結局『コーネルディール・ハバナデイドリーム』をえいやっと開缶したげましたのや。

「え? テキは、おまはんの生活にめでたいことが起こったおりまでとっとくのとちごたんかい。もしかしてなんぞめでたいことでも起こったんか?」

なぁんも起こってまへん。

けど、いろいろ考えた挙句、「こりゃ早い目に開缶してしもたほうがええのんと違うか」ちゅう結論に達しましたのや。

とにかくね、「もしかすると、あんまり美味しいことないんやなかろか」という疑心暗鬼に取りつかれたのが大きいんですわ。

『コーネルディール・ハバナデイドリーム』は、ハバナ葉とラタキアのブレンドなんですけど、こんなんあんた、パイプ煙草の本道から遠く離れた外道も外道。ゆやあゲテモンでっしぇあんた。

そうでっしゃろあんた。ちがいまっかあんた。

ハバナ葉は大好きです。

ひーひーゆわんなん攻撃力と、ヴァージニア葉なんぞ裸足で逃げ出す甘みが混然一体となってってな。

けどそれは葉巻としてちょうだいしたおりのことですわ。

細切れにしてパイプで吸うとどうなるかなんぞは、ワタイにとって未知の領域、トワイライトゾーン、アウターリミッツ、謎の円盤UFO、Xファイル、学研ムー、ほんとうにあった怖い話、新耳嚢、渋谷怪談、トリハダ、怪奇大作戦、緊急指令テンフォーテンテン、恐竜探検隊ボーンフリーの世界なんです。

だいたい、ハバナ+ラタキアのブレンドがめっさ美味しいとすればやね、真似しんがうじゃうじゃ出てきてもおかしないやろ。

ヴァージニア葉主体ブレンドなんぞ駆逐して、世はハバナ葉ブレンドで溢れとうはずなんや。

そやのに、いまだにこれひとつよりないんやデ。

こらどう考えても、不味いとまではいかいでも、かなりふざけた味に違いない思うたんです。

というような次第で、えいやっと開けてしもたんですナ。

長いこと辛抱したあげく、たいして美味しいことなかったら、悲しいの通り越して笑うてまうさかいナ。

中身はこんなです。

実装者流-白昼夢中身

ラタキアの正露丸臭はいたしまへん。そのかわり、なんやしらん醤油に漬かりすぎた佃煮みたいなカザがしますわ。

まあこれは、努めてええように表現した場合ですけどね。

『サミュエルガーウィズ・ブラックXX』のカザに近いもんあります。

下町のバイク工場で、一升瓶に入った醤油まちごうてぶっちゃかしてもたっちゅう感じですナ。

あんまし煙草として喫煙欲をそそるカザやおまへんデこれは。

ま、臭いやつほど美味いっちゅうのが煙草でやっさかいね。

え? 味ですか。

そんなん、一回で報告してもてどないしまんの。

またのお愉しみっちゅうことにしといとくんなはれ。

「せちべんしなや。美味かったか不味かったかの二元論でええさかい、結果教えてちょうまげ」

別段せちべんしとうわけちゃいまっせ。

じつは、開けただけでまだ吸うてないさかい、さすがに味の報告はでけんのです。

ま、乞うご期待ちゅやっちゃナ。