数学美術館  -36ページ目

エマープ数(EMIRP NUMBER)

こんにちは。

数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。


さて突然ですが、クイズです。




<クイズ>

次の素数の中から仲間はずれを探してください。


①31

②17

③53





答えは・・・



③53でした!!!




さ~、ここからが問題です!


なぜ53が仲間はずれなのでしょうか???



<ヒント>

31、17の仲間には37や107などがありますよ~。








31や17は素数(prime number)です。

さらに、これらはエマープ数(EMIRP NUMBER)とも呼ばれています。


エマープ数とは何なのか?


よ~くEMIRPという文字を見てください。




そう。PRIME(素)の逆なのです。


エマープ数とは、その文字の通り、逆順に書いても素数である数のことです。(だからEMIRP数と名づけられました。)



31や17はひっくりかえしても素数です。(13や71)


しかし、53はひっくりかえすと35となり素数でなくなります。



EMIRP数は無限にあるのか??それは私もよく知りません・・・。

コーヒーまたは紅茶?~排他的論理和~

こんにちは。
数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。

さて、レストランで最後にこう聞かれました。



ウェイター
「お客様、食後はコーヒーまたは紅茶、いかがなさいますか?」




さてどう答えますか???


①ブラック!

②ハーブティーはないの?

両方ください!!






はい、正解は・・・
(え?正解なんてあるの???)













③の両方ください!!でした!



高校の数学の授業でこのようなことを学びませんでしたか??

「AまたはB」とは、AUBと書きます。
このとき、AかつBも含まれます。


例えば、
「偶数 または 3の倍数」



と言われると

、もちろんもそれに該当します。


2は偶数であって3の倍数でない数です。
3は偶数でないけれど、3の倍数である数です。


6は両方を満たします。
このように、数学でいう「または」は両方を含めることもあるのです。

この「または」を論理和(Logical disjunction)といいます。

高校で習う「または」は論理和です。








しかし日常で使う「または」は『どちらか片方のみ』という意味合いですよね。

これは数学ではどういうのか??





数学では排他的論理和(exclusive disjunction)といいます。


論理和をORと書き、排他的論理和をXORと書きます。







ぜひこれから、レストランでかわいいウェイトレスの方に「コーヒーまたは紅茶、どちらにしますか?」と聞かれたら






「そのORは排他的ですか?」

と聞いてみましょう!


もしウェイトレスの方が




「排他的論理和のXORです。」

と答えたのなら、その女性は数学ガールです!!((;゚Д゚)


数学ガール

【アメンバ限定】カメは月のウサギに会いにいけるのか!?(解答編)

こんにちは。

数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。



さて、カメが38万kmの距離を1日目に1m、2日目に1/2m、3日目に1/3m…N日目に1/Nm進んでいきます。

果たしてカメは月に到着できるのでしょうか???


これは


1+1/2+1/3+1/4+…1/N+・・・


と無限に続く和です。


ちなみに

1, 1/2, 1/3, 1/4, 1/5…

という数列を調和数列と言います。



ではカメが歩く距離がどうなるか、計算してみましょう。



数学美術館 -調和級数の和1

この計算は、小学校で習った分数計算のように「通分して、足して…」とできません。


ですので、以下のようにちょっと変えてみます。



数学美術館 -調和級数の和2

何をしたかというと、


1/3を1/4に

1/5, 1/6, 1/7を1/8に

1/9, 1/10, …1/15を1/16に

(以下略)


置き換えた数列の和を考えます。


それぞれ、もとの数よりちょっと小さいかつ2の何乗かになっている数に置き換えました。


これがミソなのです!!!!


1/3はちょっと小さい1/4に。1/5, 1/6, 1/7はそれぞれ1/8に置き換えました。



ちょっと小さい数に置き換えているのですから、全体的に元の式よりも小さくなりますね。



次に全体的に小さくなった数列の和を考えて見ましょう。



数学美術館 -調和級数の和3

2の何乗かになっている1/4や1/8, 1/16に置き換えたのには意味があります。

上のように、まとまりで考えるとすべて1/2に置き換えられます。


ですので、結果として級数の和は

1+1/2+1/2+1/2+…

と1/2をたくさん足す計算式になります。


さて、1/2をたくさん(無限回)足すとどうなるのか?


もちろん無限大(∞)になりますね!




さて、ここで最初の式に戻りましょう。


結果として、もともとの式(1+1/2+1/3+…)は∞になってしまうのです!





カメはいつか月に到着できるということになります。



感覚的には∞にならないような気がするのですが、計算してみると∞になるのです。


この発散式は、現代のコンピューターで足し算を計算していっても、ず~~~~っと∞に発散する様子が見られないそうです。二次関数や指数関数ならあっという間に∞に発散する様子が分かりますが、この調和級数の和はコンピューターで計算しても発散する様子が分からないのですね。


それも不思議なものです。。。

カメは月のウサギに会いにいけるのか?その2

こんにちは。

数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。


前回の問題は、


1日目に1m、2日目に1/2m、3日目に1/3m・・・とN日目に1/Nmしか進まないカメが38万キロ離れた月に到着できるのか?


という問題でした。

詳しくは「カメは月のウサギに会いにいけるのか?」 をお読みくださいね。





さて、今回はもうちょっと数値を変えてみます。



<問題>

カメは実はもっと歩くのが遅くなり、


1日目は1m、2日目は1/2m、3日目は1/4m、4日目は1/8m・・・


と進む距離がだんだん半分になっていくとします。


さて、これでは月にいけるのでしょうか??


①前よりももっと時間がかかるが、諦めなければいつかは到着できる!

②もう無理!しかも○mしか進めない!

③ウサギとカメの印税で…(以下略)





進む距離がちょっと変わっただけですが、結果はいったいどうなるのでしょうか!?


ぜひ計算してみてくださいね!

(等比級数の和を使うと計算できます!)

カメは月のウサギに会いにいけるのか?

こんにちは。

数学学芸員のようじ こと 八田陽児です。


ツイッターでいつも楽しみにしている方がいらっしゃいます。

Terry_manuさん


毎朝、ウィットに富んだ数学問題を出題されています。

こんなに数学問題の知識が豊富な方は尊敬いたします。


さて、先日Terry_manuさんが出題された問題のご紹介です。

(内容や背景は少し変えています。)


<問題>

ウサギとカメのお話をご存知ですか?


あれから100年。

ウサギは負けたことが悔しくて、そのまま走り続けました。

そうして今は、地球から38万km彼方の月に到着しました!


さて、カメも昔の意地があります。

なんとか月まで行ってみたいと考えました。


しかし、カメももう年寄りです。


1日に1m歩くことが出来ますが、2日目は1/2mしか歩けません。

3日目は1/3mしか歩けません。4日目は・・・


とN日目には1/Nmしか歩けないのです。


さて、カメは無事に月に到着することが出来るのでしょうか?


①すごい時間がかかるけれど月まで到着できる。

②無限時間あっても無理!

③実はウサギとカメの印税でお金持ちなので、自家用ロケットで月まで!






さて、ぜひチャレンジしてみてくださいね!!(^ ^)


お読みいただきありがとうございます。

正解記事はアメンバー限定記事にさせて頂きます!ぜひアメンバー登録頂けると幸いです(^ ^)