いつもビクビクしている僕がいる | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

広島で発達障害への正しい理解と

インクルーシブ教育の普及活動をしている

日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。

 

さて、先日、不登校の子どもがピークに達したといった

ニュースが流れていましたが、

私はいつがピークなんだろう?と思うくらい

学校へ行けなくなっている子ども達が続出している感があります。

 

学校へ行っていても、仕方なく登校しているといった様子の子が多く

既存の学校教育が合わない子ども達が増えてきているように思うのです。

 

文部科学省による不登校の定義は

年間の欠席日数が30日という基準ですが、

『出席』にするかどうかの基準は各学校の判断になります。

 

そのため、保健室登校でも出席扱いとしたり、

正門まで行って先生に挨拶したら出席とみなしている学校もありますから、

不登校の子どもの数は、

実際には報告されている数よりもはるかに多いと思われます。

 

学校へ行けなくなってしまった子ども達の取材をしていると

どの子も同じようなことを言うな~と感じています。

今日はその代表的なものを紹介します。

 

「起立、着席だけで、一人でも遅れたら、

もう一回ってどの先生も言う。

そうすると生徒みんなで、遅れたその子を責めるんだ。

礼がちょっと早かっても、座るのがちょっと遅くても

【皆に責められる】というパターンが学校にはできている。

だから、集団攻撃を受けないために、

学校では、ずっとビクビクしていないといけない」

 

この言葉から分かるように、少しでも皆と違うものは

攻撃されやすいということです。

 

それを学校側は黙認しているのでしょうか?

それがいじめへの発展にもつながっていくことさえ

私達大人は気づいていないのでしょうか?

 

じゃ、「ビクビクしなくて済むように揃ってできるように努力しろよ!」

といった声も聞こえてきそうですが、

運動協調性障害があったり、ADHDがあったりすると

皆に揃えることは難しいのです。

 

また、HSP(Highly Sensitive Person)の子どもだっていますから、

人の心の奥底が見えてしまったり、

どこでどのような見えないいじめや偏見や差別が始まっているか等、

簡単に見抜けてしまう子どももいますから、

そうすると、学校がしんどくなってしまうのは当たり前です。

 

こういった多様性が認められにくい学校環境を改善しようと

文科省はインクルーシブ教育を推奨しているわけなのですが、

まずは私達大人が既存の考え方(すりこまれてきた記憶)を

変えていかなければなりませんから、

現状としては簡単なようで難しいのかもしれません。

 

何が子どもを痛めつけているのか?と問うなら、

恐らく私達大人の石頭が子どもをダメにしているようにも思えます。

 

「発達障害のある子を絶対怒って教育してはいけない!

いじめ等の体験も絶対させてはいけない!」と、

精神科医・本田秀夫先生は強くおっしゃいます。

 

それは、発達障害のある子ども達が怒られている部分というのは

たいていが障害特性であり、障害による症状だからです。

 

そのため、適切な対応方法で、

障害特性を叱るのではなくサポートするといった形が必要となってきます。

 

また、発達障害のある子がいじめに遭うのも

障害特性からくる症状をいじめられていることが大半です。

 

そのため、いじめに遭ったり、

症状を怒られ続けてきた発達障害の子ども達の中には、

思春期あたりから、どんなことに対しても無気力・無関心になり

インターネットゲームにはまってしまって

引きこもっている子ども達も多くいます。

 

どうか、彼らの症状を叱り続けるのをやめて、

適切なサポートをよろしくお願いしたいと思います。

子どもを叱って得られるもの等全くないのです。 

 

「罰」や「叱ること」は問題行動の代わりに

どうすれば良いのかを学ぶことができません。


そして、誰だって、人は罰を与える人や

叱る人を好きにはなれないのです。 

 

12月25日(日)子どもの睡眠と発達、

合理的配慮についての公開講座があります。

ご興味ある方はこちらをご覧ください↓

NPO法人日本インクルーシブ教育研究所