ちゅことでね。

ワタイみたいなしんみんの場合、パイプ煙草の値段はやっぱり二千円がひとつのボーダーラインになっとうわけや。

ある銘柄に食指をいのかされましても、二千円を超えると、ちょっと手ェだすのがためらわれます。

ラインナップが一律千六百円のダンシル、千七百五十円のピーターソンなんかはこころやすうさしてもろてますし、千九百円のサミュエルガーウィズなんかも、ちょっと無理すりゃおつきあいでけますわ。

けど二千円を超えるとさすがにナア。

せんだって二千六百円の『コーネルディール・ハバナデイテキ』買いましたけど、あんなん、三年にいっぺんでけるかでけへんかちゅう暴挙でしてな、かなり昔から吸いたいな吸いたいなと思い続けていた銘柄でして、昨日今日の衝動買いやないのです。

先日登場してきた『ラットレー』のラインナップは、五十グラム換算ですと二千二百五十円なんです。ハイランドタージは百グラム四千五百円なんで、つろくとれてまっしゃろ。

せやさかい、ちょっと普段は手ェがでまへんわ。やっぱり『この銭で好いた煙草買いなはれ』ちゅうて背中押してもらわんと。

で、ここからが今日の本題なんです。

せっかく背中押してもろたちゅうことで、ついでにこんなんも買うてしまいましたのや。

実装者流-GLピースバーバリーコースト

『ジーエルピース・バーバリーコースト』

メリケン製、五六.六グラム(二オンス)入り。

二千八百五十円! 二千八百五十円! 二千八百五十円!

なんべんも繰り返さいでもええねんけど、まあちょと、シャレになってない値段でっしゃろ。

発売元はコーネルディールでしてナ、『ジーエルピース』ちゅうのは、ブレンダーの名前なんです。

ジーエルピースちゅうおっさんは、もともとコンピューター関係のエンジニアやったらしいんですけど、煙草の魅力にとりつかれて、趣味が高じてほんまもんのブレンダーにならはった人なんです。

まあワタイからすると、かなり尊敬に値する人物でナ。一般的にいうと『途中でケツ割った、頼んないガキ』ちゅうことになりまするけど。

まあ、コンピューターなんぞ、ハード方面にせよソフト方面にせよ、道楽でやる分にゃあオモロおまっけど、仕事でやるとなると辛いモンやさかいね。

男子一生の仕事やおまへんわ。ワタイからゆわすとナ。

そんなこたどうでもよろし。

で、そのジーエルピースはんを一躍有名にしたのがこの『バーバリーコースト』なワケや。

着香モンですけど、とにかく信じられんぐらい美味しいみたいでっせ。

愉しみやろ。

しかし残念ながら、これもまたいつ開缶でけるかわかりまへんわ。

どうぞ長い目で見ておくれやっしゃ。


ときに、別件でみなさんにお詫びせにゃならんことがあるです。

せんだってからこの日誌になんべんとなく登場してます『ダンシル・コケコッコ(別名ダンヒル・アーリーモーニング)』なんですけどね。

テキにゃ、ラタキアがわずかながら混入しとうみたいです。

『ピーターソン・オールドダブリン』以上に前面にでてきまへんけど。

ほんまにオリエント葉だけやとどんな味がするのかは、ブレンド用のストレートを試してみやんとあかんちゅこっちゃね。

そんなん買う銭おまへんけど。

字ヅラだけを追ってですな、なにも頭に残ってはらへん人多いと思いますねんけどね。

せんにこんな記事書きましてナ。

ここに、

実は、今月下旬にある壮大な計画を立てておりましてナ。もちろん煙草に関してですけど。

てなこと書いてます。

今日はその『壮大な計画』について書かせてもらお思うてますねん。

ちゅうても、そないにたいしたこっちゃおまへん。

今日はあんた、『父のし』でっしゃろ、全国的に。

ワイも一応テテ親のはしくれでな。

さらにあんた、二十五日にはワイの誕生日がしかえてまんので、例年いっしょくたに祝われてしまいまんねん。

一週間ほど前でしたかナア。

「あーめんどくさ。あーしんきくさ。また嫌な月がまわってきょったデ。一年で一番この月が嫌いや。ジトジトしてせんだくモン乾かんし、そこらカビだらけになるし。とどめは……。ほんまになあ。
こらアジャラカモクレン亭主! 父の日と誕生日の合同プレゼント、なにがええねん?
まあそんなんたんねるだけ無駄やな。どうせ煙草やろ。
もう、わざわざ買いに行くのじゃーくさいさかい、銭で渡すわ。好いたん買うといなはれ。
わかったか? ほたらウチあっち行くし。忙しいからアンタに長いこと構うてられへんねん」


