エマープ数(EMIRP NUMBER)
こんにちは。
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。
さて突然ですが、クイズです。
<クイズ>
次の素数の中から仲間はずれを探してください。
①31
②17
③53
答えは・・・
③53でした!!!
さ~、ここからが問題です!
なぜ53が仲間はずれなのでしょうか???
<ヒント>
31、17の仲間には37や107などがありますよ~。
31や17は素数(prime number)です。
さらに、これらはエマープ数(EMIRP NUMBER)とも呼ばれています。
エマープ数とは何なのか?
よ~くEMIRPという文字を見てください。
そう。PRIME(素)の逆なのです。
エマープ数とは、その文字の通り、逆順に書いても素数である数のことです。(だからEMIRP数と名づけられました。)
31や17はひっくりかえしても素数です。(13や71)
しかし、53はひっくりかえすと35となり素数でなくなります。
EMIRP数は無限にあるのか??それは私もよく知りません・・・。
コーヒーまたは紅茶?~排他的論理和~
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。
さて、レストランで最後にこう聞かれました。
ウェイター
「お客様、食後はコーヒーまたは紅茶、いかがなさいますか?」
さてどう答えますか???
①ブラック!
②ハーブティーはないの?
③両方ください!!
はい、正解は・・・
(え?正解なんてあるの???)
③の両方ください!!でした!
高校の数学の授業でこのようなことを学びませんでしたか??
「AまたはB」とは、AUBと書きます。
このとき、AかつBも含まれます。
例えば、
「偶数 または 3の倍数」
と言われると
2や3、もちろん6もそれに該当します。
2は偶数であって3の倍数でない数です。
3は偶数でないけれど、3の倍数である数です。
6は両方を満たします。
このように、数学でいう「または」は両方を含めることもあるのです。
この「または」を論理和(Logical disjunction)といいます。
高校で習う「または」は論理和です。
しかし日常で使う「または」は『どちらか片方のみ』という意味合いですよね。
これは数学ではどういうのか??
数学では排他的論理和(exclusive disjunction)といいます。
論理和をORと書き、排他的論理和をXORと書きます。
ぜひこれから、レストランでかわいいウェイトレスの方に「コーヒーまたは紅茶、どちらにしますか?」と聞かれたら
「そのORは排他的ですか?」
と聞いてみましょう!
もしウェイトレスの方が
「排他的論理和のXORです。」
と答えたのなら、その女性は数学ガールです!!((;゚Д゚)
【アメンバ限定】カメは月のウサギに会いにいけるのか!?(解答編)
こんにちは。
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。
さて、カメが38万kmの距離を1日目に1m、2日目に1/2m、3日目に1/3m…N日目に1/Nm進んでいきます。
果たしてカメは月に到着できるのでしょうか???
これは
1+1/2+1/3+1/4+…1/N+・・・
と無限に続く和です。
ちなみに
1, 1/2, 1/3, 1/4, 1/5…
という数列を調和数列と言います。
ではカメが歩く距離がどうなるか、計算してみましょう。
この計算は、小学校で習った分数計算のように「通分して、足して…」とできません。
ですので、以下のようにちょっと変えてみます。
何をしたかというと、
1/3を1/4に
1/5, 1/6, 1/7を1/8に
1/9, 1/10, …1/15を1/16に
(以下略)
置き換えた数列の和を考えます。
それぞれ、もとの数よりちょっと小さいかつ2の何乗かになっている数に置き換えました。
これがミソなのです!!!!
1/3はちょっと小さい1/4に。1/5, 1/6, 1/7はそれぞれ1/8に置き換えました。
ちょっと小さい数に置き換えているのですから、全体的に元の式よりも小さくなりますね。
次に全体的に小さくなった数列の和を考えて見ましょう。
2の何乗かになっている1/4や1/8, 1/16に置き換えたのには意味があります。
上のように、まとまりで考えるとすべて1/2に置き換えられます。
ですので、結果として級数の和は
1+1/2+1/2+1/2+…
と1/2をたくさん足す計算式になります。
さて、1/2をたくさん(無限回)足すとどうなるのか?
もちろん無限大(∞)になりますね!
さて、ここで最初の式に戻りましょう。
結果として、もともとの式(1+1/2+1/3+…)は∞になってしまうのです!
カメはいつか月に到着できるということになります。
感覚的には∞にならないような気がするのですが、計算してみると∞になるのです。
この発散式は、現代のコンピューターで足し算を計算していっても、ず~~~~っと∞に発散する様子が見られないそうです。二次関数や指数関数ならあっという間に∞に発散する様子が分かりますが、この調和級数の和はコンピューターで計算しても発散する様子が分からないのですね。
それも不思議なものです。。。
カメは月のウサギに会いにいけるのか?その2
こんにちは。
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。
前回の問題は、
1日目に1m、2日目に1/2m、3日目に1/3m・・・とN日目に1/Nmしか進まないカメが38万キロ離れた月に到着できるのか?
という問題でした。
詳しくは「カメは月のウサギに会いにいけるのか?」 をお読みくださいね。
さて、今回はもうちょっと数値を変えてみます。
<問題>
カメは実はもっと歩くのが遅くなり、
1日目は1m、2日目は1/2m、3日目は1/4m、4日目は1/8m・・・
と進む距離がだんだん半分になっていくとします。
さて、これでは月にいけるのでしょうか??
①前よりももっと時間がかかるが、諦めなければいつかは到着できる!
②もう無理!しかも○mしか進めない!
③ウサギとカメの印税で…(以下略)
進む距離がちょっと変わっただけですが、結果はいったいどうなるのでしょうか!?
ぜひ計算してみてくださいね!
(等比級数の和を使うと計算できます!)
カメは月のウサギに会いにいけるのか?
こんにちは。
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。
ツイッターでいつも楽しみにしている方がいらっしゃいます。
毎朝、ウィットに富んだ数学問題を出題されています。
こんなに数学問題の知識が豊富な方は尊敬いたします。
さて、先日Terry_manuさんが出題された問題のご紹介です。
(内容や背景は少し変えています。)
<問題>
ウサギとカメのお話をご存知ですか?
あれから100年。
ウサギは負けたことが悔しくて、そのまま走り続けました。
そうして今は、地球から38万km彼方の月に到着しました!
さて、カメも昔の意地があります。
なんとか月まで行ってみたいと考えました。
しかし、カメももう年寄りです。
1日に1m歩くことが出来ますが、2日目は1/2mしか歩けません。
3日目は1/3mしか歩けません。4日目は・・・
とN日目には1/Nmしか歩けないのです。
さて、カメは無事に月に到着することが出来るのでしょうか?
①すごい時間がかかるけれど月まで到着できる。
②無限時間あっても無理!
③実はウサギとカメの印税でお金持ちなので、自家用ロケットで月まで!
さて、ぜひチャレンジしてみてくださいね!!(^ ^)
お読みいただきありがとうございます。
正解記事はアメンバー限定記事にさせて頂きます!ぜひアメンバー登録頂けると幸いです(^ ^)


