前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第235話:仕入れでの交流
本田の部下である前田は研修で
郊外店のお店に来ていました。
教育係に就いた狭山に
仕事を習いながら進めて行き
今日も朝から仕入れに
来ていたのでした。
狭山は慣れた感じで仕入れの
作業を進めていきます。
野菜の目利きをしながら
良い食材を選んで買い出し用の
業務用車に積み込んでいきます。
市場での仕入れの他に精肉店や
発注業者との取引も行います。
飲食店専門の業者は板長や
調理長が打ち合わせを行うので
仕込みの時間帯に訪問して来る事が
多いのですが
食材の配達時の管理や納品、
検品などの雑務を行うので
事前に確認して置かなければ
なりませんでした。
前田は狭山に同行し仕入れを
手伝っていたのですがそこで
ある事に気付きます。
一般人が普通のスーパーで
買い物をする時の光景と明らかに
違う所があったのです。
市場でも普通の業務用スーパーでも
仕入れを行っていると
「狭山君元気か?」
「頑張ってるね!」
「大将によろしく」
と色々な人に声を掛けられます。
スーパーのレジに並んでいても
レジ係に声を掛けられて
話をする事はあまり普通の人には
見慣れないかもしれません。
冷静に考えると毎日仕入れをして
毎日顔を合わせるので
当たり前の事なのかもしれませんが
飲食店の従業員はそうやって
交流を持っている事を前田は
初めて知ったのでした。
そんな時
今日はいつものように仕入れを
行っていると教育係の狭山は
ある人に声を掛けられます。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第234話:引き抜きでキャリアアップ
どこかの会社の社長が
「会社の資産は人材だ」と
言っているのを聞く事がありますが
お店にとっても質のいい職人や
料理人の水準の高さで
お店の水準も変わるというものです。
長年修行した末にその店の
親方が引退しないとポジションが
空かないような店だと
板長レベルの職人は他のお店で
店を任せてくれるお店に
「引き抜き」される事があります。
いわゆる
ヘッドハンティングですが
一昔前はこの方法でキャリアアップ
する事が料理人のステータスとも
言われていました。
しかし経営的に厳しい中
料理人の様に技術職で転職する人でも
「得体が知れない」からなのか
その数は減少していると言われて
いました。
よほど有名な人や有名店の経歴が
あるとかTV出演で有名になったり
有名な人に紹介された様な場合なら
まだ信じられるかも知れませんが
自分からアピールして入社するのは
難しいかもしれません。
料理人の経歴は詐称できるからです。
人手不足だけど年配の経歴者は
怖くて取れない。
と言うのは要求されるポジションと
給与額も影響すると思います。
引き抜きで
キャリアアップになるのは
転職するごとに給料が
跳ね上がっていく事が理由なので
転職で給料が下がるなら
料理人は基本的に転職しないと
思われます。
技術職は野球やサッカー選手と同じで
その契約金とも言える給料額が
自分のスキルの評価として
感じます。
だから本当は
「お金の評価では無く自分を
評価してくれるお店に行きたい」
「評価された自分の技術を発揮したい」
という気持ちが美食の国と言われる
日本の飲食業界を発展させたとも
個人的には思えます。
そういうプライドがある職人と
今回本田の会社と提携した
この会社の目指す効率化は
根本的に相いれない所があり
簡単には行かないのです。
割烹料理店が事業拡大を
どのように行っていくのかも
長く話し合い中々折り合いも
付かない流れになっていました。
つづく
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第234話:引き抜きでキャリアアップ
どこかの会社の社長が
「会社の資産は人材だ」と
言っているのを聞く事がありますが
お店にとっても質のいい職人や
料理人の水準の高さで
お店の水準も変わるというものです。
長年修行した末にその店の
親方が引退しないとポジションが
空かないような店だと
板長レベルの職人は他のお店で
店を任せてくれるお店に
「引き抜き」される事があります。
いわゆる
ヘッドハンティングですが
一昔前はこの方法でキャリアアップ
する事が料理人のステータスとも
言われていました。
しかし経営的に厳しい中
料理人の様に技術職で転職する人でも
「得体が知れない」からなのか
その数は減少していると言われて
いました。
よほど有名な人や有名店の経歴が
あるとかTV出演で有名になったり
有名な人に紹介された様な場合なら
まだ信じられるかも知れませんが
自分からアピールして入社するのは
難しいかもしれません。
料理人の経歴は詐称できるからです。
人手不足だけど年配の経歴者は
怖くて取れない。
と言うのは要求されるポジションと
給与額も影響すると思います。