ちゅわれましたのや。

一瞬心の片隅に小さな小さなギヤマンのかけらが刺さったような、さぶしいこころもちになりましたけど、五十男の感傷なんぞ、『身銭きらいでも好いた煙草が買える』ちゅう圧倒的な魅力の前では、ぴゅーっと吹き飛んでまいますわ。

どうせなら、わがの小遣いではとても手が出ん銘柄を買わんなん思うて、こんなん手回してきましたのや。

実装者流-ラットレーハイランドタージ

『ラットレー・ハイランドタージ』

独逸製。百グラム入り、四千五百円。

もうこれはね、イングリッシュミクスチャ仲間においてはやね、屈指の名品と謳われとう銘柄やデ。

だいたいこの、さも歴史のありそうな、渋すぎるパッケージデザインからして、ただモンやなかろ?

やっぱ、一流の煙草のみになるためには、一流の銘柄選ばんと。なあもし。

え?

なんでやす? なんでっか、はい。

「どうせならパイプも一流のヤツにしたどうや?」

てですかいな。

それはゆわんといて。つらい。

ところで、まことにメンボクおまへんけど、こんなもんいつ開缶でけるやしれたもんやおまへん。

気長に待っといておくれやす。

いろいろ考えることおまんにゃデ。

ちょっとこのピクチュワをみとくんなはるか。

実装者流-キャメル2

これは、以前にも登場してきた比国よりきたる不健康使節団の一員、『キャメル・フィルター』ですねん。

ふた箱送ってもろてたんですけど、ひと箱は今までおいてたちゅやっちゃ。

わが国ではもう手ェに入らんさかいね、得意のせちべん根性が出て、よう吸わなんだんです。

頼んないがっきゃろ?

先月下旬から今月あたまにかけて、シャグ煙草をぎょうさん買い求めましてんけど、さすがにほとんど吸いきってしもてからに、紙巻系の在庫が乏しゅうなってきたさかい、このたびこの生き残りキャメルに出馬願ったと。こゆことですわ。

せんだってひと箱めを吸うたときは、このキャメルが、我が国におけるハイライトやショートホープなどの『ラム酒漬けシガレット』のルーツであることがわかり、ひとつかしこうなったわけですけど、今回さらにこの煙草のすごさを思いしらされましたのやで。

先日買い求めた『カズベック・オーバル』な。

あれはあんた、オリエント葉が前面に出てきて、かなりハードな銘柄ですけど、テキを吸うたおかげで、このキャメルにブレンドされとうオリエント葉の味がよう分かるようになりましたのや。

オリエントは、紙巻シガレットに深い味の奥行きを与える必須の葉っぱですわ。これはまちごいおまへん。

それがまざっとうおかげで、我が国のハイライトやショートホープなんぞ、このキャメルには、奥深い味わいちゅう意味において、まったく太刀打ちでけまへんのや。

えらいきついねんけどナ。

けど、煙草ちゅうのは本来、喉にゴォーンときて、べろにビリビリッときて、頭にシュッシューときて、肺の内壁を真っ黒けにしてナンボのもんやろ。それが怖けりゃ吸わなんだらええのや。

しかるに昨今のていたらくはなんどぉ?

煙草の味わいやのうて、メンソールのつおさで勝負してけつかる。

そないにメンソールがよけりゃあ、煙草に混ぜこちゃんちゃこするちゅう回りくどいことやめて、ハッカ結晶レロレロねぶっとけ。

なんか、見当違いの方向へいきよんのとちゃいまっか、我が国の煙草シーンは。え?

しっかりせんかいJT。

こんなこと一介のプログラマーにゆわれて悔しかったらな、そこらじゅうオリエントだらけの超ハード銘柄出してみい。

いや、それよりもまず暗黒煙草ださなあかんわ、暗黒煙草。


やっぱし、なんぞごとがあったおりのためにおいときゃよかったぁー!

と、のっけから騒いどうとこみてもろたら、『コーネルディール・ハバナデイドリーム』が、どないな味やったか、もうお分かりでっしゃろ。

ほなさいなら。

え?

