広島で発達障害への正しい認識と
インクルーシブ教育の普及活動をしている
NPO日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。
第2期 学習・発達支援員養成講座 全9回の講座が
半分終わりましたので、受講者の皆様に中間レポートを提出頂きました。
いくつかご紹介したいと思います。
ご興味ある方は読んでみてください。
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私が勤務している小学校には、現在三人の特別支援教育アシスタントがいます。
元小学校長の男性、学校勤務経験は無かったが中学校教員資格を持つ50代女性、
そして放課後児童クラブ勤務や読み聞かせを長年してきたが
教員資格のない50代の私です。
私が人前で積極的に行動できない性格ということもありますが、
教員資格が無いということも心の片隅にあり、
極力教室では目立たないように気を付け、
子どもが自分の力で出来た!と感じられるような支援、声掛けを心掛けてきました。
ただ先生には立っているだけにしか見えなかったようで、
積極的に前へ出て常に声を掛ける先生が良いようでした。
私が感じたことを伝えても知識という裏付けがなく意見としては取り上げてもらえず、
不満を持ちながら、いつのまにか私も常に声を子どもに掛け続ける
うるさい特別支援教育アシスタントになっていました。
それに気が付いたのは藤堂先生の最初の講義です。
生徒役の体験で愕然とし、心から子どもに申し訳ないことをしてしまったと反省しました。
その反面、支援者は目立ってはいけない、
空気のようにという言葉に励まされ自信が持てるようになりました。
毎回講義を受けるたびに目からうろこです。
特に思春期(小学生)の前後では支援が違い、
思春期前までは無理をさせてはいけないということ。
出来ないことは将来困るから早くから特訓し、
身に付ける努力を人の倍させるという私のやってきたことは
間違いだったということは衝撃でした。
今さらですが、我が子には申し訳なかったです。
目先の事にだけ囚われず将来(就労)を見据えての支援の大切さも分かりました。
まだまだ知識も少なく経験も足りませんが、
これからも学び続けて知識を深め、
大人が困ったと思っている本当は困っている子に寄り添い、
一人でも多くの子どもが学校は楽しいと思えるように、
私から周りの大人に情報発信していきたいと思います。
【支援員】
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去年の3月まで中学校で英語を教えていたが、
仕事が遅く、帰宅時間も遅くなりがちで、健康に不安を抱えていたので、
定年まで3年を残し、早期退職をした。
去年の4月からは、中学校の特別支援学級で指導員の仕事を始めた。
しかし、指導員を対象とした研修は年に1度しかなく、
もっと研修を受けて専門的な知識を身につけたいと思っていた。
そんな折、中学校で「LSA養成講座」の回覧を目にし、
養成講座に参加してみようと思った。
9月の説明会で、中谷美佐子さんが「不登校になった子どもの多くは、
発達障害の子ども達です。」と話され、ショックを受けた。
30年以上教員をしていたが、
不登校の子ども達がなぜ学校に来られないのかを理解することもなく、
退職してしまったことを後悔した。
同時に、「発達障害に対する正しい理解とサポートがあれば、
どの子も輝く可能性があるのだ。
しっかり勉強をして、子ども達をサポートできるようにしていきたい。」とも思った。
第1回の養成講座では、藤堂さん親子にお目にかかれて、元氣をいただいた。
栄子さんは、小学校2年生なみの読み書き能力と診断されたとのことだが、
通訳として、インクルーシブ教育の推進役として活躍されている。
高直さんはディスレクシアだけど、シンガポールで建築デザイナーとして活躍されている。
日本では多数派に合わせることが大切という価値観が根強く、
少数派の人達は自己肯定感を持ちにくいが、
イギリスなど多くの国々では多様性を受け入れ、
合理的配慮も適切に行われ、長所を伸ばすことを重視しているように感じた。
だから、不得意なことがある人でも、
それを克服することにエネルギーを費やすよりも、
得意なことをさらに伸ばしていくことにエネルギーを費やす方が
素敵な人になれる、とお二人の話を聞いて強く感じた。
LSA養成講座を受講されている方々は教育関係者が多いのだと思っていたが、
発達障害のお子さんのいらっしゃる保護者の受講者が多いので、驚いた。
日々、悩みを抱えて生活し、「なんとかしたい。」と切実に感じて
養成講座に足を運んでいらっしゃるのではないかと思う。
自分の勤務している学校の保護者の方達も、
きっと同じ思いで日々を送っていらっしゃるのだろう。
養成講座を受講する度に、自分が疑問に思ったことを質問し、
その質問にきちんと答えていただけるのでありがたい。
しかし、次から次へと新たな疑問が湧いてくる。
まだまだわからないことが多い。
これからもっと勉強して、自分自身のことを、
そして家族のことをより理解できるように努力していきたい。
小原英一郎【特別支援学級指導員】
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私がLSAを受講するきっかけは、
