本田承太郎 -19ページ目

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田は先輩の高城と会い後輩の
富永と言う男の問題行動について
話をしました。


第187話:人の意識の変化がなせる技

「言霊」って信じますか?

言霊とは文字通り言葉に魂が宿り
言葉通りの結果が得られると言われる
霊的なイメージが強い話ですよね。

でも昔からずっと信じられてきて
真っ向から否定する人の方が
少ないのでは無いでしょうか。

仕事にも「言霊」として
使われる言葉があります。


それは、

「経営理念」
「社訓」
「座右の銘」


などがこれに当たるものだと
思います。


会社の指針を表したものという
位置づけのものですが

経営者なら
会社の方針や指針に魂をのせて
全社員に浸透させると言う
想いがそこにはあるはずです。


言霊が何故実現するのか
少し考えてみましょう。

社訓であれば社員に絶対に
覚えておいて貰わないといけない
会社としての方針や教訓

指定されます。

そして朝礼や社長訓示などで
この言葉は発せられると思います。

また、会議や議論の場でも
この事を前提に話は進んでいくと
思われます。

何故ならそれが会社の方針だから
と言う事は当たり前ですよね。


そうやって刷り込まれた方針に
則って社員が動くとそれを
目的とした行動に動きや考えが
変化していきます。


そして発言や取り組みが
その考えに則っているのか
適正なのかを議論し行動が
進んでいくので

社訓が浸透していると
それに近づいていくのが
自然な流れ
なのです。


本当に浸透していると
その成果が表れるのは霊的な
信仰とは別に

人の意識の変化がなせる技

という事が要因として
理由づけられると思います。

例えば社長が

「整理整頓、社内を綺麗に」

という社訓を作ったとします。


すると社員の行動は、

・自分のデスクの整理整頓
・周囲の整頓やゴミ掃除
・清掃業務
・仕事の整理や管理
・職場の整備

こういう行動に対しアクションが
生まれてくるはずです。

出来ていなければ管理職が
指示を行い行動を促し管理して
成果を目指します。

すると積み重ねるうちに
変化が表れて行きます。


・社内が綺麗に→綺麗な職場
・ゴミ掃除→意識の変化
・清掃業務→タスク化、効率化
・仕事の整理や管理→仕事効率化
・職場の整備→生産性向上



上手くいけば
少しの変化が結果として
膨らんで数値に大きく
作用するかもしれません。

もし、

あなたの働く会社やお店に
社員に浸透していない「社訓」が
存在するのなら

言霊としての意識をもって
その言葉に魂をのせて
社員に伝え切らなければ
いけません。

仕事の成果や環境が
改善しない事や良くならないなら
まずは一つの言葉を
浸透させる事から
始めてみては
いかがでしょうか。

人は意識が変われば
行動が変化する生き物なので
きっと成果もより早く表れると
思います。

つづく

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田は先輩の高城と会い後輩の
富永と言う男の問題行動について
話をしました。


第186話:天職を発見する手紙

本田や高城先輩の後輩富永は
パワハラの様な感じで他人に厳しく
悪口とも取れる暴言を吹聴して
人を貶める事をやっていました。

しかし注意や処分も軽く現状は
被害者の状況が改善されない程度の
措置しか取られていませんでした。

その理由として富永の上司である
専務派の「西」本部長が関わって
富永を擁護しているようでした。

その理由は後に判明しますが
この時本田承太郎は組織の体質を
変えて行かないと未来は無いと思い
西と対立する覚悟を決めたのでした。

しかし本田も現状で今すぐ
どうにか出来る権限は無いので
今は上を目指すしかありません。

プロジェクト成功の為に
努力していくしかありませんでした。


本田はプロジェクトの進行を
監督する立場でもあります。

現在抱えているチームは
5チームに分かれていてそれぞれ
進行していました。

今日はマニュアルを作成している
チームのチームリーダー秋元から
面白い資料があるので見て欲しいと
連絡が入ったのでした。


秋元が集めた資料の中に
新人教育や研修で使えるものを
ピックアップしていた時に
ふと目に留まる動画を
見付けたそうです。


その動画がこちら↓


この話は本に書かれていますが
アルバイトなどの短時間に研修を
終えなければいけない人材には
簡単で解り易い意識付けに
なると思います。


人に想いを伝える時に実体験で
語る事とただのマニュアルを教育
するのでは差が出てきます。

チームの会議では
こう言ったものも取り入れて
教育しようと言う話も
挙がったのでした。


つづく

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田は先輩の高城と後輩に当たる
富永と言う男の問題行動について
話をしていました。


