロデュースをされている会社のH社長です。すかさず、隣席をせしめ、眼の保養をさせて頂きながら、以前からの疑問をぶつけました。子供のときから、悩みはあったのかと。毎日気分が良かったのではないかと。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  ところが、人というのは面白いもので、人にはその人なりの悩みがあるものです。
 それは、期待に応えようと努力してしまう悩みなのです。贅沢な悩みですよね。でも考えてみたら、片時も気を抜けず、かっこいい自分を創造しなければならないわけです。嫉妬されることも多いので、無駄な反感を買わないように、周囲に気を配ることも人一倍になる。その上、彼の場合は、勇猛果敢なお父様に現実逃避できない厳しい教育を受けた影響もあって、努力という、体も心も頭も時間も使って目標や解決に取り組むという事をやり続けたわけです。すると当然、「そこそこ」の人より「どんどん」出来るようになる、ましてや抜群の容姿だから、特に目立つ、益々努力する。という素晴らしい循環ができたわけです。
 結果、社会に出てすぐに、大きな仕事を受注し起業されたとの事。その経緯を話される時も、好感度100%。



 しかし、彼に大きな仕事の依頼が来るのは、難題な仕事も熱意と根性で克服してくれる人物だと、重鎮の方々に信頼される度量があるからだと思うのです。努力を続けた結果です。
 「もう私も中年になりつつあるので、気持ちも体も緩くなりましたが、好きなことは続けたいので、衰えないように練習は欠かせません」と、たとえ趣味でも努力している事を正直に教えてくれました。


 後日、パーティーの主催者の方と彼の話になり、男前談義に花が咲きました。
 やはり、ぴんとこなは、目立つことを避けられないようです。



2012-09

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第97回 「『心も』お直し家」

 今から17年前、掲げた目標は、起業家を50人支援して、1000億の事業を実現することで、日本の雇用創造に貢献することだった。当時は、ITバブル時代の幕開けでもあり、多くの起業家と遭遇し、各社の上場を夢見て興奮した日々を送っていた。
 その志に共感して参加してきたメンバーの殆どは、独自のアイディアを持って起業した。社長を目指す人材の集団に、興味を持たれた方々が沢山いる。中でも、CCCの増田氏に、インターウォーズという会社は梁山泊だねぇと楽しそうに言って頂いた事は、よき思い出となっている。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  そんな時代のメンバーの一人に、洋服のお直しをリアル店舗とインターネット受付の両方で行っている会社の代表者の服部氏がいる。
 急成長のコンサルティング企業にいた彼は、寝る間も惜しんで仕事をするので、いつも眼が赤く、そんなに根をつめて仕事をしていたら体がおかしくなると心配したものである。少しは、楽に仕事をして欲しいと思いインターウォーズに誘ったにもかかわらず、結局仕事に入ると、寝食を返上しても結果を出すことに努力を惜しまない人であった。
 会社や、お客様の期待に応えるという責任感が強いのだが、強気でせめてくる人ではない。彼と話をしていると、心が落ちついて、心の穴が埋められていくのである。顔も声も優しいせいか、なにか、こう、ほっこりとした気持ちで、じわじわとささくれた心が修正される。私だけなく、彼を知る人は皆同じ気持ちのはずだ。


 先日、久しぶりに現況を報告し合いながら食事をしていたら、またもや同じように癒されていく気分になっていた。何年たっても変わらない優しさは本物だ。
 創業経営者の苦労は、生半可ではないのだが、弱音をはかずに、明るく上手に乗り越えている。さらりと話す苦労話にも、笑いの要素を欠かさない。心配をかけない配慮なのだ。そういう彼だからこそ、提供するサービスに魅力が出る。

インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  本来、お洋服のお直しというのは、縫製作業の倍の手間がかかる仕事である。覚える技術が多く、物の代わりが無いので、細かい神経を使う仕事だ。その割には価格には限度がある。買ったほうが安くなっては意味がないからだ。職人さんの気持ちが優しくなければ、いいサービスが出来ない。
 中には、難しい注文もあると思うが、思い出の品や、お気に入りの品には、他にない愛着がある。直ってくると本当に嬉しいものである。
 彼の率いるお直し店は、そういうお客様の喜ぶ顔を浮かべながら、少しでも綺麗に仕上げるように努力をしてくれる集団になっていると思う。会社の心をつくる社長が、心の穴やほつれも直してくれる達人なのだから。


2012-08

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第96回 「カラス」


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』 あの独特の雰囲気は、時と場合に、人間を怖気づかせる迫力がある。眼があっても、そらさない。その上、あの何か、言いたげな眼。
 お前は真剣に生きているのか?俺達よりもいろんな事ができるのに、真剣に生きているのか?と問いかけられている気になってくる。


 もっとも、これは、橋本ひろしという歌手で、タレントで、実業家である人の書いた歌詞が、記憶に刷り込まれているからかもしれないのだが。
 初めての印象は、なんて、シャイで正直な方。タバコをプカプカ。とつとつと話される中。何故、あの時点でS社を援助したのですか?という問いに、だって時間もなかったし。なんでQの株主に?との問いに、やり方変えたら出来ると思ったし、時間もなかったし。という意味の答えが返ってきて、嬉しかった。


 投資の最後の決断なんて、いくらでも格好良くいえるのだが、本音をいえば、もう考えている間もないから、最悪のリスクだけ想定して決断するものだと思うのだ。それに、株主メリットだの投資効率だのをじっくり考えての決断をすれば、必ず上手くいくとは限らない。
 そして、流石なのは、買収した企業を再生する人材を抜擢する能力に長けていることである。全部自分でできるわけがないのだから、誰に任せるかが一番大事なはずだ。
 独特の感性で発掘し、強烈な個性(タレントだから)で周囲を動かすのだと思う。そして、自らも、諦めないで、親父ソング?のジャンルで挑戦をし続けている。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  インディーズ時代(といっても50歳を過ぎて)小さなスナックで歌われていた頃、初めて聞いたカラスという歌に感動した。それが、カラスだって生きるために真剣なのに、いくらでも路がある自分はちゃんと生きているのか?という内容の歌詞だった。
 なので、カラスをみる度に思い出してしまうのだ。真剣に生きているのか?と問われている気がして。


 お金がないなら、稼げばいい。50歳からでも歌いたいなら歌えばいい。なりふりかまってつまらない人生より、何を言われても堂々と楽しく生きたほうがいい。身をもって示してくれている橋本ひろしさん。定期的なライブがあるので人生に悩んだときは、御覧になったほうがいいかも。笑いと感動と気合が頂けます。



2012-07

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