「こら! しゅーっといんでもたらあかんが。ナンボなんでも、もうちょっと詳しゅうレポートしてもらわなどんならん」

あ、さおか。

ひとことでゆやあ、めちゃめちゃ贅沢な味です。

最初は、ラタキアの甘味と酸味がほんのり感じられるだけなんですけどね、中盤にさしかかるおりから、徐々にハバナ葉のスパイシーな攻撃力が顔を出してきてでんな、かといって「ワイがハバナ葉や」と、げしんに主張することもなくでんな、やっと終盤それがガツンとくる中にも微かにラタキアの酸味が見え隠れしてでんな、そらああんた、もうあんた、どないもこないも表現しようのない美味さです。

しかしもちろん、葉巻に弱いしとにはお薦めでけまへん。いや逆に、葉巻に弱いしとでも、これならオッケーちゅうていただけるかもナ。

これはほんま失敗したなあ。

やっぱり、いろいろと精ェだしてでんな、なにがしかの目標を達成してでんな、「自分で自分を褒めてさっしゃげタイ」ちゅうおりまでとっとくべきでしたわ。

喫煙極道としての直感をもっと信用したるべきやったんや。

けど、開けてしもたもんしゃあない。

しんしつが劣化して、不味うならんうちに吸いきってまいますわ。

しばらく『ダンヒル・アーリーモーニング』と、てれこちゃんちゃこで吸うことになるんですけど、ハバナデイテキ吸うたあとやと、あほらして、頼んのうてあんた、コケコッコなんぞ吸うとられんデ。

ただね、あれですわ。

なんぼ美味いちゅたかて、ずっとこればっかりちゅうのもあれです。

たとえば空腹時やみな、ハードすぎるかしれまへん。

ようは葉巻と同じ扱いせんとあかんちゅこっちゃ。

なんぼ葉巻がすっきゃちゅうたかて、いちんちじゅう吸うてられまへんやろ。

あれといっしょですナ。

結局『コーネルディール・ハバナデイドリーム』をえいやっと開缶したげましたのや。

「え? テキは、おまはんの生活にめでたいことが起こったおりまでとっとくのとちごたんかい。もしかしてなんぞめでたいことでも起こったんか?」

なぁんも起こってまへん。

けど、いろいろ考えた挙句、「こりゃ早い目に開缶してしもたほうがええのんと違うか」ちゅう結論に達しましたのや。

とにかくね、「もしかすると、あんまり美味しいことないんやなかろか」という疑心暗鬼に取りつかれたのが大きいんですわ。

『コーネルディール・ハバナデイドリーム』は、ハバナ葉とラタキアのブレンドなんですけど、こんなんあんた、パイプ煙草の本道から遠く離れた外道も外道。ゆやあゲテモンでっしぇあんた。

そうでっしゃろあんた。ちがいまっかあんた。

ハバナ葉は大好きです。

ひーひーゆわんなん攻撃力と、ヴァージニア葉なんぞ裸足で逃げ出す甘みが混然一体となってってな。

けどそれは葉巻としてちょうだいしたおりのことですわ。

細切れにしてパイプで吸うとどうなるかなんぞは、ワタイにとって未知の領域、トワイライトゾーン、アウターリミッツ、謎の円盤UFO、Xファイル、学研ムー、ほんとうにあった怖い話、新耳嚢、渋谷怪談、トリハダ、怪奇大作戦、緊急指令テンフォーテンテン、恐竜探検隊ボーンフリーの世界なんです。

だいたい、ハバナ+ラタキアのブレンドがめっさ美味しいとすればやね、真似しんがうじゃうじゃ出てきてもおかしないやろ。

ヴァージニア葉主体ブレンドなんぞ駆逐して、世はハバナ葉ブレンドで溢れとうはずなんや。

そやのに、いまだにこれひとつよりないんやデ。

こらどう考えても、不味いとまではいかいでも、かなりふざけた味に違いない思うたんです。

というような次第で、えいやっと開けてしもたんですナ。

長いこと辛抱したあげく、たいして美味しいことなかったら、悲しいの通り越して笑うてまうさかいナ。

中身はこんなです。

実装者流-白昼夢中身

ラタキアの正露丸臭はいたしまへん。そのかわり、なんやしらん醤油に漬かりすぎた佃煮みたいなカザがしますわ。

まあこれは、努めてええように表現した場合ですけどね。

『サミュエルガーウィズ・ブラックXX』のカザに近いもんあります。

下町のバイク工場で、一升瓶に入った醤油まちごうてぶっちゃかしてもたっちゅう感じですナ。

あんまし煙草として喫煙欲をそそるカザやおまへんデこれは。

ま、臭いやつほど美味いっちゅうのが煙草でやっさかいね。

え? 味ですか。

そんなん、一回で報告してもてどないしまんの。

またのお愉しみっちゅうことにしといとくんなはれ。

「せちべんしなや。美味かったか不味かったかの二元論でええさかい、結果教えてちょうまげ」

別段せちべんしとうわけちゃいまっせ。

じつは、開けただけでまだ吸うてないさかい、さすがに味の報告はでけんのです。

ま、乞うご期待ちゅやっちゃナ。