星槎大学で支援教育専門士の資格取得を目指しているとき、
この養成講座があることを知り、
履修後新たな学びをするために第2期生として参加させていただき、
学びを通してたくさんの気づきを再確認・再認識させていただいています。
「困った子」は「困っている子」であり、人はそれぞれ違うこと。
違っていて当たり前。それをお互い認め合い関わっていくことの大切さを
あらためて感じました。
できないことにばかり目が行きがちですが、
できることを見つけていくことが大切で、
その子の困りはどこからくるのか理解し、
その子に合った支援の方法を考えていかなければなりません。
そして、支援の方法をより多く持っている引き出しをつくっておくことは
大人の役目ではないかと思います。
できないことを無理やりさせるのではなく、
どうすればできるのかを一緒に考えていく大切さ。
そして、決して大人の都合の押しつけではなく、
こどもの意志・気持ちを尊重し、合意のもとになるべきことと感じました。
「できることはする」「できないことはどうすればできる」かを話し合い、
そのサポート方法を一緒に考えていくことで、学びやすくなっていくし、
「できた」を感じることができるのではないでしょうか。
人と比べるのではなく、自分なりの頑張りを認め、
今の自分でいい、できない自分でも大丈夫、困っていることは助けてもらっていい。
お互いを認め合い、生活できるようにといったことも
関わっていくなかで知らせていかなければいけないのではないかと感じています。
何が得意で何に困り感があるのかを理解し、
どういうやり方が学びやすいのか、アセスメントのすること、
応用行動分析の大切さも感じました。
どうして不適切な行動をするのか、
その背景にあるものを観察することの大切さ、
結果は関わり方によって変わってくるもので、
肯定的な言葉かけをし、いい行動、望ましい行動をしたときには
褒めることが大切であり、決してその子が悪いわけではなく、
環境や関わり方を変えることで、適切な行動になっていくものなのではないかと思いました。
私は学習支援員という立場で、教員とは違う立場です。
しかし、こども達に関わっていることには変わりありません。
学習支援員としてこども達と関わり、見えてくるもの、感じるものがあります。
それらを教員に伝え、一緒にこども達の学びやすさ、
過ごしやすさを考えていくことができるように、
そして、傍にいてほっと安心してもらえるような支援員になりたいと思い、
今までの学びを生かし、これからも学んでいきたいと思います。
自分の中だけではなく、周りの大人にもみんな違って当たり前、
困っていることを助けあえるように発信していけたらと思います。
自分らしく生き生きと生活し、
すてきな大人になれるようにこども達に関わっていきたいと思います。
学ばなかったら考えもしなかったこと、感じなかったことなどたくさんあります。
養成講座での学びで、発達障害のことだけではなく、多くのことを感じ、
考える機会になっていることに感謝しています。
【支援員】
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発達障害という言葉を知り、支援する立場としての学びを始めて約半年、
これまでにフォローアップにも出ましたので6回の研修を受けました。
なにか役に立つことができれば、周りの方の支援ができればと思いスタートしましたが、
毎回衝撃を受けるのは、自分自身の偏りについてです。
なんとなく、うまくいかない。
どうしてできないのだろう。どうして迷うのだろう。
自信のなかったことが、まさにこれなのではないかという気持ちが大きくなっています。
同時に、その私が支援できるだろうかという不安も芽生えてきました。
講座中もわからない言葉が多くでて、それが気になってしまって、
自分の思考が止まってしまうので、
わからない言葉が出ると携帯で検索しながら聞いています。
すると次に進んでいたりしてまた、わからなくなる。
でも、その体験も相手を知る上では重要なことではないかと感じています。
相手の立場を理解すること、5回を通して一番に感じることです。
相手を批判するまえに、相手の立場を考える。
そのことは、障害のあるなしにかかわらず通じることでもあります。
人を支援しようというところにはまだ到底いたらない自分に気づき、
でも、できることはあはずだと、それをこれからの講座で模索していこうと感じています。
すぐにできること、研究所の情報をシェアすること。
自分のできる小さなことからやっていきます。
毎回大量の資料と入念なご準備をいただきましてありがとうございます。
ご協力いただいている先生方、代表、スタッフの皆様に心から感謝いたします。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
江川佳代【整理収納コンサルタント】
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私が、発達障害について、学んできておよそ10年が経ちます。
勉強しても勉強しても、納得できず・・・
『個性として捉えてあげて』と言われ続け・・・
でも、実際の社会(集団生活)において、
その〝個性〟は、〝問題点〟と捉えられている現実があるから
いくら、肯定的に見てあげて!教育ではなく療育という見方を!