第185話:身を守るスキルが必要

高城
「うちの部署でも何人かの部下が
訴えているが」

本田
「会社での派閥争いや関係性も
コミュニケーション力で自分の
ポジションを確立しないと
生き残れませんからね」

「それが出来ないものは強い者に
食い潰されるしか無いのだろうか」

「本当に強い人は自分の仲間は
守ってやれる人間だと私は
思います」

「そうだな、
その為に本田ならどうするか
意見を聞かせてくれ」

「まず、問題なのは富永ですが
今の会社の態勢では
上司がアレですし規制出来ないのが
現状ですよね?」

本田の言う上司がアレとは、
専務派の本部長「西」の事を
指していて問題がある幹部の
一人の事を言っているのでした。

そしてその威光がある
富永もまた西の直属の部下で
専務派の人間
だから

対抗する派閥の問題は
大きくならないという不思議な
環境が出来上がっていました。

つまり対抗する派閥同士の
人間関係や仕事の「もつれ」は
あまり大きな問題として
扱われないと言うのが
この会社のルールなのです。



「ひとまず、態勢では無く
個人の問題解決を考える事が優先
だろうな」


「高城さんの部下たち本人は
どう言っているんですか?」

「本人は自分に非があって
反省している事を伝えたら
周囲からやっかまれる様になって
どうも周りからも悪口を
言われているらしい」


「自分が折れて下手に出たから
問題が大きくなったと?」

「でも逆に反抗して折れなくても
問題になるだろうしそんな強さは
持っていないヤツの方が
多いだろうな」


「自分が陰で悪口を言われた時
と言うのは言われている側は
なんとなく雰囲気で解るもので
昔いじめにあった人なら空気で
感じ取れるものですよね?」

「そうだな」

「その時に黙って我慢するか
ケンカして反抗するのが
普通でしょう?」

「子供の時ならそれで構わないが」

「大人になってもケンカすれば
良いんですけどみんな勇気も元気も
日々の疲れに吸い取られて
その状況で持ち合わせる事が
出来なくなるんですよね」

「本来の元気を取り戻してやれば
良いと言う事か?」


「それも無理があるでしょう。
うつになっている人間に
元気を出せって言っても
聞けないからそうなっているもの
なのですし精神論では
解決しませんよね」

「それは気持ちの持ちようで
変わるものではないのか?」

「確かに変わる人もいるので
気持ちを変えてあげる事は
とても重要です」

「精神論以外も必要と言う事
なんだろうな」


「そうですね。
具体的なアクションを示す事が
重要ですね」

「と言うと?」

「悩みがある人は、

何を行動すればいいのか、
自分は何を改善すれば良いのか、
相手にどうすれば良いのか、

こういう事が解らなくなる状態で
悩んでいるんです」

「そこに対してアクションを
アドバイスすると?」


「自分に非があると認めた人は
謝りますよね?」

「そうだな」

「謝って許してもらえたら
自分の中では解決したと
思いますよね?」

「ああ」

「それでも
状況が変わらなかったらどうして
そうなのか悩みますよね?」

「確かに解らなくなるな」

「足りない行動を示してやって、
その結果でも変わらなければ
次のアクションを示してやって
解決するまで付き合うんです」

「なるほど。
部下の仕事の教育と同じと
言う事だな。」

「そうです、指示するのは具体的な
解り易い行動が良いですね。

例えば、悪口を言っている奴を
陰で褒めるとか」


「褒めてどうする」

「相手を褒めると言うのは
相手の価値を自分の下にする事を
意味しているんです」

「相手がそれに反感を持ったら?」

「問題は相手じゃないんですよ。
周囲がどう思うかなので。

結局相手が悪口を言っているのも
周囲に認識させる為なので
自分も周囲に自分の立場を
教えなければいけないんです」

「それが褒める事で自分が上だと
周囲に解らせると言う事なのか?」


「極端な例になりましたが
相手は悪口を言い、自分は褒めると
周囲がどう思うかなどを
コントロールするんですね。

結局悪口を言う奴とは自分も
付き合いたくないのですが
目的の為なら出来るでしょう?」

「うまくいくならな」

「そう言ったアドバイスを
考えてやるのが自分たちの
仕事だと思うんで失敗しても
やるしかありませんよ」

「そうだな。恩にきるよ」



本田の先輩高城も富永の様な
問題のある社員が周囲にいて
苦労していました。

その中で本田や前田、藤森など
同じ部署内での人間関係も
良好な人ばかりではありません。


同じ会社にいる以上はそれなりに
上手く付き合っていくしか
ないのです。

社会人になって組織に
属するものは
学校では習わない
身を守るスキルが必要
なのです。

今回の件で本田は身にしみて
その事を感じ、会社の態勢を
少しでも改善していけるように
尽力しようと思ったのでした。


つづく