引き抜きで
キャリアアップになるのは
転職するごとに給料が
跳ね上がっていく事が理由なので
転職で給料が下がるなら
料理人は基本的に転職しないと
思われます。
技術職は野球やサッカー選手と同じで
その契約金とも言える給料額が
自分のスキルの評価として
感じます。
だから本当は
「お金の評価では無く自分を
評価してくれるお店に行きたい」
「評価された自分の技術を発揮したい」
という気持ちが美食の国と言われる
日本の飲食業界を発展させたとも
個人的には思えます。
そういうプライドがある職人と
今回本田の会社と提携した
この会社の目指す効率化は
根本的に相いれない所があり
簡単には行かないのです。
割烹料理店が事業拡大を
どのように行っていくのかも
長く話し合い中々折り合いも
付かない流れになっていました。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第233話:穴場市場を制する店
例に挙がった回転すしのレーンは
便利で効率的ですが
昔はすしが回る事自体が目新しく
従業員を減らせて画期的な
庶民の寿司として流行しました。
それから業界が真似をして
回転すしは乱立し競争も激化して
最終的には価格競争になり
現在は100円すしが主流の
底値となっています。
低価格競走で付いたイメージは
お店の品格として個人店のお店より
低い印象が付いたのだと思いますが
そこから今度は
「回転すしの高級路線」を
業界は模索し始めました。
価格は高く設定され、
一皿800円以上の高級なネタも
豊富に揃えていて
カウンターには職人が数名、
もちろんその場で握ってくれて
注文を受けるスタイルです。
こうなるとレーンは回っていますが
普通の寿司屋とあまり変わりません。
その分洗浄設備や配膳、
レジシステムの導入から流通まで
効率化された寿司屋になっています。
つまり普通の寿司屋が効率化された
状態だという事です。
子供連れで行けなかったり
敷居が高かったりする中
庶民的に利用できる回転すしで
見付けられた穴場市場とも言えます。
もちろんリスクはあるので
絶対もうかる保証は無いのでしょうが
現在の飲食店乱立競走の中
「穴場市場で戦う事が最も
効率の良い儲け方であり
ブランドを引き上げる近道に
なっている」
という背景があります。
どのジャンルのお店でも
大成功を収めている店は独自の
経営カラーがあり
穴場市場を制してきたのです。
簡単な例では
他の店には絶対負けない大盛りや
価格を限界まで破壊した売値など
インパクトがあるものです。
長年愛されているものや
最近流行っているお店でも
「この店と言えばコレ」
というお店のカラーが
あると思います。
こってり過ぎるラーメン
塩辛すぎる豚丼
など有名なお店がありますよね。
真似したくても簡単には
真似されない事が穴場市場の
勝ち組になる秘訣なのでしょうか。
つづく
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第233話:穴場市場を制する店
例に挙がった回転すしのレーンは
便利で効率的ですが
昔はすしが回る事自体が目新しく
従業員を減らせて画期的な
庶民の寿司として流行しました。
それから業界が真似をして
回転すしは乱立し競争も激化して
最終的には価格競争になり
現在は100円すしが主流の
底値となっています。
低価格競走で付いたイメージは
お店の品格として個人店のお店より
低い印象が付いたのだと思いますが
そこから今度は
「回転すしの高級路線」を
業界は模索し始めました。
価格は高く設定され、
一皿800円以上の高級なネタも
豊富に揃えていて
カウンターには職人が数名、
もちろんその場で握ってくれて
注文を受けるスタイルです。
こうなるとレーンは回っていますが
普通の寿司屋とあまり変わりません。
その分洗浄設備や配膳、
レジシステムの導入から流通まで
効率化された寿司屋になっています。
つまり普通の寿司屋が効率化された
状態だという事です。
子供連れで行けなかったり
敷居が高かったりする中
庶民的に利用できる回転すしで
見付けられた穴場市場とも言えます。
もちろんリスクはあるので
絶対もうかる保証は無いのでしょうが
現在の飲食店乱立競走の中
「穴場市場で戦う事が最も
効率の良い儲け方であり
ブランドを引き上げる近道に
なっている」
という背景があります。
どのジャンルのお店でも
大成功を収めている店は独自の
経営カラーがあり
穴場市場を制してきたのです。
簡単な例では
他の店には絶対負けない大盛りや
価格を限界まで破壊した売値など
インパクトがあるものです。
長年愛されているものや
最近流行っているお店でも
「この店と言えばコレ」
というお店のカラーが
あると思います。
こってり過ぎるラーメン
塩辛すぎる豚丼
など有名なお店がありますよね。
真似したくても簡単には
真似されない事が穴場市場の
勝ち組になる秘訣なのでしょうか。
つづく