といわれても素直に受け入れることができませんでした。
ここでまた、いろんなことを学んで、やはり、言われることは同じでしたが・・・
正直に現社会(現学校)では、個性として受け入れその子の特徴に応じた対応をすることが
難しいという事を言ってくださったので、やっと納得できました。
どの先生方も、ボーダーラインの子どもの生きづらさ
親子のつらさ難しさを話して下さるのですが・・・
だから、どうしてあげたらいいのだろう・・・と言う不安・疑問は、解決できないでいます。
それは、やはり、人それぞれの考えがあるから・・・であり、
それを押し付けられないところ・理解を促せないところが、
インクルーシブ教育の広がりが遅いのだろうな・・と感じました。
親としては、ひどい事をしてきたと思う反面、
こうするしか、今の学校社会を生きていけなかったのではないかと思います。
『大人が、普通を求めている限り、多様性は生まれない。
ふつうはない。大人の普通の価値観を押し付けているだけである』と言う言葉を、
聞いてまさにそうだなと感銘をうけました。
確かに、発達障害だから何しても許されるわけでなく、
社会のルールを知り・スキルを身につけなければならない。
だからと言って、定型発達した大人が、
自分のスキルや価値観を基礎に相手に求める事とは、違うという事。
そして、それは、定型発達・発達障害問わず言える事であると改めて思いました。
このような考え方を多くの人ができるようになれば、
どんな人も自分らしく、生き生きと生きていける社会になるだろう。
早くそのような、社会になって欲しいと願うばかりです。
そのためには、まず、私が少しでも、インクルーシブな考え方をして、
人と関わることができるようにならないといけないと反省しました。
いけないとは、思ってもついつい、
自分と比べたり自分の価値観を押し付けてしまうので・・・
残りの講義で学んでいくことと共に自分なりに意識して
変えていかないといけないなと思いました。
粟木原直美【保育士】
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LSA養成講座を受けようと思ったきっかけは、
自分の子供が保育園年長の時に自閉症スペクトラムの診断を受け、
昨年4月に小学校の支援級に入ったタイミングで、
学校生活における子供への接し方を学びたいと思っていた時に、
LSA養成講座のことを知ったからである。
講座を受ける前は、発達障害がある子供たちが抱える「困り感」が想像できなかった。
自分のこれまでを振り返ってみて、学校生活に大きくつまずいたことがなかったし、
自分の周りも同じだったこともあるのだと思う。
大人になると自分の価値観や経験から固定概念が出来上がってしまい、
それをフィルターにして、自分の考え・意見を子供に投影してしまいがちである。
子どもにとって何が幸せなのか、自分の居場所はどこなのか、
「子どもの自律・自立」のために、黒子になり、
子どもに合った支援をしていう上でそのフィルターは持たない方がいい。
(こう書いていながら、家では親として子どもに
「こうした方がいい」「こうあるべき」を言ってしまっている。
しかし、最近では、そう言いながら、
「この子にとって、これはどうなんだろう」と
同時に考えることができるようになってきてはいる。)
「困り感」を抱えた子供たちにとって、
横並びや逸脱を気にする学校教育や、
社会に出ても協調性を求められることが多かったりする中では、
自分らしく振る舞うことができず、苦しいことの連続であるのだということ。
また、「普通」という言葉が、マイノリティにはとても厳しい言葉であること。
当事者の体験談を聞いたり、先生方の講座を受けることができ、
これまで当たり前だと思って目も向けなかった部分を目の当たりにすることは、
とても有意義である。
残りの講座でできるだけ見識を深めることができるよう、頑張っていきたい。
【保護者】
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私がこの養成講座を学んだのは、
自閉症の息子の保護者という立場であることや、
知人が療育施設で指導する立場の知人がいて声をかけていただいたりしたこと、
療育というもの、発達障害とは何かに疑問があり、
もっとしっかりと知りたいと思ったからでした。
講座で色々な先生から、様々な発達障害に関する内容の講座を受講するうち、
主には、今まで子どもが健康診断で発達について指摘をされたことや、
以前からあった療育先での戸惑いやこれまでの経験や気持ちなどが、
少しずつ整理されて落着いてきたようにも思えます。
我が子の療育を受けたり、生活をしていく中で、
発達障害についての考え方や療育や保育所での子どもへの関わり方や
考え方がそれぞれ異なりバラバラなので、
保健師さんや発達支援センターや療育先、保育所などと、
考え方や言われることがそれぞれ異なっていたため、
助かる面もありながら混乱していた面も大きかったのですが、
