無限について ~整数と有理数の濃度は?~
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
無限についてお話をしてきました。
無限の世界では個数を数えることができないので、濃度という考え方をします。
そして
同じ濃度⇔すべて1:1対応ができる
ということでした。
(全単射といいます。)
整数について考えてみましょう。
自然数と整数、どちらの無限の濃度が濃いのでしょうか?
自然数とは、1,2,3,4,5・・・
整数とは -3,-2,-1,0,1,2,3,…
なので、整数のほうが自然数よりも倍ほど多い気がします。
では1:1対応ができるか考えてみます。
このように整数に自然数番号をつけていくと、実はすべて1:1対応できるのです。
整数のほうが多そうなのですが、自然数で番号をもれなくだぶりなくすべてにつけていけるのです!!
では有理数ではどうでしょうか?
有理数とは、分数で表すことのできる数のことです。
ですから、整数も有理数ですし、整数でない分数もすべて有理数です。
整数よりも、もっともっと多そうな有理数をこのように並べてみます。
(クリックして拡大してみてくださいね!)
左上から矢印の順番で自然数番号をつけていくと、もれなくだぶりなくすべての有理数に番号をつけられるのです。
(カッコの数は飛ばす)
無限の濃度については、大学1年生で学びます。
今までお話したとおり、自然数と整数、有理数はすべて同じ濃度なのです。
これらの無限を可算無限集合(countable infinity set)といい、
有限集合と加算無限集合をあわせて、高々可算集合(たかだかかさんしゅうごう)といいます。
う~ん、上から目線な呼び名・・・。
活用例は以下のとおりです。
例1)
「先生の講演会の申し込み数が5000人を突破しました!!」
「でも、高々可算でしょ?」
例2)
「有理数って稠密(ちょうみつ)なんだよね~」
「高々可算のくせにね~'`,、('∀`) '`,、」
稠密とは…有理数と有理数の間にはまたまた有理数が必ずあって、有理数はぎっちりつまっているという性質のこと。
これを使いこなせれば、あなたも素敵な理系男子になれる!?( ゚д゚__
ロマンチック理数ナイトの様子がアップされていました。
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
先日行なわれたロマンチック理数ナイトの様子がHPにアップされていました。
もてたい理数男子
これからの理数ブームに乗りたい方はぜひチェックしてみてくださいね!
当日の様子はこちら から!!
ラマヌジャンパイのことも書かれています(^ ^)
無限について ~長さの違う線の点の数は一緒?~
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
無限について考えると不思議で仕方ありません。
この図形を見てください。
赤色の短い線と長い線。
長さはもちろん異なります。
また線分は無数の点の集まりです。
さて問題。
短い線と長い線の点の数はどちらが多いでしょうか?
これは天才数学者も悩ませた問題です。
見た目では長いほうが点も多い気がします。
果たしてそうなのでしょうか??
実は一緒なのです。( ゚д゚)エエエ~
またまた違う図を見てください。
すると、短い線の上の1点と長い線の上の1点が対応します。
青い線を動かすと、どの位置でも短い線の1点と長い線の1点が
対応します。
すなわち、両方の線分の点は同じ数なのです!!!
数学では、
これを1:1対応といいます。
無限を考えるとき、数が無限なので個数を数え上げていくことはできません。
しかし、この1:1対応を考えると、無限の大きさ(実は無限の濃度という)を比べることが出来るのです。。。
<まとめ>
無限の濃度を比べるときは、1:1対応できるかどうかを調べる!
無限について ~ヒルベルトホテルの謎~
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
ロマンチック理数ナイトでは数々の素晴らしい知識が披露されました。
しかし、プレゼン時間が5分以内という厳しい制約があったために、ロマンのすべてを語らず終わったものもありました。
ロマンチック理数ナイトのプレゼンで4位かつ特別賞を受賞された方の発表をここでご紹介したいと思います。
(本人の了解得ずにすみません…)
無限について・・・( ゚д゚)
この美しくも恐ろしいテーマについて語っていきたいと思います。
お付き合いくださいませ。。。
無限には想像を超えた不思議があります。
無限について考えて、神経衰弱した天才数学者もたくさんいます。
それほど、無限とは恐ろしいものなのです。
ダフィット・ヒルベルト(1862-1943)という大天才数学者の考えた問題です。
<ヒルベルトのホテル>
ヒルベルトはこんなホテルを考えました。
ホテルには無限の客室があります。
今、無限の客室がすべて埋まっているとします。
しかし困ったことにお客が1人、宿泊できないかと聞いてきました。
困ったホテルのオーナー。
しかし、ある方法によってそのお客をホテルに宿泊できるようにしました。
一体どうしたのか!?( ゚д゚)
(すでに泊まっている人を1人追い出した、ではないですよ。)
今宿泊している人に、「自分の部屋番号+1の部屋番号」に移動してもらったのです。
RoomNo.2の人はRoomNo.3に。No.3の人はNo.4に。
ホテルに泊まっている無限の人にそうしてもらうことにより、RoomNo1が空きます。
よって、飛び入りのお客さんは無事に宿泊することが出来ました。
ほっとしたオーナー。
しかしまたまたお客さんがやってきました。
しかも今度は無限の人!!!
またまた困ったオーナー。
しかし、ある方法によって無限の人をみんな泊められるようにしました。
その方法とは・・・。
今宿泊している人に、部屋番号×2の部屋番号に移ってもらうのです。
すると、奇数番号の部屋が無限に空きます。
そこに無限の人を泊めてあげればいいのです。
無限だから出来る技!!!!・・・( ゚д゚)
(まだまだ続きます!)
パイの作り方 ~その他もろもろ~
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
今日は色々なパイの作り方をご紹介します。
まず有名なものから。
<材料>
・分数
・かけざん
・たしざん
・ひきざん
はい。この小学生で習うものだけでパイを作ります。
<作り方>
このように並べて計算するだけでパイができてしまいます。
とっても簡単でお手軽ですね!!!
ぜひ計算してみてください!(精度が悪いので、なかなか3.14…にならないと思いますが)
またそのほかにロマンチックなパイの作り方も!
実は夜空の星を使ってパイを作れるそうです。
~ロマンチックパイ~
<材料>
夜空の星
な、なんて素敵なんでしょう!
どうやって造るのかはよく知りません。
夜空の星を乱数表のようにして作るのでしょうか?
もしご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さいね!
(イアン・スチュアートの『数学の魔法の宝箱』で読んだ気がするので、読み直してみます。)