こちらの養成講座を受けていく中で、なぜ捉え方がバラバラであるのか、
その理由が分かってきたようにも感じています。
その理由は、講座の中で学んでいるように、
まだまだ発達障害への理解や対応が日本はかなり送れていることや、
法整備もつい最近であったこと、
社会全体的にまだ取り組みは始まったばかりなのだということを
知ったことも大きいと思います。
毎回の講義の中で、色々な専門の先生から
当事者の困難さや、社会や教育現場での対応のまずさと
無理解などの例を聞くにつけ、
自分の混乱の理由が分かるような、納得できるような気がして、
心が落ち着いてきた面はあるようにも思うのです。
合理的配慮が必要という面、
本人の困難さや大人からみて難しいと感じる子どもの行動の背景には、
必ず本人なりの理由があってそうなっているということは、
講座での事例やデータ的科学的な根拠などの話により、深く納得しました。
たとえば日常的に、子どもがそうなる必然を感じないような場面で、
そわそわ落ち着きがないなどの状態になったりすることは、
理由やパターンや原因がなかなか分かりにくく、
親としても我が子の行動の理由やどうしてそうなる・いつそうなるのかなどを把握しづらく、
本人をうまく誘導してあげたり、
周りへも本人の状態や自分たちの状況を説明するのがつらい、
難しいということが慢性的にありました。
それを自分ひとりではうまく言葉にしたり表現、解消、発散していくのは難しいため、
親の自分までが一緒に「生活に困難」を感じたり、家族の困難さにひっぱられ、
自分自身も以前はあたり前にできたことも苦しくなっていったりする傾向がありました。
講座で学んでいく上で、冷静に見られるようになった面や、
「私が難しく感じても、(例えばそれは親としての能力が劣っていたり
人間としての能力が低いためではなく)、
誰しも難しいものなので当然のことなのだ」と考えることができるように少しなり、
頭も少しずつ整理されてきて楽になってきている面は大いにあると思います。
苦しさ困難さを周囲にうまく説明できない、
という当事者の親としての苦しさもあると思うのですが、
私は将来的には、親のサポートをする立場にもなってみたいという気持ちも持っています。
LSA養成講座を学び終わっても、
すぐに発達支援員にはならないかもしれませんが、
まずは自分の子どもが小学校へ上がった時の考え方、
動き方が分かるので、学んだことは大変有効だと思います。
現在のような「発達に遅れのありそうな子供を次々指摘して、
大勢の子が療育に押しよせる」というような、
少し疑問を感じるような行政のやり方から一歩も二歩も進んで、
「厳しく指摘するだけではなく、
インクルーシブに様々な個性を受け入れていけるような教育現場」に、
日本の教育現場の方向性が少しでも変わっていければ良いと、
そのための何か関わりが自分にできればよいと切に願います。
右佐林朋子【保護者】
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現在私はピアノの生徒が25人います。
大学生の頃より家庭教師を始め、今も教えていますが、
基本的に塾についていけず、家庭教師の先生ともなかなかうまく打ち解けず
困っているタイプの生徒にたまたまご縁があるように感じています。
この講座で毎回様々なテーマのお勉強をさせていただいていますが、
とにかく観察が大事で、一人ひとり個性があり、
勝手にこちらの思い込みで押しつけた教育をするのではなく、
最終目的を明確にし、それから逆算して、
どのように指導すると効果的か考えるようになりました。
ピアノの生徒でいえば、1音1音カードでは音が読めるのに、
楽譜になると読みにくくなるタイプがいます。
もともと生徒のタイプに応じて教本は選んでいましたが、
今まで以上音符の大きさや行間、紙質を気にするようにしています。
勉強に関してはやる気があるとかないとかの問題ではなく、
短期記憶が苦手で自己肯定感が低いため現実逃避になっていたとわかり、
寄り添いながらスモールステップできるように指導を意識しています。
自分自身の気づきもあり、知ることで気分が楽になることもわかりました。
生徒の現状を保護者に伝える時毎回悩んで疲れていましたが、
事実を伝えそこに感情をいれず、否定しないで、
今後の課題、取り組み、理解、協力を話すことが前よりできるようになり、
保護者の方とも気持ちよく適度な距離を保ちながら、
お付き合いができるようになってきました。
この講座を学ぶ事で生徒との関わりが楽しくなると同時に責任も感じるようになりました。
これからの子供を預からせていただいているわけですから、
私自身もっとお勉強させていただいて、人と比べた自己肯定感ではなく、
自分の中での比較した自己肯定感の高い生徒を育てていきたいと思います。
柔軟な発想をもってこれからも生徒との関わりを大切にしていきます。
【ピアノ講師】
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